日記
FMチューナーを修理した
2010年03月14日

これは大阪の自宅にあるFM/AMチューナー、SONYのST-SA5ESだ。
1994年11月に発売された当時、日本のデジタルシンセサイザーチューナーの最高峰といわれた機種で、当時の定価が55000円。
ブログの方もご覧ください。
チューナー各回路ブロック間の配線を極力短くし、電源部から各ブロックへの電源供給経路も最短距離で結ぶラジアルパワーサプライを採用し、受信する電波による高周波の影響を抑える工夫がなされている他、ヒートシンクにフッ素加工を施してヒートシンク自身の製振化も図られているなど、当時のSONYオーディオ技術が存分に投入されている。
1990年代に入って各地でFM放送の他局化が進んだこともあり、マニュアル選局に加え、ランダムに40局までの記憶が可能なプリセットメモリー機能を搭載するなど、Carオーディオからフィードバックされたよな便利機能も盛り込まれている。
高音質化への取り組みでは、チューナーで選局を終えるとマイコン動作を停止させるピュアサーキットを搭載しており、マイコンによるノイズの影響を低減した結果、S/N比が92dBと優れており、FM放送局の送り出しの質にもよるが、CD並みの高音質が楽しめる優れたチューナーである。
小生宅では、ケーブルTV配信網に乗せられているFM放送波を分波器でFMチューナーに取り込んで十分な受信強度を確保できるので、CD再生の放送だと音質は本当に良い。
そういうことで、我が家では今でも毎日朝からFM放送を聴いていて、放送される楽曲の中から気に入ったものがあると、CD購入リストに載せるということをやっている。
今はネットに配信される番組表で何を放送したかを調べることができるので重宝している。
また、海外や日本のクラシック演奏会のライブ録音も、CDではなかなか味わえない臨場感と迫力があり、いつも聴くのが楽しみになっている。

前置きが長くなったが、長年小生宅で働き続けていたこのFMチューナーだが、先日突然電源を入れても音が出なくなったと、大阪の奥からSOSの電話が。
早速保証書に記載されていたSONYサービスステーションに電話をかけて症状を伝えたところ、最悪、チューナー部の損傷があると部品がないため修理できないとのこと。
さて困った(~_~;)
既に13年もの間働いてくれた機器であるが、最悪のことを想定して今手に入る新品のFMチューナを調べてみたところ・・・・・・・ほとんど気に入る水準の機器がないではないか。
FM放送をエアチェックする時代は既に過去のものとなり、リスナーの大半が車の中で運転しながら聴いているという現状では、ホームオーディオ用の優れたFMチューナーが売れるはずもなく、ミニコンポ内臓レベルの製品しか無くなっている。
更に調べてみれば、小生宅と同じ機種が中古市場でも結構な高値で取引されているではないか。
これは、何としてでも、他の部品を使ってでも直さなければ、ということでSONYサービスステーションの技術者に出張修理に来ていただくことにした。
来てくれたのはSONYの技術部門を定年退職後、再雇用された筋金入りの技術者だった。
早速機器を取り出しボンネットを開けて故障箇所を探すと、回路基板に取り付けられた抵抗やコンデンサー類のハンダ部分が長年の使用の間に腐食した箇所が沢山見つかり、そのうちの何箇所かが接触不良を起こしているとのこと。
幸いにも心臓部であるチューナー部は問題ないとのことで、その技術者は3時間近くかけて丁寧に全てのハンダ箇所をチェックして怪しそうなところのハンダ付けをやり直してくれた。
さて再びオーディオシステムに組み込まれてFM放送を流したところ、今まで聴いていた音よりも格段にクリアでダイナミックレンジの広い鮮度の高い音楽が流れ出してきた。
これには奥がびっくりするやら感動するやらして、早速奥がコーヒーを淹れて技術者の方に飲んでいただき、細かな作業の労をねぎらったとのこと。
当の技術者の方も音楽やオーディオが好きらしく、満足げな面持ちで音楽を聴いてくれたらしい。
これは、平日の昼、奥が応対した時の内容であるが、できれば小生もその場に立会いたかった。
レス一覧
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そのような方がみえるのですね。
技術を売りにしているSONYらしいです。
何にしてもチューナーが直って何よりでした。
by吉田兼好 at2010-03-14 21:55
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吉田兼好さん、コメントありがとうございます。
この話は実は2月終わり頃の話なんですが、この話にはオチがありまして、実は部品の交換は一切なしなんですが、出張修理代金込みで技術料のみの支払い代金が3万円弱かかりました。
当時4万円台で買った機器の修理代としては破格の代金ですが、新品に良い機器がないから仕方がないですよね(笑)
by椀方 at2010-03-14 22:14
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修理が出来てラッキーでしたね。
部品がなければ 新品購入ですが
それも難しいとなると ガッカリします。
それにしても3時間もかけての修理
技術者の方も 流石ですね。
これでしばらくは使えそうです。
とにかく 良かったです。
byモモンガ at2010-03-14 22:16
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モモンガさん、こんばんは。
>部品がなければ 新品購入ですが
いやいや、今発売されているものよりも10数年前、FM全盛時代に製造された機器を捜し求めて買うでしょうね(^^ゞ
今思えばハンダ何を使っていたか、興味があります(笑)
by椀方 at2010-03-14 22:20
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クロ大好きさん、いつもコメントありがとうございます。
FM放送いいですよ~(^^♪
最近ハマっているポルトガルのファドもNHK-FMの朝の番組で流れていたのを聴いたのがきっかけですから。
今は難視聴対策でケーブルテレビ回線にFM電波が乗せられているので、アンテナ立てなくても分波器経由で地上波だけを75Ωアンテナ端子に入れればクリアな放送が聴けます。
周波数は変更されていますが、ケーブルテレビ局に問い合わせすれば周波数と局の名前を教えてくれますよ。
FM復権といきましょー\(^o^)/
by椀方 at2010-03-14 22:28
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椀方さん、こんにちは。
FMいいですね!・・・単身赴任中に使ってた、前のAVアンプ(Marantz SR9600)が、レシーバー内蔵で、時々懐かしさに浸ったり、エージングに使ってました(^^;
大阪は、電波障害でケーブルが来てますので、寝室はこのアンプにテレビとアンテナを分配して繋いでいます・・・時々、かみさんが聞いてるようです(^^;
byMt.T2 at2010-03-15 10:35
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FMチューナーと聞くと、昔流行った「エアチェック」なる言葉を思い出します。
椀方さんの使い方はその延長ですかね。更なる使い方(使え方)の進歩が図れれば、復権の可能性もありそうですね。
ユーザー側からもどしどし要望(提案)しちゃいましょうね♪
byヒジヤン at2010-03-15 11:32
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修理が出来て良かったですね。
金額はかかりましたが、今後長く使えそうですね。
このような筋金入りの技術者は少なくなっているんでしょうが、このあいだうちのBDP-LX91の修理に来たパイオニアの技術者も年季の入った技術者でした。昔LD-X1を使っていたときに修理に来てくれた技術者で、もう十数年前ですが、しっかり私のことを覚えていてくれて、好感が持てました。
byMac_cel at2010-03-15 15:08
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ヤマテツさん、こんばんは。
昔はトンボアンテナをマンションの窓枠外に立てたりした時期もありましたが、今の部屋は上層階でないためトンボアンテナでも電波強度が弱くて困ってました。
ケーブルTV回線が導入されたときFM波も乗せられていることを発見した時は、本当に嬉しかったですね。
by椀方 at2010-03-15 21:42
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ヒジヤンさん、こんばんは。
「エアチェック」は当時のFMファンとかFMレコパルなどの番組表から録音する音源を探して録音していました。
学生時代はカセットデッキでしたが、もう少し上の世代では38・2トラのオープンリールデッキでした。
当時はクラシックライブ録音の放送が主でした。
バイロイト音楽祭の演奏会やオペラなど感動ものでしたね。
by椀方 at2010-03-15 21:50
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Mac_celさん、こんばんは。
奥が興奮して電話がきたのでどうしたのかと思ったら、ハンダ付けやり直しただけで、音が変ったこと、技術者の方との会話のことなど、素人にもわかりやすく故障の原因を解説してくれたそうです。
パイオニアも技術者を大事にする風土があるんでしょうか。
今、団塊の世代の退職でこのように、身に付いた技術を持つ技術者さんが急速に居なくなったら困りますよね。
by椀方 at2010-03-15 21:56
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初めまして、椀方さん。
Hアトムといいます。
FMチューナーの修理、無事に終えて何よりでした。
流石にアフターが行き届いているソニーさんですね。
長年使い込んでいるものには愛着があり、手放すのは惜しいですよね。
私も今、住んでいるところへ転勤して来る前、約25年間使用しているFMチューナーを修理(オバーホールも兼ねて)して貰いました。
(やはり片方のチャンネルの音が突然、出なくなりまして。)
修理後は、FM放送の音が耳を疑う程良く聞こえるようになり、大変満足していたのですが・・・。
何と!今、住んでいるところでは、FM(AMも)放送が酷い雑音で聴くに堪えないのです!
(ラジオが聴けないなんて、災害の時どうしたら?
でも、この地方は今まで災害らしいものは殆ど無いと地元の人が言っていましたので、安心していますが。)
屋外にアンテナを設置しようと考えて地元の電気屋さんに相談したところ、「普通より感度の良いアンテナと増幅装置も必要」とのこと。
その旨を我が家の財務省に・・・・、結果は一刀両断の元に「何が何でもFMラジオを聴かないと駄目なの?テレビだけじゃ駄目なの?」と仕分けされてしまいました。
(やはり、女には男のロマンが理解出来ないのか。)
従って現在は、修理を終えて元気ハツラツであるはずの我が家のFMチューナーはオーディオラックに収まっているのですが、暫しの間仮眠しています。
次の転勤先では、何としても活躍して貰うつもりですが、何時のことになるやら・・・。
因みに今回の異動はありませんでした。
皆さんのレスの中で、”エアチェック、FMレコパル、FMファン”などのことが話題に出てきて非常に懐かしくなり、思わずレスを書いた次第です。
また話が長くなってきましたので、この辺で終わりにします。
今後とも宜しくお願いします。
以上です。
byHアトム at2010-03-16 01:50
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Hアトムさん、こんばんは。
サービスステーションを各地に持っているのはどの家電メーカーでも同じでしょうが、小生の数少ない経験でも対応は随分違いますね。
総じてプロ用機器も製造販売しているメーカーのサービス対応は良く、コンシュマーオンリーのメーカーは総じて対応が遅いです。
Hアトムさんは北海道にお住まいなんですね。
FM/AMの電波状態が悪いそうですが、テレビの地上波はどうやって受信されていますか?
折角のFMチューナーが可愛そうですね。
大抵の放送局はテレビもラジオも同じ電波塔から発信されているので、テレビ受信の強度があるのなら、分波器で分ければ何とか聴けるレベルで受信できるはずですが・・・・
by椀方 at2010-03-16 21:48
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こんばんは、椀方さん。
Hアトムです。
ご質問の件なのですが、テレビのアナログ地上波も実は芳しくありません。
(家電量販店で一般に市販されている増幅器では全く対応出来ず、電気工事業者にお願いして業務用?らしい増幅器を屋外に取り付けて貰っています。)
テレビ番組を留守録して見る分には何とか我慢出来るのですが、保存しておく気にはとてもなれない画質の状態です。
ですから、去年の初冬にやっと地デジ放送が開始された時には、テレビ画面に映し出された映像を見て、妻共々その画質の鮮明さに思わず見取れてしまったのを今でも覚えています。
更に言わせて貰えば、光通信のエリア外(これから先もエリア内になる予定は全く無いとのNTTからの回答です)でもあり、テレビでフレッツ光の加入促進のコマーシャルを見る度に、思わずテレビに向かって「そんなに一生懸命、加入を勧める前に、別にやることがあるだろう、何とかエリア外を無くせよ!」と毒付いている始末です。
あっ、済みません。
本題から話が逸れて、グチになっていますね。
でも、北海道内各地を渡り歩くことで、そこの土地の良い面も悪い面も味わうことが出来て結構、楽しんでいるこの頃です。
(欲を言えば、転勤先を自分で決められれば最高なのですが・・・。)
椀方さんも単身赴任中で、週末にしか自宅へ戻ることが出来ない生活をしているとは、なかなか大変ですね。
それでもマイホームがあって、羨ましいです。
近頃では、妻もマイホームを欲しがり出し、マイホームを手に入れた暁には、私に単身赴任をと。
民主党のマイホームエコ減税の影響が、こんなところまで来るとは・・・。
また話が長くなり出しましたので、この辺にします。
ではまた。
以上です。
byHアトム at2010-03-17 00:11
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Hアトムさん、転勤族なんですね。
地上アナログ波も駄目だった地域って・・・・・北海道は広いんですね。
単身赴任は大変です(~_~)キッパリ!
出来ればしないに越したことはないです(~_~)キッパリ!!
平日自宅のシステムで音楽が聴けないのが辛いです(~_~)キッパリ!!!
by椀方 at2010-03-17 06:02