ベルウッド
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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

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メインシステム
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ…
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日記

2014年最初の訪問オフ会(和室のユニコーン邸訪問記)

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2014年01月06日

新年早々、和室のユニコーンさん(Gさん)をお訪ねしました。

昨年末最後はTさん、新年初がGさん、ともにジャーマン・フィジクスのユニコーン遣い。かたや「和室」で、かたや「洋室」というのも縁のなせるところですが、実は1年前の年末年始も同じパターンでした。

Gさんは、昨年11月の世界トップ3オケが襲ったミューザ川崎、怒濤の3日間を制覇され、そのナマ音の低音に感動し、低音強化に目ざめたとか。ユニコーンのをドライブするパワーアンプを大パワーのものに換えたところ、その成果が著しいとのことで何度かお誘いを受けたり、こちらもおねだりしたりのくり返し。ところが互いの都合がすれ違い。満を持しての新年の訪問となった次第。

まずはいきなり乾杯。イタリア・ワインらしからぬちょっと新しいタイプで辛口でボディがしっかりとした黄金色のシャルドネで、バター味やロースト香などを感じる熟成の生一本。好きなタイプです。



さっそくかまされた感がありますが、ソースも秘蔵のライブ放送音源もので『限りなくオリジナルに近い』というDAT音源。これをPCにリッピングしてDDC経由でEMMのDACからトランス入力の一段真空管プリ、A級動作のパワー真空管アンプ、ユニコーンとなります。パワー管は、これまた秘蔵のビンテージ管TESLA社(旧チェコスロヴァキア)のEL34に差し替えられたという。こういうものがさりげなく登場するところがいかにもGさんらしい。

94年のアバド/ベルリン・フィルの来日公演。サントリーホールとは思えない見事なバランスと美音。これまたいきなり肝を抜かれてしまいました。

低音の迫力はもちろんのこと、中低域の基音がしっかりとしていて音楽や音色の彩が見事なうえに、倍音域が繊細でホールの響きが鮮やか。反射音や残響、楽器のボディや管楽器のベルの響きや息づかいなど、ぐっと鮮やかな空気感が漂う臨場感は絶品でした。低音のボリュームを求めると、しばしば大味になってしまいますが、こういう繊細でリアルなニュアンスと両立することは、私にとってはほとんど未体験の世界です。

95年来日のブーレーズ/ロンドン響の「春の祭典」。ブラインドで指揮者を当てさせるという殿のご酔狂の試練に立たされましたが、どうにか正答。ただしオケがロンドン響ということもあってか、私が聴いたシカゴ響のナマ音の記憶や、CDで聴くクリーブランド管よりも濃いめでウェットな音色です。

ここから、怒濤の「春の祭典」聴き較べ。

まずは、ゲルギエフ/キーロフ管。

フィリップスの優秀録音・名演として、特にオーディオファイルには人気のCDですが、どれほどのひとがこれを鳴らしきっているでしょうか。

注目は、低音再生。

特にティンパニーとグランカッサを中心とした低音打楽器。どの演奏でもそうですが、最初のオーディオのチェックポイントは「乙女達の踊り」の中間にある「ダダダ・ドォーン」の一撃(練習番号22の直前、ゲルギエフ盤では2トラック 1:17)。

ここは、三連符(ダダダ)はティンパニーのみ、最後の「ドォーン」はグランカッサのみ、と打ち分けられている。ティンパニーとグランカッサの区別ができるかどうかがポイントのひとつ。

もうひとつのポイントは「ドォーン」のグランカッサの一撃のほうですが、実は、この低音にはバスチューバが重ねられている。このチューバが、B&W802などの大ウーファーは共振してかえって音が膨らんで非現実的な低音が出る。これを「迫力」と錯覚して喜んでいる爆音マニアが少なくない。

いずれにせよ、ストラヴィンスキーはほとんどティンパニーとグランカッサを重ねず、ピッコロ・ティンパニーと通常のティンパニー、グランカッサと2人ないし3人の奏者がそれぞれに叩き分ける。グランカッサとティンパニーが重なるのは「誘拐」(3トラック)の冒頭など数は限られている。この打撃音それぞれの音色の区別がつくのかどうかということが低音のチェックポイントになります。

ちなみに、ゲルギエフ盤の「ダダダ・ドォーン」の部分は録音のせいで音場が歪みます。G氏邸で聴いたときは「さすがにアンプがクリップしたか」と思ったのですが、わが家で確認したらやっぱり同じように音空間がひしゃげました。私のディスクは「PHILIPS」のロゴが「DECCA」に変わった国内再販のベスト盤ですが、同じ音がしました。爆音自慢のかたはぜひ確認してみてください。


比較盤は、ラトル/ベルリン・フィル。

ベルリン・フィルはいうまでもなく優れたオーケストラですが、いまや名人ばかりのオールスター・チームみたいなところがあって、ゲルギエフのような「ドラマ」も、ブーレーズのような「絢爛たるリズムの舞踏」でもない。並み居るソロが絢爛豪華に競演する「管弦楽のための協奏曲」。さながら、TVのバラエティ音楽番組でスターたちが張り切ってカメラのアップを争うかのよう。ラトルの指揮は、「1カメ、オーボエ!」「2カメ、トランペット、引いてからパンしてトロンボーンへ」というようにカメラ台本を書いてモニター室で指示を出すプロデューサー。それが音楽的かどうかは別問題。そういう指揮に徹していることがよくわかります。


もうひとつは、ヤンソンス/コンセルトヘボウ(RCO)。

「RCO LIVE」シリーズのライブ盤SACDだが、これが指揮者、オケともに世界最高クラスだということをまざまざと見せつける名録音。「春の祭典」は、音階の周波数レンジが広いことではベストスリーに入る曲ですが、けばけばしくならず、実にナチュラルにとらえた見事な録音。コンセルトヘボウの長い残響にもかかわらず解像度が高く、ダイナミックな音響のなかに音楽のミクロ的な意匠も克明に浮き上がらせて、集中度の高い音楽を堪能させてくれます。


陶酔のままに、白ワインはたちまち1本空いてしまう。二本目は、これまたルビー色の強く美しいバルバレスコ。ピアニストに例えればポリーニです。

この後は、アバドの「真夏の夜の夢」などの管弦楽もの以外にも、ピレシュのモーツァルト(K330のソナタ/紀尾井ホールのライブ録音)、ギレリスの「ワルトシュタイン」などピアノも聴きました。

パワーアンプ交換による中低域の充実は、ギレリスの強靱なピアノによく現れて左手の強靱さとともに左手と右手との対比なども鮮やか。しかし、私の羨望の思いはやはり大オーケストラの表現力でした。

またPCへリッピングしたソースで、音源をあれこれ切り替えながら「皇帝」でピアノの比較をしたり、ワルターなどを聴きました。古い音源とすぐにわかるものもありましたが、ちょっと聴いただけでは60年前後の録音とは信じられないようなものもあってびっくりしてしまいます。ワルターは市販の4トラテープなどではなく、これまた「限りなくマスターに近い」音源というのですから驚き。ちょっと棲む世界が違うのかもしれませんね。

GさんのPCオーディオは、実にシンプル。PCやネットは、その便利さを活かせばよいのであって、音質はこれだけ聴ければ十分と仰る。DDCはUSB給電だし、PCも一般的なACアダプターでケーブルも平凡。聴いていて多少思うところはあるけれど、それでもすでに図抜けたレベルの音がしているので二の句がつげない。

この後は、別室で4トラテープでハートレーを聴かせていただく。あっという間のオーディオ大旅行で、気がついたら8時間近く経ってしまっていました。もう頭は、お酒と音響で目が回ってぐるぐる状態。一瞬で世界一周でもしてしまったような気分でした。

和室のユニコーンさん、ごちそうさん!

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  1. ベルウッドさん 今回も、最初からぐいぐい行っていたので、最後の方の記憶が私もありません。翌朝、散らかった部屋を見て、こんな事もやっていたのか!と驚いてます。

    次回は、今少し、しらふでいて、厳しいご批評を賜りたいです。また、お越し下さい。

    byGRF at2014-01-08 19:39

  2. ベルウッドさん、遅れましたがこんばんは&明けましておめでとうございます。
    仕事の関係でレスが遅れてしまいました f^^;)

    >春の祭典
    ラトル/ベルリンはその演奏の凄さもそうですが、指揮者・演奏家の曲に対する受容のあり方に衝撃を受けました。
    もちろん、私の聴いた範囲での話にはなりますが、この曲を演奏するにあたって指揮者もオケもどのような観点から受容するのか、必ず何かの切り口があるように感じていました。
    モントゥーによる初演以降、曲中の変拍子に関する精緻な論文まで書くことになったブーレーズ、モダニズムの権化でスマートかつ流麗なサロネンにいたるまで、まずは自らの立ち位置を確定させた上でこの曲にあたっているような印象を受けていました。
    ところが、ラトル/ベルリンにはそういった印象がありません。
    まるで、それこそ古典派・ロマン派の曲と変わらない意識でルーチンな演奏を繰り広げているように聴こえました。
    名演であるかどうかは別にして、初演100年にしてついにクラシック(古典)と呼ばれるに相応しい演奏が現れたような気がします。

    そういう点でベルウッドさんの「TVのバラエティ」という発言には同意する次第です。


    …実はゲルギエフは初期の頃の「あざとさ」が鼻についてどうも苦手です(笑)
    「春祭」を含めて持っていないので良い演奏かどうかは分からないのですが。

    ヤンソンスは聴いてみたいですね。
    早いうちに入手することにします。

    byfuku at2014-01-08 23:00

  3. >実はゲルギエフは初期の頃の「あざとさ」が鼻についてどうも苦手です

    fukuさん 実は私もそうでした。今回、低音を改善したところ、それが聞けるようになり、驚いています。こんなことを言うと、誤解されますが、実演で聴いた大太鼓が出て来ているので、演奏がまったく違って聞こえるのです。

    ラトルの演奏を聴いて、古典になったのだと、そして、初演の時のモントーの演奏はどうだったのかと、同じ様な感想を持ちました。

    ヤンソンスは、演奏、音とも一番お薦めです。コンセルトヘボウとヤンソンスの到達しているレベルがわかります。

    byGRF at2014-01-08 23:41

  4. fukuさん

    ゲルギエフですが、かなりのひとがCDの再生音から「あざとい」といった印象をお持ちのようです。確かにドラマチックで、表現主義的、擬音・擬態的表現を強調する傾向がありますが、計算された緻密で色彩感に富んだ音造りで、けっして「あざとい」音楽ではないと思います。

    マリンスキー劇場管では「胡桃割り人形」、それからLSOとのマーラーなどを聴いていただくとそのことがよくわかっていただけると思います。ウィーン・フィルとのCDは、最初のザルツブルグでの出会い頭のライブを除けば、オケがひどくて聴くに耐えません。おそらくこの一連のCDのせいで抵抗感を持たれてしまったのではないでしょうか。

    さて、この「ハルサイ」ですが、これは再生側が大きく影響するようです。今回、和室のユニコーンさんに聴かされて、その緻密で正統的な音響にびっくりしました。自宅で聴き直してみましたが、実はT4に換えてから初めて。すっかり印象が違ってしまいました。

    「春のきざし」のあの弦楽器群のリズムの刻みも、以前は荒々しく聞こえたのですが、ユニコーンやT4で聴くと実にインテンポでリズムのアクセントが精確。

    この辺がオーディオの面白さですね。

    byベルウッド at2014-01-09 11:08

  5. 和室のユニコーンさん

    先日はありがとうございました。

    ものの本によると、初演時の演奏は相当にレベルが低かったそうです。そもそもバレリーナたちもリズムが理解できず、リハーサルは混乱を極めたそうです。新しい音楽への抵抗勢力によって冒頭から妨害されたというのは、いささか誇張があって、演奏そのものの混乱に対してブーイングがあったのではないかと、いま私は想像しています。

    カラヤンの評伝を読むと、彼が初めて演奏したとき、リハーサルではベルリン・フィルが再三「落ちた」そうです。演奏会にはぎりぎり間に合ったというのが真相だそうです。

    私が高校生だったころ、仲間内ではこの曲のスコアを持ち歩くことがステータス(=背伸び)で、要するに最先端の正統音楽だったわけです。あの頃(60年代末~70年代初め)は、在京オケや来日オケが競ってこの曲を採りあげていましたが、やはり、同じようなステータス感だったのではないでしょうか。岩城宏之がメルボルン響で何小節か飛ばして振ってしまい中断してしまったという「事故」を起こしたのもこの頃でした。

    それが、いまやアマチュア・オケがばりばり演奏する。時代の変遷というのは恐ろしいものですね。

    byベルウッド at2014-01-09 11:22

  6. ベルウッドさん、再びこんばんは。

    >ウィーン・フィルとの…
    当たりです。
    シェエラザードだったと記憶しておりますが、旋律線がタメを作ろうとしているのにバックは何事もなかったようにインテンポで平板だったりとか、楽器ごとのアーティキュレーションが無茶苦茶だったりとか、「受けりゃあ良いんだよ!」的に感じてしまいました。
    その後、キーロフとのショスタコーヴィチではそこまで感じませんでしたから、時間が無かったのか、オケ側にやる気が無かったのかだったのでしょうか?

    実を言うと「春の祭典」はマリインスキーでのニジンスキー版を再現したブルーレイを持っています。
    「火の鳥」も入っていますが、比較するまでもなく「春の祭典」が当時の聴衆の度肝を抜くような演目であったことが分かりますね。
    バレエリュスの同年における演目を見てそう感じました。
    LSOライブのチャイコフスキー初期交響曲集も買っていたりします。

    …まだ聴けてませんけれど(笑)

    byfuku at2014-01-09 20:45

  7. fukuさん

    「シェエラザード」でしたら、ウィーン・フィルではなくマリインスキーですね。

    あのCDもなかなかうまく鳴らせないんです。ヴァイオリンのソロはツボにはまると官能的に鳴ってくれるんですが、冒頭のトロンボーンの斉奏がものすごくどぎつくなってしまいバランスが取れません。

    また、エージングとチューニングが進んだので、もう一度試してみようかなぁ。

    byベルウッド at2014-01-10 10:29

  8. >ウィーン・フィル

    あまりに聴いてから間が空いたせいで記憶違いでしたね(汗)
    シェエラザードは紆余曲折の末、定番のコンドラシン/コンセルトヘボウを愛聴しております。

    ゲルギエフについても、現在の装置で聴くと印象が変わるかもしれませんから、ディスク棚を捜索してみましょうか。

    byfuku at2014-01-10 20:19

  9. ベルウッドさん あれから音楽どころではなくなっていたので、今日ようやく、聴いてみました。そして、とても寒くなったので、また例の増締めをして、明日に備えています。この音は、やはり実際に聴かれないと、どの程度の話をしているかは、なかなかわかって貰えないと思いました。

    byGRF at2014-01-11 15:26

  10. fukuさん

    コンドラシン/コンセルトヘボウは名盤ですね。同じフィリップスですがこのアナログ名録音とゲルギエフはまるで違います。ぜひ聴いてみてください。

    byベルウッド at2014-01-11 15:53

  11. 和室のユニコーンさん

    明日はまたよろしくお願いいたします。MKさんとご一緒となるとまた趣向も違ってきますね。

    byベルウッド at2014-01-11 16:01

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