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日記

小山実稚恵「バッハへの想い」 フィリアホール

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2014年01月27日



久々に横浜・青葉台まで遠征です。

小山実稚恵というピアニストは、チャイコフスキー・コンクールやショパン・コンクールでともに上位入賞を果たし、ソニーの専属としてかなりの枚数のCDをリリースしている人気のピアニスト。それにしては私にとってのイメージが定まらず、実際に聴いたこともなかったという想いがあったので出かけてみることにしたのです。

また、今回は直前になってチケットを買ったために2階席バルコニーの鑑賞です。もともとここは響きの豊かなホールとして評判ですが、2階席ではどうかということにも興味がありました。



結果は、どうも2階席では響きが飽和してしまいがち。しかも右手の席では響板が被ってしまい間接音が多め。同じバルコニーにしても、せめて、響板が被らず、ピアニストの鍵盤が見える左側の席にすればよかったと思いました。このホールは1階席で聴くのがよいようです。


さて、肝心のコンサートですが…  正直いってがっかりしました。

まず驚いたのは、萩谷由喜子という音楽評論家のかたが和服姿でステージに登場し、15分も長口舌をふるったこと。内容はプログラム・ノーツをなぞったものに過ぎません。そもそもこの日は、昼間にこの評論家氏と演奏者のプレトークがありましたし、ホールのHPにも同じようにこのひとによる演奏者インタビューが掲載されています。重ねてステージにまで現れる必要があるのでしょうか。

そのトークやプログラムでくり返された「想い」によると、『ゴルトベルク変奏曲』は「再会」の音楽だそうです。同じ変奏曲形式の『シャコンヌ』もやはり冒頭のテーマが戻ってくるので「再会」がテーマになっているというのです。私は崇高なバッハの不朽の大作を「再会」という日常的なメロドラマになぞらえることにはあまり共感しませんが、それはそれで「文学的」理解としてはあるかもしれません。しかし、ブゾーニ編「シャコンヌ」が「再会」の音楽というのにはあまり釈然としません。

とはいえ、その「シャコンヌ」はなかなかの演奏でした。とても感情が高まるロマンチックな演奏であり、ピアノの壮大な厚みや技巧が活きる好演でした。けれども、最後のドラマチックな重音による終結は、やっぱり、「再会」とは思えませんでした。

メインの「ゴルトベルク」ですが…  とても粗雑な演奏。

ミスタッチが目立ちました。それは、ほんの何カ所という程度ではなくて、すべての曲に必ず一回はミスがあるというほどにくり返され、特に第14変奏では、もう演奏が止まるのではないかと思ったほど。第23変奏もひやっとするところがありました。

「ばりばり弾けるひと」というイメージがこうしたミスタッチによって壊されたうえに、そのバッハ演奏も何が言いたいのかよくわかりません。

この曲は2段鍵盤のチェンバロのためにと明確に指定されて作曲されたもので、2段で弾きわけるところはそのような指示が明記されています。そういう二重奏や、フゲッタやカノンといった多声部による対位法技法が華麗に駆使されています。対位法音楽をピアノで演奏することの深遠さは、何も二十世紀のG.グールドを引き合いに出すまでもなく、ベートーヴェンが後期のソナタで取り上げたあの壮絶なフーガによって私たちはよく知っています。

小山の演奏にはピアノでの弾きにくさ、難しさは感じても、そういう技巧追求の凄みが皆無なのです。例えば第25変奏は、2段鍵盤で演奏されることが指示されていて、左手のリュート風の伴奏の上に、右手でイタリア風の至極のカンティナーレが歌われるのですが、そういう音色やノンレガートとレガートの対比もなく、ごくごく平板なものでした。また、全体を通して反復の取り扱いもAABBと忠実に反復することで通すのかと思いきや、6曲ほどは無雑作にA-B-だけで無反復でした。

ロマン派、特にラフマニノフやスクリャービンなどいかにもピアニズムが活かされた譜面は上手にこなしても、音楽そのものの深みを追求するというピアニストではないのかもしれません。ブゾーニによるトランザクションとバッハ自作の鍵盤曲との間にそういう落差を感じてしまいました。

「ゴルトベルク」を取り上げるのは何も今回が初めてではないようです。それにしては…と感じるほど仕上げが粗い。そういう印象が尾を引いてしまう残念な演奏会でした。





土曜ソワレシリーズ《女神(ミューズ)との出逢い》 第238回
小山実稚恵「作曲家への想い」シリーズ:「バッハへの想い」

2014年1月25日(土)17:00
横浜市青葉区民文化センター フィリアホール


小山実稚恵(ピアノ独奏)

J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ ニ短調
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲

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レス一覧

  1. ベルウッドさん 

    わざわざ、青葉台まで行かれるので、てっきり、堀米ゆず子、清水直子、萩原麻未のモーツァルトに行かれたのばっかり思っていました。考えてみるとそれは先週で、あたまがだいぶぼけています。

    小山実稚恵さんはよく杉並でもやっていたのですが、重いショパンにガッカリして行っていません。軽井沢で録った有名なCDも、人が言うほど感心しませんでした。

    寒い中、遠い青葉台まで出かけたのに、これでは、ガッカリですね。

    byGRF at2014-01-27 23:07

  2. 和室のユニコーンさん

    「ヴォカリーズ」のことでしょうか。買わなくてよかったです。

    byベルウッド at2014-01-28 00:46

  3. こんにちは。

    ブゾーニ編のシャコンヌが「再会」ですか。確かにシックリときません。ゴージャスと評した私も内面を観てないと反省ですが(笑)。ゴルトベルク変奏曲でミスタッチが目立ったものの、シャコンヌは好演だったのは救い?ですね。
    ちなみに、小山さんのラフマニノフのピアノソナタ2番を持っていましたが、聴く機会を失い、手放してしまいました…

    先日は、久々に休暇がとれたので、庄司のチャイコンに当日入りしました。
    繊細かつ大胆な演奏に度肝を抜かれました。

    byRICHEBOURG at2014-01-28 12:17

  4. RICHEBOURGさん

    いやいや、ゴージャスだと私も思いますよ。あのグリモーのバッハはとても色彩的だと感じます。平均律は幕開けの赤いカーテンのようですし、コンチェルトはカナディアンロッキー山中の碧色の湖面のようです。アルバム中心のシャコンヌは金色に輝く仏塔のようです。グリモーのバッハは好きですね。

    byベルウッド at2014-01-28 16:11

  5. チェンバロ曲をピアノで弾く際は、奥の鍵盤指定をどう解釈していくかが演奏家の意思が現れるところのひとつ。
    そういった意味で、ここは小山さん自身が演奏曲に込めた思いをトークされたら、また違った印象になったでしょうに、残念でしたね。

    by椀方 at2014-01-29 08:15

  6. 椀方さん

    トークコンサートというのもありますね。水戸芸での児玉桃さんのコンサートシリーズは、ご本人のトークによってその思いが聴く方にも伝わり演奏ばかりでなく曲そのものの面白さも倍加して楽しかったです。

    byベルウッド at2014-01-29 10:23

  7. 小山さんは、3月の兵庫文化センターでブラームスのピアコン1番を聴くのですが、良いコンディションを期待したいですね。

    by椀方 at2014-02-02 10:53

  8. 椀方さん

    ブラームスですか!?

    たぶんミスタッチが多いのは同じだと思いますが、そのことで音楽の流れが作れなくなるようなことはないでしょうね。コンチェルトは指揮者やオケ次第です。

    byベルウッド at2014-02-03 13:46

  9. 下野さん指揮の、シューマン&ブラームス4回シリーズの第一回目です。
    オケはPACなので安いチケットです(笑)

    by椀方 at2014-02-04 14:12

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