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日記

LPよりSPのほうが音がよい!?

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2015年04月01日

アムトランス試聴会-新忠篤氏新作300Bシングル・アンプで聞くアナログレコード



久しぶりにアムトランスの新忠篤氏ミニコンサートに足を運びました。

今回は、新氏新作の300Bシングル・アンプ。エミッション・ラボ製の真空管を使用した単段アンプ。いつものようにウェスタンの古典球アンプに独自の工夫を凝らしたアンプです。



その音味は、いわゆる300Bのちょっと取り澄ましたような上品さとは違っていて、正統のたたずまいを保ちつつも活きの良い溌剌としたもの。というのも、もとになっている回路は300B以前のものだからだそうです。昨年末から取り組まれていたそうですが、最初はなかなか音にならなかったとか。特にオリジナル回路そのままに半波整流としたところがリップル漏れによるハムがひどくて話しにならない。コンデンサを増強して改善したけれど満足がいかない。全波整流として解決できたとのこと。オリジナルはその時代のデバイスの技術的限界があったわけですが、技術進歩の恩恵が受けられる現代であれば何もそれにこだわることはない。新氏は以前は半波整流の音の優位性を説いていただけに、「君子豹変す」と自嘲しておられました。制作の過程で、無理矢理300Bを整流管に流用していて突入電流で「昇天」させてしまったとか。自省をこめて苦笑しながらそんなエピソードも紹介されていました。

また、ウェスタン結合の自己バイアスではなく固定バイアスとしたのも、音の鮮度を上げる工夫のひとつだったとか。この点についても、オリジナル回路を活かしつつも、音を聴きながら実験を重ねて、ご自分の目指すサウンドを実現できるよう工夫されている。トランス結合によるインピーダンス整合など直前まで改良を重ね、現型となったのは前日のことだそうです。





ラインナップは、すべて新氏自作のアンプで、フォノEQからマッチングトランスを経由しラインアンプにつなぎ、そこから今回新作の300Bシングルで音出しする。スピーカーはいつものようにアムトランス試聴室のGIPのウェスタンレプリカ3way。ラインアンプというのは、無くてもよさそうですが、やはりこれでないとうまく最終段をドライブできないそうです。

LPレコードは、アムトランス所蔵のものからその場で新氏が選んだもの。氏がかつて奉職したフィリップス・レーベルのものを制作当時のエピソードなどを交えながら次々と聴かせてくれます。

面白かったのは、フィリップス・レーベルの盛衰。

1950年に設立されたフィリップスレコードは、もちろんオランダの電機メーカー、フィリップス傘下のレーベルだが、もともとは仏ポリドールが母体でフィリップス設立以前は英国デッカの一部門として販売されていたという。それが1960年以降になってレーベルとして確立し、拡大・拡販を積極的に推進。新氏自身、それまで勤務していた日本コロンビアからヘッドハントされて移籍したのだという。この時代に獲得した演奏家は錚々たる顔ぶれ。ヴァイオリニストのアルトゥール・グリューミオもそのひとり。それが可能だったのはメジャーのEMIが、オイストラフやコーガンら旧ソ連の演奏家に入れ込んで、ジョコンダ・デ・ヴィトーなど従来の大家を切り捨て、有望な演奏家に見向きもしなかったからだそうだ。

しばらくLPレコードを聴いていたのですが、この新アンプの真価を発揮したのは新氏が持参したSPレコードをかけてからでした。

淡谷のり子の「別れのブルース」などは絶品。もちろん帯域は狭いがびっくりするほどの生々しさとエネルギー感があって、最後の汽笛の「ボーッ」という音には身が震えるほど。チャーリー・パーカーなどは、音の通りが並大抵のものではなく、だからそのインプロビゼーションに天才的なひらめきを感じます。

エリザベート・シューマンのモーツァルト「すみれ」では、英国HMV特有の盛大なザーッという針音がのるのだけれど、シューマンの声にはそんなノイズはお構いなしで独特ののびやかな色艶を感じます。新氏は、昨年夏に、松本のサイトウキネンの会場でレコードコンサートを開催したのだけれど、このSPの針音ノイズに参加者からクレームが殺到したそうだ。何でも長野のオーディオショップがひとを集めたとかでSPなんか聴いたこともない人たちばかり。「そうと知っていたらもう少し丁寧に説明したのに…」との氏のお話に会場は大爆笑。

LPのほうはいまひとつで、なぜかSPの方で本領発揮だったというのが新氏の偽らざる本音。こんなところに古典球でアンプ作りを続け、古き良き時代の円盤から生命の息吹を引き出すという氏のオーディオ道の趣味性の高さ、深さを感じさせてくれたのでした。

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  1. こんばんは!

    以前SP盤を聞かせていただく機会があり、エレキ再生機と機械式再生機、機械録音(ようは電気をつかってない時代のもの)と電気録音の盤を聞きました。

    ビックリしたのは機械式の再生機のほうです。ローもハイも出てませんでしたが、なんかめちゃめちゃ実体感のある詰まった音に感激しました。

    byecho at2015-04-01 22:05

  2. echoさん

    確かに同じ蓄音機でも、電気的増幅のない純機械式の音はまた違ったエネルギーを感じますね。電蓄の最高峰クレデンザは大変な名器ですが、機械式にはシャープな音離れのよい音がして電気式にはないよさがあります。

    録音という点では、機械録音か電気録音かという違いもあるかもしれませんが、磁気テープ(あるいは磁気ワイヤ)録音以前と以後という違いのほうが大きいようです。「以前」はすなわち、すべてダイレクトカッティングだったというわけですね。

    byベルウッド at2015-04-02 09:04

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