ベルウッド
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日記

感動と衝撃

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2015年04月02日



1910年製のプレイエルを弾くアレクサンドル・メルニコフのドビュッシーを聴いた。



その感動の深さと大きさは、衝撃的と言ってもよい。けれどもそう言うと本来の「感動」から離れてしまう。その音の光彩のめくるめくような多彩さと、そこから発信されているドビュッシーという音楽の深みははかり知れず、しばらくはなかなか言葉になりそうにない。ご一緒したGRFさんも同じようなことを言われていた。

それで、いつものようなコンサート感想記はなかなか書く気になれない。

こういう時には、誰かが何か言っていないかと、ネットを渉猟することが多い。

実は、コンサート前々日にGRFさんがご自身のブログで、レオンスカヤのシューベルト後期三大ソナタのコンサートのことを書かれている。

このコンサートに行かなかったことを悔やんだが、あるブログ氏がこのコンサートの感想を書いておられることに気がついた。このブログは以前から《お気に入り》に登録していて、時々、チェックしている。

レオンスカヤのコンサートと同じ日の深夜に放送された「タモリ倶楽部」の『接岸』動画に絡めたユニークなシューベルト評で、その端倪すべからざる鋭い感性に感服したのだけれど、そのブログ氏がまさにこのメルニコフのコンサート会場にもおられたことを知った。

『メルニコフを聴かずして何が私の人生か、そう思わずにいられない』

という感想はその通りだと思う。



会場は、上野学園・石橋メモリアルホール。このホールは響きが素晴らしく、ステージと客席が心地よく融和したホールトーンがあって、普段は聴衆の暗騒音が目立たないほうなのだが、この夜はぴりぴりとした緊張感があった。背後のひとが手に持つふたつ折りのプログラム一枚が指先で立てるチリチリとした音でさえ気になる。それはそのひとが不作法だというよりも、それほどまでに会場全体が異様なまでに集中して静まりかえっていたということ。

響きの豊かなプレイエルは余韻が長く、曲間には絶えず張りつめるものがあって緊張を解く瞬間と再び次の曲に身構えるその間合が難しかった。実際、私自身、咳払いの途中でそれを飲み込まざるを得ず苦しい一時があったし、客席の大きな咳に、メルニコフが不意をつかれたように手を止めてもう一度呼吸を整える場面もあった。

メルニコフは、10台ほどのヒストリカル楽器を所有しているという。それをコンサート会場に持ち込むことは難しいので、スタジオに預けてもっぱら録音に使用しているそうだ。こうして、コンサート会場で弾くことは彼自身にとっても至福の時であったに違いない。プレイエルは、休憩時も調律されることはなかった。メルニコフの打鍵が完璧だった証左だし、その調律にも満足だったに違いない。姿を現さなかったトーンチューナーも称えたい。これほどの楽器を所蔵し、状態を維持し、これほどまでに仕上がた石橋学園を称えたい。くり返されるアプローズと3曲ものアンコールでかなり時間も経っていたが、終演となってもこの楽器を間近で見ようと人々が群れ集まり、盛んにカメラが向けられても会場の係員は誰ひとり何も言わずにじっとドア近くに控えていた。そういうホールマネージメントも称賛に値する。

この夜に足を運んだ聴衆のレベルはかなり高いのだろうと思う。


が、しかし…

別のブログを見つけた。

『「銘器プレイエル」だそうである。弦長が2、3割短く見える。僕は楽器としてのピアノがよくわからないのでなんのこっちゃ、と思うだけだった。』

『「俺のドビュッシーはどうじゃあ!」というのなら、ま、こんなもんだろ、という評価。最近の若い奴は難しい曲を平然とバキバキに弾くので、もう一味欲しかった、という感じ。』

というこのブログ氏は、先に紹介したブログとは宇宙的な隔たりがある。というか、同じ耳がついているのだろうかとさえ疑ってしまう。いや、《器官》の有無ではなく、もっと奥の方の《情報処理》とか《認知》の問題なのだろう。ふだんは私はそれを《感性》と呼んでいるのだけれど、それには幾分か個別あいまいな《嗜好》の違いを許容している。しかし、ここまで来るとどこかに脳科学的な欠陥とか精神病理的な障害のようなものを抱えているのではないかとつい勘ぐってしまう。この方はこのホールは初めてのようで途中で道に迷ったそうだが、そうであればなおのこと、ここに足を運ぶに至った思考経路がよくわからない。

このブログは、私にとっては文字通り「衝撃的」そのものと言ってよい。

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レス一覧

  1. 芸術の感想を決めつけたり押しつけたりしてはなりませぬるぽ

    私には素晴らしかった、あの人には不満だった、それでよかではなかと?

    by本音で話しますわよ at2015-04-02 15:11

  2. 本音さん

    同じ演奏会でこんだけ違うの、スッゲェ〜w

    とか書いてリンクをふたつペタペタと貼るだけにするのがネット流だったかもしれませんね。

    ちょっとでもネガティブなことを書くと異常に反応する人がいらっしゃるのでふだんは遠慮しているのですが、今回は久しぶりに『本音で話しますわよ』しちゃいました(笑)。おかげで、本音さんのレスご来臨という栄誉に浴することになりました。

    ご意見はありがたく承っておきます。

    byベルウッド at2015-04-02 16:04

  3. ベルウッドさん、こんばんわ

    RIRAです

    良い悪いだけであれば、それでも良いですし、

    さらに踏み込もうとすると、
    色々必要だと思います。

    とはいえ、こういうのは
    少しの違いなので、ふつうだと感じます

    byRIRA_ at2015-04-02 19:31

  4. RIRAさん こんばんは

    あまり面白くなかったですか。どうもすみません。このコンサートを体験していない人からみるとわからないでしょうね。ちょっとこういうことを書くことには無理があったかもしれません。

    byベルウッド at2015-04-02 23:12

  5. ベルウッドさん、こんにちは
    一般論で語ると感性は人によって違うんだから・・・

    ということになりますが実際にその場にいた人からすると驚くことがありますね。

    以前オーディオショップであるオーディオオタクがLINNのCD12って音が薄いんだよねといっていた人がいました。

    思わず私は本人に向かってあれが薄いって本当にCD12聴いたことあるんですかと突っ込んでしまいました(笑)

    もっとも薄いというのは感性なのでそれを言ったところで責められるわけではないのですけどね~

    ラーメンにコショウとか唐辛子をドバドバいれておいしいという人もいますから脳はそれだけ複雑なものなのかもしれませんね(^_^;)

    by小林二郎 at2015-04-03 07:56

  6. 小林二郎さん おはようございます

    「感性」というのは、ちょっと安易なところがあるのですね。言葉の定義まで「ひとそれぞれ」ということになってしまうのが、オーディオの世界です。「薄い」もそうですし、「厚み」、「音場」、あるいは「歪み」「歪みっぽい」という言葉も、本当に同じ意味合いを共有しているのかと思ってしまいます。

    でも、同じ音楽や音を聴いて、いろいろな感想や印象を持つのはいいんです。そういう感覚や切り口を相互にぶつけ合うことも楽しい。承伏しないこともあるし、勉強になるなぁと思うこともあります。例え好みや意見が違っても、同じ音(楽)を体験しているという実感を持てるのは楽しいですね。

    ところが、例えば、オーディオショップにやって来て、オーディオオタクと自称するひとが『「CD12」なんて他のCDPと《外見》は同じじゃないか。LINNって何よ?それがどうしたって思う。この頃は、もっと値段の高いものや高機能のものもある。このショップがLINNを推しているとしたら、自分はLINNのよい聴き手ではなかった。持参したCDをかけてもらったが、このソフトは実は自分の好みではない。』なんて言い放ったとしたら、このひと何しにここに来たんだろうと思いませんか?

    byベルウッド at2015-04-03 09:26

  7. しっかりと思います。

    by小林二郎 at2015-04-03 09:47

  8. ストラさん

    ありがとうございます。

    タモリ倶楽部の「接岸」動画、ぜひ、お楽しみ下さい。実際の放送ではコマ抜きの早送りが多かったのですが、そっちのほうがより楽しめるかも知れません。「動画」のほうがネットのよさが出ますね。最近のYouTubeでも、すごく音のよいものが増えてきました。

    byベルウッド at2015-04-03 10:04

  9. 小林二郎さん

    ははは…。



    ネットでは、実際には何も共有していないのに、架空(バーチャル)情報だけが行き交うのですね。ストラさんの言うように「独り歩き」する。

    こうして日記に書いても、全部読まないで一部だけすくい取って勝手に解釈しているひともいるでしょうね。「電気仕掛け」というのは、《モジュール化》の技術です。

    リアルな世界で孤立して、電気仕掛けの世界に依存してしまうと、他者をけなしたり距離を置くことで、分断化され、形骸化した自分のアイデンティティをかろうじて保とうとするんです。

    byベルウッド at2015-04-03 10:16

  10. ベルウッドさんこんにちは。

    造詣の深くいつも冷静沈着で理論派のベルウッドさんが、これまでにない衝動に駆られてしまう、そんな衝撃の大きさが伝わってきます。
    観客の大多数も各ブログ主も同じ思いを共有しておられ、またその再確認ができたり繋がりも持てるインターネットって素晴らしいですよね。

    しかし便利になったその反面、オマケのような相反するものも同時にくっついてきてしまうのも仕方ありませんね^_^

    byにら at2015-04-03 13:21

  11. ベルウッドさん こんばんは

    あっぱれ!です。他に言葉は見当たりません。

    byトラウトマン大佐 at2015-04-03 22:46

  12. にらさん

    わ、私としたことが、つい、取り乱しまして…(笑)

    確かにインターネットは偉大ですが、その分、余計なものもついてまわるようです。取捨選択が肝心です。つい、熱くなって何かかえってお目汚しをしてしまいました。

    でも、それほど熱いものを感じさせる音世界だったのです。到達感もあった今日この頃のマイオーディオですが、またまたチャレンジ精神のようなものさえ感じさせられました。

    byベルウッド at2015-04-04 06:34

  13. トラウトマン大佐殿

    励ましありがとうございます。でも、あまり煽らないでください(爆)。

    楽器の音というのは、凄いものだなぁと久しぶりに心が熱くなりました。これを再現できるシステムとは…?という気分になりました。でも、こういう音が入っているソフトなんてあるのだろうか?という気もしました。

    byベルウッド at2015-04-04 06:36

  14. ベルウッドさん
    演奏会のライブ録音とその演奏会の両方を聴くのでないと、単純に比較は出来ませんね。

    リンク先のブログ氏が上手い例えをされていました。「レオンスカヤは船長さん・・・聴衆を乗せた小ホールという船」

    小生が思うに音楽(演奏会)という同じ船に乗っているからこその一体感と感動の次第は、それこそ船長の舵取り次第だけではなく、同じ船に乗りあわせている乗組員や乗客の協力次第でもあると。

    感動の余り思わず声が上ずってしまう程の演奏会を聴けたベルウッドさん達が羨ましい(笑)

    by椀方 at2015-04-04 08:06

  15. 椀方さん

    〉同じ船に乗り合わせている乗組員や乗客の協力次第でもある

    そこなんですね。演奏者は聴衆の反応とか空気のようなものをすごく感じているそうです。それによってますます演奏がよくなる。メル二コフさんは、曲と曲の間でも聴衆の咳払いや居ずまいを整える気配にも耳を澄ましているように見えました。

    また、このことは演奏者と聴衆というだけではなく、聴衆と聴衆との間でも同じなんですね。プログラムや企画内容から言ってもこの夜の客席のレベルはかなり高いと思っていたのです。それだけにたまたま見てしまったこのブログにびっくりしてしまったというわけです。

    byベルウッド at2015-04-04 09:17

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