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日記

新国立劇場 ヴェルディ『運命の力』

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2015年04月18日



新国立の『運命の力』がよかった。

オペラというものにまだまだなじみがなかった中学生の頃にトスカニーニの『序曲』を聴いて身も震えた。ベートーヴェンの『運命』も凄い演奏だけど、『運命の力』序曲はもっと凄い。いまでもそう思っている。

なのに、オペラそのものは見たことがなかった。

この『序曲』は、ヴェルディの序曲のなかでも傑作といわれ、あらゆるオペラの序曲や前奏曲のなかでも傑作のひとつに数えられているそうだ。なのに、オペラそのものの上演はそれほどには多くないという。『序曲』だけには子供の頃からなじんでいるのにオペラそのものになじみがないという私はあながち場違いというわけではないらしい。

新国立では、今回が3度目の公演だという。それだけにこのプロダクションに自信を持っているようだ。個人的には、ようやくオペラそのものにふれることができたという充足もあったし、あらためてヴェルディらしい素晴らしい歌劇にふれたという満足感もあった。と同時に、なぜこのオペラがあまり他の作品ほどには上演されないかということも何となくわかるような気もした。

ロシア帝室からの委嘱を受けてサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演されたという経緯からもわかるように、筋立てがどこか大仰で冗長で、しかも、中間の場面に聴衆を喜ばすためのサービスとしか思えない大筋とはいささか関係のないエピソードが長々とあって集中力が続かないのだ。

新国立のプロダクションをまず誉めたい。シンプルで機能的な舞台で、幕間もよく切りつめて運びがよい。立体的なデザインが視覚的にわかりやすく歌手たちの動きにむだがない。演出も音楽とドラマとのバランスがよく取れている。



歌手陣が粒ぞろい。インカの王族の血を引くドン・アルヴァーロ役のトドロヴィッチは、出だしこそ輝かんばかりの声がこれ見よがしでいささか平板だったが、後半では弱音の美しさも随所に見せつけ、どこまでも不遇で不運な貴公子を演じて飽きさせなかった。レオノーラのタマーは見かけによらずその歌唱は若く清純で演技も自然。レオノーラの兄ドン・カルロのディ・フェリーチェは、重唱でのアンサンブルも見事だし、アルヴァーロへの友情と疑心に苛まれる戦陣の場面も聴かせた。



中間のいささか回り道な部分を救ったのがジプシーの女占い師プレツィオジッラ役のケモクリーゼ。容貌も声もテクニックも魅力たっぷりで、彼女が今回のプロダクションの最大の立役者といえるかもしれない。昨シーズンの『カルメン』ではタイトルロールを歌っているのだから何ともぜいたくな配役だが、そういう思い切ったキャスティングが効いている。

そのほか、グァルディアーノ神父を演じた松位浩は外人歌手に一歩もひけをとらぬ堂々たる歌いっぷりだし、ほかの脇役陣もなかなかの充実振り。

指揮のホセ・ルイス・ゴメスは、2010年ショルティ国際指揮者コンクールで優勝したばかりという新進のスペイン系指揮者だという。こういっては失礼かもしれないが、これがなかなかの掘り出しもの。オーケストラを鳴らすところは鳴らし、歌手を引き立てるべきところは寄り添うように歌わせる。そのメリハリが素晴らしく、東フィルも少々荒削りだけれどもこの指揮者に目一杯答えていた。ピットのなかからこんな風に沸き立つような精気が感じられることは、この劇場では滅多にない。

客席はそのわりに地味だった。楽日だが、平日のマチネーということもあったのだろう。3度目なのでプロダクションそのものに目新しさがなく話題性にかけた。当日券だったが、最上の席が空いていた。

それにしても、このオペラパレスは音響がとてもよい…とあらためて思った。ロンドンのロイヤルオペラハウスよりもずっとよい。今回のような舞台デザインや演出を見ると、ここの舞台装置はほんとうに優れている。





歌劇『運命の力』/ジュゼッペ・ヴェルディ
La Forza del Destino/Giuseppe Verdi
全4幕〈イタリア語上演/字幕付〉

2015年4月14日 14:00
東京・初台 新国立劇場オペラパレス



【指揮】ホセ・ルイス・ゴメス
【演出】エミリオ・サージ
【美術・衣裳】ローレンス・コルベッラ
【照明】磯野 睦

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【レオノーラ】イアーノ・タマー
【ドン・アルヴァーロ】ゾラン・トドロヴィッチ
【ドン・カルロ】マルコ・ディ・フェリーチェ
【プレツィオジッラ】ケテワン・ケモクリーゼ
【グァルディアーノ神父】松位 浩
【フラ・メリトーネ】マルコ・カマストラ
【カラトラーヴァ侯爵】久保田真澄
【マストロ・トラブーコ】松浦 健

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  1. 運命の力、小生も序曲しか聴いたことしかありませんね。
    東京時代にオペラも聴いておけば、と今更ながらに残念に思います。

    この際ブラビアを大画面にサイズアップして我慢しますか。

    by椀方 at2015-04-18 19:49

  2. 椀方さん

    新国立のオペラは年々質が向上していて、地味な存在ですが世界的なレベルと較べても遜色がないところまで来ています。香港あたりからの常連さんもいるようです。

    byベルウッド at2015-04-20 09:13

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