ベルウッド
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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

マイルーム

メインシステム
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ…
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日記

帝王の館(やかた) (バズケロ邸訪問記 - ハーベス編)

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2015年04月28日

初夏のおもむきさえある駿河路をひたすら西へ。KYLYNさんとともにはるばる遠州は「○○の帝王」ことバズケロさんのお宅を訪問しました。

駅に車でお出迎え。初対面でしたが、互いにすぐにわかるのは、同じ音楽やオーディオを趣味にする同類の磁力のようなものなのでしょうか。

緑の豊かな瀟洒な一戸建てが並ぶ住宅地の奥の角地に建つ三角屋根の洒落たお宅がバズケロさんの館です。

まず、2階のハーベス部屋へ。



リビング、ダイニング&キッチンのワンルームは、20畳以上の余裕のある木造りのスペースでとても気持ちがよい。太い梁のうえに高い吹き抜け構造になっていて、窓も大きく眺めも良く、とても開放感があります。周辺の環境もあいまってまさに別荘感覚で、館というよりヴィラという呼び名が似合いそう。実際のところ、海外での勤務が長く自宅に戻ってくつろげるのはごくわずかな期間だけだそうで、「ここは別荘みたいなもの」と笑っておられました。

アコースティックは、思っていた以上にライブです。

階段に続く廊下側の引き戸は開けっ放しなのに不思議なほどに響きがよい。反響で音が響くのではなく、部屋の床や壁の木材に響きがのっていて、包まれるような心地よい響き。テーブルやちょっとしたベンチ、椅子などの木材もよく吟味されていて、柔らかい広葉樹や硬い針葉樹、南洋材などが巧みに配されていてこの部屋の響きを造っています。まさにすっぴんの美肌美人で、音響パネルなどが乱立した仕掛け小屋のような雑多さとはまったく無縁のさっぱりとした生活空間として音響としっくりと溶け合っているのです。

ハーベスのBBCモニターに通ずる人声が明瞭で心地よいリラックスした音は予想通りと思えたのですが、聴き込んでいくとちょっとそういう良識的サウンドを超える帯域の広さと解像度の高さに静かな驚きが胸の内に広がります。

コンシューマーオーディオの原点はイギリスなのでしょうね。産業革命以来、富裕層だけに限られていた高価な蓄音機や、劇場のプロ用の音響装置ではなく、第二次大戦後に爆発的に普及していった家庭用のオーディオはイギリスが出発点になっています。イギリスの中産階級の家はそれほど大きいものではなく今の日本の中流家庭と変わらない。そんな居場所であってもBBCの誇り高い技術の矜持が保たれている。



…そういうブリティッシュサウンドのハーベス(HARBETH HLCompact 7ES)が、このお部屋でうれしそうに歌っています。一時は、正妻の地位も脅かしたというユニコがすっかりあか抜けた表情でそのハーベスに寄り添い、日本の「あの時代」の良品たちが、精義と誠心のたたずまいを見せてすべてをサポートしています。




ちょっと目からウロコだったのが、サブウーファー。

たいがいのサブウーファーは、小型スピーカーの低域につなげて超低域を欲張る低音フェチなのですが、バズケロさんは壁面に沿って流れる低域のフローを部屋中に回してあげているためにサブウーファーを使っている。これは低域の自然な挙動なのですが、それをちょっとだけ補強してあげているので、より優しい包まれ感覚が感じやすくなっています。もちろん聴感上は音が聞こえているわけではありません。

プリの出力とのあいだにアッテネーターを入れてジャンルや音楽の雰囲気に合わせて気軽にチューニングできるというアイデアにも感心しました。



セッティングにあたっては、聴覚だけでなくスペアナを手に部屋中歩き回って極端なピークディップを丹念につぶしていったそうです。サブウーファーが「なぜ、左にあって右ではないのですか?」などとぶしつけな質問をしたところ、「最初は右だったのです」と笑って答えてくれました。試しに左にしたところこちらがよかったというわけです。いたずら心で試しに位相を逆相に切り換えてもらいました。すぐに逆相はだめだとわかります。セッティングがぴったりと合っている証拠です。

ハンドミルで入れた挽きたてのコーヒーをいただきながら、中央のリスポジ、後のダイニングテーブル、壁際にさりげなく置いた木製チェアなどで聴かせていただくと、それぞれに音のバランスと温度感があって気持ちがよい。部屋全体がそういうナチュラルな音楽空間になっているのですね。

中央のリスポジは、すべてに最適点で解像度が高く情報量も多いのですが、実は、低域が一番弱いと感じるポイントです。ここで、低域を持ち上げたりフォーカスを強めたりすると、低音好きなかたにありがちなつながりの悪いあざとい不自然なバランスになってしまいます。

後のダイニングテーブルは、低域の包まれ感が強まり音楽の起伏がゆったりとしてきますが、ボーカルの音色は微妙に薄まります。壁際のチェアならそういう感覚がさらに強まります。こういうことは、ごく自然なのだと思います。人間の感覚も、例えば、疲れの度合いによっては酸味や甘みの感度や嗜好が微妙に変化します。同じように音楽へのモチベーションの濃淡によって聴くポジションが変わる。…素敵なリスニング空間ですね。

とてもうらやましいと思うと同時に、バズケロさんの巧みのワザと優しい心遣いに感服してしまいました。

この後、ご近所のジャズ喫茶でおいしいカレーをいただき、いよいよ第二部はあの「JBL部屋」です。


(続く)

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  1. ベルウッドさん
    ども!です

    ハーベス嬢もベルウッドさんとKYLYNさんに逢えて喜んでいるのではないでしょうか?
    それにしてもベルさんの「目利き」にかかるとシースルー!
    彼女の柔肌も人知れず火照りそうです(爆)

    ハーベス部屋は造りを含めた部屋全体で調整した音楽空間ですから、一元的な見方では??が沢山です。
    裏ネタの「素材の配置」と「低域補強」は代表格なのですが、解説が解りやすいのが嬉しいなあ!

    ほんと、楽しかったですね!
    今後の展開も楽しみです。

    今回はKYLYNさん含め遠路はるばる遠州くんだりまでお見えいただきありがとうございました。
    また楽しみましょう!

    では、では

    byバズケロ at2015-04-28 20:44

  2. ベルウッドさん
    こんばんは

    さきほどから何度も読み返しております。。。
    バズケロさんご自身では、なかなか語られない角度からの「帝王の館」の秘密が垣間見られたようで、必死でレポートの内容を咀嚼しているところであります。。。
    その秘密とは「良識的サウンドを超える帯域の広さと解像度の高さ」を生み出す秘密であろうと思うのですが、「壁面に沿って流れる低域のフローを部屋中にまわす」SWとか、「中央リスポジ」における「低域を持ち上げ」+「フォーカスを強める」をしないセッティングのバランスとかといったところは、たいへん示唆に富む卓見を伺った気がします。
    まぁ、今は、これができるかというところはさしおいて申し上げてますが。。。
    それと意外なところで、つい最近の友人とのオーディオ談義で、イギリスの家はそんなに広くなく、欧米ではいちばん日本に近いということを話しておりましたので、ベルウッドさんのご指摘はうなづきながら拝見しておりました。

    byゲオルグ at2015-04-28 23:15

  3. ベルウッドさん、お早うございます。

    バズさんからもお声掛けいただいていて、本当は私もお伺いしたかったのですが、先約が入っておりまして残念でした。

    しかしベルウッドさんの記事はいつも詳細で分かりやすいので、自分の知っているバズ邸の別角度からの視点が、とても参考になります。

    続編もとても楽しみです。

    by矢切亭主人 at2015-04-29 05:03

  4. ベルウッドさん、こんにちは。
    ベルウッドさん、キリンさん達より一足先にストラさん、
    RIRAさんともにバズケロさん邸に訪れましたが、
    ハーベス妃は実に気品のある音でした。

    階下の玉座にいるJBL+マッキン専用室とは全く違う
    サウンドステージです。
    奥さんは旦那より高い位置にいないと浮気してしまう?

    byニッキー at2015-04-29 13:29

  5. ベルウッドさん、こんばんは。

    先日はご一緒させていただき、楽しかったです。
    また訪問記をUPいただき、ありがとうございました。

    好天にも恵まれて、気持ちの良い小旅行となりました。音楽を愛し、オーディオを愛する仲間との交流は楽しく、あっという間に時間が経ってしまいましたね。

    勝手に描いていたハーベスのイメージを覆す、心地良さの中にも鮮烈さを伴ったサウンドにでした。それを引き出すバズケロさんのインシュレーターやサブウーファーの使いこなしは大変参考になりました。

    ベルウッドさんのご感想もとても参考になりましたので、後編も楽しみです。

    byKYLYN(キリン) at2015-04-29 22:33

  6. KYLYNさん

    >勝手に描いていたハーベスのイメージを覆す、心地良さの中にも鮮烈さを伴ったサウンドにでした。

    ほんとうにその通りでしたねぇ。後半のJBL部屋は、さらにこちらの勝手に抱いていてイメージを裏切る(笑)サウンドでした。JBLに対する思い込みまでぶち壊れましたよ(爆)。

    byベルウッド at2015-05-02 10:33

  7. 矢切亭主人さん

    今回はお会いできなくて残念でした。前週のオフ会とはまた違った雰囲気になったのかもしれません。また、静岡遠征時の機会も増えると思いますのでよろしくお願いします。

    byベルウッド at2015-05-02 10:35

  8. ニッキーさん

    こちらは、エ○エ○も、怪獣も登場しませんでした(爆)。

    byベルウッド at2015-05-02 10:37

  9. ゲオルグさん こんにちは

    日本人としては、イギリス人を慕っているのですが(笑)、イギリス人は、「日本人と似ている」「日本と共通点が多い」と言われるとギョッとして「とんでもない!」と思うそうです(爆)。

    byベルウッド at2015-05-02 10:40

  10. バズケロさん

    ありがとうございました。楽しかったですねぇ。いろいろと勉強にもなりましたし。

    また、別荘ご在宅のおり(笑)にはお声がけをお願いします。

    byベルウッド at2015-05-02 10:42

  11. ストラさん

    私は、尊敬心をこめて『バズケロ荘』とお呼びすることにしました。

    図らずも後半JBL部屋でかけていただいた持参CDは、イタリア貴族の館や、枢機卿の別荘庭園とかが登場して、ぴったりの感じになりました。大砲とか怪獣とかはまったく登場しませんでしたよ(爆)。

    byベルウッド at2015-05-02 10:47

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