ベルウッド
ベルウッド
クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

マイルーム

メインシステム
メインシステム
持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ…
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日記

帝王の館(やかた) (バズケロ邸訪問記 - JBL編)

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2015年05月02日

KYLYNさんと、はるばる遠州路を遠征。バズケロさんのお宅を訪問したお話の続きです。

ご近所のジャズ喫茶でおいしいカレーをいただき、午後の部はあの「JBL部屋」です。

こちらは2階の「ハーベス部屋」とは何もかもが対照的。オーディオ専用としてグラウンドレベルにある部屋はすべてががっちり造り込まれています。部屋に入ると、そのアコースティックがとてもデッドで静か。やはり石井式の設計思想で反射面と吸音面が交互に配置され、壁面や天井は二重になっており、床も緩衝材で浮かせてあるとのことで外部との遮音性は最新の音楽ホールなみ。いろいろご説明を伺いましたが、二重構造の内側は外から見えないのでよく理解は出来ないのですが、そのこだわりは凄そう。天井にあるという音響ダクトによるレゾネーターのお話にはただただ驚くばかりです。

そこに旗艦JBL4338が鎮座し、下手側には青白い光をほのかに灯らせている巨大なマッキンのモノブロックのアンプが4台並ぶ光景は壮観で、バズーガの異名もある「爆音の帝王」の御座所としてふさわしい。

ところが…

予想を裏切る柔らかな音。試聴レベルも決して爆音ではありません。最初にかけていただいた《耳そうじ》の「FAKiE」は、ボーカルもギターも大変なテクニシャンぶりですが、決してシャウト型でもなくぎんぎんと輪郭の立ったアコギでもない。とてもナチュラル。なによりも歪みがなくとてもピュア。磨き込まれた米で醸した吟醸酒の味わい。

もちろん、パーカッション主体のソースもKYLYNさんのモダン・ビッグバンド「Afro Blue」もレファランスレコーディングスのサンプル「Tuti!」も余裕をもってクリア。こういうところはJBL&マッキンの面目躍如です。

ところが、私の持ち込んだいつもの検聴ソフトをかけていただくと、JBLらしからぬクラシックサウンド。



幸田浩子の「アヴェ・マリア」では、暖かく歌い上げる幸田さんのボーカルがスピーカー中央のやや上に定位し心地よい。その周りをぐるりと取り囲むストリングスのナチュラルな響き。この録音は、イタリア・パドヴァ郊外の由緒ある貴族のお館で収録されました。その雰囲気がよく出ています。別トラックの「ブラジル風バッハ」を聴いても、チェロとコントラバスがよく分離し、バスラインにJBLらしからぬ明瞭さと柔らかさがあります。



もっとびっくりしたのはオルフェウス室内管の「パッヘルベルのカノン」。通奏低音と3つのヴァイオリン群の相対的定位が明確で、しかも、アンサンブルの響きが美しい。JBLがこれほどストリングスを美しく繊細に鳴らしているのはほとんど初めての体験です。

スピーカーの配置は、これも「ハーベス部屋」と対照的で内振り。ホーン型のJBLですからこれが正統で最適。その変わりリスポジはシビア。むしろここら辺りにリビングオーディオとは違うオーディオ専用ルームとしての風格があります。最初は遠慮して背中を伸ばして聴いていたふたりですが、バズケロさんに促されて最後はこういうことに。(著作権:矢切亭主人さん?)



実は、これが唯一の最適ポジション。片流れになった天井いっぱいに響きが拡がり、しかも、定位感がふっとほどけていきます。バズケロさんの種明かしによると、この部屋は石井式ではあってもそれはあくまでも参考で独自の工夫が凝らされている。それは、左右側壁に吸音面と反射面をそれぞれ対向させてある部分を設けてあること。石井式の基本は反射と吸音をスタガー(互い違い)にさせることなのですが、ここはあえて禁則を破っている。スピーカー面は定在波を避けてその負担を軽減していて、リスポジ前面には逆に反射面を対向させ積極的に響きを活性化させている。その対向部のぎりぎりのところがリスポジの前後位置になります。事実、中央リスポジ横のサブチェアを前後させながら聴いているとそのポイントがぴたりと感じ取れるのです。

バズケロさんが、次々と秘蔵のソフトをかけていきます。マーカス・ミラーなんかジャケットも音楽も若い!アナログLPとCDとを自由自在に行ったり来たり。マイルスの最後期の録音なんてアナデジの段差などこれっぽっちも意識させることはありません。ようするに音源の良し悪し、音楽の楽しみがあるだけ。ただひたすら音源に聴き入り楽しい音楽談義に花が咲きます。

面白かったのは、ECM専属になったばかりの頃のキース・ジャレット。最初にフルートのようなものを吹いているのがキースご本人。ジャケットにもフルートとクレジットされています。ところがしばらく聴いているとフルートに聞こえません。どうしてもリコーダーの音色と響きがします。若い頃はピアノ以外の楽器もいろいろ得意とした多芸なキースですが、どちらかといえばフルートではなくリコーダーを好んだようです。このLPは、ECMレーベルやキースが「ケルンコンサート」でブレークする以前に日本のショップがサンプルとしてプレスした非売品だそうです。ジャケットの説明も雑だし、当時の一般的なシステムではフルートもリコーダーも聞き分けられなかったのではないでしょうか。ピアノを弾きはじめたキースは、「ケルン」での自由なインプロビゼーションを彷彿とさせる演奏を展開します。



私の持参した「ローマの松」もかけていただきました。JBL部屋は、こういうクラシック音楽も素晴らしくよく鳴ります。レファレンスレコーディングスは、単なる広帯域、広ダイナミックレンジの大オーケストラ爆音というだけでなく、音場・空間表現ということでも優秀録音。バズケロ荘で聴く第1曲「ボルゲーゼ荘の松」は、空間の拡がりと分解能、音の立ち上がりが見事。これが《団子》になってしまっては、単なる「チンチン、キンキン、シャリシャリ」になってしまいます。最終曲「アッピア街道の松」は、オーディオデモでもよくかかる曲ですが、これはもうよくぞJBL&マッキンでこういうバランスでと感心仕切り。《爆音》ということからは想像もしなかった、余裕と帯域の広さ。バスドラムやタムタム、パイプオルガンといったボトムエンドの色彩も豊か。少々《団子》になったほうが音楽的などというような生ぬるさでは、近現代の大オーケストラ曲は音楽の一面しかわからないのです。こういう再生音を聴くと、このオーディオルームのみならず機器にいろいろ手を入れておられることの成果をつくづくと感じます。あのグルマン氏が『振動の帝王』と賞賛したゆえんでしょう。私もいろいろ突っ込みゲロッパしてもらって勉強させていただきました。

全体的に感じたのは、音場が少し歪んでいたこと。



なにしろ左手には巨大なアンプが4台ずらりと並んでいます。それで音像が左に引っ張られてしまいます。おそらくバズケロさんはその修正で左側スピーカーをミリ単位で下げたり内振りで調整されたのでしょう。中央は合っているのですが、左に引っ張る力が強いのでそれに対抗するために中央付近の音場が左向きに回転しているのです。それで中央から右にかけての定位は左に寄り、左の定位は奥まって中央寄りになってしまい焦点がわずかに合っていません。マイクの数の少ないライブ音源などソースによっては左右泣き別れの中抜けが現れることもありそうです。

これは、機器類の配置のバランスを取らないと、スピーカーのセッティングだけでは厳しそうでした。一番良いのは、パワーアンプをスピーカー後方の壁とのあいだに左右均等に配置することでしょう。これはちょっと大変そう。バズケロさんも右側のレコードラックの配置を換えて左右の響きのバランスをとろうという構想をお持ちだったようです。

やはりこれだけの物量の専用オーディオルームだけに、繊細でありながらその修正は大がかりで大変そう。これもまたオーディオの醍醐味ですね。さすが「帝王の館」にふさわしい「JBL部屋」だなあと感じ入りました。

帰りは、新幹線で缶ビールを飲みながらKYLYNさんとオーディオ談義に花が咲き、あっという間に東京に着いてしまいました。

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  1. ベルウッドさん
    皆さんの「館」訪問記を楽しく拝読しています。

    RIRAさんからも聞いていましたが、凄い本格派システムですね!
    ニアフィールドでありながら、クラッシックもこなすJBLとは私も聴いてみたいです。

    byカノン5D at2015-05-02 11:19

  2. ベルウッドさん、こんにちは。

    やはり自分の基準ソースをきっちり理解して持ち込むと、色々な側面が見えてくると言うことでしょうか。

    ずいぶん通ったバズケロ邸ですが、また次回伺う楽しみが増えました。

    ところで実は矢切亭主人は、JBL部屋でオットマンは使わないのですが、リクライニングに少し力を掛けて背面に反らしたポジションが一番好みだったりしますので、著作権はまちがいなくベルウッドさんのもので良いと思います(笑)

    by矢切亭主人 at2015-05-02 16:42

  3. ベルウッドさん、こんばんは。

    2回に渡る○○帝王?の館の訪問記UP、大変お疲れ様でした。

    おっしゃる通り、とても対照的な二つの部屋、システムでしたが、バズケロさんの手によって巧みにチューニングされていたのが印象的でした。ともに良い意味でイメージを裏切られました…。

    お持ちのクラシック系ソフトの多さも意外でしたが、いろんなジャンルを聴きながらシステムを詰められていることが感じられました。

    帰りの新幹線は、あっという間でしたね(笑)

    byKYLYN(キリン) at2015-05-02 19:10

  4. ベルウッドさん
    KYLYNさんもっ
    今晩は!

    今回の散歩道オーディオの館レポートはとても楽しく拝見させていただきました。

    ベルウッドさんの確かな「目利き」には驚きました。
    ハーベス嬢はシースルーのベールを脱がされ柔肌をちら見、JBL男爵のコートの下はアメリカンなのに見事な赤褌ならぬ金褌だった?!てな感じですって、意味不明(爆!

    最後のSP間で両手を広げて歪みの感想を述べてもらえたのはよき理解者を得たようでうれしかったですね。
    一気に対策をする見切りがつきましたから。

    おかげさまで今はより素敵なJBL部屋になりましたよっ!

    またお時間が合うときはご一緒しましょう。
    今度は矢切亭さんやカイさんたちとも合流できると良いな!
    音楽仲間が集まって、オーディオ&音楽談義で盛り上がれるのは楽しいですね!

    では、では

    byバズケロ at2015-05-02 20:57

  5. カノン5Dさん

    ニアフィールドですが、ヘッドホン的音場定位感とはやはり一線を画していました。ソフト(例えば上記「ローマの松」)によっては部屋の横幅いっぱい、天井高さまで広がります。ちょっとJBL離れしています。

    byベルウッド at2015-05-04 09:50

  6. ストラさん

    JBL部屋の基本は「天上天下唯我独尊」でしょうね。あとは、せいえい両脇に観音さま。5人も入ったら五百羅漢ですよ(笑)。


    >音源がソフトによっては偏りも観られましたが、これは正常でソフトによっても音録りがセンターとは限らないし、部屋の非対称も音に影響します

    偏りが感じられたのは、ソフトの音録りでも、部屋の非対称でもなく、配置されたアンプやラックなどのせいですね。一番影響していたのは、左側のアンプ群でしょう。

    byベルウッド at2015-05-04 09:56

  7. 矢切亭主人さん

    おっと、そうでしたか。これはうっかりのほんとのオットマンでしたか。でも、次回はぜひ足を投げ出してください。それがホントのリスポジです(笑)。

    基準ソースは、ヒジやんとの定点観測で使ってきて、いろいろな方のシステムで聴かせていただいてます。ですから客観的な基準になっているのです。よくわかりますし、自信を持って判断できます。

    byベルウッド at2015-05-04 10:25

  8. KYLYNさん

    帰りはほんとうにあっという間でしたね。

    ジャズもフュージョン系も、クラシックもなんでもござれで楽しかったですね。いろいろとノウハウも教えていただきました。ノイズカットトランスでちょっと行き過ぎたサウンドを少しソフトな方向に戻すのに参考になりました。

    byベルウッド at2015-05-04 10:31

  9. バズケロさん

    息子夫婦が浜松に居を構えることになりました。また日取りをご連絡下さい。ぜひ盛り上がりましょうね。

    byベルウッド at2015-05-04 10:34

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