日記
「いつやるか? 今でしょ!」 (ニッキー邸訪問記)
2015年06月18日
これが最後の見納め(?)ニッキー邸を訪問いたしました。
ニッキーさんは、近々、現在の和室オーディオ部屋を引き払い、新居のマンションへ移られるとのこと。そこで最後の現況を確かめにお伺いすることにしたのです。同行いただいたのはニッキーさんのB&W805Dのお師匠さんであるKYLYNさんです。プチ805倶楽部会ということでもありました。
駅で集合。この日は梅雨中とはいえ日射しが強くちょっと暑かったので、途中で「冷たいものでも」ということでドリンクを買いにスーパーに立ち寄りましたが、ついKYLYNさんと目が合ってしまい「やっぱり」ということで発泡する黄金ジュースをワンパック買い込んでしまいました(笑)。

実はニッキー家のルーツは北海道ということで、同じ北海道に縁浅からぬ私の指定銘柄と奇しくも一致してしまいました。
まずは、今やニッキーさんの代名詞、カレーライスをごちそうになりました。サイドプレートの豚角煮は絶品で冷たいビールには絶好のお友達。うれしいなぁ。

少し遅めのお昼をいただくと、さっそくニッキー邸の現況を見参。その最後のお姿は、何と45°交差法セッティングです。実は、そのセッティングの成果を確かめるというのが今回の訪問の大きな目玉だったのです。

いろいろ聴かせて頂くと、実に自然な音場感です。立体感もあって奥行き感も十分。むしろ、私の交差法に対するイメージからすると少し引っ込み気味というくらいです。通常の内振りに慣れた目からは極端な内振りセッティングですが、「どこでも立体感」は平行法よりも安定していて定位のぶれがありません。「交差法はイケる!」というのが率直な印象でした。
ところが…
ちょっと低域が物足りないのです。以前からすると低域の印象がずいぶんと違います。このことはKYLYNさんの印象も同じ。低域が以前よりも弱く薄いのです。低域自慢のニッキー邸危うし!?…です。

前回お伺いしたのは半年ほど前ですが、そこから変わっているのは鴨居付近にずらりと並んでいたVENTOの撤去ぐらい。あとは後ろの調音パネルの微調整。交差法はむしろ音を濃いめにするので真逆な方向には首を傾げざるを得ません。ふたりで「ふ~ん?」と考え込んでいると、ニッキーさんが自ら動き出しました。実は私も目についていたあるモノ。ピンポ~ン!でした。KYLYNさんもにっこり。こういうモノは怖いですネ。

それですっかり落ち着いたので、スピーカーセッティングのクリニック。まず、スピーカースタンドの台上の位置の微妙なズレを直しておきます。ニッキーさんが紙で作った直角二等辺三角形の定規で原点に合わせます。


この状態で、クリス・コナーのボーカルやクリフォード・ブラウンのモノ音源で左右のバランスをとって中央に合わせます。スピーカーだけではなくラック上のCDPの位置も動かします。こういう音源が立体感を伴ってしっかりした低域とともに聞こえればOKです。

よくこうしたセンター合わせに「エラ&ルイ」を使うことが多いようです。優秀録音で知名度が高く誰でも持っている(そういう当人は持っていません)ということはありますが、シンプルなクリスのボーカルやブラウニーのトランペットのほうがセンターを出しやすいと思います。ソフトとしてもジャズファンならずともぜひ持っておきたい名演優秀録音盤です。
次に、ステレオ音源をいろいろ聴きながら、定位や音像の締まり、音色を確かめてトントンと焦点を探っていきます。最終的には基準より左スピーカーを少し手前でやや内振りで焦点が合いました。当初のセッティングに近い状態になりました。平行法よりもまとまりがよい感覚。面白いことにかなり横の位置--交差法なので、その位置はスピーカーの真横みたいな場所でスピーカーユニットは見えません--で聴いても音場・音像に不自然な感じはないのです。
ところで…
新居のほうは、もうすでに内装工事も終わって、いつでも荷物を運び込める状態になっているそうです。おおよそのオーディオシステムのレイアウト構想もできているとか。特に、スピーカーとCDPなどのラックは離してスピーカー間はすっきりさせたいとのこと。DACプリまでのデジタル系とパワーのアナログ系は電源を2系統に分離する。壁コンもオーディオ専用のものに換えたいというお考え。
それなら、先ずやるべきは電源工事でしょ!?というのが私のアドバイスです。
電源工事といってもマンションなので範囲は限られますが、オーディオ専用の壁コンを設定し、配電盤からの配線も音のよいケーブルに交換。壁コンも思い切ってジョデリカなどの音のよいものに交換。主ブレーカーも子ブレーカーも音のよいものにします。機器本体やルームチューニング、アクセの類は後でもできますが、ベーシックな電源は最初にやれるだけのことはやっておいても後戻りはありませんし何と言っても家具が入る前の方が楽です。工事は、オーディオをよく知った工事屋さんに相談されるほうがよいと思います。
部屋が空っぽのうちなら工事も簡単。先ず、システム機器だけを持ち込んでレイアウトや配線の確認をします。オーディオ最優先でレイアウトを決められるなんて男の一生のなかでも滅多にない機会です。「やるなら、今でしょ!」というわけです。
どうも45°の交差法というのも新居でのコーナー置き交差法を想定しての予備実験のようです。新居は、現在の和室と対照的な洋間のLDKでかなりライブです。コーナー置きだと低域など過大で膨らんで制御しにくくなるかもしれません。聴感上の音量もかなり上がりそうです。部屋ががらがらのうちに、あらかじめ試しておくことは大事。オーディオのレイアウトの基本を決めて、それから家財道具を入れていくのが手順というものでしょう。
そもそも家財道具を入れる前に、誰の口出しも無しにオーディオのセッティングを決められるなんて何という果報者!わが家などは、いままで何度も引っ越ししましたが、オーディオはいつだって優先度が低く、なんとか空きスペースを確保しての間借り状態です。何と言っても《同居人》の支配権力はますます絶大で超えることはできません。
そういう話しになったら、ニッキーさん曰く…
「そうかあ、ヨメさんを決めるのは最後の最後かぁ…」
そう!それが手順!! …イ、イヤ、違うかな…?(爆)
レス一覧
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ベルウッドさん、おはようございます。
先日はありがとうございました、そして連絡しなくてすみませんm(_ _)m
思いっ切り吹きました。
それウチのことですか?(笑)
服やら物が侵食してきて6畳が4畳ほどの専用部屋になってますが・・・(⌒-⌒; )
逆に引っ越しするとリビングオーディオになりそうな気がしてます。
ニッキーさん、何は置いても電源工事ですよ〜ψ(`∇´)ψ
byデーンちゃん at2015-06-19 07:55
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デーンちゃん
いやあ、ほんとうにサプライズでしたね。
あまりに楽しくて飲み過ぎちゃいました(爆)。
そう、それなりに6畳間で専用部屋を確保したつもりでも侵略されたりして…。何しろ敵は、プーチンや習均平よりも強権的ですからな~(笑)。
byベルウッド at2015-06-19 10:33
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ベルウッドさん、こんばんは。
先日はご一緒させていただき、楽しかったです。
また訪問記をアップしていただき、ありがとうございます。(お任せですみません)
噂の豚角煮は絶品でしたね〜ついついビールが進んでしまいました(笑)名物のカレーも更に美味しくなっているように感じました。
ニッキーさんは今の部屋で試行錯誤しながら多くの方をお招きしてご意見をうかがうことで、システムを磨き上げてこられ、たくさんの経験値を得られたと思います。今回のベルウッドさんの調整も含めて、その経験値は新居でもきっと活かされるはずです。
新居は一転してライブな環境のようなので、当分ご苦労されると思いますが、電源環境を含めて誰に気兼ねすることもなく準備でき、最適を目指せるのは羨ましい限りです。
大事な事なので二回言ってたように思いますが(笑)オーディオファイルとしては、まずはそれが先、嫁さんは後というのは正しいですよね??
byKYLYN(キリン) at2015-06-19 21:38
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ベルウッドさん、おはようございます。
低域、足りなかったですか? 合わせる前に比べ、かなり増えたと思っていたのですが……(^^;)
ニッキーさんのこれからの発展が楽しみです。
by2Hくん at2015-06-20 09:24
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ベルウッドさん、おはようございます。
師匠との監査、お疲れ様でした。
6月中に、ニッキー邸、お邪魔したかったのですが、調整付かずちょっと残念でしたい。そのかわり、新居への期待感、倍増ってところです。嫁さん、まだですか?、こちらも期待していたのですが。。
電源フェチのニッキーさんのことですから、きっとビックリする電源環境に発展していくでしょうが、今出来ることは、今ですね。
それにしても、ニッキー邸に麦ジュース持ち込みとは、恐れ入りました。今度、真似させて頂きます。(爆
byいたちょう at2015-06-20 10:18
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KYLYNさん
ニッキーさんはたくさんのひとを迎え入れていてそれぞれの方のアドバイスを素直に取り入れて練り上げておられますね。それだけにたった半年の違いなのですが、なかなかその変化を一言で言い当てるのは難しかったかもしれません。
それにしても新居のお話しは興味津々でしたね。楽しみです。
byベルウッド at2015-06-20 14:18
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2Hくん
私の印象は、前回(昨年12月)との違いです。その後、いろいろいじっておられるようですから。2Hくんが訪問したときはすでに交差法でしたよね。あの時は、確かボードの干渉で完全に45°交差できていなかったというお話しだったはずです。今回は45°交差です。それに、低域のバランスはスピーカーセッティングとは別の要因だったようですし…。
新居では、部屋のアコースティックががらりと変わるようです。これはこれでまた楽しみですね。
byベルウッド at2015-06-20 14:23
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いたちょうさん
電源フェチのニッキ-さんを思い切り煽っておきました(爆)。
ぜひ、新居を襲っていたぶってやってください(笑)。
「ヨメさんは最後ということだけはわかりました」と気合い十分のセリフもありましたし(爆)。
byベルウッド at2015-06-20 14:27
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ベルウッドさん、こんにちは。
>誰でも持っている
うーん、確かに三枚とも持っております。
クリス・コナーはアナログですけれども。
2Hくんさん宅を訪問させていただいた後、拙宅のセッティングを弄る際にエラ&ルイとクリス・コナーは聴いておりました。
今後、微調整しながら良い所を見つけるつもりです。
個人的にはもう少し空間情報が多めなソフトを使ってみたい気がしますね。
実は、フェリアーのイギリス民謡集を注文してあります。
2Hくんさん宅で聴かせていただいたシュワルツコップも良かったんですが。
ニッキーさんの所もそうですが、ご意見番として色々な方の元へ訪問されての「世直し」ならぬ「音直し」の旅のような(笑)
これからも漫遊記?を楽しみにしております。
byfuku at2015-06-21 13:35
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fukuさん こんにちは
〉もう少し空間情報が多めなソフト
その点でクリフォード・ブラウンはいいですよ。ストリングスとの同空間での一発どりですから。
もちろんクラシックのほうがそういうソフトは多いですね。ただし、アナログは再生自体が難しいのでセンター出し調整には向いてませんので要注意です。
ご意見番だなんてとんでもない(汗)。ただ感想を求められるとつい正直に言ってしまうたちなのでどうもイケマセン。自分自身もずいぶん失敗したり悩んだりしてきましたし不満も抱えていますから、そんなことも交えて一緒に悩んじゃいますよね〜。
byベルウッド at2015-06-21 13:56
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