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日記

第32回音楽鑑賞会 ドボルザーク チェロ協奏曲

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2015年09月14日



ドボルザークの音楽は、故郷ボヘミアへの郷土愛があふれていますが、一連のアメリカ時代の名曲には、さらに濃厚な「望郷」の念が加わっています。

遠い異国にあって孤独だったドボルザークの切実な「帰郷願望」と「家族愛」。「ふるさとの訛りを聴きにゆく」「ふるさとは遠くにありて思うもの」という石川啄木や室生犀星にも通ずるような情感です。

このチェロのための協奏曲もそういうアメリカ時代の名曲のひとつ。

この名曲には、ボヘミアの大地の薫りや、スラブ的な土臭い情感にあふれた雄渾な『名演』が少なくない中で、そういう「望郷」の念が胸に染みわたってくる演奏が意外に少ないように思います。

ハインリヒ・シフとアンドレ・プレヴィンの演奏はそういう感動を覚える名演のひとつ。オーケストラは、ウィーン・フィルです。

シフはオーストリア人で、ボヘミアの出身ではありませんが、ドヴォルザークの音楽への深い理解とボヘミアの美しい郷土愛への共感にあふれた素晴らしい演奏です。これを聴いて初めてこの曲の望郷の思いに浸ることができて、胸にすっと落ちるものがありました。

なによりもウィーン・フィルが素晴らしい。決して、チェロと拮抗して雄弁さを競うものではなく、シフの繊細で情感の細やかなチェロを優しく包み込むように響き、要所要所でのソロが深々とした情愛を奏でています。

第一楽章は、まさに望郷の音楽。冒頭の提示部を初めとして、森の梢が風にそよぐ音や田園風景を夢見るような旋律美で響かせるウィーン・フィルの聴かせどころが随所にあります。第二主題のホルンはボヘミアそのものの響きなのでしょうか。木管の風のそよぎや鳥のさえずりにも本当にうっとりとします。こうした故郷の響きが切ないほどに帰郷の思いを募らせる。その帰郷願望がシフの情感豊かなチェロで語られます。再現部を引き出すあの半音階のスケールも湧き上がる帰郷の決意そのもののような気がします。

第二楽章は、故郷に残してきた愛するひとや家族を想う音楽。唐突に悲愴感に満ちたトゥッティが響き渡りますが、これは突然届いた愛する人の訃報なのでしょう。その後に続く切々とした旋律は懐かしさに溢れていて、幸せだった恋人との故郷での日々を思い出しては悲嘆にくれる優しい情感に満ちています。故郷からのたくさんの手紙に慰められ、静かに帰郷のときを待つように楽章を閉じます。

第三楽章は、帰郷の喜びの音楽。シフとプレヴィンのウィーン・フィルとはともに次第に故郷に近づく気持の高まりを謳っています。この楽章はともすれば行進曲風の俗な音楽になりがちですが、あと幾日で故郷に着けるのかとはやる気持を抑えきれないという浮き立つような音楽。心が飛翔するような最後の部分は本当に胸がすくような至福のコーダです。

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  1. ベルウッドさん、こんばんは

    シフのチェロいいですね。
    このアルバム(私が入手したのは再発でシューマンのチェロ協奏曲などと組になったものでした)をご紹介いただいて聞いているうちに、いっそうシフのファンになりました。
    ふくよかな音色を音の強弱や高低によらずキープできている感じがとても好きなのです。
    大げさなテンポの改変みたいなものもあまりしないタイプだと思いますし、ヒリヒリするような神経質な音もしないし、ハーベスにとてもフィットするのもうれしいです。

    byゲオルグ at2015-09-15 19:05

  2. ゲオルグさん

    ありがとうございます。

    大げさなところがない、それでいて望郷の念がひしひしと伝わってくる素晴らしい演奏ですよね。プレヴィンというのはほんとうにいい指揮者です。彼には心からこういう望郷の念に共感しそれを楽員に伝える力があるのだと思います。もちろんシフのチェロがよいからなのですが、やっぱりフィリップスの音っていいですよね。

    byベルウッド at2015-09-15 22:34

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