日記
巡査長 真行寺弘道 ブルーロータス
2018年12月22日
いたちょうさんが紹介していた「巡査長 真行寺弘道」の続編「ブルーロータス」読みました。

赤羽署 捜査本部の警部補と巡査部長が登場というのが、ちょっとびっくり。
なにしろ事件の発端は、赤羽近くの荒川の河川敷で変死体の発見ということ。この死体はインド人男性で、調べていくとこの男性は、赤羽でインド料理店を営んでいて、数日前にこの店に現れた別のインド人と激しい口論になっていた…。
ちなみにシリーズ第1作の前作では、八王子が舞台。今回もこの八王子のアジトは相変わらず怪しげなオーディオとバンドの録音・編集スタジオとして登場します。お話しは、やっぱり、とんでもない"デカイ"話しに発展するというもの。話しが何やらハイテクがらみの大げさなお話しというのもパターン。53歳にしてなおヒラ刑事というのもワンパターンですが、今回はさらにその万年ヒラの経緯が次第に明かされていきます。ネタバレになるので、後はぜひお読みいただくとして…。
さて、今回は前作ほどにはオーディオのマニアックな話題は登場しません。ただ、ちょっと考えさせられてしまいました。
本作のテーマは、ずばり、「カースト」。
カーストとは、インドの宗教ヒンドゥー教の身分制度のこと。さかのぼること紀元前13世紀にバラモン教の枠組みができあがり、年を重ねてこの身分制度が根深くインド社会に定着してきた…という気の遠くなるような長いお話し。
それは、バラモン(ブラフミン)・クシャトリヤ・ヴァイシャ・シュードラの4つの身分に大きく分けられ、職業をはじめとするあらゆる社会制度を厳重に既定し、結婚や住居などのコミュニティ(村落)などを厳しく固定しています。
その4つの身分さえ与えられていないのがアチュートで、いわゆる「不可触民(アンタッチャブル)」とも呼ばれています。インド国内では、こういう人々は自分たちのことを「ダリット」と自称しているそうです。
宗教というのは、信仰(何を信じるか)を中核として、あらゆる社会的なあつれきを生んできました。その排他性、自己正当化の性癖は、身分の上下と支配・被支配の関係を必ずのように生みだし、犠牲として無視・排斥される人々を生み差別の温床となってきました。
真行寺刑事がひらめくのは、「スクールカースト」のひと言からでした。
スクールカーストとは、いうまでもなく、学校でいくつかの友達同士のグループが形成され、序列化(上下関係)を生んでいくこと。それが疎外やいじめに発展していくということで深刻な社会現象としてとらえられるようになってきました。
スクールカーストは、容姿や学歴、趣味、交遊の嗜好などで上層、下層などを形成していくわけです。そういう現象は、いかにもオーディオの世界にもありがちなような気がします。言ってみれば「オーディオカースト」。オーディオは、カルトとかしばしば宗教に例えられますが、もっと言えば何となくスクールカーストのような口きかない・仲間はずれとか、持っているグッズのランキング付け、あるいは同じグッズを持ちたがる過度な協調・同調、さらには何かとマウンティング(従順や礼賛の強要)に熱心なボス猿の存在とか、そういう狭小空間の人間関係に似ています。ちなみにスクールカーストでは、オーディオ好きにありがちなオタク系とか引きこもり系は、最下層なのだそうです。
真行寺弘道の、こういうカーストへの怒りは、何だかとてもオーディオ好きの体験とか意識が背景に潜んでいるような気がしてなりません。
「オーディオカースト」はやめましょうね。(ちょっと脱線し過ぎかな…汗)
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ベルウッドさん、こんばんは。
赤羽、飲み屋街以外でも有名になりましたね。
今回は、あまりオーディオねたが無かったのが残念でしたが、次回は、期待しましょう。
オーディオカーストにならない様、酔っ払いオーディオと行きましょう(爆
byいたちょう at2018-12-23 20:42
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いたちょうさん
バンドネタはあります。でも、門外漢でよくわからないですが、前作ほどはキレがないような気がします。
お酒を飲んじゃいけないという宗教は、カースト以上に困ります(笑)。
byベルウッド at2018-12-24 12:30
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