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日記

無伴奏チェロの名曲 岡本侑也 (芸劇 名曲リサイタル・サロン)

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2020年01月27日

毎偶数月開催の“清水和音の名曲ラウンジ”に対して、奇数月開催の「名曲リサイタル・サロン」。八塩圭子さんをナビゲートとして、新たにスタートして5回目とのこと。



岡本侑也さんは、2017年にエリザベート王妃国際音楽コンクールのチェロ部門第2位に入賞し、同時にイザイ賞を受賞したという新進気鋭のチェリスト。東京芸大を卒業後にミュンヘンに留学。ミュンヘン音楽大学・同大学大学院ソロ科をいずれも首席で卒業。引き続き室内楽科でアナ・チュマチェンコ先生に師事し研鑽を積んでおられるとか。

実は、私自身は、6年前に岡本さんのリサイタルを聴いている。有望な新人を紹介する紀尾井ホール主催の「明日への扉」でのこと。当時、岡本さんは弱冠二十歳でした。すでにその当時、その技術の高さにまず舌を巻いた覚えがある。伸びやかで滑らか。飴色の心地よい中音域、高音の音程も驚くほど安定していて間違いがない。そういう技巧の高さにもかかわらず身のこなしはとても穏やかで柔らかい…。

そうことはいささかも変わらないままに、ますます、その音楽を深めていっているというのが実感です。

この日のプログラムはオール無伴奏で、バッハとコダーイの難曲という、昼前のひとときというにしては何とも豪華で本格的な内容でした。

コダーイの無伴奏ソナタといえば、やはり、ヤーノシュ・シュタルケルの名盤が有名です。



このレコードは、「松脂が飛び散る」と評されて、特にオーディオ・マニアに大評判となりました。音楽のなかにはオーディオの観点からもてはやされて有名になったり、ジャズミュージシャンなどでも時には、オーディオ業界と密接な関係を築いて、もっぱらそちらの方で名をはせているような方もおられるようです。この曲も、名曲とは言っても、そういう側面が強いような気がします。

ディスコグラフィをたぐってみると、日本人演奏家の多くがチャレンジしているわりには、本場の欧米の演奏家の録音が極めて少ない。ハンガリーの民俗的な曲調や東洋的な音調がことに日本人の心をとらえるのでしょうが、やはり、シュタルケルの日本制作の優秀録音盤が大きく貢献しているという気がしてなりません。



岡本さんは、八塩さんの問いかけに対して、バッハは教会で聴くような、まさにチェリストにとっての聖典ともいうべき存在なのに対して、コダーイは、野外にあって野をかける風や木々のこずえの震えを聴くかのような音楽とのこと。

この超絶技巧の難曲も、岡本さんにかかるとしなやかで、まさに、草原で風に吹かれ、うっそうとした森林で鳥たちなど生き物の息吹を聴くような自然の韻律に満ちた音楽として感じます。「松脂が飛び散る」という激しさとはちょっと無縁。最高音など本当に滑らかで美しい。

手元にあったCDはヨーヨー・マのもの。



ジョージアから中国、アメリカのカントリーミュージックと、やはり、東洋的な詠唱の流れと野外の自然に寄り添う音楽…というものが意識された選曲。マは、やはり、現代のチェリストのなかでも飛びきりの美音の持ち主なのだと思いますが、岡本さんのナマの音に接した後では、ずいぶんと野卑な味わいが多いとさえ思います。むしろ、シュタルケルの演奏に近いのではないでしょうか。

バッハとコダーイの間には、カザルスにちなんで「鳥の歌」が演奏されました。この曲は、カタルーナ民謡と紹介されることが多かったのですが、もともとはこの地方のクリスマス・キャロルで、キリスト聖誕を鳥が祝っている様子を歌ったものだそうです。岡本さんの演奏も、そういう静謐な敬虔さと、土臭い純朴さが融合した、とても美しい音楽でした。





名曲リサイタル・サロン
第5回「岡本侑也」
2020年1月15日(水) 11:00~
東京・池袋 東京芸術劇場コンサートホール
(1階D列20番)

J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調 BWV 1007
カザルス/鳥の歌
コダーイ/無伴奏チェロ・ソナタ op.8

チェロ:岡本侑也
ナビゲーター:八塩圭子

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  1. どんぐりさん

    そういえば、先日の横浜のvafanさん、パグ太郎さんとの懇親の席で、バレンボイムとデュプレの話で盛り上がりました。

    確か、バレンボイムは浮気男で不誠実だから、その演奏や音楽までけしからというのは間違いで、オカシイとパグ太郎さんが言い出したことから議論が始まったと思います。いや、そもそも、けっこうバレンボイムは不治の病のデュプレを最後までよく面倒をみたとか、デュプレも相当にハチャメチャでスキャンダラスな女性だったからお互い様だとか、話が盛り上がりました。

    そういう類いの話でやたらに盛り上がったのは、どうも、その前に聴いた(「地獄に堕ちるような」)ブラームス演奏の残り火がとんだところへ飛び火したせいだと思います(笑)。デュプレの情熱もすごいですものね。

    byベルウッド at2020-01-28 18:49

  2. ベルウッドさん

    こんばんは。著名な音楽家が誠実で品行方正という話をあまり聞かないですね。「○遊びは芸の肥やし」というのは洋の東西を問わないようです。

    昨年、盛り上がった"Me, too"騒動でのドミンゴの「私と女性たちとのやり取りは全て同意に基づき、歓迎されたものだと信じている」というコメントはさすがドミンゴだと思いました。

    音楽を創造するにはそれくらいのエネルギーが要るのかもしれません。

    byのびー at2020-01-28 23:59

  3. のびーさん

    《英雄色を好む》ですね。

    そういう話題では、指揮者のマタチッチの話でも盛り上がりました。

    マタチッチは、N響メンバーには公認同然の女性好き。ところが恐妻家で、彼女だけには頭が上がらない。マタチッチは、反チトーで戦後も抵抗を続けて親ナチのレッテルを貼られて死刑宣告。それを助命嘆願して命を救ったのが収容所の所長さん。奥さんというのはその命の恩人の娘さんだったので終生頭が上がらなかったとか。

    もっとすごいのは、やっぱり、クレンペラーでしょうね。

    逸話には事欠きませんが、娘さんがホテルのドアをノックしたら、出てきたクレンペラーの背後のベッドには見知らぬ若い女性が。クレンペラーは少しも慌てず、振り返って「紹介しよう。私の娘のロッテだ。ところでキミの名前は何だったかね?」と言ったそうだとか。

    このくらいじゃなきゃワーグナーなんて振れませんよ(爆)。

    byベルウッド at2020-01-29 01:05

  4. ベルウッドさん

    お早うございます。

    昨年末の日記で、ワイラースタインのハイドンのチェロ協奏曲とシェーンベルクの『浄められた夜』という、摩訶不思議な組み合わせのCDを取り上げた時に、バレンボイムとデュ・プレ夫妻の逸話(と、それにまつわる思い出)を材料にしたので、そういう話題になったのかもしれません。演奏とゴシップは無関係と言いつつ、そういうことを話題にしてしまうのは、そこに何かの繋がりを感じるからなのかもですね。こういう倫理観・芸術観も時代とともに変わっていくのでしょう。

    byパグ太郎 at2020-01-29 08:28

  5. パグ太郎さん

    かつて「不倫は文化である」とのたまわった芸能人がいましたね。芸の肥やしというわけでしょうね。

    不倫をアルバムコンセプトだと見抜いたパグ太郎さんもそうとうの手練れ…いや、失礼…聞き上手でいらっしゃいます(笑)。

    byベルウッド at2020-01-29 10:38

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