ベルウッド
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歌って踊れるベーシスト (芸劇ブランチコンサート)

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2020年10月15日

ウィズ・コロナになってから、欠かさずこのブランチコンサートに通っています。
2千席の大ホールも、制限緩和で本来の収容率が戻ってきて隣席もいっぱいです。それでも大きなスペースなので安心感がありますし、休憩なしの1時間きっかり、大げさな大喝采やブラボーもアンコールも無しのすっきりしたコンサートは、まるで、ポストコロナ時代のコンサートを先取りしていたような気さえします。

さて、今回は、シューベルトが友人たちや仲間たちだけの限られた人数で音楽を楽しんでいたサロン“シューベルティアーデ”の名曲。

「幻想曲」は、そのシューベルトが亡くなった年の初めに作曲された連弾曲。



この曲となると、どうしてもデュオ・クロムランクの最後のCDのことが頭に浮かんできてしまいます。ベルギー人のパトリック・クロムランクと日本人ピアニスト、桑田妙子とのデュオは悲劇的な最後を遂げますが、この曲はその二人のまさに白鳥の歌となりました。



仲田さんと清水さんの連弾は、そういう悲痛なものではありませんが、むしろ、愛慕の幸福感の間に潜むような哀感と焦燥の高まりが交錯するような演奏。仲田さんはとても若くチャーミングなピアノでしたが、劇的な部分ではもうちょっと音がきれいに響いてほしかった…。

二曲目は、大好きな「ます」。

もちろん注目はコントラバスなのですが、大きな楽器を抱えて登場したのは、どちらかといえば華奢な身体つきの若々しい美女。ピアノもヴァイオリン以下ほかの弦楽器もすべて男性で、そこにコントラバスだけが女性というのはちょっと珍しい光景でさえあります。どこのオーケストラ所属かしらとパンフレットの紹介によればフリーで活躍されているようです。



第1楽章の提示部、序奏のような部分から次第に高まって主題が始まるところにベースが下降分散和音をピッツィカートで弾き、その切り返しでアルコのスタッカートで引くところがあります。そのピッツィカートが実に柔らかく軽快、お返しのアルコも優雅で、その音の感触の微妙な違いが見事です。

新井さんのコントラバスはとてもよく歌います。柔らかく軽妙で、なおかつ、歌の骨格を支えるようにはずむようにステップを踏む。ボーイングを引き始めでは前かがみに身体を突き出し長いうなじを伸ばし楽器も前に直立。右肘を真っ直ぐに伸ばしきって弓を返すところでは胸は反り返って楽器も本来の後ろ倒しの姿勢に戻ります。時に、楽器を客席側正面に向けたり、振り返るようにアンサンブルに寄り添ったり。背筋の通った綺麗な姿勢で前へ後ろへ、あるいは横へとしなやかに身体を揺らす新井さんは、まるでタンゴでも踊っているかのよう。すっかり、新井さんに目が釘付けになってしまいました。

第4楽章では、歌曲「ます」の旋律主題がヴァイオリンを中心に弦楽器だけで奏される。変奏に入って、その主題がピアノ、ヴィオラと受け渡され、そしてコントラバスへと継がれていきます。ここはチェロとのユニゾンですが、やはり、主役はあくまでもバス。チェロはそれに艶と色合いを加える役割。その証拠に、経過句ではほんの一瞬チェロだけとなったりします。なにしろチェロには、第5変奏という花場が用意されているのですから。



そういう各弦楽器の色合いの個性がとても鮮やかだし、主役と脇役の交代が絶妙なバランスです。N響首席コンビに対してチェロは若手の佐山さん。ベテランに対して、この曲の低音楽器二人の若手がみずみずしいまでの鮮度で歌います。

曲が終わると、何とも言えない、幸せな気分になりました。

本当に素晴らしい「ます」を聴かせてもらいました。
 
 
 

 
芸劇ブランチコンサート
清水和音の名曲ラウンジ
第25回「芸劇“シューベルティーデ”」
2020年10月14日(水) 11:00~
東京・池袋 東京芸術劇場コンサートホール
(1階M列27番)

シューベルト:
 幻想曲(ピアノ連弾)D940

ピアノ:仲田みずほ、清水和音



 ピアノ五重奏曲「ます」D667 Op.114

 ヴァイオリン:伊藤亮太郎
 ヴィオラ:佐々木亮
 チェロ:佐山裕樹
 コントラバス:新井優香
 ピアノ:清水和音

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