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日記

GND(グラウンド)アンカーという考え方

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2020年12月05日

SOULENOTEの開発者・加藤秀樹氏が、新しくリリースされたプリアンプP-3についていろいろと説明されています。その中で、P-3の高音質のウリのひとつとして《GND分離》の話しをされています。



筐体がひとつの製品は、必ずGNDをシャーシに接地する必要があるために、必ず1箇所でGND(FGND)されています。このことは「完全ツインモノ構成」とか、電源左右独立とかをうたっている製品であっても筐体がひとつである以上は同じです。

回路をグラウンドから浮かすと、出力に必ずハムがのります。回路は、必ずグラウンドすることが必要です。P-3は、左右chのみならずコントロール用のマイコン系も含めて3つの回路のグラウンドを完全に分離しているというのです。

いったいどうやって分離しているのかというと、P-3は、3つの金属ケースに分かれていて、それぞれがファインセラミック製のスペーサーで電気的に分離されているのです。この金属ケースに、Lch、Rch、マイコン系の3つが搭載されている。ケースといっても箱ではなく、左右前後のアルミパネルのことで、これらが独立したグラウンドを形成している。いわば、かなりの質量を持った金属塊でできた電子容量の大きな仮想アースともいうべきものなのです。

一般論としてオーディオ機器は、金属ケースでできていて、その中に電気回路が納められています。電気回路には電圧の基準となるGND(シグナルグラウンド/SGND)があって、最終的にはこのSGNDラインが金属製の箱(シャーシ)に接続されます。これがフレームグラウンド(FGND)というものです。

SGNDとひと言で言いますが、内実は、プリントパターンや配線材にはインピーダンスやインダクタンスが存在するために、厳密には電位は同じではありません。しかもグラウンドと言っても、このラインは決して一方通行ではなく交流信号の戻り道にもなります。静電容量や電磁波磁束により飛びついたり、一定の時定数を持って結合したりすることもあるわけです。どのようにパーツを配置しパターンを描くかによってノイズや音質に大きな影響を与えます。

しかも、回路といっても、入力端子、デジタル系回路、アナログ系回路入り口、アナログ系回路出口、デジタル系電源、アナログ系電源、マイコン系回路、保護回路、出力端子などなど、多岐にわたります。その回路のGNDのどこからFGNDにどう落とすかは、回路性能や安定性、そして音質にも決定的な影響を与えるわけです。



さて…

加藤氏は、このフレームに落とす接続ポイントのことを「GNDアンカー」と呼んでいます。

アンカーとは、錨(anchor)のことですね。つまり、固定する、支えるという意味合いです。電源など基準となる電位をがっちりと固定して、能動回路に加えられる変動の反動でこうした基準電位が揺れないように支えてやる。オーディオ回路では、とても大事な機能です。

ひとつのシャシーに落とす引き回し方でも、ポイントを決めるのは大変なのに、3つものFGNDのベストなポイント組み合わせを決めるのは並大抵のことではなかったそうです。ヘタな場所につなぐと、一発で音は死んでしまうと加藤氏は言っています。

そういう苦心のなかで、加藤氏はひとつの法則を見つけたとか。

それは、電源固定の法則。

回路基板は物理的ににフリーにするのが音質的に好ましく、それはGNDも同じ。電源回路はトランスも含めて物理的に固定した方が音質的に好ましく、それはGNDも同じ…ということなのだそうです。GNDアンカーを回路側に使うと、まるで基板を物理的に固定したかのように音を萎縮させてしまう。逆にGNDアンカーを電源側に使うと、音はエネルギー感に満ちて躍動する…というのです。



この《GNDアンカー》を《仮想アース》と置き換えると、そのまま私の体験に合致するのです。

私の場合、アンプなどのアナログ回路系には仮想アースはつないでいません。機器間はケーブルのアースですべてつながっています。私の場合はアンバランスですので、同軸ケーブルのシールドもしくは2線ケーブルのコールド側がそれぞれの機器内の回路GNDにつながっています。これを片側であれ、両端であれカットすることはしません。左右ch独立ではないのでループも生じますが、それでも一切カットしません。機器間の電位をそろえることが重要であって、アースループは無害でさえあればそのままでよいのです。その回路GNDはプリアンプのシャシーアースの一点で、大地アース(E)に落としています。

CDPは、シャシーアースを補強する意味合いでアース端子に仮想アースをつないでいます。パンダPCなどデジタル系もUSBコネクターのケースを経由してシャシーアースから仮想アースにつないでいます。信号回路のGNDには仮想アースをつなぎません。音がかえって悪くなったからです。回路のどこからシャシーアースに落とすかというFGNDのことは回路設計者に任せるべきだと思うようになりました。

そもそも加藤氏は、空き端子にショートピンや仮想アースをつなぐことを推奨していません。つなぐと、音が萎縮したり開放感を失ってしまうことが多いというのです。P-3では、セレクターに高音質のリレーを入れて選択していない機器はGNDごと切り離しています。あたかもコネクターを抜いてしまったような状態にしているとのこと。多数のソース機器がつながっているとGNDループやノイズ混入の問題があるからです。

一方、パワーアンプの電源にはかなりの仮想アースを投入しました。その接続ポイントはまさに電源の中点――すなわち、±の中点で上下のコンデンサーの接続点から落としています。さらに、スピーカーのマイナス端子にも仮想アースをつないでます。ここは、アンプ内部のGNDラインで電源中点とつながっています。アンプの出力動作は、シングルエンドで接地基準に対して信号増幅出力をしています。まさに、この接地基準にアンカーを入れてがっちりと固定するという考え方です。仮想アースはそれぞれが独立していますので、それぞれの能動回路に近い部分で基準を支えることが効果的なのです。


以上、私なりに「GNDアンカー」という概念を咀嚼して受け止めたことを、基本ルールとして簡単にまとめてみると、次のようになります。


*************************************************************************

1.仮想アースは、GNDアンカーであり、回路の基準点を固定する

2.仮想アースは、電源に入れると効果的で音はエネルギー感に満ちて躍動する

   接続点は、電源トランス出側の中点(0V)ラインとする

3.デジタル/アナログ系いずれも、回路系では仮想アースはシャシーアースにつなぐ

   接続点は、機器のアース端子
   アース端子がない場合は、RCA端子のコールド、USB端子のコネクタケース
   信号回路には直接つながない(ショートピン等にはつながない)

4.機器間の信号ケーブルのGNDライン(シールド等)はカットしない

   信号ケーブルのGNDライン以外には、ループGNDを作らない

*************************************************************************


今後は、上記のルールに従って、現状のサテライトアースの見直しや、増強等を検討していくことで考えています。

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レス一覧

  1. ベルウッドさんこんばんは。
    グランドアンカー壮大な錨だと思います。

    なんか心のムラムラが消えました(笑)

    こういう左右と更にコントロール系まで完璧にグランドを切り離すのは壮大な計画(設計)だと思います。

    いつかはP-3とそちらのグランド分離型の金田式アンプで聴き比べたいですね(意味深)

    byニッキー at2020-12-05 21:22

  2. ベルウッドさん、こんにちは。

    大変興味ある話題で、大変参考になります。
    メーカーは我々マニアよりも多くの知見とノウハウを持っていてなかなか公開してくれないので、中身をじっと観察したりインタビュー記事を注意して読んでいます。
    書かれているソウルノートさん予想以上のすばらしさですね。リレーを使ってホットとコールドを切り替えている理由がよくわかりました。

    グランドアンカーという考え方はその通りだと思っています。仮想アースの接続はいろいろな方がいろいろな接続をされて・・・効果もいろいろ書かれていましたのでほとんど無視していました。
    このグランドアンカーという考え方に出会えて”そうだ、これだよ”と思った次第です。
    メインアンプの電源ケミコンGNDをシャーシに落とすのはMJ誌執筆者やメーカーなど多くの方が推奨していましたので疑いもなく実行しています。もっとGNDは考察したり、実験したりして突き詰める必要がありそうです。
    なおDACを自作していると、DAI系、DACデジタル系、DACアナログ系、コントロール用マイコン系とかなりGNDは複雑になりどうすることがよいのか・・・・・メーカーもまだ改善の余地があるのではないか思っています。DAC内のGND処理が一歩前進するとDACの音も一歩前進すのではないかと思っています。現状でもレコードのアナログとはそんなに負けない音になっていると思っていますが。

    改めてグランドアンカーという考え方を教えて頂きありがとうございました。

    byマイペース at2020-12-05 22:41

  3. ベルウッド さん、レポートありがとうございます、実に参考になります。

    RCAはうちでもショートピンは確かに音の開放感が減ってNGですが、ショートしない金属キャップタイプは良い効果でした。最近はAmazonのお安い金属キャップ購入です。

    RCA仮想アース接続の件ですが、KOJO仮想アースは標準でRCA接続アースケーブル付きです。

    JSPC社では、仮想アースのRCA接続は、RCA出力よりRCA入力が良いとブログしています。JSPCオーディオ専用RCA接続アースケーブルはプラスマイナスはショートしない仕様ですが、これはRCA出力接続を配慮したのかも?知れません。

    アコリバ はDACのデジタル出力に仮想アース接続効果が高いとの日記で読みました。

    ちなみに RCAセンター(+)アース接続のメーカー製仮想アース(ノイズ吸収装置)も増えてきており、うちでは 金属タワシ仮想アースでやった所 デジタルトランスポート 、BDP、DACは良い効果でした。プリメインアンプは未確認なので今後やってみます。

    そういや、JSPCのシステムエンハンサーは、もともとノイズ吸収目的での開発であって仮想アース目的では無いと、ブログしていました

    byYongJoon at2020-12-06 09:03

  4. ベルウッドさん

    こんにちは。
    とても貴重な記事ありがとうございます。
    機器内の回路アースに関しても、我々ユーザがアース改善でやっているのと同じようなことが起こっているのですね。書かれていることが自分がやってみたアース改善で体験したことと一致していて、非常に参考になります。

    ショートピンなども回路内にループを作って逆効果になることもあるのですね。良かれと思ってやったことが音質改善のためには逆効果になることもあるので、ことオーディオに関しては試行錯誤が大切だと思いました。

    基本ルールに書かれていることに留意し、今一度、所有機器のアースについて見直したいと思います。

    byLocomo66 at2020-12-06 09:49

  5. ニッキーさん

    ムラムラが消えて、魂音のほうに持っていかれましたか?(笑)

    グラウンド分離というのはすごいですね。そういう製品開発コンセプトはとても魅力的です。肝心の音のほうは実際に聴いていないので何とも言えませんが、コンストラクションはいろいろ勉強になります。

    もしかしてアキバの魔塔で実際に聴かれましたか?いかがでした?

    byベルウッド at2020-12-06 10:19

  6. マイペースさん

    アンカーと言われると、何かすとーんと胸に落ちるものがありますよね。どこのポイントからどのように落とすか?仮想アースもどこにどうつけるか?…ということの合理的思考がスムーズに動き出す気がします。

    電源のアースということも、壁アースはだめとか電源タップがどうとか、外側のことばかりに気を取られていますが、内側の電源ケミコンの中点からシャシーに落とすという昔からの常識を忘れてしまっています。こっちのほうがはるかに肝心なのですよね。

    それにしてもDACを自作されているのですか。すごいなぁ。

    仰るように、これこそアース分離を徹底すべきですし、グラウンドアンカーの考え方が大事ですね。

    byベルウッド at2020-12-06 10:31

  7. YongJoonさん

    加藤氏は、空き端子にショートピンや仮想アースをつなぐことを推奨していないと書きましたが、それは否定しているということでもないんです。

    それは確実に音は変わりますと仰ってます。ただ、その結果が良いかどうかは、機器の設計や環境次第だと言うのです。

    ひと口にアースと言いますが、そこがグランドアンカーとノイズ吸収・排出(ノイズシールドやノイズドレイン)との大きな違いです。ただ、多くのひとはバイパスコンデンサーとフィルターとをごっちゃにしています。メーカーは基板パターンやどこにパスコンを入れるかは吟味し尽くしてます。それに介在して変更してしまうようなアクセや仮想アースは大体悪い方に行きますよ。

    私は、従来、CDPのXLRコネクターの入出力には、電磁波吸収シートで覆っていました。頭で考えてそれが良いと信じ込んでいました。けれども加藤氏のアドバイスもあって、いったん外してみました。すると、アンプの上蓋を取ったのと同じで、開放感があって音の拡がりが伸びやkに感じるのです。取ったり外したりを繰り返して試しましたが、やっぱり外した方が良い。今は外して、そのまんまになってます。

    こういうことって多いですよ。

    byベルウッド at2020-12-06 10:43

  8. Locomo66さん

    空き端子を、オープンにしておくのが良いか、ショートさせるのがよいか、あるいは負荷(ダミー抵抗)をかけてマスのある仮想アースに落とすのが良いか…は、諸説あると思います。でも、ケースバイケースのことが多く、一概には言えない。結局、オープンにしておくのが選択肢としては、リスク最小ということだと思います。SOULNOTEはそれを選んでいる。しかも、使用しない接続機器も切り離すということで徹底しているわけです。

    接続機器がノイズの原因になるということは私も経験しました。待機電源を切ってもダメ。電源プラグを外してもダメ。結局、信号ケーブルを外すしかなかったということもあります。だから、接続機器を外さないままが良いという意見には与しません。SOULNOTEに賛成です。

    ただ、ショートピンとか電磁波吸収キャップとか、その他もろもろは、ケースバイケースでいろいろやってもいいんだと思います。

    私たちアマチュアは、試行錯誤でいろいろやってもいいんだと思います。一番いけないのはメーカーやショップの言うことを鵜呑みにすることです。

    byベルウッド at2020-12-06 10:57

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