ベルウッド
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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

マイルーム

メインシステム
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持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ…
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日記

イモリューションの狂気 (今年最後のバズケロ邸)

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2020年12月30日

ついに三度目のバズケロさん邸の訪問。醸し出る妖気に抗うすべもなくこちらから押しかけました。そこで見たモノは、やはり、鬼の棲み家。



この日も好天に恵まれ、リニューアルも終わった東名をひた走り。海側から見た富士は、寒冷の歳末だというのに赤茶けた地肌を剥き出しでした。

さっそくのハーベス部屋で熱いアメリカンをいただいて一息。そのハーベス部屋も、前回とは違うのだとか。

聴かせていただくと、たしかに違う!



鬼才トリフォノフの超絶技巧のラフマニノフが冴えわたり、ネゼ=セガン率いるフィラデルフィア管が鮮明に解像する。ところが同じアナログLPでも「木綿のハンカチーフ」をかけると少し舌っ足らずの甘味を含んだ太田裕美の声にほっとします。クラシックのデジタル録音の高解像度に応えながらも、昭和の太田裕美の癒やしは決して失わない。癒やしのハーベス部屋の本質は、高解像度化してもそのまま。



そのことは、SACDのシーネ・エイでも同じなのです。スタジオでのセッション録音らしいハイレゾの鮮度さながらに、ステージがよく見えてくつろいだボーカルの生々しさに癒やされます。



その秘密は、パワーアンプの仮想アース。ハーベス部屋での仮想アースは初の試みだそうですが、それが功を奏したということ。これまでのハーベス部屋の持ち味はそのままに、音の深みや解像度が音量を下げても痩せることはないばかりか、ソースそのものの音のうま味を引き出します。

さらに、K03の足もとにウェルフロートのパーチを奢ったことで、CD再生の音の濃さが増しましたが決してテンションを上げすぎない。そのバランス感覚にはバーチの自然な響きがうまく活かされているようです。

もうこれだけで十分にノックアウトでしたが、気を取り直して、いざ本命のJBL部屋へ。

まずはわかりやすいところでということで、シーネ・エイをdCS Pucciniでもう一度聴かせていただきました。

これには仰天。スタジオのセッションを目の当たりにするような何もかも丸裸にしてしまうようなリアリティ。舞台裏の仕掛けや、裏方の仕業までを見てしまったような気さえします。重低音のキックドラムとベースの重なりも肌で感じるほど。


before


after

これはバズイモチューンの進化と砂箱への仮想アースという二重の変異株の威力なのだそうです。



ヴェルディの「聖歌四篇」では、一点の汚れもない美しい歌唱と混声合唱とオーケストラが拡がり大迫力。各パートのひとつひとつが分離定位がゆるぎなく安定します。

ところが、アナログを聴かせていただき、なお、仰天。

前回、マーラー「千人交響曲」で、これ以上はないのではというほどの完成度を感じさせたNottingham Spacedeckですが、上には上があったのです。アナログの味わいのままに、デジタルのような静けさと、みずみずしい鮮度。

「ワルツ・フォー・デビー」は、ごく平凡な国内盤だそうですが、心の内を静かに綴るエヴァンスのピアノが『愚かなり我が心』とばかりに悔恨に満ちた追憶を綿々と歌い、その一方で、客席の暗騒音がヴィニル盤の再生とは思えないほどリアル。

ミュンシュが国家の威信をかけて編成されたばかりのパリ管を率いた渾身の「幻想交響曲」などのクラシックでも、その時代の古さを偲ばせつつもこんな音まで入っていたのかと驚くばかりの解像度と鮮度でひとつひとつの楽句をきっぱりと鳴らします。

前回聴かせていただいた「サキコロ」をリクエストしました。ノリノリのリズムセクションは無邪気な雰囲気があって、それでいて低域の重量感がどっしりとしている。ロリンズのテナーの太いブローに腹が吹き上げられて身体が浮き上がる感覚すらします。やっぱりバズケロさんのジャズは黒光りがするほどにホンモノです。興味本位で口先だけのハイファイ好きとかオーディオマニアの域を超えています。



確か前回までは、Spacedeckは、ウェルフロートのバーチの上にポン置きだったのです。



そのバーチの微かな化粧すらも拒絶した究極のウェルデルタメカ+バーチリングの威容。

これはもう、イモチューンのエヴォリューションならぬイモリューションなんだそうです。

こういうサウンドを聴いてしまうと、ちょっと気の毒なのはPucciniです。

シーネ・エイで舞台裏が見えてしまうような驚きは、言い換えればそういう録音の仕掛けが露わになり過ぎてうっすらと気分が白けてくるところもあるからです。もっと気になったのは、ヴェルディでソロのソプラノがずいぶんと奥まっていたこと。

あのアルバムのひとつの焦点は、カルメーラ・レミージョの純真無垢なリリックソプラノの透明感のある美声。ムーティやアバドがベルカントオペラで重用した秘蔵っ子でありながら、悪女や狂乱女の重い役柄は似合わないために大歌劇場から引っ張りだことはいかなかっただけに、このチョン・ミョンフンのアルバムはむしろ彼女のためのもの。その純粋な祈りと叙情がしっかりと前に出ないことに不満が残るのです。

こういうステレオマイクでとらえたセンターボーカルが奥目に引っ込んでしまうのは、振動であったりSNであったり、あるいは、シールドやノイズフィルターなどの抑圧効果など、様々な要因でよく現れる現象です。

そう思うと、アナログのほうにもちょっと疑念のとばっちりが行ってしまうのが、ネガティブオーラの奇怪さです。

『ワルツ・フォー・デビイ』も、そういう奥行きや立体感に乏しい。もちろん左にリズムセクション、右にピアノと振り分けたステレオ初期の2点マイクですので中抜けは当然なのですが、背景の客席騒音はもっと一体となった立体的な空気感があるはずです。向かって右手で繰り返される咳も、SACDのリマスターで聴くともっと奥まったところから聞こえます。この咳は、入口近くで立ち話をしていた店主が風邪をひいていて咳っぽかったからだという説があります。

聴かせていただいたマゼール指揮ベルリン放送響のファリャが、60年代半ばの録音の国内再販盤とは思えぬハイスピード、高分解能にもかかわらず、リズムにキレが不足し音場が広がらず平面的に感じられたのも、あながち演奏や録音のせいだけではないのかもしれないと思えてきます。

もし、そういうかすかな不満が、アナログとデジタルに共通しているとしたら、その要因はスピーカーセッティングかもしれません。なかなかあの重量級のJBLとその足もとのセッティングでは、焦点合わせのためにトントンなんてわけにはいきません。幅はもう少し狭くてもよいのではと以前からも感じていましたが、もし幅が絶対とすれば内振りをもう少し強めてもよいのかもしれません。例えば、リスナーの眉間に内振りの正面が合わせてあるのであれば、それをもう少し前面で交差させるとか。正面軸を、左スピーカーは右耳、右は左耳に合わせて左右のマトリックスを強めてみるという考え方です。

これだけ凄みを増して繊細の極みに達すると、さらに、どこかに隠されていたものを浮かび上がらせてしまうところがあります。まさに無間地獄です。

帰り道、東京を目指してひたすら車を走らせていると、自らのシステムにこそ厳しいバズケロさんのことだから、あそこまで達してもそれでも終わりそうにないなぁ…と思えてきます。風を切るウィンドウの外の漆黒に、狂気の鬼と化すバズケロさんの顔が浮かび上がったような気がして、思わず寒気を感じ身震いしました。

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  1. ベルウッドさん
    今回もお疲れ様でした!

    振り返ればバズケロのホップ・ステップ・ジャンプの3段進化を全部体験されたのですね!
    ある意味とても有意義な体験だったと思います。
    何をどうすればどうなるか?
    体験こそが唯一の確認方法ですから。

    さて、今回は今年最後の悪足掻きというわけで、ハーベス部屋もかなり変容しています。
    少し補足させてください。

    最も大きな変化はパワーアンプへ最新の知見を反映した仮想アースを仕込んだこと。
    これが新しいハーベス部屋の変化の骨格になっています。
    味わいはアナログで聴いていただいたデジタル録音のクラシックとアナログテープ録音のレコードでの音の旨みの両立にあります。
    加えてCDPはパーチウェルフロートの味を加え、そこに仮想アースで少し解像度を上げてみました。
    パワーアンプもCDPもハーベス部屋では仮想アースを入れるのは初めてです。
    これが前回との違いを生み出しています。
    こうして解説すると創作料理の紹介みたいですね(笑)

    さて、渾身のJBL部屋
    さりげなく結構深いところまで気づいていらっしゃったのですね!
    鋭いなあ(汗)

    この2年間は一切プリ〜SPまでセッティングは変えていません。
    なぜならばデジタルやアナログなどの再生機器のチューニングでは変容する要素を絞り込む必要があるからです。
    下手なアレコレ変更は泥沼に落ち込む要因になりますしね。
    多少の課題が見えてきても頑なに維持して音作りに取り組んできたのです。

    それでもここまで立体音場を構成する表現力が上がってきたのに自分でも驚いています。
    音源にはそれほどの情報が含まれていて、使い手の技術力で引き出せる領域はかなり大きく、結果としてJBL部屋の表現力が覚醒してきたということが言えると思います。

    機器から引き出す情報量は現状で十二分なところまで来ているのではないでしょうか?!

    バズケロの来年の課題はトータルバランスの総仕上げです。
    幸先の良い予言?!含めて色々と取り組んでいくと思います。

    ところで、JBL部屋はやっぱり鬼が棲んでいますか?!(笑)
    これほど魔力に毒されてきたベルウッドさんはすでにバズケロの呪いがかけられていますから、お気をつけて(爆!

    楽しかったですね!

    では、では

    byバズケロ at2020-12-30 17:51

  2. バズケロさん

    そうだ!ハーベス部屋のパワーアンプの仮想アースのことを忘れていました。これは本文も訂正追加しますね。

    盛りだくさんだったのでなかなか全部もれなく思い出せないくらいでした。

    貴重な体験をさせていただきました。今年最後の訪問オフ会をありがとうございました。

    byベルウッド at2020-12-31 10:34

  3. ベルウッドさん、こんにちは。

    ご一緒させて以来、1度ならず、2度まで。
    私には、どちらが鬼か分かりません。
    恐らく、お二人ともオーディオの鬼。
    さながら、赤鬼と青鬼と言ったところでしょうか(笑

    バスケロサウンド、これからも進化し続けるかと思いますので、またの機会、ご一緒させて下さい。

    今年は、コロナでめっきり飲みに行く機会が少なかったですが、来年は、挽回しましょう(爆

    では、良いお年を。

    byいたちょう at2020-12-31 13:31

  4. いたちょうさん

    来年は、ぜひ、赤羽限定のGoToDrinkでいきましょう。まず頼む一杯は「鬼ごろし」というところでしょうか。

    良いお年を。

    byベルウッド at2020-12-31 16:57

  5. ベルウッドさん、こんばんは。
    今年は監査が無い一年となりましたね。
    大晦日に感染者が1300人超えで年始はステイホームとなりますね。

    私も赤羽会の一員として飲み会に駆けつけたいのは山々ですが、
    名古屋に帰られたお師匠様の言いつけを守る事にします。

    来年もよろしくお願いします。

    byニッキー at2020-12-31 18:34

  6. ニッキーさん

    あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

    コロナでとうとうまともな交流もできないまま新しい年が明けてしましました。身の回りを見ると、いったいどこに一日1300人もの感染者がいるのだろうというのが実感なのですが、およそ100人に一人は無症状のまま街中でウィルスをばらまいているひとがいるという説もあるようです。やはり自重せずにはいられませんね。

    ワクチン接種が始まり、明らかに潮目が変わりましたら、テクニクスのハーレムと化したニッキー邸にお伺いしたいと思っております。

    byベルウッド at2021-01-01 10:02

  7. ベルウッドさん
    あけましておめでとうございます。
    本年もよろしくお願いいたします。

    さて、新年早々ですが有言実行でJBLの再セッティングを実施しました。
    実は前々からJBL部屋の楓無垢床板の不陸(自然乾燥による若干の反り)がSP再セッティングの課題としてあって、それもずっと放置する理由としてあったのです。
    今回は床の手入れと言っても大きな課題は左側だけでしたから手始めにちょっと手直しという程度です。
    面取りの手入れはともかく、その後の掃除が大変でしたがその効果は歴然としていましたね。

    JBL部屋でよく鳴るポイントは既に絞り込まれているので、位置移動と言ってもほんの2〜3センチレベルで大きく変わります。
    結果、ベルウッドさん予言の如く数センチ幅は狭く、首振りクロスポイントは後方壁後ろ60センチからヘッドレスト直前あたりに移動がベストとなりました。

    JBL部屋は壁が強いため、一時反射、特にアウトフェーズ側のバランスを整えるのが最も重要な課題だったのですが、やはり経験値が上がっていたのでしょう。
    モノラル音源を活用しつつ左右別々にピンポイントのハマりバランス角度を見つけられ、最終的にステレオ音源なども併用しつつ「トントン」で決まりました。

    解像度が以前とは比較にならないレベルになっているので、逆にポイント探しはとても楽に行えたのが印象的です。
    その後の世界は、まあ、熱い、厚い、適切な広がり&両脇の懐の深さです。
    結果前に出る音は前に出す。
    音像は絞り込まれるので熱量が厚く凄い存在感。
    ジャズに昇天し、クラシックの躍動と深さに感動する。
    とても満足する結果になりました。

    床修正は本当に面倒でしたが、結果よければ全てよし。
    幸先の良い新年オーディオ進化第一号。

    今回の日記が面倒臭がるバズケロの背中を押してくれました。
    ありがとうございます。
    年末3日間はオーディオから離れていたこともあり、夢枕でもベル青鬼の囁き声が聞こえてきた(笑)
    今年も時期を見ては、ごゆるりと寄り道散歩で遊びにいらしてください。

    では、では

    byバズケロ at2021-01-03 13:05

  8. バズケロさん

    新年あけましておめでとうございます。

    それにしても新年早々やってますね。鬼の笑い声が箱根路の向こうから聞こえるようです。

    スピーカーの焦点は、上流の進化とともに微妙に変わり、かつ、より厳しくなりますよね。特にJBL部屋のようにリスポジに最善最適を集中させているとそのシビアさが半端ないでしょう。

    これは推測ですが、そのシビアな効果はデジタル再生系のほうがより色濃く出てくると思います。またまたPuccini様に興味津々です。

    新年の外出訪問は先になりそうですが…(笑)

    byベルウッド at2021-01-03 14:51

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