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日記

「古典派こそクラシック」 (芸劇ブランチコンサート)

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2021年06月28日

ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンというウィーン古典派の3大スター。しかも、そのピアノと弦楽器の室内楽となると、まさに、これこそ「ザ・クラシック」。



この日、スポットライトを浴びたのは、チェロの香月麗(かつき うらら)さん。全三曲に出ずっぱり。清水和音さん、N響首席のおじさん方に囲まれて、さぞや息苦しかろうと思いきや、実に爽やかで伸びやかなチェロを聴かせてくれました。

一曲目はピアノ三重奏。二曲目は弦楽器だけの三重奏。最後に、全員そろい踏みのピアノ四重奏という流れもよい。

ピアノ三重奏といえば、ロマン派になっても盛んに名曲が生まれ続けた演奏形態。同じくウィーン古典派が生んだ室内楽編成の弦楽四重奏にはちょっと厳めしさがつきまとうのに対して、ピアノ三重奏は、より自由な情感の展開を感じさせます。こういうところが「古典派こそクラシック」なんだと思います。ハイドンの時代のピアノはまだまだ発展途上だったはずですが、こうやって聴くと、ヴァイオリンとチェロの二人の従者を従えて堂々たるものです。

二曲目は、弦楽器だけの三重奏。野心満々のベートーヴェンがウィーンに乗り込み、ピアニストとしても作曲家としても破竹の快進撃を開始したころ。まさに、“ヤング・ベートーヴェン”の覇気がみなぎった音楽です。まだまだ貴族がパトロンであった時代ですが、そこに若い勢いのままに、自分の名刺代わりに得意の「ハ短調」を叩きつけたような楽想にちょっとびっくり。

三曲目のモーツァルトでは、もはやピアノも弦楽器も対等で、ちょうどハイドンのピアノ中心のアンサンブルの面白さと、弦楽器だけで充実したベートーヴェンのアンサンブルの活力とをいいとこ取りしたというような音楽。それぞれの楽器が、時にオペラのアリア、二重唱、三重唱というように縦横無尽に演じてみせる―その間、他の楽器がアンサンブルに回る、というように自在。対話的なアンサンブルがいかにもモーツァルト。

この顔合わせでは、清水さんのピアノが明らかにリーダーシップを握っています。伊藤さんは、さすがにN響のコンマスだけあってアンサンブルの高い精度をリードしていますが、エリート官僚的な回転のよさだけなところがあって、ちょっとだけ不満。ヴィオラの佐々木さんは、さすがのまとめ役。小編成になればなるほど味わいを感じさせるのがヴィオラ…。それは、音色や和声でも音楽の運びでも、あらゆるところに感じます。そんなところが清水さんのピアノが抜けた弦楽三重奏になると表に出てくるところがちょっと面白い。

香月さんは、現在、スイスのローザンヌ高等音楽院シオン校に留学中だそうです。シオン校は、レマン湖の東端のモントゥルーから奥に入った静かな山間の町シオンにあります。



もともとはハンガリー人ヴァイオリニスト、ティボール・ヴァルガが設立した国際音楽アカデミーが前身で弦楽器の独立した教育機関でしたが、いまはローザンヌ高等音楽院の分校となっています。清水さんも、同じレマン湖湖畔のジュネーヴ音楽院に留学していたので、トークでは、レマン湖談義で盛り上がっていました。香月さんのチェロは、雄渾さとか、雄弁さというのではなく、清澄な音色で優雅な伸びのよいフレージング、それでいて繊細で精緻。貴公子と小公女ということで、清水さんと香月さんはけっこう相性がよいのかもしれません。

こういう音楽を聴くと、ちょっと、心にゆとりみたいなものができたような気がしてきます。

コンサート後のオープンカフェでの軽くお茶しながらのおしゃべりも、こんな状況だけに情報交換は濃密で楽しいものでした。








芸劇ブランチコンサート
清水和音の名曲ラウンジ
第30回「古典派こそクラシック」
2021年6月23日(水) 11:00~
東京・池袋 東京芸術劇場コンサートホール
(1階M列26番)

ハイドン:ピアノ三重奏曲第25番ト長調「ジプシー・ロンド」
(Vn)伊藤亮太郎、(Vc)香月麗、(Pf)清水和音
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲第4番ハ短調 op.9-3
(Vn)伊藤亮太郎、(Va)佐々木亮、(Vc)香月麗
モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調 K.493
(Vn)伊藤亮太郎、(Va)佐々木亮、(Vc)香月麗、(Pf)清水和音

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