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日記

遠藤真理プロデュースの室内楽 (読響アンサンブル・シリーズ)

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2021年07月04日

オーケストラ団員による室内楽アンサンブルというのは、ウィーン・フィルが古くから取り組んでいました。日本では、何だか兼業禁止のような雰囲気があったし、地味な世界なので集客力もなく、機会はとても限られていました。そういう中で読響のメンバーは、虎ノ門のJTホールなどの企画にも参加して、積極的に取り組んでいたという印象があります。

それでも、久々にそういう読響アンサンブルの世界に足を運んでみて、そのレベルの高さにびっくり。多彩で意欲的なプログラムとアンサンブル技術と音楽性の充実ぶりを堪能しました。




この日は《遠藤真理プロデュース》と題して、チェロの遠藤さんを中心とした弦楽アンサブルの世界。

遠藤さんといえば、NHKFMのクラシック番組でタレントのふかわりょうさんと絶妙のコンビでクラシックファンを楽しませてくれた人気者。開演前のプレトークでも気さくで楽しいお話しで会場を沸かせてくれました。

1曲目は、「ベートーヴェンの先生だった」というだけで名を残したというアルブレヒツベルガーの二重奏。バッハの二声のインベンションをヴァイオリンとチェロに置き換えたようなという形容がまさにその通りですが、現代のバロック風の新作といわれても信じてしまうようなおしゃれな音楽。

ヴァイオリンの林悠介さんはこの5月に新たにコンサートマスターに就任。これで読響は、特別客演の日下紗矢子さんも入れれば、4人のコンサートマスター体制ということになります。ウィーン国立大学に留学していた林さんと遠藤さんとは同世代で、ザルツブルクに留学していた遠藤さんとは既知の間柄。この日のプログラムは、まず、林さんとどのようにアンサンブルをするかということで考えたとのこと。さながら歓迎パーティのようなものなのだとか。

二曲目は、ドホナーニの弦楽トリオ。ドホナーニはハンガリーの作曲家でリスト音楽院院長も務めていて、バルトークらと同世代。戦後はアメリカに移住。指揮者のドホナーニは、クリーブランド管のシェフに就任した頃は、この作曲家の孫という風に紹介されていました。今は逆かもしれません。豊かな民族色が前面に出ていて、バルトークのように尖ってはいませんが、そこはやはり二十世紀の音楽。とてもスリリングで楽しかった。

前半最後の曲は、マリンバとのデュオ。

作曲者のマリエルはアルゼンチン出身のユダヤ系でアメリカ在住。この曲は、友人の事故による突然の死を悼んで作曲されたとのこと。ガコン!というマリンバの痛撃と尾をひくような長い余韻によってチェロのむせび泣くような無限長の旋律。確かに「コル・ニドライ」風のユダヤの哀歌の雰囲気もあり、また、ラテンの調子もあって、それがないまぜ。マリンバの響きとチェロの音色が素晴らしくマッチしていて、遠藤さんの美しいチェロに会場は静まりかえりました。

後半は、チャイコフスキーの弦楽六重奏曲。これが素晴らしかった。

チャイコフスキーといえば「弦楽セレナーデ」がポピュラーですが、ここではあえて六重奏曲に挑戦。これはもうアンサンブルの極致で、コントラバスも加わらないヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのみの独立した六声部の充実したチャイコフスキーの書法が、六人一丸となったアンサンブルから浮き上がってきます。しかも、その和声の響きが実に力強く、クラシックのストリングスの音色、響きはこんなにも強いものだったのかとの再認識にもなります。ホールのややデッドなアコースティックも、音楽の性格と編成規模によくマッチしていて、力強い全奏でも飽和することは一切ありません。

同じ団員仲間とはいえ、一期一会のアンサンブルでこれだけのものを聴かされると、もう、ほんとうに脱帽としか言いようがありません。実に楽しいアンサンブル・コンサートでした。





読響アンサンブル・シリーズ
第30回 《遠藤真理プロデュースの室内楽》
2021年6月30日(水) 19:30~
よみうり大手町ホール
(16列 4番)

プロデュース/チェロ=遠藤真理(ソロ・チェロ)
ヴァイオリン=林悠介(コンサートマスター)、岸本萌乃加(次席第1ヴァイオリン)
ヴィオラ=鈴木康浩(ソロ・ヴィオラ)、森口恭子
チェロ=髙木慶太
打楽器=西久保友広

アルブレヒツベルガー:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第3番 イ短調
[林、遠藤]
ドホナーニ:弦楽三重奏曲「セレナード」
[林、鈴木、遠藤]
ゴリホフ:マリエル ~チェロとマリンバのための~
[遠藤、西久保]
チャイコフスキー:弦楽六重奏曲 ニ短調 作品70「フィレンツェの思い出」
[林、岸本、鈴木、森口、遠藤、髙木]

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