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日記

第37回音楽鑑賞会 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲

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2021年09月07日

D.オイストラフ/オーマンディ指揮フィラデルフィア管のレコード。



オイストラフが米国デビューを遂げた1956年の録音。これ以前にコンドラシンと入れていたそうですが、意外なことにこれ以降に録音したものはありません。当時はステレオとの端境期。この時期にモノラルで録音された米国コロンビアの名盤は、ほとんどが数年後にステレオで再録されていて、今日、CDでリリースされているものはステレオ版になる。冷戦の事情があったこともあってそういうこともなく、このモノラル盤がオイストラフの唯一のメンコンということになりました。

その演奏が素晴らしい。

ヴァイオリニストにとっては出せば売れるというこの名曲中の名曲を、オイストラフほどの名人が二度と弾かなかったというのは謎ですが、この演奏が自分の決定盤としてよほどの自信もあったのでしょう。

輝かんばかりの幸福と躍動に満ちた演奏です。そのヴァイオリンの音色は、冒頭の主題旋律から艶とコクのある光沢があって歌心にあふれています。オイストラフの来日公演を聴いた母は、オイストラフのストラディバリウスはまるでチェロのようにたっぷりとした音だと言っていましたが、もともとヴィオラを志したオイストラフの音色はそういう深みを湛えていて、このレコードでも高音の輝きとの陰翳が鮮やかです。


この録音でオイストラフが使ったのは、ストラディヴァリウスではなく、アマティだったという話しがまことしやかに流れていると聞いて驚いたことがありました。

どうもそのデマの原因となったのは、このLPのオリジナルジャケットの写真のせいだったようです。



ヴァイオリンの写真のうえに小さくクレジットがつけられている。すなわち、『女流ヴァイオリニストのアジェミアン愛用のアマティを拝借しました』。それはあくまでも写真のヴァイオリンことなのですが…。

念のため、当時の新聞記事情報などを当たってみたところ、フィラデルフィアの有力地方紙「リーディング・イーグル」紙のコラムに次のような短いエッセイを見つけました。

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オイストラフの新しいコロンビアのアルバム表紙には大きなヴァイオリンのカラー写真があしらってある。だが、このヴァイオリンはオイストラフのものではない。オイストラフはストラディヴァリウス。これは、若いアメリカのヴァイオリニスト、アナヒド・アジェミアンの所有する1623年製のアマティである。
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(Leonard Lyons 1956.5.2.)

このコラムは、芸能界の消息ネタを面白おかしく取りあげる連載もののようですが、この短文もいかにも皮肉たっぷりです。

ところがウェブ上のあるサイトには、どこやらで仕入れたこのデマを鵜呑みにして、「オイストラフがアマティを借りて録音した」と得意気に書いている。IT時代のデマとはこうして作られるのかとあきれてしまう。「飴色のアマティの魅力を十二分に引き出した名演ですよね。」などとわかった風のレスまでついている。受け売り・半可通のバカ丸出し…と言ったら、言い過ぎでしょうか。情報化時代とはこういうものなのです。



さて…

第Ⅱ楽章の哀感に満ちた美しい旋律にもうっとりとさせられます。第Ⅲ楽章ははじけるような躍動感があって、その後のオイストラフからは想像できないほどの若々しく挑発的な音楽がはじけ飛んできます。

オーケストラがやや遠目であることに時代を感じさせますが、オーマンディの伴奏指揮者としての卓抜した力量に目を見張る思いがします。ほんとうにうまい。端正でしかも明るく輝かしい。

細かいことですが、第Ⅰ楽章と第Ⅱ楽章の経過部分には、最近ではホルンとトランペットを加えるのが常道のようで、五嶋みどり盤もハーン盤もみなそうなっています。このオイストラフ盤ではスコア通りでした。

モノラル録音ですが、当時の米国コロンビアの最高の音がします。

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