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日記

音楽鑑賞会 第38回 ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」

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2021年09月23日

トスカニーニ指揮NBC交響楽団のモノラルLP。



私にとっては不動の決定盤。

とはいえ、この初出のLP盤を入手したのは近年のこと。



もともとは、FM放送からエアチェックしたオープンリールのテープでもっぱら聴いていました。中学生に入学して英語の勉強にはどうしても必要だからとせがんで買ってもらったソニーの「ソニオマチック5」。実際は、英語の勉強そっちのけでもっぱら福音電機(パイオニア)のレシーバーからエアチェックしたりダビングしたりして音楽ばかり聴いていました。

この頃、NHKFMでは「トスカニーニ・アワー」が音楽評論家・村田武雄さんの名解説で膨大なトスカニーニの放送テープ音源が紹介されていて、毎週、この放送を聴くのを楽しみにしていました。そのなかで私が最も気に入っていたのがこの「新世界より」でした。


この交響曲は「名曲」のわりにはなかなかよい演奏がありません。

あの頃の定盤といえば、ひとつはケルテス/ウィーン・フィル、人気があったのがカラヤン/ベルリン・フィル。少し後になってクーベリック/ベルリン・フィルが決定盤とされました。さらに時代が下ると、アンチェル/チェコ・フィルなどの「お国もの」も名盤に加えられるようになります。いずれもヨーロッパの指揮者とオーケストラです。

そういう演奏と較べるとトスカニーニの演奏は少なからずユニークで、特に第一楽章のテンポの速さと裂帛の気迫は抜きんでていました。これになじんでしまうと、カラヤンでさえ、よどんだような出だしのテンポに我慢がならない。こういう演奏は、美形に整えられていてもどこか言いたいことがわからない。トスカニーニの純音楽的な均整と構成の厳格さ、歌うようなカンタービレと劇的な推進力は、感傷のようなものを寄せつけない魅力がありました。



CD時代になって、BMGによる「ベスト・セレクション」シリーズ(国内版)を買いましたが、音質にぴんと来ず、思い入れがあった演奏だけにひどくがっかりしてすぐにお蔵入り、あまり聴くことはありませんでした。それが、ようやく最近、ふと目覚めて中古レコード店で探してみる気になり、なんなくオリジナル盤が見つかりました。よく磨いてから聴いてみると、古い音質ですがその音楽の力は新鮮そのものも。当時の思い入れが再び甦ることになりました。たったの900円でした。

私は、この曲の核心は「異国での孤独と祖国への郷愁」の音楽だと思います。

その点で、この曲はアメリカへ移民した人々による演奏がいちばんふさわしい。ヨーロッパの指揮者とオーケストラにかかるとエキゾチシズムが強調された、スラブ風ブラームスという通俗曲になってしまう。アメリカ時代のドボルザークには、もっと孤独で哀感に満ちた郷愁と、切々とした家族愛や民族愛があるのだと思います。

それがトスカニーニの第2楽章を聴くとよくわかります。



そのことを、もっともっと個人的なメンタリティを前面に押し出した名演として、参考に上げておきたいのがプレヴィン/ロス・フィルの演奏です。この曲は、このように移民の末裔たちが思いのたけをこめて演奏されてこそ素晴らしい情感に満ちた演奏になると気づかされ胸がいっぱいになるほど感動したもので、希有の名演だと思っています。


トスカニーニ指揮NBC交響楽団
1953年1月31日カーネギーホールにおける公開放送演奏会後の2月2日に収録
RCA Victor原盤 LM1778



(参考)
アンドレ・プレヴィン指揮ロサンゼルス・フィルハーモニック・オーケストラ
1990年4月30日 ロサンゼルス・UCLA ロイス・ホール
テラーク CD-80238

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  1. DvorakのシンフォニーだとNo.9よりもNo.8の方が好きな小生ですが、圧倒的にこの「新世界より」の方が有名曲ですね。
    Beethovenにしても「英雄」「運命」は有名でも間のNo.4はそうでもないとか。
    表題付きだと覚え易く親しみ易いのでしょうか?

    かく言う小生このNo.9でこの演奏が一番!という録音が有りません。
    プロオケは勿論のこと学生オケやアマオケの演奏会で沢山演奏されたのを聴いてきましたが、思わず涙腺が緩んだのは学生オケの卒業記念演奏会でコンミスが最後泣きながら演奏しているのを見たとき位です。

    手元にあるCDはDENONレーベルのノイマン・チェコフィルのでした。

    by椀方 at2021-09-24 12:18

  2. ベルウッドさん、こんばんは。

    非常に馴染みやすい曲だけにディスクもたくさん出ていますが、私も結構持ってますね(笑)
    ケルテス/ウィーンとロンドンの二枚はもちろんですが、アンチェル、セル、マゼール/ベルリン放送、ショルティ、ベーム等、思い出せない盤がまだあったかもしれません(汗)
    一応、一番のお気に入りはジュリーニ/シカゴです。
    これもしばらく聴いていませんから、引っ張り出してきてベルウッドメソッドでのクリーニングをしないといけません。

    と、いろいろと挙げましたが、アメリカのオケの盤に好印象なものが多いですね。

    私が今更書くこともありませんが、ナチスに追われて移民したユダヤの演奏家たちが作り上げたアメリカにおける音楽教育メソッドも要因の一つであるように思います。
    帰ることのない、帰ることのかなわない故郷への想いが楽曲への共感を呼び、素晴らしい演奏を実現させたのでしょうか?
    ベルウッドさんの言われる通り、『ふるさとは遠きにありて思ふもの』なのでしょうね。



    蛇足ですが…
    晩年のセルがこの曲を録音していたら、おそらく永遠の名盤が生まれていたのではないか、と妄想してしまいます。
    セルの最後の録音はDvorakのNo.8とSchubertの『ザ・グレート』なのですが、その極上な演奏が残されたこともまた、ある種の奇跡ではあるのですが。

    byfuku at2021-09-24 21:06

  3. 椀方さん

    >このNo.9でこの演奏が一番!という録音が有りません

    そうなんですよね。私も結局そういうことになると子供の頃に出会い刷り込まれたトスカニーニが一番ということになっています。

    以来、ようやく出会ったのがプレヴィン盤。これは、でもこの曲の「お国もの」はチェコではなくアメリカの方だよ!という持論で紹介することが常です。

    私も8番の方が好きですが、マイベストはジュリーニ/シカゴ響です。

    byベルウッド at2021-09-25 10:26

  4. fukuさん

    望郷の音楽ということでは、チェロ協奏曲の方がわかりやすいかもしれません。それでもそちらも、ロストロポーヴィチ&カラヤン/ベルリン・フィルなど、マッチョで望郷感をかき消されてしまう演奏の方が持てはやされているのがとても残念な気がするのです。


    >一番のお気に入りはジュリーニ/シカゴ

    どきっ!

    椀方さんのレスにも書きましたが、私の8番のお気に入りの組み合わせがそれです。なんでトスカニーニとかジュリーニとかイタリア人なんでしょうね??(笑)

    滞米中のドヴォルザークは、アイオワのチェコ移民のコミュニティを訪問しています。その途上、シカゴに立ち寄った時、シカゴ万博の催しの一環として初演されたばかりの新世界交響曲」を演奏していると聞いています。もともとシカゴも東欧圏のスラブ系移民が多い土地柄で、シカゴ響はお国ものなんですね。

    セルが録音していたら、ステレオの上質な録音で聴けたでしょうね。

    byベルウッド at2021-09-25 10:42

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