日記
音楽鑑賞会 第39回 歌劇「リゴレット」
2021年10月03日
パヴァロッティ、グルベローヴァ、リッカルド・シャィー指揮ウィーン・フィルらによる。実際のマントヴァにロケしての背景も豪華で、ジャン=ピエール・ポネルの演出は映像作品としても見事でこの歌劇の永遠の規範ともいうべき決定版。

83年頃に公開されたもので、私は、その当時、これをTVの放送でたまたま観て衝撃を受けた。TV放映で思わず釘付けにされたオペラ放送なんてこれが初めてだった。
パヴァロッティは若くて、その輝くような歌唱と堂々たる演技は高貴。ホンモノの「ワル」とはこうでなくてなならない。まだまだ若かったグルベローヴァも可憐で一途、理想のジルダ。タイトル・ロールとモンテローネの二役をやったイングヴァール・ヴィクセルの演技の素晴らしさ。この二役は映像作品ならではのもの。舞台上では不可能だ。

映像が頭に焼きついて、あの奇跡は何だっただろうと思った。10年ほど経ってDVD時代になってようやく見つけて買った。さすがに画質は物足りなくなったが、今では、ブルーレイ化もされたらしい。音声も《DTS-HD MASTER AUDIO5.1》となっている。ネットで見るとなぜかDGのロゴになっていて、写真も左右が逆になっている。
とにかくパヴァロッティが若い。まさに旬。
指揮者のシャイーも演奏録音の時点ではまだウィーン国立歌劇場にはデビューすらしていなかった。とにかく知的でかっこよい。まだ30歳そこそこだったと思う。
セッション録音と現地ロケによる思い切った演出の映像作品としてオペラを録るというのはもはや不可能。現代では、どこかの上演舞台をそのまま収録するライブ録音が大半。
10年後ぐらいに同じような顔ぶれで再録音されているようだが、この《映像》は別次元。歌手陣の輝き、演出、マントヴァの風景など、これを凌駕するものは永遠に現れないだろう。
制作:(映像)1982年4月、5月 マントヴァ
(音声)1981年12月 ウィーン
レス一覧
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ベルウッドさん
ご紹介ありがとうございます!
Amazon で「残り1点」となっていましたので、速攻でBlu Ray購入いたしました。
オペラのライブは、NYにいた頃には、METにたまに行っておりましたが(ドミンゴは何度か聴けましたが、パヴァロッティは残念ながらチケットが取れませんでした…)、日本に戻ってきてからは時間的にも金銭的にも(笑)、縁遠くなっておりました。
映画をあまり見ない私が、でも伊豆でスクリーンとプロジェクターを用意しているのは、このようなソフトを鑑賞することを「老後の楽しみ」として取っておいているからなのです。
これからも良質のオペラ作品(映像付きでお願いします)をご紹介ください。楽しみにしております。
byAuro3D at2021-10-03 07:07
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ベルウッドさんが映像付きソフト紹介とは珍しい(笑)
拙宅は映像付きはフォーマットの進化が止まらないことを想定して、ハードへの投資はせずにストリーミング配信を視聴することにしています。
コンサートではベルリンフィルDHCの他にパリ管弦楽団の本拠地であるフィルハーモニ・ド・パリ、新しい斬新なホールが話題になったNDRなどなど。
オペラではメトロポリタンオペラやウイーン国立歌劇場などがアーカイブをオンデマンドで視聴出来ますから。
by椀方 at2021-10-03 08:58
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Auro3Dさん
レスありがとうございます。
なのですが、映像派ではない私はもはや映像ソフトはPCでしか見ることができません。ディスクプレーヤーはとうの昔に処分してしまっていてピュアオーディオに徹しています。あとはBS放送などを時たま観ているだけ。
ソフトもほんの数枚だけを死蔵しているという体たらく。そんな私が少々こだわったのは、ディズニーの“FANTASIA”とこの「リゴレット」ぐらいです。
それでもとにかく素晴らしい「リゴレット」なのでご紹介しました。
byベルウッド at2021-10-03 08:59
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椀方さん
ふとこの《映像ソフト》のことが頭に浮かびました。おそらく、これが最初で最後の映像付ソフトのご紹介です(笑)。
私も、もっぱらBS放送の録りだめを見ています。TVセットなので音質は推して知るべしです。それでも映像の情報パワーはすごいので、これは!という体験もあって楽しんでいます。
最近では、NHKBSのプレミアムシアターで放映されたスカラ座2019-2020シーズン初日の「トスカ」。
トスカ:アンナ・ネトレプコ、カヴァラドッシ:フランチェスコ・メーリ、スカルピア:ルカ・サルシという豪華メンバー。これも目が画面に釘付けでした。歌手の力量でオペラの面白さががらりと変わってしまうということを痛感しました。ちなみに指揮者は、30年後のシャイーでした(笑)。
byベルウッド at2021-10-03 09:14
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ベルウッドさんのSACDプレーヤーって光デジタル入力端子付きでしたよね?
TVの光デジタル出力を入れては如何でしょうか?
テレビの視聴位置とオーディオが揃ってなくても部屋に音響が満たされる環境があるのですから勿体無いですよ。
by椀方 at2021-10-03 09:47
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椀方さん
さっそくつなぎかえて、とりあえず大河ドラマを観てみました。
なるほど、なかなかよい音です。特にリミッターが取れたみたいなダイナミックスの解放感がありますね。我が家の配置では、かなりあさっての方から音声が出るのがご愛敬ですが(笑)。まあ、画面を見ているうちに慣れますね。
FMデジタルチューナーにつないである光デジタルケーブル(TOSLINK)をTVの端子につなぎかえたというわけです。DACの表示は48KHzでした。
byベルウッド at2021-10-03 21:15
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ベルウッドさん
明後日の方向からでも音質が良い方がまだマシですよね。
テレビからの音声はHDMI出力は別として光デジタルは48/16だそうですから一応CD並み。
録画されているBSのオペラもより楽しめるのでは?
by椀方 at2021-10-03 21:40
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椀方さん
アドバイスありがとうございました。
オペラとかのBSプレミアムシアターの放送や録画は、どんなフォーマットでしょう?ちょっと音質が楽しみです。
byベルウッド at2021-10-03 22:35
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TV開発に係る業界関係者?の話だとHDMI出力は24bitのハイレゾ対応しているそうですがテレビからの光デジタル出力(TOSリンク)は規格上48/16に固定されているそうです。
ベルウッドさんも経験されたようにFM放送のエアチェック音源で同じ48kHzでも16bitと24bitでは音質に明らかに差が出ますが、BS放送は映像付きなのでそう気にならないかも知れませんね?
もし気になるなら小生のようにHDMIからの音声分離器を使えば24bitになりますよ
by椀方 at2021-10-04 10:46
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椀方さん
>テレビからの光デジタル出力(TOSリンク)は規格上48/16に固定
そうでしたか。せめて48/24にしてほしかったですね。とはいえ私としてはTV内蔵音声より良ければそれでよしみたいなところなので、実験の結果には大いに満足です。光デジタル延長ケーブルをさっそくポチりました(笑)。
FMエアチェックは、音質とファイルサイズの双方のバランスから48/24に設定しています。聴き較べても48/24より上のフォーマット出力でも音質メリットは感じません。ファイルサイズは倍々で大きくなっていきます。
不思議なのは、チューナー出力を直接DACに入れてオンタイムで聴くよりも、いったんデジタルレコーダーで記録してそのファイルをPCで再生する方が音が断然良いことです。おそらく伝送ノイスやジッターの問題なのだと思います。MFPCの威力です。
byベルウッド at2021-10-05 13:12
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