日記
ブラインドテストの思い出~バイナリ一致ファイルの音質差が聞き取れるか?
2014年09月28日
2008年秋のことですが、バイナリ一致ファイルのブラインドテストに挑戦したことがあったのでそのことについて書きます。
そのとき、ある掲示板で、リッピングする際のドライブによる音質差があるかどうかを議論されていました。現在はこの種の議論は収束した感がありますが、当時はまだよく行われていました。その掲示板の議論なかで、音質に定評のあったCD-R/RWドライブのプレクスタープレミアム(1か2かは不明)でリッピングしたファイルと別のドライブでリッピングしたファイルがアップロードされました。2つのファイルはバイナリが一致しており、どちらのドライブでリッピングしたか分からないようにAとBというファイル名がついていました。
一応プレクスターのドライブの方が音質がいいのだろうと思い、比較試聴の結果高音質であると思ったファイルの方をプレクスターだと思うと掲示板で回答すると、果たして正解でした(間違った人もいました)。
ファイルの入っていた曲は知らないピアノの曲でしたが、プレクスターでリッピングしたものの方が高音が美しく、余韻がより正確に再生されていると思われました。ただし、知らない曲だったためか、2つのファイルの音質差はどれほど大きくは感じられず、自分のところで光ドライブを変更したときほどの大きな差はない様に思われました。なおアップした主に聞いたところ、手元にあるオリジナルのファイルよりもアップロードしたものをダウンロードしてきたファイルの方が音質差が小さくなっているように聞こえるとのことでした。
このファイルは比較試聴してもらうためにアップされたもののため、サイズも手ごろだったので、比較的差は少ないように思われたもののこの2つのファイルが聞き分けられているかどうか試してみることにしました。ケーブルだとかアンプのを入れ替えての試験ですと、なかなか完全なダブルブラインドテストの条件を満たして実施することが難しいものです。しかし、wavファイル2つを比較するだけであれば、foobar2000のプラグインを使ってダブルブラインドテストを実行できます。

テスト中の画像です。play AをクリックするとAのファイルが、play BをクリックするとBのファイルが再生されるので、両者の音を覚えます。X,YにはそれぞれA,Bどちらかが割り当てられているのでA=X,B=Yなのか、A=Y,B=Xどちらなのか答えます。
下のほうにprobability that you were guessingと書かれたパーセンテージが出ていますが、これは回答数と正解数に応じて計算される数値で、偶然にそれ以上の正解率が出る確率を示しています。
テストするファイルを選んで始める準備をしますが、そのときにfoobar2000は元のファイルをコピーしてテスト用ファイルを作っているようです。そのためか、AとBを聞き比べてみるとダウンロードしたファイルよりも差が縮んでいるように聞こえました。ちょっと厳しいかと思ったもののまあそれでもテストをやってみることにしました。
一応、違いが分かると思ってはじめたので、9/10くらい出るかと思ってやり始めたら途中でわからなくなることが多く意外と難しいものでした。何十回かやって、7/10~4/10の成績であり、有意に区別できているという結果は出ませんでした。
それでもめげずに、そこまではある程度聞き込んでから答えていましたが、局の先頭だけ聞いて即決で答えて行くことにしました。思ったほどは正解できないもののずっと続けていくと正解率6割以上で安定し、正確な数字は忘れましたが、180回ほどテストしたところで120回代の正解となり、probability that you were guessingが3%未満となり、有意となる結果が出ました。7/10ならば棄却ですが、180回もテストすれば6割台の正解率でも有意となるようです。
思ったほどの成績は出なかったものの、有意に聞き分けられていたという結果がえられ、確かにバイナリが一致している2つファイルの音質差が聞き取れていたことがわかりました。