日記
タイムドメイン再考(1)
2018年06月25日
タイムドメイン理論に準拠したものは無理でもタイムドメインの足を引っ張らないサブウーファを作るため、タイムドメインについて再考します。
タイムドメイン理論とはどんなものなのか。それは本家のHPを参照しましょう。
1.ユニットの保持とエンクロージャ
ユニットは動かないよう(なるべく)大きな質量のグランドアンカーで保持し、振動がエンクロージャに伝わらないようゲルやゴムパッキンでアイソレートしているようです。
GS-1をタイムドメインの仲間に加えると、少し変わって来ます。
GS-1の構造をちゃんと知ってるわけではありませんが、ユニットと箱はアイソレートされてなさそうに見えます。
その代わり金属を含む複数素材を組み合わせるなど工夫して、徹底的に鳴らない箱にしているようです。
タイムドメインのライセンスはとれなくても「タイムドメインの足を引っ張らない」条件の一つは「箱を鳴らさないこと」です。(努力目標)
そのための手法は色々あります。
・箱は(妥当な範囲で)小さい方が鳴りにくい。
・ユニットをフロントバッフルにつけている場合でも、ユニットの磁石の後ろにデッドマス(重り)を付けると不要振動が減る。
・エンクロージャを厚手のフェルト等でカバーすることで箱が鳴っても聴こえにくくなる。
などの手法でなるべく箱を鳴らさないようにすべきです。
2.小口径シングルコーン
これもGS-1を仲間に加えると条件が緩和されます。
GS-1は800Hzクロスの2ウェイですが、ウーファとトゥイータの音が同時に耳に届くようにユニットの前後位置を調整して時間軸を合わせています。
由井氏によるとGS-1開発時に10KHzクロスのスーパートゥイータを試したが、波長が3.4センチと短いため少し耳を動かしても時間軸あわせが狂ってしまうのでボツにしたとのことです。
小口径フルレンジが圧倒的に簡単だが、「低い周波数でクロスさせて時間軸を合わせればマルチウェイも可」ということになります。
タイムドメインの名を冠するサブウーファの製品が存在するようですが、メインのスピーカと時間軸を合わせて設置しなければぜんぜんタイムドメインじゃありません。
「タイムドメインの足を引っ張らない」サブウーファは、何よりもメインのスピーカの近くに置かなければなりません。
150HzクロスくらいならGS-1と比べても十分低いクロスオーバなので、時間軸合わせもミリ単位とかの厳密さは必要ないでしょう。