日記
時間も周波数も大事にするスピーカ
2018年06月28日
時間も周波数も大事にする、言い換えれば波形もf特も大事にするスピーカにはどんなものがあるでしょう。
メーカー製スピーカの中でリニアフェーズを謳うものは、どれくらい徹底しているかは不明ながらある程度は時間も周波数も大事にしていそうに思えます。
残念ながらTIMEDOMAINライセンスの商品は周波数は大事にしていなさそうです。
最高峰のオンキョーGS-1を除けば音圧としては低音不足です。
関係者やファンに言わせれば普通のスピーカより正確に再生しているそうですが、音圧もあるに越したことはないでしょう。
自作スピーカでは、私が経験したものは以下の方式のものです。
1.ユニウェーブ方式
高橋和正氏が言い出して別府俊幸氏が技術面で協力して一気に完成度が高まったその方式は
①ユニットの音源位置合わせ(通常は高域側ユニットを後ろに下げる)
②合成位相回転のないクロスオーバネットワーク(通常は1次のクロスオーバ)
③ユニットにデッドマスをつける
④箱は密閉型
⑤バフル面積は最小とし、表面を吸音する。
⑥単発サイン波応答特性で測定・調整を行う。
というもので、ほぼ全域で波形を”まあまあ”正確に再生します。
「時間軸を合わせたマルチウェイ」であり、時間も周波数も大事にしたスピーカです。
私が本来使用していたMFB3ウェイも、このユニウェーブ方式に(けっこう妥協してるけど)従ったものです。
↓こんな感じでトゥイータがウーファより数センチ後方に位置します。

2.f特補償を前提としたフルレンジ
大げさなシステムが組めない場合に私が採用するのがこの方式です。
なるべくロングストロークな小口径(13センチくらいまで)ウーファを密閉箱に入れ、低域と高域の共振をラインレベルのノッチフィルタで相殺することで、見かけ上広帯域化するものです。
ユニットにデッドマスをつけてフェルトで吸音すれば、ユニウェーブ方式とも矛盾しません。
以前Stereo誌の付録のフルレンジで作ったのがこの記事のものですが、波形もf特もなかなか優秀です。
時間も周波数も大事にしていますが、犠牲にしているのは音量です。低域も広域も約20dBブーストしているので、あまり音量を上げることができません。
とは言え、私の部屋と聴取音量ではXmaxが3.5ミリの13センチウーファで十分実用になっています。
過去にこの方式で作った10センチフルレンジを今回TIMEDOMAIN mini改のサブウーファに流用したわけです。