日記
SB-F1用低域補償EQの設計
2018年07月21日
正確じゃないかもしれませんが、f0=110Hz・Q=0.7として低域補償EQを設計します。
定数は↓のようになりました。

ローブーストのシミュレーションは↓のようになります。

中高域の利得を約20dB下げることで相対的にローブーストします。
単純なローブーストではなく、ノッチフィルタでf0のQを下げてからローブーストすることで、f0共振の癖を聴こえないようにして低域拡大できます。
たいていの場合、シミュレーション結果ほどはローブーストできません。
おそらく大振幅時のリニアリティが悪くてパワーに比例した音圧が得られないのだと解釈しています。
パワーアンプ前段に挿入するため入力側にRCAメス、出力側にRCAオスを取り付けます。

EQによる低域補償結果を測定します。
ウーファ前3センチのf特

ユニット中間30センチのf特

サインショット波形

やはりシミュレーション結果と比べるとローブーストが足りませんが、サインショットを見るとより広帯域でサイン波一発に見えるようになっています。
10センチウーファをローブーストしているので大音量は出せませんが、「時間も周波数も」大事にしたスピーカになっています。
それにしても、自作EQを使用しているとはいえ無改造の市販スピーカでこんな優秀な特性が得られるとは思っていませんでした。
SB-F1は40年前の製品ですが、現在もこんな優秀なスピーカが適価で売られているでしょうか。たぶん無いでしょうね。
レス一覧
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大福丸さんこんにちは
綺麗なサインショット波形だと思います。
とても良い「タイムドメイン」スピーカーですね。
特性グラフの中では周波数特性(F特)が重視されがちですが
位相特性はもっと重く見られても良いと思ってます。
これからSB-F1の中に手を入れていくおつもりでしょうか
それとも無改造のまま楽しまれるのでしょうか。
byテナガザル at2018-07-22 10:19
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テナガザルさん、レスありがとうございます。
おっしゃる通り位相特性は大事ですが、大部分のスピーカを否定することになるので主流に持ってくるのは難しいんでしょうね。
テクニクスでさえ「リニアフェーズ」がいいと言いながら製品ラインアップの中心には置いてなかったように記憶してます。
まだろくに聴いていませんが、私にとっては「普通の音」がします。
20年前に高橋和正氏の影響でリニアフェーズ→ユニウェーブに取り組んで以来、波形をまともに再生できないスピーカは使用していませんので。
今は「部屋が片付かない問題」により無理ですが、3ウェイくらいのユニウェーブで(私には)時間も周波数も満足できるスピーカができます。
一方で「縛りゲー」の楽しみもあって、「フルレンジ一発」とか条件のついた中で高性能を実現できるとお気に入りのスピーカになります。
今回のは「特に高価でもないメーカー製品を無改造で」という縛りがあることを気に入っています。(じゃなきゃ、10センチ2ウェイのユニウェーブ作るし)
とは言え、しばらく聴き込んで気に入ったら改造を始めるかもしれませんね。
ネットワークの電解コンをフィルムコンに交換したり、吸音材を吟味したり、ひょっとしたらウーファの後ろに重りを付けたりするかもしれませんが、測定結果で効果を検証できない自己満足な改造になるでしょう。
by大福丸 at2018-07-22 12:39