日記
タイムアライメントの調整
2016年03月05日
皆さん、こんばんは。
デジタルチャンデバを導入し、その調整途上です。
まだ入り口部分ですが、タイムアライメントについての話題が結構出ており、自身も取組中なので途中経過の記録として、日記に残します。
タイムアライメントは、複数ユニットからの信号到達タイミングをそろえることと理解してますが、いざ実践しようとすると疑問や懸念がでてきます。
考え違いや、もっといい方法があるよなど、情報交換させてください。
使用機器
SP:JBL4344(4Chマルチ仕様へ改造)
チャンデバ:ラステームRCD-84
アンプ:ラステームRSDA904 X3台、ラステームRDA-520 X1台
PC:OS Windows7
使用ソフト:MySpeaker、SoundEngine
USB Audio Interface:UA-55
マイク:Dayton Audio EMM-6
先に疑問や懸念と書きましたが、色々調べてやってみた結果、タイムアライメントをとろうとしても
・各ユニットまでの距離を測って計算すればいいのか
(測るにしても、ボイスコイルまでとか振動板面積が2/3のポイントとか、ホーンなら開口面積
の80%位置とか諸説ある)
・デジタルチャンデバはフィルター演算遅れによる周波数依存の信号遅延がある
・インパルス応答が使えそうだが、測定信号のどの位置に合わせるのかよく分からない
(SPの過渡応答特性により測定した信号は、時間方向に幅がある)
あまりこだわり過ぎても前に進めないので、とりあえず思いつく方法でやってみました。考え方は、試聴する耳の位置付近で各ユニットからの信号タイミングが揃うようにしようということです。
まずは、測定。
チャンデバのフィルターは設定したまま、MySpeakerのインパルス:エネルギー時間応答測定で測ります。マイクは、試聴位置近くで耳の高さに設置。
この時に測定しているのがどのユニットか分からなくなりそうなので、ウーハーとミッドバスとかウーハーとミッドハイとかペアで鳴らしてウーハーに対する遅延を求めます(ウーハーを基準にしているのは、今まで試してきて、私のシステムではウーハーが一番遅れることが分かっているからです)
ウーハーとミッドバスのインパルス応答測定結果です。

見てもよく分かりません。
何のこっちゃ状態です。
ここで、この結果をSoundEngineに読み込ませます。

下の画面が読み込ませた結果(信号特定のためミッドバスに予め0.02秒のディレイをかけてあります)一番左の下に向かうピークがウーハー、0.02秒過ぎのちょっと鋭く下に向かうピークがミッドバスです。上の画面が調整後の再測定結果。先の山が重なったような形になっているのが分かるでしょうか。
同様にして、ウーハーとミッドハイ、ウーハーとツイーターも調整しました。
調整結果は特にミッドハイとツイーターのクロス前後でどうしても取れなかったF特のギザギザがきれいになくなり、メーカー発表のF特に非常に似てきました。
(ミッドハイとツイーター中間地点の軸上50センチで測定)
タイムアライメント調整前

タイムアライメント調整後
(200Hz以下は諸条件が違うので無視してください)

メーカーF特に似せることができて、やっとスタート地点という気がしています。それにしても、30年前の設計の4ウェイでこのF特を得ていたということは、今更ながらメーカーというのはよく考えていると感じました(物理的にタイムアライメントは無理なので、意味は少し違いますがネットワークで位相を調整して合せているのではないかと)
タイムアライメントを合せた結果としては、奥行き感の向上を一番感じました。
ユニット間の干渉による信号消失が減った結果、情報量が増えたからだと思っています。
レス一覧
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こんにちは。記事お疲れ様でした。
素晴らしい周波数特性ですね。努力の賜物と思います。
私の場合、既製品のマルチアンプ化を行うとき、オリジナルの設計はちょっと置いといて、ほぼオリジナルでフィルタを決めていきます。
結果はともかく、気持ち的に楽ですから。
WPOZZZさんはオリジナルを大切にされたい気持ちがあるようなので教えて頂きたいのですが、クロスの周波数やフィルタ、極性などもオリジナルを踏襲されているのでしょうか?
bytaketo at2016-03-06 07:22
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taketさん、こんばんは。
お読みいただき、ありがとうございます。。
オリジナルを大切にというより、オリジナルはベンチマークという捉え方をしています。ですので、クロスもスロープも位相もオリジナルから変更することに抵抗はありません。
ネットワークからマルチへ移行しフルデジタルとしたこともあり、設定の自由度が高くなりました。
現在の設定もオリジナルとは違います、
かの昔はSPシステムの自作もかじりましたので、メーカー設定値を参考にユニットごとのF特を測定してからクロスを決めました。
ただ、煮詰めた結果としてオリジナルに近くなってしまうかもしれません(笑)
byWPOZZZ at2016-03-06 20:56
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WPOZZZさん、こんにちは
その後日々進化していますね。
大昔のアナログ式チャンデバを使用しているのでタイムアライメントと云った機能は有りませんが、
タイムアライメントでF特まで変わるとは驚きです。
あとスロープとの関係も興味を引かれますね。
byhelicats at2016-03-08 11:49
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helicatsさん、こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
私もミッドハイとトゥイーターの干渉が、こんなに綺麗に消えるとは、うれしい誤算です。
タイムアライメント前のF特は、ミッドハイLPF 12db/oct、トゥイーターHPF 24db/octでクロス10Kです。
タイムアライメント後のF特は、ミッドハイLPF 24db/oct、トゥイーターHPF 24db/octでクロス10Kです。
後者の方がユニット間の干渉には有利ですが、タイムアライメントをとるまで、こんなに綺麗に消えたことはありませんでした。う少し緩いスロープを使える可能性がでてきました。
byWPOZZZ at2016-03-08 23:34
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WPOZZZさん、こんにちは
かなり急峻な減衰なのでユニット間の干渉と云うより左右の干渉かもしれませんネ
よく話題になる数cmスピカーを動かしただけで音が変わると云った話は今まで眉唾物だと思っていましたが、案外この当たりに原因が有るのかも?
byhelicats at2016-03-09 10:51
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helicatsさん、こんばんは。
F特測定時、他方のチャンネルは鳴らしてませんので左右間の干渉ではありません。ただツィーターとミッドハイで位置や位相によりこれだけ干渉するので、左右チャンネルでも起こるはずです。
おっしゃる通り数㎝で音が変わるとの関連は、あり得ますね。
私もそんな経験は、ないのですが。
実のところ、左右のタイムアライメントもやってみようかと思ってはいました。
スロープは、各ユニットのつながりや音色の統一感を出すために12db/oct程度迄に留めたいのですが、大型4ウェイならではの難しさもあり、実現できていません。
今回のタイムアライメントで、ユニット間の干渉が低減できるのなら、試してみようかとも思っています。
byWPOZZZ at2016-03-09 21:55
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WPOZZZさん、こんにちは
私の経験では、減衰は出来るだけ急峻に落として、帯域を各ユニットの得意とする部分に絞り込んだ方が音がまとまり易いと思います。
※JBLはこの為のユニット選定が見事だけどネットワークの制約でかなり無理をしていると思う。
それと人の耳は3KHzが最も感度が高いのでクロスオーパは3KHz周辺を避けた方が自然に鳴ると思います。
※ラウドネス曲線では20Hzと3KHzで70dB(3千倍)感度が違う
byhelicats at2016-03-13 12:17
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helicatsさん、こんばんは。
マルチユニットにおいて、クロスや減衰は永遠のテーマですよね。
おっしゃるとおり、急峻に落とすことのメリットも色々あると感じてます。混ざり合いが少なければ位相や干渉の影響も回避しやすくなります。96db/octなんてことができるデジタルチャンデバならではの特性を活かせる部分かも知れません。
かたや急峻に落とすことで気になっているのは、スイッチのようにある周波数でユニットが切り替わると、例えばボーカルの音像がふらついたりしないのかとか(ボーカル帯でクロスの場合)、4344ならコーンとホーン、紙とアルミとチタンという方式や材質の違うユニット構成なので音色を混ぜ込む必要があるのではないかとかです。
ただこれらにしても、、ならばどの程度の減衰がいいのかは、分かりません。もしかしたら、いいとこどりの減衰があるかもしれませんし。
4344が4ウェイなのは後者の音のつながりのため、15インチウーハーと1インチドライバーでは音の質が違い過ぎるので繋ぎのミッドバスが必要だったのではなんて感じてます。
耳の特性は、3KHzが最も感度が高いとは知りませんでした。
日常的に触れている人の声の辺りの感度が高いのではと、漠然と思い込んでました。ですので、このあたりのクロスは避けたいとも思ってました。こういう知識もマルチ構築には、必要ですね。
ありがとうございます。これからも色々教えてください。
ところで、
>※JBLはこの為のユニット選定が見事だけどネットワークの制約でかなり無理をしていると思う。
どういった無理をしているとお考えですか?
よろしければ、参考に教えてください。
byWPOZZZ at2016-03-13 19:49
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96dB/OCTとはすごいですね。
確かにここまで急に切ると別の問題が発生しそうですね。
かなり昔になりますがJBLのユニットは優秀たけどネットワークがお粗末、ネットワークをどうにかすると信じられないほど鳴ると雑誌で読んだ事があります。
実際に4311Bを使用した時に内部のネットワークを調べるとおもちゃの様な部品で、3WAYにも係らずウーハー直結、このためスコーカーはおまけ程度のなり方でした。(ウーハーでスコーカーまでカバーするのはさすがに??)
話に聞くと元々2WAYで日本向けに3WAYにしたとのことでしたが、
あまりにと云えばあまり・・・この時に思い出したのが上記記事でした。
コスト・納期の問題もあり新たに3WAYのネットワークを作れなかったのかもしれませんがもう少し考えて欲しいと思いました。
4311Bはアルニコでは無かった事もあり、ほとんど使う事なく粗大ゴミへ。
byhelicats at2016-03-13 23:41