日記
KISOアコースティック HB-X1試聴会
2013年11月30日
先日、名古屋のオーディオショップ・サウンドピットさんからのご案内で、KISOアコースティックHB-X1の試聴会へ行ってきました。最近少しでも経験値を上げようと、気になった機器の試聴会には参加したいと思うようになりました。
まずは恒例の腹ごしらえ(笑)
今回は閑静な住宅街の真ん中に佇む喫茶店「香蔵」でハンバーグランチを頂きました。
10年くらい前は良く訪れたのですが、最近はちょっとご無沙汰で、実に4年ぶりの来店です。
以前は客席の半分が光の少ないシックな屋内空間で禁煙席、もう半分が天窓と広いガラス窓に囲まれたサンルーム空間で喫煙席だったのですが、今はサンルームが半分に区切られて、奥は喫煙席、手前は禁煙席になっていて、ここは時代の変化を感じました。
メニューに変化が全く無いのが驚き。しかし材料や味は細かいところで少しずつ変わっているようです。個人的には好みのハンバーグなのですが、切ってみると以前より肉汁のしたたり(所詮脂肪ですが)は少ないですね。山椒の入ったもやしの和え物がgood。日曜日の昼食時ですが、お客さんが少なく、混んでいないのは有り難いですが少し心配。

その後名二環に沿って守山区まで走り、会場となるライブギャラリー「元」へ。当日の解説はオーディオ評論家の三浦孝仁先生でした。さすがにプロの評論家の方で、説明のわかりやすさやデモの巧みさもさることながら、とても気さくな方で、写真撮影についても「バンバン撮影しちゃってください」とのこと。
送り出し機器はESOTERICのトランスポートP-02~Antelopeのルビジウムクロック+クロックジェネレーターG-02~DAC D-02の4点セット
、プリはARION、パワーはHEGELを2台
(当初BTL接続も試したが、結論としては2台をL-chのみ使用。贅沢ですねぇ。BTLを止めた理由が本当は知りたかった)。SPはHB-X1及び前モデルのHB-1で、丁寧な比較試聴も出来ました。
全モデルのHB-1は元々開発者の方が地元中津川市の楽器工房で、ギターの構造を取り入れて開発・製作されているONKYOのギターアコースティックスピーカーD-TK10にヒントを得て開発したスピーカーとのこと。このスピーカーとの関係や違いについては、以前より気になっていたのですが、今回の説明でユニットもネットワークも仕上げも全く別物であることが分かりました。
今回のHB-X1は4年ぶりのモデルチェンジで、前モデルのHB-1に対してSPユニットは変更無く、ネットワークが完全な別物、SP側板裏側に張られる力木(ちからぎ)でサウンドを追い込んでいるのが大きな変更点のようです。
側面は楽器のような美しい仕上げで、手で叩くとポコポコときれいな音が響きます。ツイーターのホーン部は、黒檀のNC切削加工仕上げで、これまた美しい。
ユニットは選別品で、歩留まりの問題が価格にも繋がっているようです。

実際に音を聞かせていただくと、小さな筐体に似合わず、音像はSPの外側まで大きく広がり、とてもクリアです。ギターに似た構造なだけあって、ギターやヴァイオリン、チェロなどは、独特の相性の良さを聴かせてくれます。大編成ジャズも大音量入力でへこたれず、良い雰囲気で鳴らしてくれましたが、個人的にこの音色は中小音量で繊細な音色を楽しみたいスピーカーのように感じました。
前モデルHB-1との比較には女性ヴォーカルと男性ヴォーカルで、それぞれ接続変更して聴かせていただきましたが、声のつや、きめの細かさ、いわゆる質感がグッと上がっていて表現力が良くなっているように感じました。三浦先生曰く「これはもう別物のスピーカーだと思います」とのこと。「すでにHB-1をお持ちでHB-X1を購入される方が多い」とのことでしたが、私の場合正直HB-1も高価なSPでおいそれと買えないですが、更に高価なマイナーチェンジ版(?)への買い換えは、かなり厳しく感じました。
今回の試聴会で、三浦先生は沢山のソフトを聴かせてくださいましたが、今回是非入手したいと感じたのが手嶌葵さんの「Collection Blue」。
大変録音の良い女性ヴォーカル。試聴曲は「月のぬくもり」で、何かゲームのエンディング曲です。他の曲目を見てみると、映画やCMで人気のある方のようですね。ちなみに三浦先生は録音がよいと分かったときに、仕事で使ってどんどん傷だらけになっていくことから、初版プレス版を20枚買われたそうです(笑)
スピーカーの試聴会とは不思議なものだと思います。再生される音色の一番キャラクターが出るものなのではないかと思っています。新しいスピーカーの音が体験できると聞くと、ついいそいそと出かけてしまう。ただし矢切定主人は丁度1年ほど前に、19年間連れ添ったSTiRLiNGにお別れを告げて、現在のKensington/SEに更新したばかり。簡単に他機種に乗り換えることは心情的にも金銭的にも(笑)ありえません。ちなみに私の愛機STiRLiNG/TWは1年ごしでやっと売約済みに。とてもうれしい出来事でした(笑)。新しいユーザー様に、支払った代金以上の喜びがもたらされることを願って止みません。
レス一覧
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矢切亭主人さん、こんばんは。
>最近少しでも経験値を上げようと、気になった機器の試聴会には参加したいと思うようになりました。
同感です。 出不精でズボラな私も、最近は可能な限りオフ会に参加させていただいたり、試聴会などに参加させていただいたりするようになりました(苦笑)
KISO ACOUSTIC の HB-X1、噂には聞いておりましたが、相当良いみたいですね! それに、仕上がりも素晴らしい! 前モデルのHB-1 は試聴会で聴かせていただいたことがあり、気になる存在でありました。 やはりこれは、一度自身でしっかり確かめて見なければいけない製品であると、認識を新たにさせて頂きました。
>今回の試聴会で、三浦先生は沢山のソフトを聴かせてくださいましたが、今回是非入手したいと感じたのが手嶌葵さんの「Collection Blue」。
私も手嶌葵さんの歌が大好きで、「Collection Blue」はヘビロテアルバムの一枚です(笑)
本当に素敵な曲ばかりで、矢切亭主人さんが試聴された「月のぬくもり」の他「いまを生きて」や「Because」などが私は特に好きです。 彼女は、クリスマス関連のアルバムも出しているので、これからの季節、よろしければ聴いてみてください。
>新しいユーザー様に、支払った代金以上の喜びがもたらされることを願って止みません。
グッときますね...。 ユーザーが変わっても、相思相愛の間柄を築いていってもらいたいと、思わずにいられませんものね!
それでは、また。
byカイ at2013-11-30 18:06
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矢切亭主人さん、こんばんは。
僕は試聴会の参加などの経験はないので、最近になってオーディオ機器の選びや何処のメーカーの音が好みなど傾向が分からずに絞りきれていないので経験不足を痛感してます。
それにしてもこちらのスピーカー美しいですね。後ろからのアングルはアコギをそのまま利用したかのような曲線ですよね。
しかし愛知は隠れた名店が多そう・・・無性にひつまぶしを食べに行きたくなりました~
byOIOI at2013-11-30 19:03
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矢切亭主人さん こんばんは
HB-1ユーザーの大佐です。
内容の良い視聴会だったみたいですね。
私も、もう一組HB-X1を欲しいと企んでいます。
私が聴いたHB-X1は300時間ほど鳴らしたデモ用品だったのですが
ネットワークを変更しエンクロージャーをチューニングし直したHB-X1にヤラレテしまいました。(;´Д`A ```
今回のX1も数年も鳴らし込むと更に良い音色をだしてくれると確信しています。小さいスピーカーですが末恐ろしい存在だと思います。
私的にはLive演奏用にHawaiian KoaのHB-1で
スタジオ録音盤にHB-X1で使い分けたいと考えています。
ちなみに数年なら仕込むと・・・
>大編成ジャズも大音量入力でへこたれず、良い雰囲気で鳴らしてくれましたが
大編成ジャズも大音量入力でも見事に鳴らしきる!に変化する方向です。
byトラウトマン大佐 at2013-11-30 23:31
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ストラさん、レスありがとうございます。
今回いただいたのはチーズハンバーグ\840-で、とてもリーズナブルです。一番高いトマト煮込みハンバーグでも\890-、ハンバーグサイズ1.5倍で+\200。ちなみに小鉢はもやしの和え物で、山椒の実入り。ぴりっと良い香りです。
このスピーカーはとても不思議な存在です。このクラスのスピーカーは楽器の音がきれいに解像してきれいに聞き取れるのはもちろんなのですが、本当にしっかり朗々と鳴り響きます。
おいそれと手が出るものではありませんが、本体の仕上げも含めて、とても魅力的なスピカ-でした。
by矢切亭主人 at2013-12-01 01:40
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RIRAさん、レスありがとうございます。
本当に音も外観も見目麗しいスピーカーでした。
ヴァイオリンのようなきれいな仕上げには、本当にやられてしまいます。
何度か試聴会に忍び込んでいる(笑)サウンドピットさんですが、実は矢切定主人は今回とある中古品を購入するのが初めてという、不良なお客さんです。
本当の常連さんの邪魔にならないよう、こそっと参加していたつもりなのですが、ついつい音に惹かれて一番良い席に…。
by矢切亭主人 at2013-12-01 01:52
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カイさん、レスありがとうございます。
オフ会は色々と得るものが多そうですね。私も少しずつ見聞を広げていこうかなと思っています。今回のHB-X1はとても良い体験でした。わたしはやはり「筐体を鳴らす系」の音が好みのようです。
手嶌葵さんのファンだったのですね。私もこの方の声、とても気に入りました。他のアルバムも是非聴いてみようと考えています。
まずは早速「Collection Blue」を入手いたしました。
STiRLiNGのことは本当にうれしかったので、ついさらっと触れてしまいました(笑)。反応していただいてとてもうれしいです。
by矢切亭主人 at2013-12-01 02:13
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myuさん、レスありがとうございます。
実はオーディオ評論家さんは普段あまり意識して居らず、今回も三浦さんを良く知らないで試聴会に参加したのが真相でした(笑)
矢切亭に戻り手持ちの雑誌をめくると…三浦さんの記事がやはりちゃんとありました。(大変失礼いたしました)
手嶌葵さんの声、良いですね。ヴォーカルはやはり人の耳になじみやすいのでしょうか。とても耳に心地よいですし、機器の違いによる音色の変化も、聞き取りやすく感じます。
by矢切亭主人 at2013-12-01 02:22
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ABガタガタさん、レスありがとうございます。
私も以前は年1回のオーディオフェスタくらいしか試聴の機会がなかったのですが、あちらこちらに顔を出すようになったのは、本当につい最近です。
千葉近辺でも良いお店があると良いですね。
HB-X1は曲線も表面の仕上げも、正に楽器ですね。
鳴り方も堂々(胴々?)としたもので、とても心惹かれるものがありました。本当に希有なスピーカーです。
良い音で心を満たし、美味しいものでお腹を満たす(笑)
関東方面でもひつまぶしをいただけるお店があると良いのですが…。
by矢切亭主人 at2013-12-01 02:36
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トラウトマン大佐さん、レスありがとうございます。
やはりヤラレてしまわれましたか…
拝見したHawaiian Koaの虎目の美しさは別格ですが…
当日Hさんに「ユニットも筐体の仕上げも同じなら、是非バージョンアップサービスが欲しいですね」と話しかけたら、「ネットワークの高さが10mmアップしてしまい、台座の寸法が4mmアップ、あと6mmはボディーの内側を削っていますので、物理的にバージョンアップは無理なんです。そもそも力木の配置が違いますから、ネットワークの交換だけでは、我々の本当に提案する音にはなりません」と言われて、浅はかな質問に恥じ入りました。
このスピーカー、正直大編成は少し飽和ぎみかもと思っていましたが、まだまだ変化するのですね。末恐ろしいスピーカーです。
by矢切亭主人 at2013-12-01 02:48