日記
不思議なCD
2016年01月27日
ネットでの評判はいいのだけれど自宅ではどうもうまく鳴らせないCDがいくつかあります。
これもそのひとつでした。

ジャネット・リンドストレームの「フェザーズ」というCD。
鮮度感のある音ではあるのですが、ヴォーカル、ピアノともコンプレッサーが強くかかっているような感じでヴォリュームを上げていくとうるさくて聴きづらい。
それでしばらく聴いていなかったのですが、最近ひょんなことから久しぶりに聴いたら、そんなに悪くない。
ダイナミックレンジを押さえつけられたような感じがなく、もっとのびやかな再生音になっている。
ジャケットを見直したらHDCDと書いてある。
それでハタと気がついたのは前に聴いてよくないと思ったのはHDCDに対応していないマランツのプレーヤーだったからかもということ。
今回使ったOPPOはHDCD対応機。
前にリッピング・ソフトのdBpoweramp のHDCDデコード機能について書いたときに、yamamoto2002さんからの情報などによってHDCDではデコードしない状態で聴くとコンプレッサーがかかったことになる録音があることを知ったのだけれど、これもそうなのかもしれない。
というわけで、このディスクもリッピングでHDCDデコードしてみました。
このリッピングソフトをウチのネットワーク・オーディオ(を使って聴いたところ、なぜかさらに気持ちの良い音になっている。
ピアノの高音のピークがすごくきれいだし、ヴォーカルの伸びもいいのでヴォリュームを上げていってもうるささを感じない。
それに比べるとディスク再生の方はまだピアノの高音ピークで若干歪感がある。
ネットワーク・オーディオでもDACはOPPOのものを使っているので、ちょっと不思議。
同じDACで再生しているのにディスク再生の方が音量が大きいので、もしかするとOPPOでのデコードではクリップしているのかもしれない。
私のdBpowerampでのデコードは前にベルウッドさんも話題にされているように+6dBのオプションは使っていないので、クリップしていることはないはず。
もし、このCDをお持ちでdBpowerampでのリッピングできる環境のある方はぜひHDCDデコードを試して感想をお聞かせていただきたいのですが…。
レス一覧
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K&Kさん おはようございます
ネットの評判は高いのに…という体験は私もいくつかあります。好みとか感性の違いかなと思っていましたが、そうでもないようです。
特に、CD、SACD、ハイレゾなどのフォーマットの違いや、さらにはリッピングなどDSPによる演算処理が入ると余計に複雑です。
さて、この件についてですが、確かyamamoto2002さんの情報にあったと思いますが、HDCD対応プレーヤーのDSPには‘PEAK EXTENTION’の音量補正(≒‘apmplification’)の機能があらかじめ組み込まれているということではなかったでしょうか。これはそのままのデコードでは音量が小さくなってしまうからです。
私の数少ない検証では、ポップスやジャズ系ではもともとDレンジが小さいので‘amplification’をオンにして24bitに変換してもクリッピングするようなピークレベルはありませんでした。コンプなどをうまく使っているからでしょう。クラシックはDレンジが広いのでほぼ全部のディスク音源でクリッピング発生箇所がありました。
OPPOでのディスク再生での波形観察ができれば一目瞭然なのでしょうが、音量が大きいということは上記の私の仮説と矛盾しませんよね。このディスクはポップス・ジャズ系としては例外的にDレンジが広いのだと思います。
byベルウッド at2016-01-28 10:04
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ベルウッドさん、
コメントありがとうございます。
やはりOPPOでは‘PEAK EXTENTION’の音量補正(≒‘apmplification’)が働いているのかもしれませんね。
このアルバムは歌手とピアニストのパフォーマンスは元々好きなので、音が聴きやすくなったことで私のヘビーローテーション盤(File?)になりそうです。
byK&K at2016-01-28 18:34
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こんばんは
dBpowerampにこのようなリッピング機能があることをしりませんでしたので、結果としてCD 16ビットでリッピングされクリップ問題は生じていないものと思います。
このアルバムは好きですしシステムの検聴にもよく使いますのでdBpowerampの設定を変えてテストしてみたく思っています。
アルバム写真が載せられていなければ、「なんか難しそうな話だな~」ということでパスするところでした。
byそねさん at2016-01-29 21:20
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そねさん、
こんばんは。
dBpowerampのHDCDデコード機能、ぜひお試しください。
HDCDディスクはデコードしないとコンプレッサーがかかったようになってしまうディスクがあります。つまりそのままだと録音本来のクオリティが得られないということになります。
確か追加のアプリのインストールが必要だったと記憶していますが、追加費用はなかったと思います。
設定するとHDCDディスクは自動で判断してデコードしてくれますので、一度設定すればあとはその都度何かする必要はありません。
ただ、その設定時、+6dBのオプションは使用しない(+6dBのチェックをはずす)ことを強くお勧めします。ディスクによってはクリップしてしまうからです。
なお、リッピング時に通常のCDを96KHz/24bitへUpsamplingする機能もあります。私はこの機能も使っていますが、なかなかいいですよ。ただし、これはHDCDのデコード時には適用していませんが。
byK&K at2016-01-29 22:24
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K&K様
こんばんは。dBpowerampでのHDCDの24bitリッピング機能を試してみましたのでご報告いたします。
ネット検索にて、dBpowerampの設定、HDCDの勉強、また、K&K様やベルウッド様のファイルウェブの記事など、中々盛り沢山で知恵熱が。^^
結果は、今までdBpowerampの24bitリッピング機能は使っていませんでしたが、どうやらDACがHDCDデコード機能を持っておりそれで聴いているのではないか、との想定外の方向に。
今後を考えると、24bitリッピングを行うこととし、デフォルトは+6dbを外しておいて、時により+6dbを有効とする方向感です。
【テスト環境】
○dBpowerampの設定環境
・本体画面中央のDSPボタンから入って出来ました。
・設定の見直しを行いました。(Waveファイルのタグ情報の日本語表示、リカバリー機能をBurstに変更、リッピング・スピードを×4)
○検聴条件
・「Fearthers.」を次の3条件でリッピングし、SDカード・プレイヤーにて比較検聴
<リッピング条件>
(1)CD 16bit (HDCDの設定をしない)
*HDCD設定を解除しCD設定へ変更する方法がわからないため、以前リッピングしたデータにて代用しています。
(2)HDCD 24bit
(3)HDCD 24bit +6db
*(2)(3)が24bitになっていることは、ファイルのプロパティを確認。また、SDカード・プレイヤーでも24bitと表示された。
・DAC環境 32bit /352.8kHzにアップサンプリング(拙宅でのデフォルトのまま、検聴しやすい設定にするのを失念)
<続く>
byそねさん at2016-02-03 22:01
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<続き>
【テスト結果】
○音量 (1)≒(3)>(2)
○音質 本アルバムの場合、(3)が好ましく感じました。
・(1)と(3)の音質は似ている。透明感、鮮度、メリハリ、瑞々しい、といった方向。
DACがHDCDのデコード機能を持っていと考えられます(後記)。
・(3)は、音場の広さ、情報量が最も多いように感じました。
(1)と(3)ではリッピング時の電源環境が異なるため、デコード方式のみの評価とはなっていません。
・(2)はボリュームを+6dB上げて比較しました。落ち着いた、繊細、なめらか、といった方向
・(3)はまれにピアノに金物的響きを感じましたが、響きに歪み感は持たなかったので許容範囲(ピークエクステンション機能によるクリップなのかは判断できず)
【DACがHDCDデコード機能を持っていることについて】
・拙宅のDACはMSBのものですが、MSBのユニバーサル・トランスポートの取説に次のような記述がありました。
「5.HDCDデコーディング
・On HDCDを正しくデコードして出力します。しかし、MSB DACとの組み合わせでは推奨されません。
・Off HDCDをデコードしません。しかし、MSB DACとの組み合わせではHDCD回路をバイパスすることでより良い結果が得られます。」
byそねさん at2016-02-03 22:12
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そねさん、
詳細なレポート、ありがとうございます。
設定項目が多いので、比較するのも大変ですね。
このCDは+6dBでクリップしているかどうか未確認ですが、少々クリップしても、ピアニシモでのS/Nを考慮すると聴感上はその方が好ましいという方もおられるので、こうなると好みの問題かもしれません。
それにしても、32bit/352.8kHzへのアップサンプリングをリアルタイムで行うというのはすごいですね。
DSPの能力がそれだけ上がったということでしょうが…
再生時、信号処理が間に合わなくて、クリック音が生じる等ということはないのでしょうか?
96KHz/24bitからアップサンプリングしても効果が見られますか?
ちょっと興味深いです。
byK&K at2016-02-04 11:04
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K&K様
こんばんは。
クリック音のお尋ねですが、小生は経験したことはありません。
このDACは0.5秒相当のバッファを使用しリクロックしているとのことですが、こういうことも関係しているのでしょうか。
24/96からの32/384へのアップサンプリングの効果の有無についてですが、本日 16/44.1と24/96のファイルを作り、アップサンプリングの効果を検聴してみました。
残念ながら、聴きどころ・勘所を知らないため、全体に注意を払って聴きましたが、正直いうと、24/96と32/352.8は区別がつきませんでした。
このアルバムは、自分にとっては課題曲の一つなのですが、電源周りを敏感に反映するように思います。今日は、SDカード・トランスポートにSONYのホームエネルギー・サーバーから給電してみましたが、今まで試した電源(*)の中ではこれが一番でした。
(*)トランス、リ・ジェネ、ACノイズフィルター等
直近で導入したノイズフィルターは高い効果がありますが
SONYのコレは拙宅ではその上を行きます。
なお、HDCDのリッピングについては、ポピュラー音楽については+6dB設定にしようかと思い直しています。PCで色々なアウバムからピックアップした曲を聴くときなど、音量が6dBも違っては困りますので。^^
返答が遅くなりましたこと申し訳ありません。
(追伸)
今朝の地震では、サイドプレス式のスタンドに乗せている小型SPが、危うく外れるところでした。これまでの地震で緩んでいたようです。
byそねさん at2016-02-05 22:36
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そねさん、
ありがとうございます。
レーテンシ―が大きい(大きなバッファを確保している)ので問題ないのですね。
24/96と32/384との比較結果、ありがとうございました。
私は生録をするのですが、以前は192KHz/24bitも使っていたのですが自分の耳では96KHz/24bitとの差がわからなかったので最近は安定性重視で通常96KHz/24bitを使用しています。
ただ、以前は20KHz以上で急激に減衰する特性のマイクしかもっていなかったのですが、最近50KHzまでほぼフラットな特性のマイクを手に入れたので、それを使うともしかすると違いが出るかもしれません。
私の耳は10KHz位までしか聞き取れないので私には差がわからない可能性が高いと思いますが…。(笑)
地震、怖いですね。ウチもかなり揺れました。
スピーカーのズレなどは特になかったようですが…
そねさんのところも大事に至らなくてよかったですね。
byK&K at2016-02-06 14:49