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日記

Sonus 3way スピーカーのネットワーク回路の謎

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2020年12月03日

先日、床上スピーカーを全部ソナスで統一されたAuro3Dさんのところにおうかがいしました。

この時のいろいろな実験結果についてはすでにAuro3Dさんがこの日記に書かれていますが、ここではソナスの3way スピーカーのネットワーク回路の技術的側面を中心に少し書き留めておこうと思います。

今回の訪問の目的は低域と中高域の位相が逆になっているフロント3本のSonettoⅧをサラウンドで使用している2wayのスピーカーと組み合わせたときの最良の方法を確認すること。

Sonusの新しいスピーカー群が納入された時にダイナの営業さんんとノアの社長さんを交えてAuro3Dさんが行った試聴結果を考慮して原点に立ち返って見直してみようという試み。

前回うかがったときに「K&Kフィルター」の効果は確認したもののその時にはセンターはSonettoⅧではなかったので今回はセンター用のフィルター回路も用意しての確認となりました。



今回はAV8805の出力インピーダンスを考慮して抵抗値とコンデンサの静電容量を少しモディファイしたものをLRCと映画を見る時のセンター用で計4セット用意しました。

その結果はAuro3Dさんの日記をご参照ください。

「K&Kフィルター」の効果を再確認する結果になってちょっとホッとしました。
実はは訪問する2日ほど前に衝撃的情報があって今回の訪問の結果がどうなることかヒヤヒヤだったのです。

それはTomyさんからの情報。
Auro3Dさんの追加のソナス納入日記にTomyさんが書き込んだレス。

≻ソナスのVenere Sのクロスオーバーに関する記述があり、ウーハーとツイーターには18dB/oct、ミッドに6dB/octのフィルターを使っていると記載されています。

その情報源はコチラ

これはVenere Sについての記述なのですが、どうもソナスの3wayのネットワークはみんなこの方法らしい…

これを見て一瞬気が遠くなりました。(笑)
だって「K&Kフィルター」はSonettoⅧの270Hzのクロスオーバーが低域、高域とも12dB/octのスロープであることを想定して提案したものだからです。



どうもソナスの設計者は中域を重視してスコーカーの両端は緩やかな減衰で自然さを狙ったのではないかと思われます。
そうだとすると「K&Kフィルター」を挿入することによるスロープの急峻化はそれに反するものになるのかも…

SonettoⅧが本当に18dB/octと6dB/octの組み合わせなのかはAuro3Dさんが販売店、代理店経由で問合わせ中ですが、たぶんそうなっているのだと思われます。

結局、私は頭の整理が完全にはできないままAuro3D邸での実験に臨んだのです。
聴感上の結果はそれでもあのフィルターは有効という結論に…

あの実験の後、今になってやっとこのソナスが18dB/octと6dB/octの組み合わせで上下を逆相にしたか理解できたような気がします。
18dB/octの場合クロスオーバー周波数の前後では位相は270度回転します。
6dB/octでは90度。
270Hzでそれぞれ位相が半分回るようにクロスさせたとするとクロス点でのウーファは-135度(位相遅れ)、中高域は+45度(位相進み)となり両者の位相差は180度になり正相で繋ぐと打ち消しあってディップを生じる。
だからソナスは中高域を逆相接続したのでしょう。

だとすれば「K&Kフィルター」を使うことで両者合わせて90度の位相シフトができるので正相接続でも大きなディップが生じることはない。
このフィルターが有効なのはこの理由だと思います。

問題はステレオで使う場合、このフィルターを使うことでソナスらしさを損なうのではないかということですが、当日の試聴結果ではAuro3Dさんの印象を引用すると…

≻結果、多少、C-bの方がボーカルなどの主題が引っ込み、やや音がすっきりする(痩せる)感はあるが、その差は微細なものであることを確認した。

ということで「K&Kフィルター」使用時(C-b)はオリジナル状態と比べて差はあるけれど大きくはないということ。
私もボーカルの位置の違いは感じました。グレース・マーヤのダニー・ボーイや美空ひばりでの比較です。オリジナルの方が前に出る感じがします。
ボーカルの立ち位置、奥行き感は好みの問題があるのでどちらが正しいとは判断できません。録音の意図に近いのはどちらなのか…これも判断が難しいです。

言えることはステレオしか聴かない方はこのフィルターを使用する必要はないということ。そしてあくまでも私の主観ですがMulti chのためにこのフィルターを使う方がステレオ時に接続を変えてまでオリジナルに戻す必要もないのではないかと…そう思っています。

ちなみにAuro3Dさんはステレオで聴くときにはAmatorを使うということなのでここで悩む必要はなさそうです。

最後に残った私の疑問はなぜソナスはスコーカーとトゥイータ間のクロスオーバー回路をスコーカー6dB/oct、トゥイーター18dB/octとしながらスコーカーとトゥイータの位相を反転させなかったのかということ。
Auro3Dさんのこの日記によるとスコーカーとトゥイータの位相は同じなのです。
これではクロスオーバー周波数で打ち消しあってディップが生じてしまうのではないかということ。
これは想像ですがスコーカーとトゥイータの前後の位置関係にあるのではないかと思っています。
トゥイータの振動板の位置はスコーカーのそれよりも前にあるため、電気的には同位相でもクロスオーバー周波数付近で打ち消しあうことにはならないのではないか…
これはさすがに問い合わせても回答は得られないかもしれません。

以上のことから私としてはAuro3Dさんが「残された火種…」を心配する必要はないと思うのですが…

これ以上の高みを求めるとすればソナスのネットワーク回路をやめてテャンデバを使用したマルチアンプで駆動すること。しかも2way、3wayの全スピーカーに対して…
そこまで行くとソナスの音を超えて本当に自分の好み通りの音を追求する覚悟も必要になるでしょう。
でもそこまではとてもお勧めできません。Auro3Dさんはそんなことに時間をとられるよりは音楽を楽しむ方を選ばれると思います。

最後になりますが、マルチchのスピーカー間の位相を整えることの重要性を今回の訪問で改めて感じました。
5.1chで聴いた大太鼓とオルガンの空間表現はすばらしかった。
そしてDolby Atmosで聴かせていただいたカラヤンのベートーヴェン第九は元がアナログのステレオ音源とは思えないホールの雰囲気感でビックリしました。

まだ調整することも多いのかもしれませんが、これで十分楽しい年末年初を迎えられるのではないかと思います。

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レス一覧

  1. K&Kさん
    お疲れ様です。

    知的好奇心をくすぐる問題とはいえ、ここまで丁寧にフォローされる姿勢に頭が下がります。

    Tomyさんのご紹介というサイトを読んでみて気になったことがあるので記します。
    “progressive slope”という3次のフィルターを使用しているということですが、その名の通り単純な3次ではなく、ミッドレンジに繋ぐまでは1次でそれ以降、3次のフィルターがキックインするという2段構成になっているとのこと。その場合、ウーファーとツィーターの位相特性がどうなるのかは私には分かりませんが、話はそれほど簡単では無さそうです。

    ちなみに“progressive slope crossover”でググると、以下のサイトが出て来ます。

    http://linea-research.co.uk/wp-content/uploads/LR%20Download%20Assets/Tech%20Docs/CrossoverFilters%20White%20Paper%20-C.pdf

    この9ページにHardman crossover alignmentという記述があり、progressive slopeについて解説されています。文字通りスロープ特性が徐々に急峻になるカーブの一般的な呼称のようです。

    byのびー at2020-12-03 08:28

  2. K&Kさん

    おはようございます。技術面・理論面からの私の日記へのサポート、ありがとうございます。

    お昼におそばを食べながら、紙とペンを持って講義いただいたにもかかわらず、未だここに書かれていることを十全には理解していないダメ学生ですみません(笑)。

    今回は少し時間があって、実験後伊豆に留まって、ITU配置から、(生活上支障のない=笑)ノーマル配置に戻した後、設定を再確認し、Audyssey を走らせて距離の補正をしてから様々な音楽ソフトの試聴(映画含む)を繰り返す中で気が付いたことがあります。

    まず、「C-bの方がボーカルなどの主題が引っ込」む件ですが、これはSACDなどの5chマルチチャンネルソフトを、私のお気に入りのAuro3DやNeural:Xなどの多チャンネルエミュレーションで聴くと、元の音源がどうであれ(ソフトによっては、ボーカル音をセンターに入れず、LRでファントムにしているものもある)、ボーカルはセンターにばっちり振られるので、実体感が上がり、全然気になりません。むしろ今は新参者のVIIIのエージングのために映画用の逆さまのVIIIもOnにしているので、DualセンターSP体制となって「ボーカルが前に出すぎる」くらいです(笑)。これはオーディオ的には邪道でしょうが、結構楽しめます。

    (続く)

    byAuro3D at2020-12-03 09:35

  3. (続き)
    もう一つ。先に、「位相が合った効果は映画の方が大きいようです」と口走りましたが、訂正します(笑)。

    >Dolby Atmosで聴かせていただいたカラヤンのベートーヴェン第九は元がアナログのステレオ音源とは思えないホールの雰囲気感でビックリしました


    K&Kさんが聴き終わって拍手までされたのですが、私がこのソフトを過去に聴いた記憶では「そこまでよかったかな?」と思っていたので、昨日、上記再配置再設定後、K&Kさんがお座りになっていた「王様席」で9.2.4のAtmosで聴きなおしてみました。

    以前このソフトを聴いたときはLRのVIIIは上下とも逆接続にしていたので、低域は他とは相互に逆相であったと思います(さらに違いを言えば、センターはVIIIでなくKEF、フロントワイドSPレス=7.2.4で、サラウンドバックは今のSonetto Iではなく、JBL4306だった)。

    で、その時の印象に比して、文学的・感性的な表現で恐縮ですが、「感動度」が高い!スピーカーの数が増えたことと全部ソナスで音色が整ったこともあるでしょうが、感覚的にはやはり低域の位相が揃ったことで、基音がしっかりして、それが中高域も含めた音・音場全体にいい影響を与えているような気がします。

    今までAuro3Dに比してAtmos録音の音楽ソフトは一段落ちると思っていましたが、少々見直しました(笑)。

    byAuro3D at2020-12-03 09:36

  4. K&Kさん、

    レポートご苦労様です。
    私の見つけた記事が頭痛のタネになっており、申し訳ないです(汗)。のびーさんが言われるようにProgressive slopeの記述は、クロスの付近では6dB/octでそこを過ぎると18dB/octになっているようです(kick inの表現はまさにその通り)。複雑ですね!

    しかし、K&Kさんの解析通り
    ①K&Kフィルターはクロスのところで180°の位相差を与えるフィルターですし、
    ②逆相で繋がってるウーハーは、(逆相状態で)クロス周波数で位相に差がないように設計されているはずです。

    つまり、(細かなことを除けば)K&Kフィルターは逆相で繋がっているどのようなウーハーでも、原理的に正相接続を可能にする・・と、解釈することができるのでは(^o^/)。

    後は、音色が僅か変わる可能性があるので、それを受け入れられるか否かですね。Auro3D邸のLCRと拙宅のCでは、それが上手く行きました。

    byTomy at2020-12-03 15:36

  5. 速報!(これは日記に書いておくべきでしょうから、いずれ整理して書きます)

    ソナスの日本輸入代理店ノアの社長、牧野さんより回答が届きました。以下に転載します。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    Venere Signatureのスロープはその方の仰る通りです。

    同じ3wayでもモデルにより使用するドライバー・ユニットの特性に合わせて、
    最適なスロープ設定のクロスオーバー・ネットワークを組んでいます。
    ですので、製品毎に異なるとご承知おきください。

    ・Venere Signature : –18dB/oct、-6dB/oct、-18dB/oct
    ・Sonetto VIII : –18dB/oct、-6dB/oct、–24dB/oct

    上記の通り、ツイーターはネットワークのスロープが異なります。

    ・・・・・・・・・・・・・・

    So what?

    byAuro3D at2020-12-03 16:55

  6. K&Kさん、

    何故、ソナスは3wayの最低域を中域に対して逆相にして、何も言っていないのか?考えてみました。

    1)まず全て2wayでマルチを組んだ時。
    正相接続の2wayですから何も問題ありませんが、AVアンプで小型と設定すると、サブウーハーに低音を任せることになり、クロスオーバーを設定します。しかし、スロープの設定は一般のAVアンプには無いと思います。したがって、AVアンプにお任せ状態!

    もし12dB/octならサブウーハーは逆相に設定されるはずです。
    18dB/oct、24dB/octなら正相。

    2)次に、フロントだけ3wayにします。
    AVアンプは3wayのフロントが逆接続だと言ってくるでしょう。そうすると、多くのユーザーは極性をチェンジして、逆接続にするとします。AVアンプで2waySPが小型であると設定すると、スロープはお任せでクロスオーバー周波数を設定することになり、12dB/octならサブウーハーは逆相、18dB/octなら正相に設定されます。

    (12dB/octがAVアンプのスロープなら)
    ソナスの3WAYのウーハーは逆相なので、サブウーハーとぶつからず、豊かな良い音を再生します。ソナスの3wayはそのままで上手く働きます。逆にB&Wの様に全てが正相だと、低音が打ち消し合います。

    (18もしくは24dB/octなら)
    もうお分かりの通り、ソナスの3wayはK&Kフィルターが必要です。そうしなければ、低音が打ち消し合います。こちらはB&W向きです。

    AVアンプを使うとき、こう言うことはあまり考えたことがありませんでしたが、皆さんどうされているんでしょうかねえ?

    ひょとすると、AVアンプのサブウーハーのスロープは12dB/octが多いので、ソナスはわざわざ逆相ウーハーにしているんでしょうか?

    byTomy at2020-12-03 19:24

  7. のびーさん、

    レスありがとうございます。

    私はフィルターが専門ではないので、ソナスが具体的にどのような回路で18dB/octのスロープを作っているのか想像することが難しいのですが、スピーカーに直結するような低インピーダンスの環境でパッシブのフィルターを構成することはかなり難しく、理想的にはいかないのでメーカー各社はかなり苦労しているのではないかと思います。

    問題をさらに難しくしているのはスピーカーのボイスコイルが定抵抗ではなくインダクタンスを持っていることです。

    そんな中でB&Wはかなり凝った構成で全ユニットを正相つなぎになるようねじふせているような…
    これはMulti chのモニターとして使われることを想定しているのでB&Wにとっては絶対条件だったのかもしれません。

    一方ソナスもかなり苦労して凝った構成にしていますが、何らかの理由により全ユニットを正相にすることをあきらめた…ということなのではないでしょうか。

    私がもし担当エンジニアだったら「クロスオーバー(チャンデバ)とマルチアンプで構成した駆動システムを使えば簡単に理想に近い帯域分割ができるのに何でこんな不完全なネットワーク回路にお金をつぎ込んで理想から遠いシステムを構築しなければならないのか」と嘆くでしょうし、こんなばかばかしいことやりたくないとすら思うかもしれません。

    そもそも元の状態が理想的なフィルターではないので、あまり厳密なことを言っても始まらない、まずはこんな簡単な方法でも効果はあるかもと思って提案したのがこのフィルターとバイアンプを用いた位相修正方法です。

    でも、ソナスがウーファに18dB/octのフィルターを使っているようだという情報は衝撃でした。

    聴感上はよかったので結果オーライという感じです。

    byK&K at2020-12-03 20:54

  8. Auro3Dさん、

    先日はありがとうございました。

    Auro3Dさんが満足いく結果になってホントに良かったと思います。

    玉座でのカラヤンよかったでしょ。(笑)
    私が聴かせていただいた後でリアハイトが修正されたようなのでさらに良かったのではないかと思います。

    元はステレオの音源なのでそれをmulti ch化したものなんてと邪道扱いする人もいるでしょうし、正直言って私も聴く前は頭の片隅でそんな懸念を持ったのですが、演奏の素晴らしさと相まって感激しました。

    ≻Sonetto VIII : –18dB/oct、-6dB/oct、–24dB/oct

    ウワッ…
    また新情報ですね。
    SonettoⅠやAmatorはどうなんでしょうか?
    トゥイータはスコーカーと同位相なので他のスピーカーとのマッチングも問題ないと信じたいです。

    byK&K at2020-12-03 21:22

  9. K&さん

    先日、「スコーカーだけ逆極性接続の可能性も残っている」というようなことをおっしゃっていたような記憶がありますが、この新情報が意味するところは、「その可能性は消えた」ということなのか「その確信が深まった」ということなのか、どちらなんでしょうか???

    byAuro3D at2020-12-03 22:45

  10. Tomyさん、

    情報ありがとうございました。

    あの情報をいただいたので、今回のAuro3D邸訪問では一旦技術的知識や先入観を棚上げしての試聴になりました。

    ≻つまり、(細かなことを除けば)K&Kフィルターは逆相で繋がっているどのようなウーハーでも、原理的に正相接続を可能にする・・と、解釈することができるのでは(^o^/)。

    はい、結局そういうことだと私も思います。

    ≻後は、音色が僅か変わる可能性があるので、それを受け入れられるか否かですね。

    その通りだと思います。メーカーの意図した音とは多少異なるのは否めないと思います。
    好ましい音になる/好ましくない音になる/どちらともいえない(何とか許容できる)
    の判断になるでしょうか?
    今回は音の変化はわずかでした。Auro3Dさんの判断は最後のだと思います。

    ソナスの3wayがなぜ低域と中高域を逆相の関係にしたのかはソナスの設計者に聞いてみたいですね。
    何か設計者にしか知りえない事情があるのかもしれません。

    byK&K at2020-12-03 23:47

  11. Auro3Dさん、

    ≻先日、「スコーカーだけ逆極性接続の可能性も残っている」というようなことをおっしゃっていたような記憶がありますが、…

    これは私の勘違いでした。
    Auro3Dさんの前の日記で確かめたからです。

    「ソナスファーベルの代理店ノアさんから、Sonettoの極性(位相)に関する回答が来ました」という日記です。

    URLは
    http://community.phileweb.com/mypage/entry/5554/20200928/66099/

    Tweeterは逆相(つまりスコーカーと同位相)と書かれているじゃないですか。
    だからその可能性はないと信じています。

    これで安心して音楽を楽しむことに専念できるのでは?(笑)

    byK&K at2020-12-04 00:23

  12. K&Kさん

    レスありがとうございます。素人の私が気になるのは、ノアさんからの新情報では、ツィーターのスロープが24デシベルと、予想していた16デシベルより急峻であることがわかったわけです。

    そこにK&Kフィルターをかますことで、位相がまたひっくり返る(稚拙な表現で恐縮です)ということはないのでしょうか???

    byAuro3D at2020-12-04 08:25

  13. Auro3Dさん、

    確かに予想していたスロープとは違いましたね。(^^;)

    K&Kフィルターはあくまでもウーファと中低域の重ね合わせに作用するだけなので、スコーカーとトゥイータのの関係を変えるものではありません。

    今回はフィルター追加に伴って中高域の接続を逆にしたわけですが、トゥイータの位相はスコーカーと一緒に変わっています。
    このことでウーファ、スコーカー、トゥイーターの位相は全部正相に統一されて他のスピーカーとも揃いました。

    新情報ではスロープの予想が外れましたが、トゥイータの極性の情報が訂正されたわけではないので何も変える必要はないと考えています。

    byK&K at2020-12-04 13:06

  14. K&Kさん

    素人の不安を解消してくださり、ありがとうございました。もう東京に戻ってきてしまっていますが、これで心置きなく、また伊豆に行けます(笑)。

    しかし、一連の情報を一度整理して、どこかに「まとめサイト」しておきたいですね。将来の新製品はわかりませんが、このところのソナスの3Wayスピーカーを使っている方で、それをマルチチャンネルオーディオシステムに組み込んでいる方(まあ、ピュア2ch使用の方が多いSPではあるので、少数派でしょうが)が、AVアンプの「音場補正」ソフトを走らせると、かなりの確率で「逆相です。接続を確認してください」と出るわけです。

    その際、人によりますが、①気にしない・無視する②素直に従って、接続をつなぎ変える(昔の私)③困惑して、ショップに尋ねるか、ネットなどを検索する―のいずれかの行動を取るわけですが、③を選ぶ「迷える子羊」の道しるべになるような、「まとめサイト」があった方がいいのではと。

    ただ、その「迷える子羊」すべての人が、「K&Kフィルター」を自作できるスキルを持っているわけではないでしょうから、K&Kさんが商品化でもしない限り(笑)、Tomyさんが指摘されるように、上下または上だけを逆接続したうえで、サブウーファーなどで低域の減衰部分を補うような「使いこなし」を提案することができればベストかもしれません。

    しかし、このソナス独特のマルチチャンネルオーディオシステムにおける「使いこなし」のコツは、そもそも売る側(輸入代理店か販売店、またはそれらと一連托生のオーディオ評論家・オーディオ雑誌)が提案すべきものではないでしょうか。

    それらすべてのセクターがずっと沈黙を守ってきていることが、信じられません。

    byAuro3D at2020-12-04 14:26

  15. Auro3Dさん、

    レスに書かれたこと全くその通りと思います。

    確かにMulti chシステムのためのスピーカーの選択方法と使いこなしについての「「まとめサイト」があると子羊さんたちの役に立ちそうです。
    どこかのSNSを借りてForumみたいな形で残すとか…
    何かいいアイデアはないでしょうか?

    これはソナスだけの問題ではないと思っています。
    ほとんどのスピーカーメーカーはスピーカーシステムの各ユニットの位相を公表していないのですから。
    クロスオーバー周波数だけでスロープさえも公表していないメーカーが多いです。

    メーカーにとっては「不都合な真実」なのかなと思ってしまいます。
    消費者側が防衛措置をとる必要があるのかもしれません。

    「まとめサイト」には各社のスピーカーの各ユニットの位相一覧表を載せるのがいいかも…と妄想は膨らむのですが…

    どうしましょうか?

    byK&K at2020-12-04 22:17

  16. K&Kさん



    「まとめサイト」には各社のスピーカーの各ユニットの位相一覧表を載せるのがいい


    確かに、ソナス以外にも問題はありそうですが、これはさすがに私の手には余ります(笑)。

    とりあえず、SonettoVIIIの「製品レビュー」に今しがた情報を入れておきました。このスピーカーを買おうと思う方がネットで検索するとヒットするかもしれませんので。

    能力的にも時間的にも、今の私にはこれがせいぜいかと。リタイアして時間がたっぷりできた時に、まだマルチチャンネルオーディオシステムを取り巻く状況がこのような曖昧模糊とした状況であれば、一念発起して「啓蒙」活動を始めようと思います(笑)。その時はよろしくお願いいたします!

    byAuro3D at2020-12-05 00:01

  17. K&Kさん
    おはようございます。

    Auro3Dさんのソナスをマルチで楽しく聴きたい!という熱い思いが皆様を動かして、K&Kさんを初め色々な方々の探究心溢れる展開をしていたのを大変興味深くずっと追っかけておりました。

    そしてようやく一つの落とし所が整ったようで安心もしました。

    興味深いことは、あれだけ多くの関係者がユーザー含めて簡単には「真実に辿り着けない」ということでした。
    情報が現れていないのは、その他大勢からはそこまで求められていないということにもつながりますが、趣味の世界では特に追い求めているユーザーもいらっしゃいますし、違和感を感じ取られる感性も必要ですし、体験的な「何かがおかしい」という居心地の悪さも重要ですね。

    JBLも昔から逆相接続のことは話題にのぼるスピーカーですね。
    グルマンさんと位相スクワット(笑)で遊んでいた時も接続のことは意識していましたし、端子接続テストもしましたよ。
    2チャンネルでは部屋の1次反射を活用することもあり、特に気になるようなことはないか?!というのがJBL部屋での結論でしたが、マルチとなると全く話は別!

    マルチの難しさはK&Kさん宅へ遊びにお伺いした際も体験させていただいています。
    K&Kフィルター!!!
    Auro3Dさんにとっても福音となる解決方法でしたね。
    要望が多ければ製品化にむけて協力されてみては如何?
    真の需要はほとんどなくて自作で対応できたりして(笑)

    横レスで...Auro3Dさんへ
    啓蒙はいいことだとと思います。
    今は昔と違いネットというツールがありますので有意義でしょうね。
    疑問点が一つ解消したことで、安心して音楽を楽しめる!
    よかった!よかった!
    おめでとうございます。

    では、では

    byバズケロ at2020-12-05 09:01

  18. K&Kさん おはようございます

    こちらの話題とても興味がありましたが、ネットワークの回路図が無いのでなんとも言えず静観しておりました。
    K&Kさんの最後に残ったという疑問について「これかな?」というものが今朝がた思いつきましたのでレス致します。間違っていたらごめんなさい(^^;

    キーワードは「群遅延」です。

    群遅延は位相と違って、ハイパスフィルターにおいてもローパスフィルターにおいてもどっちも低域側に大きな影響がでる。
    そして当たり前のように次数が大きければ大きいほど低域側の群遅延が大きくなります。
    ソナスに当て嵌めて考えますと、ツイーターは18dB/octのネットワーク。スコーカーのクロス付近は6dB/oct。原動機付き自転車の2段階右折みたいな?“progressive slope crossover”が無い場合を考えますと、その場合はツイーターの側だけ遅延量が多いです。だから、スコーカーにも遅延を与えたいと思う。スコーカーに遅延を与えるにはクロスから離れた周波数ポイントにK&Kフィルターを装着すればいい。あぁ、それが“progressive slope crossover”だったのかな。←結論というか想像です



    大雑把にシミュレーションしてみましたら、1次の次数のスコーカーと2.5kHzで繋ぐための3次のハイパスフィルターのカットオフ周波数は約3kHz。この3次のハイパスフィルター、面白いことに2.5kHz付近で群遅延量の山というかピークが出てその量は約145μ秒です。更に、これとスコーカーとの「相対的な」群遅延量を見積もるとだいたい100μ秒と少しいったところでしょうか。この100μ秒という遅延量が、2.5kHzというクロスオーバー周波数において何度に相当するのか?
    音速を360m/sとして2.5kHzの1波長の長さは136mm。音が100μ秒に進む距離は34mm。(34÷136)×360=90。90°。よってスコーカーの6dB/octのスロープのフィルターに直列に、2次のフィルターをアドオンすれば、懸案の90°相当のオフセットを与えることができて、それによってツイーター側の群遅延量とつり合いがとれて、タイムアライメント的にOK?みたいな?シナリオだったりするのでしょうかね???
    計算とかシミュレートでバシッとお見せできたらよいのですが、いかんせん時間と能力不足により出来ない感じです m(_ _)m

    bynightwish_daisu at2020-12-05 10:01

  19. K&Kさん、おはようございます。

    K&KさんとAuro3Dさんとの一連の日記は読み応え抜群で楽しまさせて頂きました。(語弊あるかもですね)
    スピーカーメーカーの中の営業部門と開発部門の両者間ではバトルが繰り広げられてるんだろうなあと想像しちゃいました。

    2WAYから3WAYに増えた時のネットワーク設計の難しさ、
    3WAYスピーカーでマルチチャンネル環境を組む難しさがよく理解できました。
    オーディオ。
    マルチでは特にですが、使い手側の知識も求められるというなんて高尚な趣味なんでしょう、だからこそ探究心を持っている人はやめられないのかも知れません。

    最後に一言
    ソナスでマルチなんて贅沢過ぎですよ。
    ちょっとくらい落とし穴があった方が良いんです!
    庶民の妬みでした。笑

    byCENYA at2020-12-05 10:11

  20. 補足です。
    群遅延のグラフ載せた日記がありましたので参考までに。
    http://community.phileweb.com/mypage/entry/4813/20200328/64750/
    ハイパスでもローパスでも同じようなカタチの群遅延特性になることに驚きました。

    bynightwish_daisu at2020-12-05 10:11

  21. バズケロさん、

    レスありがとうございます。

    この話題はステレオだけで聴かれている方にはあまり意味のないものなのですが、一般知識として興味を惹かれるのかもしれませんね。

    ≻そしてようやく一つの落とし所が整ったようで安心もしました。

    私も正直ホッとしています。
    今回の対策は100点をとるのが難しいことは初めからわかっていました。

    目標は、全ユニットを正相に揃えて全方位のファンタム定位がきちんと得られるようにすることとステレオで聴いた時の音にダメ出しがでないこと、この2点だったのですが何とか達成できてよかったと思っています。

    スピーカーのネットワーク回路は各社苦労していると思いますが、チャンデバ使用のマルチアンプ駆動に比べれば所詮妥協の産物です。
    メーカーでさえ完璧なものを作れているわけではないのだから…というノリでした。

    このフィルター回路はスピーカーのクロスオーバー周波数と使用されているプリアンプの出力インピーダンスやパワーアンプの入力インピーダンスを考慮して部品を選定しなければいけないのでオーダーメイドです。
    ビジネスにはならないでしょう。(笑)
    簡単な回路でブロック図も公表していますので自作するのがベストかと思います。
    まあ希望があれば制作の相談にはのりますが…

    簡単な回路なのですが、やはり上記の情報集めやら部品の選択、調達、そして衰えた視力でのハンダ付け(笑)など結構手間と時間がかかりました。
    でも私自身も結果がどうなるか興味があったので楽しく作業を進めることができましたし、勉強になることが多かったので、この機会を与えてくださったAuro3Dさんには感謝しています。

    byK&K at2020-12-05 14:11

  22. nightwish_daisuさん、

    レスありがとうございます。

    私のフィルターに関しての知識はお粗末なものなのでおっしゃっていることがあまりよく理解できませんが…

    今回のK&Kフィルターは270Hzなので10倍近い周波数のスコーカーとトゥイータ間のクロスへの影響はほとんどないと思っています。

    Auro3Dさんからの後からの情報だとSonettoⅧのトゥイータのHPFは24dB/octだとのことです。機種によって変えているのは使用ユニットのインピーダンス特性の違いかなとも考えるのですがよくわかりません。
    メーカーの事情があると思いますがなぜなのかは謎です。

    ネットワークの回路例は以下のURLにありますが、

    http://www001.upp.so-net.ne.jp/network/filelibrary/networkexplanation.html

    progressive slope crossoverというのはスピーカーのネットワーク回路では多次のフィルターを組もうとするとチャンデバのような理論的には理想的な多段のフィルターを構成できないので必然的にこうせざるを得ないというもののような気がするのですが…

    いずれにしてもトゥイータの位相はスコーカーと同じで今回の施策でウーファとも整合が取れるのでこの部分のフィルターについてはあまり悩まなくてもいいのではないかと思っています。

    byK&K at2020-12-05 16:28

  23. K&Kさん こんにちは

    ネットワークの回路例ではなくて実際のSonettoⅧなどの実機のネットーワク回路図が欲しかったのです。
    私が変なこと言っているのか、うまく伝わっていないだけなのか分からないのでSonusの事は置いておいて「群遅延」について後で日記を書いてみようと思います。お騒がせしました m(_ _)m

    bynightwish_daisu at2020-12-05 16:34

  24. CENYAさん、

    レスありがとうございます。

    今回のSonettoⅧについての施策はCENYAさんのパッシブ・チャンデバの応用みたいなものです。
    プリとメインのアンプ間に入れるパッシブのフィルターですからね。
    これを思いついたのはCENYAさんの事例があったからのような気がします。あれが無かったら今回の件もなかったかも。
    そういう意味でCENYAさんには感謝しています。
    人と人とのつながりを感じます。

    ただ、今回のソナスの件ではスピーカー内のネットワーク回路がどうなっているのかもよくわからなかったので、音を出してみるまでドキドキでした。
    良い体験ができたと思っています。

    byK&K at2020-12-05 22:26

  25. 横レス失礼します。

    バズケロさん、CENYAさん

    初めまして。お二人のこのコミュニティでのご活躍は拝見しております。初心者に毛の生えた程度の小生からは仰ぎ見る存在のお二人に、拙日記をお読みいただいていることを知り、汗顔の至りです。

    7月末に初めて書き込みをさせていただいて以来、K&Kさんをはじめとするここのコミュニティの方々の数多くのご助言のお陰で、危うく「間違った道」に入り込むところを逃れることができていると感じています。

    ここのコミュニティに来て「位相」などという概念も初めて知ったぐらいのレベルですので、今後ともいろいろとご教示のほど、よろしくお願いします。

    勝手ながらお二人を「お気に入り」に入れさせていただきますことをお許しください。

    byAuro3D at2020-12-05 22:40

  26. nightwish_daisuさん、

    ソナスはネットワーク回路を公表していないのです。
    また、それがわかったとしてもスピーカーユニットの特性、特にインピーダンス特性などがわからないと減衰特性は計算できませんよ。

    チャンデバと違ってスピーカーシステム内ネットワークはコイルやスピーカーユニットなどリニアではない素子が多いため設計が難しいと思います。外部の人間が見てもなぜそうしているのかを理解することは難しいのではないでしょうか?

    byK&K at2020-12-05 23:23

  27. K&Kさん レスありがとうございます

    難しいのはその通りです(^^;
    まぁなんで正相なのか?なぜ逆相に接続しているか程度が分かればOKと考えています。そういう意味では公開情報の6dB/octとか24dB/octでも十分なのですが、不透明なのが”progressive slope crossove”というものだったのです。回路図が欲しかったのはこれの正体を知りたかったからでした。

    誤解されたかもしれませんが、実機の計測値とシミュレーションの結果を一致させようとしている訳ではないです(^^;

    ”progressive slope crossove”というネットワークがどんな仕組みなのかを見たかったのでした。自分の想像ではネットワークに更に素子を追加するK&Kフィルターと同じ構想のものではなかったのかなと。そういう妄想のお遊びでした。お騒がせしたようですみません m(_ _)m

    bynightwish_daisu at2020-12-05 23:44

  28. K&Kさん 補足です

    270Hzを境にウーハーとスコーカーの接続が逆な事、これがリヤの2Wayスピーカーとの定位を繋ぐのに大問題なので、ウーハーとスコーカーの接続を同相にしたい目的から、K&Kフィルターを考案されたのですね。いままでの経緯を理解していませんで、ツイーターとスコーカーの話ばかりしていました。すみません。

    「群遅延」というキーワードはダメですね。遅延の量が多かろうと少なかろうと関係なく、接続が逆であったなら定位のしようが無いですものね。ひとりだけ違う話をしていました。m(_ _)m

    bynightwish_daisu at2020-12-06 01:05

  29. 横からちょっとネタを

    下記PDFにネットワークの画像がありますので推察できるのではないかと、

    SONETTO ソネット カタログDL(PDF 3.7MB)www.noahcorporation.com › catalog_sonetto20190221
    PDF

    byぺぶるす at2020-12-06 01:27

  30. nightwish_daisuさん、

    >270270Hzを境にウーハーとスコーカーの接続が逆な事、これがリヤの2Wayスピーカーとの定位を繋ぐのに大問題なので、ウーハーとスコーカーの接続を同相にしたい目的から、K&Kフィルターを考案されたのですね。

    はい、その通りです。
    でも、フィルターの構成については興味がありますので気にされることはありません。

    ソナスのオマージュの資料に3次のHPFの回路図を見つけました。

    http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/catalog_HomageTra.pdf

    これだけでは不十分ですしSonettoⅧは4次らしいのでどうなっているのかは相変わらず謎ですが…

    byK&K at2020-12-06 14:45

  31. ぺぶるすさん、

    情報ありがとうございました。

    このページは私も見ていたのですが、写真まではじっくり見ていませんでした。

    空芯コイルが4個見えますね。
    コイルはそれほど大きくないようなのでこれは3wayの中高域用の回路か 2wayの回路のような気がします。
    それにしてはコイルの数が多いですが、インピーダンス補正用でしょうか?

    やっぱり謎です。(笑)

    byK&K at2020-12-06 14:55