日記
Auro3D邸訪問記 - 傘、傘が欲しい
2021年09月09日
Auro3D邸(伊豆邸)を訪問する機会を得ました。
今回が3度目なのですが、今回の目玉は何といっても新たに導入されたAVアンプStorm Audio ISP MK2 。
前回うかがった時にも購入前の借用中の同機種があったのですが設定が未完の状態だったのでほんの片りんに触れただけでした。
今回はAuro3Dさんはすっかりこの多機能な機器を使いこなしているようで期待が膨らみます。
最初に私が一番気になっていた2つの設定についての比較を行いました。
これは特別にAuro3Dさんにお願いしていたもので、面倒なお願いにもかかわらず快く受けていただくことができたのです。
比較する設定はFront Right/Left と Center のSonus Sonetto VIII に関するもので次の2種類。
2の設定はAuro3Dさんが現在使用中のもの。1が特別にお願いして用意していただいたもの。
1.ウーファに対し中高域が逆相になっているSonetto VIII を素のままのの接続でISP MK2のDirac Liveの補正をかけて使用
ただし、条件を2と揃えるためにバイアンプで駆動。つまりウーファと中高域を2台のアンプで駆動する。
2.ISP MK2のデジタル・チャンデバ機能を使い、ディップの発生を防ぎながら中高域の接続を反転し、正相にする。この状態でDirac Live を適用する。(現行使用状態)
スピーカー内のネットワークのウーファとスコーカー間のクロスオーバー周波数270Hzと同じ周波数でクロスするバターワースの1次フィルターをチャンデバでで設定する。
こうすることでクロスオーバー周波数でのディップの発生を防ぐことができる。これは以前使っていた外付けのアナログ・フィルターをISP MK2内で実現したもの。
この比較によってDirac Live no位相補正の実力を確かめることができるのではという意図です。
スピーカーの設定は5.1ch、検証に用いたのはペンタトーンのテスト・ディスクのFront RightとSurround Right間のファンタム音声で音源はピンクノイズ。
それと同じテスト・ディスクの中のパノラマというピンクノイズ音源がリスナーの周りをグルっと1周するもの。
結果は…2の方がファンタムの安定感があり、音源移動もスムースに感じられました。
Dirac Liveでも逆相になった領域の補正を完全に行うことは難しそうです。
これは以前PCでDirac Liveを試されたTomyさんの感想と一致していそうです。
この結果でこれ以上の比較はやめて以後の試聴は2の設定で行うことになりました。
つまり、Auro3Dさんの現行の使用状態そのままです。Auro3Dさんの耳はさすがです。
この後はいろいろな話をしながらの音楽タイム。
まずはAuro3Dフォーマットの音源を聴かせていただいたのですが…
ホルン
オルガン
この空間表現の気持ちよさは格別。
スピーカーの存在感が消えているのはISPのおかげなのだと思います。
私が持ち込んだステレオやマルチch音源も聴かせていただきました。
原田英代のシューベルト
これは残響の長い教会録音でAuro3D邸にピッタリ。
スタインウェイが唄ってる。
Alice Sara Ott のスキャンダル。
Auro3DさんはステレオでもISP MK2を導入した効果があるとおっしゃっていましたが、それは最近拙宅で行った位相整合施策でも感じたことです。
クッキリハッキリ感に違いが出るのです。Auro3D邸ではそれに加え部屋の響きにより上記ピアノデュオでは空間が感じられます。
このトラック#1で Sara Ott が裸足の足で床を踏み鳴らすところがありますが、その音が実にいい感じ。(笑)
超低音の沈み込みが感じられるし、ボワンとボケることもとなく、ちょうどAuro3D邸の響きの良い床を踏み鳴らした音に似ている。(爆)
Dirac Live の売りの一つの Bass Management 機能の効果が大きいのかもしれません。
最後に映画の方もちょっと見せていただきました。
Auro3Dさんが最近手に入れたBlade Runner 2049 のAuro3D版。
冒頭、主人公のLAPDの捜査官K(JOE)が小型の空飛ぶビークル(名前忘れました)で飛行するシーン。
見ている私の背後から頭上を抜けて前方に飛んでいくところがあるのですが、思わず首をすくめるほど近くをかすめる恐怖感は半端ではありません。
Atmosとの違いを感じたのはKとAIの3DイメージのJOIとの雨の降る屋上でのラブシーン。

雨音がAtmosよりも繊細で雨粒が小さく感じました。それにAtmosではどちらかというと画面の二人を中心に降っている感じでしたが、Auro3Dでは見ている私の上にも降りそそいでホントに傘が欲しくなりました。(笑)
時間が経つのがとても速く感じられた1日でした。
Auro3Dさん、ありがとうございました。
短期間でISP MK2をあれだけ使いこなしているのは驚きです。
だってDirac Liveだけじゃなくてチャンデバまで駆使しているんですから。
文科系で最新デジタル機器を使いこなし、「デジタルのバターワース1次フィルターでチャンデバ組んで位相補正しました」なんて言う人聞いたことありません。
これからもISP使いの先駆者として突っ走ってください。
レス一覧
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K&Kさん
おはようございます。最初、タイトル見て井上陽水の話かと思いました(こう反応するのは恐らく50代以上だけか=笑)。
先日は、はるばるお越しくださり、ありがとうございました。チャンデバ機能はK&Kさんに教えていただいたとおりに設定しただけですが、電子的に「K&Kフィルター」をかますことができて、良かったです。せっかくはんだごて片手に作っていただいた、リアル「K&Kフィルター」がほこりをかぶることになるのは、少々申し訳ない気もしますが(笑)。
最近、「位相が揃った音」に耳が敏感になったようで、K&K邸でも改良の成果にすぐに気が付きました。1年ほど前までは、「位相」って何?というレベルだったのに(笑)。K&Kさんをはじめとする皆さんのお陰です。感謝です。
大物は一応揃ったので、ここから先はあまり派手なUp Gradeはしばらくはないと思いますが、当面はこのところ買いだめ過ぎたマルチソフトを聴きこんで、システムを熟成していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
byAuro3D at2021-09-10 05:42
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Auro3Dさん、
ありがとうございました。
≻リアル「K&Kフィルター」がほこりをかぶることになるのは、少々申し訳ない気もしますが(笑)。
そんな風に思っていただけるだけで十分です。
結果的には今のAuro3DさんのISP MK2チャンデバ機能利用につながったのだと考えればあれも役に立ったということなのでしょう。
≻最近、「位相が揃った音」に耳が敏感になったようで、K&K邸でも改良の成果にすぐに気が付きました。
おかげさまでこの件に関しては私もすごく勉強になりました。
ステレオでもかなりの効果があるというのはちょっと意外でした。
今後ともよろしくお願いいたします。
もっと気軽に行き来できるようになって欲しいです。
byK&K at2021-09-10 16:12
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k&kさん こんにちは
あの Alice Sara Ott のスキャンダル。が タイトに がつっとなってるという事でしょうか??
そして ブレードランナーの雨音。
そそられますね。
ISP MK2
こいつに。
byX1おやじ at2021-09-10 17:32
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X1おやじさん、
レスありがとうございます。
≻あの Alice Sara Ott のスキャンダル。が タイトに がつっとなってるという事でしょうか??
これは文字にすることができないので実際に聴いていただかないとわからないと思いますが…
Blade Runnerの冒頭の低音もそうですが、比較的小型のサブウーファを多数台(4台?)使ってあの音を出せるのはISP MK2の統率力のなせる業かもしれません。
、
byK&K at2021-09-11 00:01
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X1おやじさん(K&Kさん、横レスすみません)
>そそられますね。
ISP MK2
私の記憶では、確か、X1おやじさんは自宅試聴されたんですよね?でも天候問題で不十分な形だったとか。もしかしてその「不十分」さは、Dirac Live(Bass Control含む)のキャリブレーションを行うことができなかったのでしょうか?(確かモノは届いたが、Naspecの方が来れなかった、と)
だとすると、残念ながら、ISP MK2の十分の一(笑)の魅力も伝わらなかったかと。プリ単体としても使っていて解像度の高い整音をしますが、「真価」はその音響補正能力にあると思います。是非、もう一度!(笑)
ちなみに、X1おやじさんと近い感じのシステムをお持ちの、グランドスラムさんという方が、もうじき納品されるようですので、参考になるかもしれません。
「K&K邸再訪」のレスでお書きになっていた「諸々の事情」が、このISP MK2で解消できるのであれば、是非、マルチチャンネルオーディオの世界に帰ってきてください!そしたら真っ先に飛んでいきます(笑)。
byAuro3D at2021-09-11 07:52
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横レス すみません。
Auro3Dさん
今の 私の 2CHの状態を ご覧になると マルチチャンネルに かじることは あっても 完全移行は 無いと思います。
ただ 映画の 新しい フォーマットには 興味がありますので
ISP MK2を 再挑戦 したいという 思いはあります。
私の こだわりの2CHの世界も 覗いてみてくださいな!?
byX1おやじ at2021-09-13 08:52
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X1おやじさん(K&Kさん、再度、この場をお借りしてすみません)
わざわざご返事いただき、恐縮です。本当にX1おやじさんのお噂は皆さんなさいますので、勝手ながら私の中の「一度は訪れなければいけないテーマパーク」リストに入れさせていただいております。何でも「部屋の中でバレーボールができる」とか(笑)。拙宅はバドミントンがせいぜいですが(笑)。
私もDualですし、「完全移行」までしなくても(笑)。「も」で結構です!X1おやじさんは、2chは音楽、マルチは映画、と完全に分離しておられるのでしょうか。「マルチの音楽」はダメですか?(笑)
「映画の新しいフォーマット」とはAuro3Dのことだと思いますが、X1おやじさんが映画にもかなり力を入れておられるのはよく分かりますが、それだけのためにISP MK2とは、ちょっともったいないような気が!その際は是非、「音楽も=むしろISPの本領はこっちかと」楽しんでみてください。もし導入されたら、手持ちのAuro3DのNative音楽ソフトを山のように持ってお邪魔しますので、是非、試聴を(笑)。
「こだわりの2CHの世界も覗いてみてくださいな」-改めて「マイルーム」を拝見させていただきましたが、アナログレコード再生にも相当力を入れておられるのですね。こちらは基本2chだと思いますが(大昔には4chレコードって、ありましたよね?)、「邪道」と言われそうですが(汗)、Auro3Dには、2chや5.1chソースをAuro3D化する、「Auro-Matic」という機能があります。大編成のオケやオルガンなんかだと、結構楽しめますよ。導入の暁には是非お試しを!(なんか、Naspecの営業マン見たいになってきた=汗)
byAuro3D at2021-09-13 10:07
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K&Kさん、
大変遅レスで、スミマセン。
Auro3D亭のISPとDirac Liveによる大改善を聞かれたようで、羨ましい限りです。伊豆の別荘の好環境もあって、大変楽しまれた様子、良く分かります。
> スピーカー内のネットワークのウーファとスコーカー間のクロスオーバー周波数270Hzと同じ周波数でクロスするバターワースの1次フィルターをチャンデバでで設定する
ところで、この設定で、Dirac Liveはどのようなスロープに補正しようとしたんでしょうか?K&Kさんの意図は、12+6dB/octで18dB/octになるだろう・・のはずですが、Dirac Liveは測定結果が、12dB/octに近いと、それを勘定に入れて18dB/octに合わせようとしたのでしょうか?単純な、素人質問です(笑)。ターゲットカーブ設定に表示されていましたか?
>このトラック#1で Sara Ott が裸足の足で床を踏み鳴らすところがありますが、その音が実にいい感じ。(笑)
このトラック、Tidalにあったので聞いてみました。頑丈な広い床を踏み鳴らす音、Auro邸の大空間にぴったりの響きだと思いました。拙宅でも、Dirac Liveで補正したSWに60Hz以下を受け持たさせて視聴すると、大変いい感じでした。もちろん、Base ManagementはCP版にはないので、ROONでしているのですが、それでもDirac Liveの補正能力には驚かされます。
傘が欲しくなるほどの、天井から降り注ぐ美音は、コロナが治ればそのうち拝聴させて頂こうかと思っています。
byTomy at2021-09-13 19:00
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Tomyさん、
レスありがとうございます。
Dirac Liveのスロープ設定については私はわかっていないのでAuro3Dさんから説明いただけるとありがたいのですが…
ISPのチャンデバ設定は単純にK&Kフィルターの置き換えでクロスオーバー周波数でディップを作らず中高域の極性を逆にすることを目的にしているのでDirac Liveのスロープ設定は気にしていないと思います。
あのSara Ott(たぶん)の床を踏み鳴らす音はよく調整されたSWにとっては得意なのかもしれません。
ウチのは密閉でDSP補正、Auro3Dさんのはやはり密閉でMFB付きでDirac Live補正ですが比較的似たような感じでした。
Tomyさんのお使いのSWも密閉タイプなのでは?
あれは大型のスピーカーでも難しいことがあるようです。
Auro3D邸はぜひ体験してみてください。
byK&K at2021-09-13 23:56
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K&Kさん、Tomyさん
スロープ設定?ですが、私はお二人に教えていただいた通り、
LPF, HPFとも270Hz(SonettoVIIIのクロスオーバー値)とし、それを「BT6」でつないでいます。
byAuro3D at2021-09-14 08:54
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Auro3Dさん、
ターゲットカーブを設定する画面で、低音、高音SPの測定特性とターゲットカーブが出たと思います。その画面での設定がどうなっていたのかが知りたかったのですが、多分覚えてはおられないと思います。ご訪問させていただいたときにでも、Dirac Liveの保存データ(プロジェクトとして保存していれば)を拝見します。Auro3Dさんが上手くISPを使いこなしているのには、何時も驚いています(^o^/).ISPはCP版Dirac Liveよりも圧倒的に複雑ですよ!
K&Kさん、
拙宅のSWも密閉型で、MFBが付いています。音楽にはやはり密閉がいいみたいですね?Auroさんを見ていると、複数使いたくなります。でも、スペースが問題です(笑)。
byTomy at2021-09-14 09:43
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