日記
仮想アースの接続について
2020年04月18日
最近、このサイトで話題になっている仮想アースについて、電気的に効果が期待できそうな接続と問題が出そうな接続についてまとめてみました。
みなさまの参考になれば幸いです。
なお、この記事は仮想アースをオーディオ機器に接続する際の一般的な考え方を示したもので、機器の動作や安全性を保証するものではありません。
実際に仮想アースを接続する場合は、自己責任で実施してください。
先ずは、仮想アースの効果が期待できる接続を図.1に示します。

青線で示すアース配線に、緑色の仮想アースを図.1の箇所に接続するとアース電位が安定する効果が期待できます。
次に、仮想アースを接続すると、アンプが不安定になったりノイズが増加して逆効果になる可能性がある接続を図.2に示します。

NFB回路が接続されている赤色で示すホット側配線に仮想アースを接続すると、仮想アースが拾ったノイズをフィードバックして増幅したり、静電容量の増加でアンプが不安定になる可能性があります。
もう一つ、仮想アース同士を電気的に接続することでアースループになりノイズが増加する接続を図.3に示します。

仮想アースを左右チャンネルで共用したり、マザーアース?で電気的に接続すると、アースループが発生して電磁誘導によるノイズが増加し逆効果になる可能性があります。
最後に、BTL回路構成のアンプに仮想アースを接続すると発生する問題を図.4に示します。

BTL回路構成のアンプは、スピーカーの+とーのどの端子もアースに接続されていなくてNFB回路に接続されているため、上述の図.2と同様な問題が発生します。
そのため、パワーアンプとスピーカー間には、仮想アースを接続すべきではありません。
仮想アースをLchとRchで共用したり、マザーアース?で電気的に接続するのは、出力回路がショートしてアンプが壊れる可能性があるので止めましょう。
レス一覧
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こんにちは。
分かりやすい図で理解しやすいと思います。
この図に加えるとすれば、それぞれの機器には電源回路があり、
左右共通の場合や左右独立の場合があります。
そして多くの場合はアンプのアースが電源のアースを介して
シャーシと結合されています(シャーシアース)。
仮想アースはこのシャーシのアース能力を大きくしたと考えられます。
シャーシの大きさや重量は機種によって異なりますので仮想アース
の効果もあったり、そうでもなかったりと推測しています。
また仮想アース同士を結合すると記述された図からも、アース
ループを作ってしまいます。
byマイペース at2020-04-19 16:37
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EDさん、こんばんは。
ご紹介のもので最後の図についてですが、うちはアンプをBTLで使っていて、SPのマイナス端子に瓶詰アースを1個ずつつけています。お互いを繋げてはいないのですが、マズイのでしょうか!?(◎_◎;)ゲゲゲ
by2Hくん at2020-04-19 18:06
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マイペースさん
レスありがとうございます。
電源回路のループについては6年前に記事にしましたが、仮想アースの接続は想定外でした。
community.phileweb.com/mypage/entry/3969/20140712/43271/
電源系のアースに仮想アースを使うのも、マイペースさんが言われる通りループを作らないよう気を付ければもちろん効果があるはずですね。
ただ、電子レンジや冷蔵庫等の機器のアースやノイズフィルターのアース端子(FG)を共用するのは、ノイズ源をオーディオ機器に引き込むようなもので問題があります。
byED at2020-04-19 21:57
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2Hさん、こんばんは。
sa4.0は確かデジタルアンプだと思いますが、回路図を捜しても見つかりませんでした。
デジタルアンプの出力回路にはローパスフィルターが入っているはずで、仮想アースを接続したときの影響は普通のアンプと比べると少ないかもしれません。
しかし、回路図が無いと確認のしようがないので、SPとパワーアンプ間に仮想アースを接続するのは止めたほうが良いと思います。
また、仮想アース同士を電気的に導通させるのは、パワーアンプの出力回路同士がショートするのでこれは禁止行為ですね。
メーカーに問い合わせると回答が得られるかもしれませんが、ここはアンプの筐体に仮想アースを接続するのが無難です。
byED at2020-04-19 22:42
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EDさん
図解わかりやすいですね。
私も、シャシーから仮想アースを取るのが初めの一歩だと思います。それでもけっこう効果があります。この場合はフレームグランドの増強ということですね。
私も、仮想アースというのはノイズのドレインという効果もありますが、動作の基準点ががっちりしてアンプの動作が安定するという効果が大きいと思います。階段の手すりにつかまるというイメージでしょうか。
だからそれぞれの回路や基板にできるだけ近いところに仮想アースを設けるのは効果的ですが、自作など回路がよく確認できる場合に限った方が良いですね。
仮想アース同志を導通させるという発想は、私も全く理解できません。
byベルウッド at2020-04-21 18:06
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ベルウッドさん
レスありがとうございます。
実はこの記事は、ベルウッドさんが再三アースループ等に気を付けるよう注意喚起されているのを見て、何とか分かりやすい図にならないかと考えて作ったものです。
ちょっと欲張りすぎてゴチャゴチャしてしまいましたが、少しは分かり易くなったのではないかと思います。
またおっしゃる通りで、SPケーブル周りに仮想アースを接続するのは、回路図がありそれが理解できるか、正確に測定ができる場合にしたほうが良いですね。
特殊な例では、金田式パワーアンプのMFB回路はコールド側出力に低抵抗があり、ここへ仮想アースを接続するのは危険だと思います。
byED at2020-04-21 22:20
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EDさん
さすがEDさん。図星ですよ(汗)。
実は、金田式パワーアンプのMFB回路でひどいめに会ったんです。私が、マルチウェイに初挑戦したのがMFB回路付きステレオアンプ2台でのマルチドライブでした。
当時は、仮想アースではなくオーディオ専用アースへの接続でしたが、やはり電源、信号ケーブル、スピーカーケーブルでアースループができてしまいました。スピーカーケーブルをちょっと動かすとハムが収まったりひどくなったりするので、MFB回路のことに気づきましたが、回路図を見直して改めて何が起こったのか理解できました。私のアースループ体験の原点です。
グラウンドライン以外に仮想アースをつないでもすぐに障害が起きると言うことは無いとは思います。それはBTLも含めてポジティブ側でも大丈夫だと思います。でも、つないでも何も良いことにはならないですし、何かに接触したりすれば危険です。仮想アース同士をつないだら、即、事故やトラブルになりますのでやめた方がいいですよね。
byベルウッド at2020-04-22 10:13
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ベルウッドさん、こんばんは。
まさか、ベルウッドさんがMFB回路に引っ掛かかっていたとは、思いもしませんでした。
私も若い頃、上杉アンプを真似してMFBの実験をしたことがありました。
それで、もしかしたら仮想アースを接続すると問題が発生する方がいるかもと考えて書いたのですが、すでに体験されていたとは・・。
何れにしてもメーカー製のアンプは思わぬ仕掛けをしていることがあるので、SPターミナルの「-」側が完全にアースされているかテスターで確かめてから仮想アースを繋いだほうが良いですね。
byED at2020-04-22 20:45
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