Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

Ken Yoshida録音を聴く【16】

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2021年02月01日

昨日の吹雪も過ぎて、天気は初春の日差しになってきましたが、Phile Web 内はノイズカットトランスの大旋風にさらされていますね(笑)。Ken Yoshida録音の最新作をご紹介します。



Cello 360

サント=コロンブ:組曲第4番ホ短調より前奏曲 x:xvii
マレ:ヴィオール曲集第2巻より『スペインのフォリア』
リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
エスケシュ:カントゥス第1番
チャップリン:「愛のテーマ」
レノン&マッカートニー:『イエスタデイ』
ラ・マルカ/ラヤン/m.a.s.:タイムレス ほか

クリスチャン=ピエール・ラ・マルカ(チェロ)

2020年7月、8月
ポミエ=アン=フォレ修道院礼拝堂、ラ・セーヌ・ミュージカルセンターRiffxスタジオ(フランス)
P&E: Ken Yoshida (7月ポミエ録音分13曲)、Baptiste Chouquet(8月スタジオ録音分3曲)
Naive V7260

SONYが若手イケメンチェリストとして売り出したと思っていたラ・マルカがKen Yoshidaプロデュースでnaiveに登場。「バロックのヴィオラ・ダ・ガンバ曲からジョン・レノンまで弾きまくり」、という一枚。この手のコンセプトは、若手がここ数年でこぞってやったので、「今どき普通ーっ」という感じで驚くに値しないけれど、演奏と録音には驚く。この一枚を通して聴くと、ラ・マルカがルネサンス/バロックと現代曲の両極で高い能力を持っていることが分かる。冒頭のサント=コロンブのバッハ的構築性と、ディティユー、リゲティ、エスケシュでの凄まじい躍動振りの双方が印象的。面白いチェリストだ。ロマン派でどうかについては、2018年にSONYで出た「パリ=モスクワ」というアルバムで聴いてみようとおもう(未聴)。鳥の歌やグリークではよく歌っていて、単なる技巧の人では無さそう。

Ken Yoshidaのモダン・チェロ録音は、ミシェル・ルグラン&アンリ・ドマルケのSONY盤以来、久々。音の方向性としては、Ken氏の出世作であるクープランのヴィオール曲集の延長線上に来る、一点突破型の超ダイナミックサウンド。使用マイクは、ノイマンKM133D、DPA4041SP、ショップスV4u。ノイマンは無指向性コンデンサーカプセルマイクで楽器取り付け用。ショップスV4uはKen氏常用のボーカルマイクで、チェンバロ・ソロのメインマイクに良く使っている。DPA4041は同社のトップモデル。メインマイクは曲によって使い分けた感じ。音像は実物大。録音レベルは高く、破壊力大。

後半のスタジオ録音の3曲はやりたい放題だ。この部分はBaptiste Chouquetというエンジニアが担当。Ken氏がコロナに感染したわけではなく、曲が曲なのでポピュラー系のエンジニアに任せたのだろう。しかし、最後の自作曲は・・・・、クラシックのアルバムと思ってここまで聴いてきた人は激しくずっこけること請け合い。

このDiskの「バックロー度」★★★★

ここからは、Ken Yoshidaとは関係なく、数字が題名のアルバムがなぜか溜まったので、まとめてご紹介。



51-51鍵のラビリンス -

バッハ 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV847
ブクステフーデ フーガ BuxWV163 プレリューディウム
モーツァルト 組曲 K399
ほか全13曲

大木麻理(ポジティフオルガン)

2020年9月録音
E:国崎裕
mariohki MOR-001

以前の日記の中で、「規格外の才能」と大書して取り上げたミューザ川崎の専属オルガニスト、大木麻理。コロナの中でミューザのパイプオルガンを弾くこともままならないだろうし、どうしているのかと思ったら新しいアルバムが出てきた。レーベルはなんと「mariohki」。自分のレーベル作っちゃいました。で、ミューザのオルガンではなく、聖グレゴリオの家 宗教音楽研究所というところが所蔵している1996年J.アーレント製ポジティフ・オルガンというのを弾いている。昔の中学校にあった木製の教卓みたいな楽器。なんでも、小さくて可搬性があるポジティフ・オルガンに可能性を感じたらしく、本盤は大木が腕によりをかけてそのポテンシャルを引き出してやろうという企画。このポジティフ・オルガンは、51鍵で音域4オクターブ、足鍵盤無しの5ストップという最小構成。ミューザの大オルガンと比べれば、グランドピアノとトイピアノほどの違いがある。室内楽の伴奏では良く出てくるポジティフだが、果たしてピンでCDが作れるのか?

1曲目はパッヘルベルの「ナイチンゲール」で、鳥の声に似せたバードコールとオルガンの音が重ね録りされている。これはオフマイクで音も小さいので、アンプのボリュームを上げると、いきなり次のバッハから音量が増えるので危険。本格的に演奏が始まってしまえば、この楽器はとんでもない表現力を持っていることが分かる。もちろん大木の能力がそうさせているのだろうけれど、バッハ、ブクステフーデ、モーツァルト(K399は秘曲!)は特に見事。自然体で伸びやかな演奏は、楽器の限界など全く感じさせない。参りました。

録音担当の国崎裕は元日本コロムビア所属のエンジニアで、現在は独立。多くのトップアーティストの盤に携わってきたベテランなので、音色、解像感、Dレンジなど、完全にツボに嵌まった名録音。比較的小型のスピーカーでも鳴らしやすいと思う。トランジェント命のバックロードホーンには最高のご馳走。

このDiskの「バックロー度」★★★★★



XIII 「十三」
-13にまつわる弦楽四重奏曲集-
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番 『ロザムンデ』
クラム:ブラック・エンジェルズ~暗黒界からの13のイメージ ほか全5曲

 アルデオ四重奏団
  キャロル・プティドマンジュ、梁 美沙(Vn)
  原 裕子(Va)
  ジョエル・マルティネス(Vc)

2020年2月 カンマーフィルハーモニー、ブレーメン
E: Thomas Bößl

Klarthe K104

パリを拠点とする女性4人のアルデオ四重奏団。カントロフの弟子、梁 美沙が2nd Vn、今井信子の弟子、原 裕子がVaで入る和洋混成の強力ユニット。ジャケットは、黒ミサでも始まりそうな魔女装束の女性4人。エコエコアザラクの黒井ミサみたい(古っ!)。選曲が、「13」にまつわる縁起の悪そうな曲ばかり無理矢理集めてきた盤だが、タワレコで見ると日本でのプロモーションの場合は、漢字で「十三」にしているみたい。確かに「XIII」を回転すれば「十三」。しかし、これでは関西人が「じゅうそう」と読んだり、邦画ファンが「じゅうぞう」と読んだりして混乱必至(笑)。なぜ、誰も止めなかったのか。

収録時間的にはロザムンデも長いが、これはそんなに不吉なわけでもなく出だしだけ暗くあとは普通のシューベルト。パーセルのシャコンヌは非常に美しい。メインは後半、ジョージ・クラムの「ブラック・エンジェルス~暗黒界からの13のイメージ」という、いかにもやばそうな題名の現代曲。ベトナム戦争中に書かれた曲らしい。これはモロに「戦後の現代音楽」している。ただ、聴いていて、これが「暗黒界からのメッセージ」か?と首をかしげる部分も多々。意味不明だが怪しいものは、怪しい。実際、こうして聴いている最中に親戚の叔母さんが亡くなったと電話は入るわ、パソコンが一台壊れるわ、もう大騒ぎ。これは確かに不吉だ。自信を持って変態ソフト認定。

音はかなり良い。弦の質感や音抜けは良く、カンマーフィルのホールの広さも出ている。現代曲が後半に控えていることもあり、前半の録音レベルは敢えて低めに取りDレンジに余裕を持たせている。これが、ロザムンデなどでは好結果に繋がっていると思う。音像は小さめ、定位明瞭で分解感も高い。ブラック・エンジェルスは人声(日本語で「一・二・三・四・・・」とか、なんだこれ)・パーカッション・シンバルなど効果音が飛び交う。Dレンジは広く、聞く側は不意の衝撃音への対応も必要。天国の長岡先生が聴いたら大喜びするかも知れない。

このDiskの「バックロー度」★★★★★

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  1. Orisukeさん、こんばんは。

    Ken Yoshida録音を聴くシリーズですね。
    自分は今までOrisukeさんの音源紹介があると、YouTubeや無料の配信音源で好みの曲か確認してから、気に入るとCDを購入していました。

    ですが、電研の<<ノイズカットトランス>>を入れてからは、ストリーミングのAmazon HDで確認することが出来ます。更には、気に入ったら聴きたいときに聴けるリーズナブルさです。音質的にも、渾身の追い込みをしたCDPに劣ることない音で聴けます。

    今回の音源ですと、「Cello 360」と「XIII」が聴けました。共にハイレゾです。両方とも気に入ったので、自分のライブラリーに入りました。

    こう考えると、電研<<ノイズカットトランス>>は、リーズナブルな投資でバックの大きい、ローリスク/ハイリターンな投資アイテムかもしれないです(嬉)

    byヒジヤン at2021-02-01 18:58

  2. ヒジヤンさん
    こんばんは

    Amazon HD、もうCello 360とXIIIが配信されているんですね。
    私も、ノイズカットトランスを入れて、上流側の電源環境が劇的に改善されたので、フルーサウンドのNode-6iを入れてみようかなと検討中です。新譜でハイレゾがただ同然で聴けるんですもんね。

    ここ数日、溜まりに溜まったBoxセットのCDを聴き直しているのですが、音の説得力が気味が悪いくらい向上しています。ピリスやグールド、リヒテルのピアノの深々とした響きがLPだけでなくCDで出てくれるようになったことに驚喜しています。

    byOrisuke at2021-02-01 19:11

  3. Orisukeさん

    相変わらず、マニアックな所を突いて来られますね!
    今回はKenさん以外の2枚(という言葉遣い自体が時代遅れ?)に大いにそそられました。

    ポジティフ オルガンはおもちゃみたいなものという先入観を打ち砕いてくれそうな51。選曲も良さげ。エコエコアザラクなんてウン十年ぶりに目にした単語とキワモノ感満載の選曲企画の妖に惑わされそうになったのを、今年は縁起の良い年にしたいのでグッと堪えたXIII。参りました!

    byパグ太郎 at2021-02-03 09:53

  4. パグ太郎さん

    こんにちは
    新年早々、縁起の悪い盤の紹介ですみません(汗)。
    「十三」は久々に長岡ファンが喜ぶタイプの迷盤ですよ(笑)。

    大木麻理さんは、聴けば聴くほど「逸材っ」という感じです。こんなに滑らかで自然体のオルガン演奏は滅多に聴けるものではないと思います。コロナの禍の中で自前のレーベル作ってポジティフオルガンで活路を見いだしていく逞しさと機転の利き方にもいたく共感しました。私設応援団になっちゃいそう。たしかに、これだけ表現力があれば、チェンバロコンサートと同じように小さい会場でソロコンサートできそうです。この盤、ポジティフだけあって、低音はほどほどの周波数で収まっていますのでジャーマンユニットの振動板にも優しいと思います。

    Cello360は、爆音系でジャーマンとは相性超悪そうです(汗)。

    byOrisuke at2021-02-03 12:40

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