日記
ハイパーソニック・エフェクト 補足
2015年07月10日
前回において、ハイパーソニック・エフェクトの学術研究についてレポートしましたが、人によっては曲解するケースがあるかもしれないと思い、出稿者のギムとして次の補足をしておきます。
1.ハイパーソニック・エフェクト論文の購読数
ハイパーソニック・エフェクトへの注目が意味すること
ご覧の通り、この効果が脳の報酬系に働きかけ、免疫力強化の効果も発見され、現代病の予防・治療への応用など専門分野を超えた広範な効果に着目して多方面からの引き合いがあるとのことです。
2.音楽を感じる脳の仕組み
音楽を感じる脳は、音の変化に反応して快感を発生させますが、ピッチ、サウンドスペクトルなど音楽情報の物理的構造が複雑な秩序をもって多様に変化するほど快感が高まるとされています。
管楽器や弦楽器のように発音したあとも、息の操作や、弦の操作が可能で音を変化させることができるものと違い、打楽器は一度たたいてしまうと音の変化を人工的には操作ができません。
ガムランは変化を作り出すのに次から次へと音を切り替えて脳への情報入力の時間密度をより高める仕組みを発明しているわけですが、これを実現しようとすれば、即ち、速く弾くということですね。
脳の仕組みからするとピアノやガムランのような打楽器では速く弾くことが快感発生のための本質的な表現戦略に通じるわけです。
一秒間あたりの打鍵数
ピアノの速弾きが意味をもつのもこういう文脈においてとらえることが重要であり、そこで、天才ピアニストの打鍵数を調べたのが上記の通りです。リヒテルが二度出てくるのは、上が40歳代、下が60歳代の打鍵数という意味です。
リヒテルの次にガムランが出てきますが、これは、名もない素人が複数集まった集団演奏によって導かれるもので、コテロンという一種の入れ子奏法を採用することによって、リヒテルに匹敵する打鍵数を記録するわけです。
かようにして、快感(音楽の感動、心地よさ、美しさ)を求めてガムラン音楽が長い時間をかけて生成されてきているのですが、この快感追求というのは、バリ島の人々に特有のものではなく、人類普遍の情動です。まさに我々が日常的に音楽を聴く行為の源泉(原動力)なので、オーディオ・マニアにとっても重要な要因であるのは議論の余地がありません。
3.音の揺らぎもまた快感発生に密接につながってきます。
ピアノとガムランのミクロなゆらぎ成分の比較
音のスペクトルを比較すると、ピアノでは定常的で変化がありませんが、ガムランでは常に変化しています。ホワイトノイズもピアノと同じくまったく揺らぎがありません。
このほか、16ビートのリズム(人類共通の心地よさを感じるリズム)を得るためのガムラン共同演奏の仕組みなど、本当に驚きの仕組みが、次々に簡明に説明されています。
同期して増幅するミクロなゆらぎ成分
くどいようですが、我々はなぜ音楽を聴くのか、なぜ感動するのか、なぜ心地よさを感じるのか、それらを貪欲に追求して形成されたガムラン音楽にあるものは何かということに、興味のある方は、テレビ受講されてはどうかと思います。
レス一覧
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ストラさん、こんちは。
毎度のレス、ありがとうさんです。
そうですか、これをナマでお聞きになった。
恐らく、組頭の山城さんが全世界から収集された民俗音楽の粋をそれぞれの曲に取り込んでいるのでしょうね。経験不足の私は、残念ながら聴いたことがないのですが、さすがのストラさんです。改めて、敬服しました。
例の第六回講義には山城さんご本人も登場しておられます。機会がありましたら、テレビ受講されてはどうかと思います。
byかもん! at2015-07-10 18:08
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おはようございます。
放送は日曜日の13時からですかね。録画予約しました。
皮膚のなかの触覚であるパチニ体の振動で20kHz以上の
音が伝わるそうですね。脳幹で処理されていると。
学会のほうでわかっていても、オーディオはあくまでも金儲け
のための商売ですから、売れそうかどうか様子見してるので
しょうね。動きが鈍いです。
私の家ではスーパーツイーターとハーモネーター(フィデリック
スのAH-120K)を付けて、潤い感が出ています。
昔のアナログ録音であってもマイクの問題があり、20kHz
以上の音が少ししか入っていないんです。なので既成のソフト
ではハーモネーターで超高域を付加してやるしかありません。
レコードでも同じです。
by青いコゴミ at2015-07-11 09:06
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青いコゴミさん、おはようございます。
いつぞやは、どうもです。
パチニ体が受容器なんですね、情報ありがとうございます。
勉強したいと思います。
「今だから言える裏話」(ハーモネーター)もついでに読んでみましたが、
おかげさまで私も真実に一歩ずつ近づきつつある予感がしております。
今後もよろしくどうぞ。
byかもん! at2015-07-11 10:11
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かもん!さん、こんばんは
記事の転載をして頂いていたにも関わらずコメントが全く出来ておらずすみません。いくつかまとめてコメントしたいと思います。
ご紹介いただいたお話は存じていませんでしたが、個人的に体感している話です。それは連続した20kHzは聞くことは出来ないが、20kHz以内の波形に含まれている高周波成分の違いは感じ取ることが出来るということです。この場合はヘッドフォンでも体験ができるのでご紹介の事例とはまた違う話だと思います。
たとえばアンプやDACのLPFで矩形波応答の早さを変えるとします。ここで影響しているのは波形を見ると100kHz以上の応答のはずなのですが、なんとなく音の違いがわかるような気がします。人間の耳は測定器とは全く違うので20kHzのサイン波が聞こえないから20kHz以上の成分を感じ取ることができないってのは違うように思います。
とはいえもしかしたらSPユニットやヘッドフォンユニットの低周波応答も、実は高周波成分がどれくらい含まれているかどうかで動きに違いが出るのかもしれませんしなんともいえません。
こういうことについては、まだわからないことがたくさんあるのだ、と思っています。だからこそ面白いです。
byyohine at2015-07-14 23:21
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yohine さん、こんにちは。
わざわざレスを頂き、かたじけないです。
「内耳の中のリンパ液の揺れで、私たちは音を聞くことができる」とのことですが、リンパ液が揺れるためには、空気の振動による気導と、頭蓋骨の振動による骨導の二通りの経路があって、録音した声を聞くと自分の声がまるで違うのは、その二経路に起因することはご存じの通りです。
ところでその骨導ですが、ヘッドフォンを使った場合の骨導の作用(反対側の耳に近い頭蓋骨への作用)にもいろいろあるらしいです。
>人間の耳は測定器とは全く違うので20kHzのサイン波が聞こえないから20kHz以上の成分を感じ取ることができない、というのとは違う
結局、聴覚は生存のための危険キャッチ機能ですから、仰ることもあるのでしょうね。
さらに、このテレビ講座によると超高周波は皮膚の表面で受容するというのですから、まだわからないことがたくさんあり、面白いのは仰る通りです。
byかもん! at2015-07-15 04:05
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