日記
SACDの音楽データのファイル再生のREVIEW
2015年07月27日
昨日の私の日記にはかなりの「尾ひれ(笑)」がついているので、読んでいる人には分かりづらいだろうと思い、ここに整理しました。
私は、「法改正(2012年10月1日)により違法化」したという巷での論に疑問を感じ、ひょっとして自分の知らない法律規定があるのかもしれないと思い、恥をかえりみずに日記でそれを確認しようとしたわけです。そこで、代表的なK氏のレスポンスを再掲します(というのは、後の「違法論」者のレスポンスは全てこの人が最初に提示した内容にのっかっただけの、いわば、尻馬に乗ったコメントにすぎないからです)。
①K氏のレスポンス(時系列)
2015-07-26 09:06 日記発表
1st response by K氏 at 2015-07-26 11:48
かもん!さん、こんにちは。
これは、「技術的保護手段」があるかないかで法に抵触するかということだと思います。つまり、ディスクにコピーガードがされている場合は、違法であり、コピーガードがなければ合法となります。DVDやSACDはコピーガードがあるので、それを私的にも破ることはダメということです。CDはコピーガードがないので、いくらリッピングしても大丈夫ということになります。
文化庁のホームページ
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h24_hokaisei/
ここに記載されている、「3.改正の概要」の(4)に「私的目的であっても」という文言があります。
そのため、私的目的でリッピングできるソフトの配布、方法の公表というのは、違法行為を促すことにつながるので、これらに関してサイトからなくなったのだと思います。私もSACDのリッピングができないかと調べていたら、この法律があることが分かりやめました。
2nd response by K氏 at2015-07-26 18:12
かもん!さん
SACDが著作権保護技術があることが明記されていないということに疑問を感じているのですね。
そして、なぜ私的にも許されていないのか?ということも。
文科省の著作権に関する分科会の審議会の内容を追うと興味深い内容が出てきます。
著作権保護技術にDRMというのがありますが、審議委員の資料にSACDがDRMに含まれていることが記載されています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/009/05071601/001_2.pdf
その時の議事録にも、「SACD用のプロテクション」という文字があります。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/009/05071601.htm
そして、用語の定義ですが、「技術的保護手段が施されている著作物等については、その技術的保護手段により制限されている複製が不可能であるという前提で著作権者等が市場に提供しているもの」というのがあり、複製不可能にしている状態であれば、プロテクションの明記されていなくても、それを複製してしまうことは私的であっても違法ということになりますね。
このような法律ができた経緯は、文科省の著作権分科会報告書の
「第1章第1節私的使用目的の複製の見直しについて」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/07020702/003.htm
にあります。
②K氏の主張の要約と矛盾点
1st response by K氏 at2015-07-26 11:48
・私もSACDのリッピングができないかと調べていた
・この法律があることが分かりやめました
・文化庁のホームページ
・DVDやSACDはコピーガードがある
→これに対し、私から、「SACDはコピーガードがある」とは初耳だが、その証拠はどこにあるのか?と尋ねるも、ノーリプライ。
2nd response by K氏 at2015-07-26 18:12
このときも、私の上記の問いにはノーリプライ。代わりに出してきたのが、以下の資料
・法律ができた経緯→1999年
・分科会の審議会の内容→2005年の審議会
・議事録→2005年の審議会
・審議委員の資料→2005年の審議会
このうち、「・法律ができた経緯→1999年」に関しては、次のような説明(再掲)あり。
SACDが世に出たのが1999年だが、この法律が出来たのが1999年。その時点で、
「第1章第1節私的使用目的の複製の見直しについて」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/07020702/003.htm
にあります。
として、「技術的保護手段が施されている著作物」の定義がなされている、と説明。
③結論
それならお聞きしたいのですが、「私もSACDのリッピングができないかと調べていた」のは一体、いつのことか? つまり、「SACDはコピーガードがある」と言っておきながら、その証拠は出せない。SACD が世に出た当時から、「技術的保護手段が施されている著作物」が何を意味するかを知っていながら、自分は、「私もSACDのリッピングができないかと調べていた」とのたまう。まるで矛盾だらけ、主張の論拠がまるでない、ということですね。そして、この法改正について文化庁が公式HPで説明している内容にはDVDなどの映像コンテンツのことは書かれているが、SACDについては何も触れていないことを知りながら、そのことを明らかにしない。非常に不誠実な態度です。
すでに昨日の日記本文に書きましたように、特定の利益集団が自分たちに都合の良いように「違法論」を押しつけている可能性がこれでますます高まったと思われます。
昨日の日記及びレス全文を読み直して頂けば、私自身が自分に都合の良いように編集していないことがお分かりになると思います。ですから、重ねて申し上げますと、「違法論」に確たる論拠はない、ということです。
④ついでに、この平成24年著作権法改正に関しては、2012年8月4日に明治大学で公開セミナーが開かれています。
第1部 基調講演
「問題提起」 中山信弘 (明治大学研究・知財戦略機構特任教授)
「改正著作権法の解説」 永山裕二 (前文化庁長官官房著作権課長)
「改正著作権法で見えてきたもの」 福井健策 (弁護士・日本大学芸術学部客員教授)
第2部 パネルディスカッションと質疑応答
「平成24年著作権法改正の評価と課題」
(パネラー)
上野達弘 (立教大学法学部国際ビジネス法学科教授)
奥邨弘司 (神奈川大学経営学部国際経営学科准教授)
永山裕二 (前文化庁長官官房著作権課長)
福井健策 (弁護士・日本大学芸術学部客員教授)
(司会) 金子敏哉 (明治大学法学部専任講師)
これらが、ここ(http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/archive.html)に掲示されています。それぞれの講演者の基調講演内容3本とパネルディスカッションと質疑応答の議事録全文1本がPDFファイルとして読めます。これらの4文書を読みましたが、「SACD」という文字は一度も出てきません。「SACDリッピング」という文字も一度も出てきません。
昨日日記を投稿した当初は、内心では「玉虫色」かなと思っていましたが、「違法論者」の論拠がないこと、いや、むしろそれよりも矛盾が多いこと、さらに、この公開セミナーの資料を読み合わせますと、今や、「白」という印象が強いですね。