日記
TIAS 2018
2018年11月18日
みなさま、お久しぶりです。
今年もTIASに行ってきました。10年以上通い詰めていることもあり、近年は「只机の上へ、こう開けて、開いたところをいい加減に読んでいるんです」(夏目漱石『草枕』)状態です。したがって無いよりマシ、程度ですが、ご参考になれば。
1) ナスペック
ちょうど山之内正氏の講演がはじまるところでした。Playback DesignsのMPT-8+MPD-8(550万円也)に、Primareのプリメイン、Vienna AcousticsのListという、ややアンプが価格的にアンバランスな組み合わせ。それでも山之内氏がかけるソースの妙もあり、気になるところが無くはありませんが、個人的にかなり楽しめました。
PlaybackのドリームシリーズはMPS-5の時代から感じられた瑞々しさはそのままに、色彩感、ディテールの描写力が更に向上している印象で、別格、という印象です。筐体のデザインも、MPS-5と比較して細かい部分がブラッシュアップされています。

10月に開催されたミラノのショーでAndreas Kochのブースのセットアップを手伝った知人から、Koch氏はTIASにも行く予定らしいからデジタルに関して聞きたいことがあれば遠慮せず、と言われていたのですが、ナスペックの方によると今年は残念ながら来日は実現しなかったとのこと。もうちょっとお手頃価格だといいのになぁ。
2) ステラ
OCEAN WAYのHR3.5を使ってのデモ。最初からいたわけではないので、アンプ類はわかりませんでした。1957年(だったか)のフランク・シナトラのリマスター・テープの臨場感には圧倒されます。プロ用という意味で繊細さよりは質実剛健さが感じられる音。


その後は12インチウーファー片側2発の威力を生かした数々のソースを次々と切り替える、あまり例のない聞かせかたではありましたが、これは私のスタイルにはない音という意味で惹かれました。低音っていいなぁ。

3) エレクトリ
ちょうど柳沢功力氏の講演にあたりました。ATCのSCM100SLをMcIntoshのアンプで鳴らしていました。実はATCをまともに聴くのははじめてだったのですが、なんだかホッとするちょっと懐かしい「いい音」で、今日一番の収穫でした。

確かに最新のスピーカが聞かせる音場感はなく、低域と中高域の干渉も感じられますが、「木製のいいキャビネットに入っているスピーカが鳴らす音」「重く弾む低域」(いずれも柳沢氏談)という言葉がしっくりきます。

カウントベイシーのJazzオーケストラはこういうスピーカーで「ラッパの飛沫を浴びないと(笑)」と柳沢氏が言うのもよく分かります。拙宅では出そうと思っても絶対に出ない、出せない音に酔わされました。
4)ユキム(おまけ)
ELACのトールボーイでPat MethenyのECM録音の古いライブを鳴らしていました。音的にはやや調整の余地があるように感じましたが、あっけに取られたのが写真のターンテーブル。

MAG-LEV Audioという会社の製品ですが、ターンテーブルが完全に宙に浮いているんです。思わずビデオを撮ってしまいましたが、ここには貼れないので写真で。
レス一覧
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いよいよTIASですね。 と言っても今日は最終日。 最近は行けていないんだよな~~ 色々な事由で・・ (=_=)
どうなんでしょうか? 当地はここ快晴続き! 雨男の私(笑)は大概雨だった記憶ですね。
昔は夢の!って文字が使われていた。 『夢の輸入オーディオショー』だったかな? 展示される機器達は今も「夢の!」がピッタリな物ばかりですが。。。
楽しまれましたね・・ 新たな出会いが次のステップですし 食わず嫌いダケだったと・・ 思い起こせるかもしれません(笑)
byアコスの住人 at2018-11-18 13:49
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アコスさん、屋内ですし、東京駅から地下道でたどり着けちゃいますから降っても晴れてもあんまり関係ありません。ぜひこのような機会に上京ください。
毎年通っていると、正直それほど代わり映えのしないブースも結構ありますが、デジタル系以外は進化(なのか、変化なのか微妙ですが)の余地も限られてきており、仕方のないことかもしれません。そんな中で、今回ですとOCEAN WAYのデモのように、こういう場でしか聴けない「夢の!」企画はやはりウキウキします。
一方の、価格的に「夢の!」となってしまっている昨今のハイパーインフレ状況は、アラブや中国の富豪が原因で、資本主義の原理からすると仕方ないのでしょうか。実際、中国からこのショーのために来日したと思しき方々が結構いました。
少々気になるのは、「最近としてはリーズナブル」という関係者の発言が多いことですね。ちょっとみんな冷静になることで、裾野が広がっていくと思います。
また、「夢の!」という言葉には「非日常」というニュアンスがあると個人的には思っていますが、ATC+McIntoshは私にとってまさに「非日常」でした。自分のものにしようとは思いませんし、できもしませんが、いろいろなスタイルや考え方があってこそですし、いいと感じたらそれを尊重したい。そう思っています。
by柳緑花紅 at2018-11-18 18:59
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