日記
オープンバッフルスピーカー2号機⑥(ユニット到着)
2021年04月29日
Lii Audioのスピーカーユニットについて、日本での評判は皆無です。
創業わずか5年の若いメーカーであり、代理店もないですし、もちろん雑誌で取り扱われたこともないですから、当然かもしれません。
以前、日記でお知らせしたように、私が今回購入を決めたのは、オープンバッフル特化型18inchフルレンジ“F-18”です。このF-18は世界のオープンバッフルスピーカー愛好家が、人柱を待ち続けていた新製品であり、実は私はこのユニットの初レビューを狙っていたのです。
私のささやかなレビューがこの小さなメーカーの浮沈に関わる可能性さえ想像することができました。
ところが…です。
ケビン・デイビス大先生、見事にやってくれました。
先を越されただけだったら、まだ希望を持てたのですが、果たしてそのレビューは、美しく、面白く、かつ説得力のあるものでした。しかもお部屋が広くてお洒落だし。おまけにLii Audioの一番人気ユニットF-15との比較まで掲載されています。バッフルが“雑”なのが、またカッコ良いです。
(“Glow in the Dark Audio”をご覧ください。とんでもない真空管アンプコレクターでいらっしゃいます。しかも50代前半の方でしょうか)。
というわけで、私のレビューでは太刀打ちできそうになく、正直なところ白旗モードですが、もう乗りかかった舟なので、自分なりに書き進めたいと思います。
勿論、ケビン先生には感謝しています。購入ボタンを押すための最終的決断は彼のレビューありきでしたから。
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並行輸入という言葉、なんだか違和感があります。この表現には“個人で海外から仕入れた物品を国内で売りさばく”的なニュアンスを感じます。
今や世の中は、海外から安全かつ簡単に買い物ができる時代。自分のためだけの買い物ならば、それは“並行輸入”ではなく、例えば“海外通販”という言い方が相応しいように思います。
海外通販の場合、メーカーに直接アプローチするのはちょっとした勇気が必要です。しかし、英語なんてできなくても大丈夫。Google翻訳様は昔より少し賢くなり、途方に暮れるような変な仕事はしません。
適当な文章を翻訳してもらい、メールの文章の頭に“Dear〇〇”、末尾に“Best regards”をつければ大丈夫です。多分。
私の海外通販でのオーディオの買い物はAcoustic Reality(Denmark)、minidsp(Hong Kong)に引き続き3回目です。
私はひねくれているので、知名度の低い状態で購入して、そのメーカーが徐々に有名になっていくのを見るのが大好きです。
決して自分の功績ではないのですが、なんとなく育てるのに貢献している気がするのですよね(所謂これが“推し”というやつでしょうか)。
今回のLii Audioのユニットは、既に欧米に愛好家がいるので、実績がまるでないわけではありません。少なくとも怪しい企業ではない。日本でも普通に買える筈と判断しました。
これから人気が出るでしょうか(Crystal6なんて、日本のマニアが大好きな小口径バックロード向きユニットなので、どなたか買って下さると嬉しいです)。
というわけで、4月14日、Lii AudioのホームページよりF-18を発注しました。支払い方法は海外通販のスタンダードになりつつある”PayPal”です。
しかし、ここからが長かったです。支払いを済ませたのに、Lii Audioからはロボット発信の発注承諾メールが届いただけでした。
“いつ頃届くの?”という、社長に宛てた質問メールは、2通とも完全にスルーされました。それまでは、製品の質問に即答して下さっていたのに…。
そして、不安に満ちた10日がたち、そろそろ諦めの感情が湧き上がってきた4月23日、FedExからメールが届きました。
“杭州から荷物送った。到着は4月27日予定だよ。”という内容でした。

(ここが杭州)
安堵しました。それにしても、杭州から東京まで、40キロの荷物が4日で届くのですね。本当に素晴らしい時代になったものです(とはいえ、東京からみたとき、杭州と沖縄はそんなに距離が変わらないですけれど)。
そして27日の正午、予定通りにその巨大な荷物は届きました。(50×50×25cm、20キロが2つ)
配達員の方に、「消費税は必要ないのですか?」と尋ねたのですが、お金は要らないとのこと。そんなものなのでしょうか。Acoustic Realityのときは支払った記憶があります。6000円近くの実質的安売りってこと?よくわかりません。なんとなくラッキーかつ後ろめたい気持ちで、私の買い物は無事終了しました。注文から2週間でした。

でかい!流石は18inch
ユニットのサイズを実測しました。リアマウントもフロントマウントも、穴のサイズは公式HPにある428mmで大丈夫そうです。マグネットサイズは約170mmとこれも公式HPのイラスト通りです。
フレームは多少仕上げが粗いです。もちろん剛性は感じますが、多少の鳴きもあるようです。この辺はそのうち対策するつもりですし、バッフルに装着するとある程度は収まるものなので気にしません。

エッジは非常に硬く、振動板はかなり薄めです。傷つけないように気をつけねば。中央のアクリル製イコライザは巨大、ウィザーコーン(ダブルコーン)は直径が130mmもあります。邪悪に口を開ける食虫植物の装いです。
全体的に、設計意図がはっきりした、豪快なユニットという印象です。
バッフルが未到着なので音を出すのは我慢… なんてできるわけがありません。
取り敢えず、床に置いて鳴らしてみました。
床に裸のユニットを置くと、逆相の低域が床に速攻で反射してフロントに戻り、低音の多くがキャンセルされて、変な音になります。それを承知の上での試聴です。
”ウィザーコーン嫌いの人も許容できる”と噂のLii Audioの中高域、実際に聴いてみると確かに綺麗でした。所謂紙くささは全く感じません。ただ、“自然”とか“正確”とかではなく、“美音系”の高域です。私はAlpair5の高域に1年程度は苦労しましたが、F-18の高域は、この一発目の鳴らしの段階で、Alpair5を上回っているように聴こえます。
46cm口径の方が、8cm口径より美しい高域を出せるなんて不思議です。指向性は物理法則に従い、広くはないので、ある程度の内振りは必須と思います。スーパーTWをつけるとしたら、隠し味程度で十分かもしれません。
低域については、実際にバッフルに装着してみないとなんとも言えないのですが、恐らく中高域のレベルが高すぎて、かなり苦労しそうです。ネットワークによる補完は必須と思われます。
試しに、手持ちの3.3mHと6.8Ωを使って簡単BSC回路をかませてみました。
すると低音はまだまだ不足してはいるものの、バランスが大きく改善しました。ネットワーク調整は今後の肝になるでしょう。
ボーカルの再生能力はかなり高いようです。1部のマニアから“ボーカルモンスター”と評されるF-15の資質が、このF-18にも引き継がれているように思います。
今のところ、第一印象はかなり良好です。噂されるように、エンジニア兼社長のLeoは一種の天才のように思います。
バッフルの到着が楽しみです。
※次回はバッフル到着&塗装編です(2週後くらい?)
レス一覧
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おはようございます~♪
Lii Audioは国内じゃ話題になりませんね。
diyAudioのフルレンジスレはウォッチしてるので、F18は知ってましたがもちろん聴いたことはありませぬ(笑)
初試聴は好印象でしたか!!!
これは期待できそうですね、完成が楽しみです(^^)
byspcjpnorg at2021-04-30 08:42
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spcjpnorgさん レス有難うございます。
流石、フルレンジ通でいらっしゃるのでよくご存知ですね。
diyaudioって面白いですよね。よく勉強させてもらってます。
一筋縄では行かなそうですが、ポテンシャルは高そうです。
頑張ります。
bytaketo at2021-04-30 11:06
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taketoさん、こんばんは。
完成楽しみにしてます。
大口径ユニット、いいですね〜。私は22cmまでしか作ったことがないので38cm、46cmは憧れです。
いつか作ってみたい!
by電話級アマチュアオーディオ技士 at2021-04-30 19:56
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assiさん、レス有難うございます。
小さめの板に取り付けて、試し始めているのですが、オープンバッフルで何も補正しないと低域再生能力は10cmバスレフにも劣ります。
全域で周波数特性が荒れてますし。
ただ、46cmというイメージに反して音色が軽いので、なんとか凸凹を潰すことが出来ればと考えています。
結構大変ですが、ここまで来て諦めたくないので頑張ります。
bytaketo at2021-04-30 21:02
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こんばんわ~♪
最近はファイルウェブやdiyAudioからヒントを貰って自作ネタを繋いでいます(笑)
え~、、、その昔、初代ミラージュに乗ってた3年間オープンバッフルに16cmコアキシャルを付けてました。
taketoさんとからんでるうちに、チョイ思いついたのでもしかしたらオープンバッフルを作るかもしれません!?
簡単に構想を立てましたが、スチール角パイプでフレームを組んでユニットを固定、バッフルはフローティングします。
さらにバッフルにはエメンタールチーズのように大小不規則な穴を開けます。
穴の総面積は振動版面積の100~150%の予定。
これだと全く低音出ない状態になりますが、追加ウーハー無し、イコライジング無しで使いたいので背面を複数の吸音材で包んで空気に重みを付けます。
あら、書いてるうちに簡単じゃなくなってます(爆死)
脳内シミュレートだと20cmフルレンジでバッフルサイズは400x900mmくらいで行けそうかな。
人呼んで「マスローデッド・オープンバッフル構想」
構想だけで終わる確率は90%以上、、、考えてるだけで楽しいからいいか~┐( ̄ω ̄;)┌
byspcjpnorg at2021-04-30 22:27
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spcjpnorgさん、こんばんは。
コメント有難うございます。
穴あきバッフルは面白いですね。穴の大きさや形によりバッフル反射が複雑化して癖がなくなるかも。
背面を多量の吸音材で覆う手法はもしかしたら大型密閉とオープンバッフルの中間的な特性に近づくかもしれませんね。
結果に興味があるので、是非挑戦して頂きたいです。
bytaketo at2021-05-01 00:22
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taketoさん、おはようございます。
ユニットが届くと萌えますね!
正規のバッフル板に早く付けたくてウズウズしている事でしょう。
一足先にニス塗りを終えて組み立て工程に移っているのですが、後付けの複雑な設計で寸法もギリギリの部分が多々あるので難航してます。
お互いに切磋琢磨しましょうね〜。
byCENYA at2021-05-01 06:18
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CENYAさん、おはようございます。
今、一号機のバッフルに強引に取り付けて聴いているのですが、バッフルをもう少し大きくした方が良かったかなと少しだけ後悔しています。なんとかしますが。
エロナーデも組み立て工程で細かいストレスが溜まりそうですね。くれぐれも高価な振動板を傷つけないよう、お気をつけて下さいませ。
お互い上手くいくと良いですね〜。
bytaketo at2021-05-01 08:40
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