日記
オープンバッフルスピーカー2号機⑦(Dipole型AMT導入)
2021年05月16日
フルレンジへのトゥイーターの追加は、当初からの決定事項でした。これまでの実験で、高域の質感、低域のトランジェント、音場の透明度など、多くの点において向上を感じたからです。

このように1号機では、ParkAudioのDCU-T114Sを2つ使って、正相と逆相で背中合わせにし、疑似ダイポールを形成しています。これは「スピーカーというものは全帯域でDipoleの指向性となるのが望ましい」というLinkwitz氏のフィロソフィーと手法を拝借したものです。
「ドーム型のダブル使いという面倒な方法をとるのではなく、Dipole型TWを使用したら?」と考えるのが普通だと思うのですが、どうやらLinkwitz氏はDipole型TW の多くを占めるリボン型の指向性の強さがお気に召さなかったようです。
(PureAudioProject社なんかはDipole型ドームTWをMorelに特注したりしています)
私はといえば、“指向性さえ良ければ動作がシンプルなDipole型TWを使用したい”。そう考えていました。
一方、AMT(Air Motion Transformer) は言わずと知れたDr.Heilによる高域再生ユニットの大発明ですね。
※機構や特徴に関してはHEDDのホームページが分かりやすいです
市販のスピーカーシステムでこれを採用しているのは、ELAC,MONITOR AUDIO,ADAM AUDIOなど。単品ユニットでは、DAYTON,Mundorf,Beyma,ETONなど。最近ではSB ACOUSTICSが突然AMTを発表して話題となりました。上記のHEDD社なんかはスピーカー以外にも、ヘッドフォンでAMTを使用し、高評価を得ています。10年前と比べれば、AMT搭載のスピーカーシステムは随分増えたように思います。
私、AMTの音が好きなのです。
“自然で速い”。これに尽きます。上記市販スピーカーの高域も、やはり同じ特徴を持ち併せているので、これはやはりAMTの美点といって差し支えないのではと思います。
(そういえば、ADAM AUDIOが製品化していたミッドレンジAMTは相当な潜在能力でした。コストや耐久性からなのか、或いは速すぎてウーハーと合わせにくかったのか、今は採用していませんね。勿体ないです)
…というわけで、私はDipole型のAMTを長い間入手したいと思っていました。
市販ユニットにおいては、DAYTONとMundorfにDipole型AMTが既に存在しています。でも残念ながら高価です。Mundorfなんて玩具みたいに小さくて形も使いにくいのに。
諦めていた日々だったのですが、何気なくPartsExpressのHPを眺めていたら、そこにそれはありました。
DAYTONのES104AMTです。

カッコいい!私は多くのAMTに共通するカプトン振動板のあの黄色があまり好きではないので、ES104のグレーが好印象でした。開口部の楕円型も良いですね。
そして安い!ペア140ドルです。HPを読む限り、“メーカーから大量発注があって作ったものの、ドタキャンされて余ってしまった”みたいな感じでしょうか。従って限定品であり、5/16時点であと123個らしいです。私は希少価値のある製品を煽って売るような“限定品商法”があまり好きではないのですが、これは考えが異なるので許します。

インピーダンス特性は勿論フラット、指向特性も良く、非常に使いやすいユニットに見えます
PartsExpressからの購入は実は初めてでしたが、ヨドバシカメラのONLINEで買い物するのと全く変わらない簡単さでした。しかも注文してから5日で到着しました。
送料は約4000円、消費税はなしです。まぁ、そういうものなのでしょう。

造りは高級感があります。フランジも金属です。背面は白い吸音材により放射される音圧を下げています。

2号機のバッフル到着予定が6月1日となったため、エージングも兼ねて、今F-18は1号機のバッフルに装着中です。43cm幅のバッフルに46cmのユニットを固定しているので、かなり強引です。振動板面積の30%が隠れている状態だったりします。そんな状態ですが、F-18と一緒に鳴らしてみることにしました。
※Alpair5用の穴にすっぽり収まるので好都合でした。ハイパスは2次で7kHzあたりでしょうか。
エージングゼロの状態なので若干硬いものの、微小信号をよく拾い、空気感がよく出る感じです。
また追って詳しいインプレを書きたいと思います。
次回こそ、バッフル編です。着色については今も迷っています。
レス一覧
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taketoさん こんばんは
>私、AMTの音が好きなのです
完全同意ですw
私はもう10年以上ELAC一筋です
原音再生か?と言われると全然違うと思いますけど、ともかく
聞いて気持ちのいい鳴り方をするので気に入っています。
低域がツイーターに追いついて来ないような鳴り方がなかなか
解消出来ず苦労しましたがウェルフロートボード導入で欠点も
無くなりました。
オープンバッフルスピーカーも上手くバランスが取れるといい
ですね。
byプリマ at2021-05-16 23:26
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プリマさん、レス有難うございます。schiitの製品は以前から興味があり、プリマさんの記事には目を通していました。
ELACがAMTを搭載し始めた頃は、まだAMTの認知度が低く、しかし高域の質の良さが話題になっていたのを覚えています。
確かにダイヤフラムが軽いのでウーハーの音色と合わせるのが大変かもしれません。私にはウェルフロートを購入する余裕はありませんが、なんとか工夫してバランスをとりたいと思います。
bytaketo at2021-05-16 23:56
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taketoさん、こんにちは。
中々面白そうなツィータですね。AMTは使ったことはありませんが、原理的には優れた方式だと思いますので、この際使ってみようかな。
ウェルフロートは自作も出来ますから工夫してオープンバッフルに組み込むことも可能かと思います。お勧めです。
byケン at2021-05-17 08:16
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ケンさん、こんばんは。
レス有難うございます。
ウェルフロートの自作は、金属のバネからワイヤーを垂らしてボードを吊れば良いのですよね?
効果が高いのならば、挑戦してみたいです。
bytaketo at2021-05-17 20:36
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