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オーディオに興味を持ってからいつの間にか40年。 波はありましたが、細々と続けています。 この趣味って奥が深くて本当に面白いですね。 <現有システム> ネットワークプレイヤー:Volumi…

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日記

MFB付きRipole型サブウーハーの製作(設計編)

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2021年08月21日

先日、FOSTEXのサブウーハーCW250A2台を譲り受けた話を書かせて頂きました。音質的にはこのサブウーハーはとても気に入っていて、我が家のシステムには必要な存在となっています。メインSPのネットワークをサブウーハーの特性に合わせて調整をしているくらいです。

ただ、CW250Aが2台というのは私の7畳部屋の中では少々大きすぎます。ただでさえ巨大なバッフルをもつメインスピーカーの間にサブウーハー2台が鎮座しており、前方の視界はスピーカーに埋められているかのようです。少々圧迫感が強いです。

では、どうするか?各種条件や留意事項を並べてみました。

・メインスピーカー背後にサブウーハーを置ける空間はない
・メインスピーカーとサブウーハーのタイムアライメントはできるだけ揃えたい
・モノラル使用は避けたい
・サブウーハーの存在感はできるだけ消したい
・メインの放射をあまり妨げないものにしたい

上記の条件を満たす形状は何か?ということで色々考えた末、3種類のキャビネットを思いつきました。
① 衝立型(薄くて背の高いものを壁際に設置)
② スピーカーベース型(平たいものをスピーカースタンドの下に設置)
③ 小型スピーカー型(小型のものをスピーカースタンドの上に設置)

結論は③にしました。超コンパクトにするためにRipole型を採用します。キャビネット以外の部品はCW250Aのものをそのまま流用します。

【Ripole型サブウーハーとは】
RipoleとはドイツのAxel Ridtahlerが発明したダイポール折り畳み型サブウーハーエンクロージャーの名称です。Ridtahler-Dipoleを略してRipoleです。


これが概念図です。

Ripole型は、私の知る限り市場には存在しませんが、DIYではそれなりに人気なようです(日本でも検索すると数名の方がHITします)。
かのVisatonがKITにて紹介していますね。



Visaton : Petit Orgue
能率は異常に低いですが、低域端は20Hzまで余裕で伸びています。

RipoleはDipoleの変形なのでエンクロージャーは持ちません。ただシンプルにユニットの前面と後面に狭い空間を設定し、対向した開口部を設けるだけです。計算式としては前面の開口面積をSD(振動板面積)の1/3~1/4、後面の開口面積をSDの1/2~1/1くらいの間に設定します。
後面の開口面積を小さくするのが難しく、苦肉の策として、マグネットだけ飛び出すようなデザインを採用することが多いです。今回私もそのように設計しています。

特性としては、f0が10Hzも下がるそうです(本当に?)。で、副作用として200Hz~300Hzに大きな共振が出るそうです。従って、低い周波数からの急峻なローパスフィルタが必要となります。
上記Petit Orgueのように2発対向型とする作例が多いです。能率と耐入力、振動キャンセルが目的と考えられます。

私が今回採用するのはシングル型Ripoleです。
CW250A用のウーハーユニットのフランジが260mm、振動板面積(SD)は約280㎠なので、フロントの開口を3.5×26.4cm(1/3SD)、リアの開口を7.0×26.4cm(2/3SD)としています。リアの開口はウーハーのフレームの形状によりこれ以上小さくはできません。
素材は18mm厚の松の集成材。全体の大きさは、300×300×159mm(マグネット突起含まず)としています。



これが構造図です。アンプ部の外付けはやむを得ずです。MFBなのでアンプ部からはスピーカーケーブルとMFB制御用のケーブルの2本が接続されます。
MFBのRipoleへの採用については、特に心配はしていません。MFBは振動板の振幅を制御しているので、小型密閉より、もしかしたら楽に作動するかもしれません。特性的にはそもそもアンプ側で最低域を持ち上げるイコライジングがしてあるようなので、オリジナルと比べて極端なパフォーマンスの劣化はないと予想しています。

実際のところ、現物を測定してみないことには何とも言えないですが。


600mm×1800mm×18mmの板から、わりと効率的な図面が書けました。

次回は製作・測定編です。

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レス一覧

  1. taketoさん、こんにちは。
    またまた面白い事を考えましたね〜。
    「Ripole」
    初めて知りました、
    いつものことながら知識の引き出しが多いですね。

    サブウーファーをメインユニットに組み込むやり方として最高じゃないですか!
    全ユニットをオープンバッフルで仕上げるっつーところが最大のポイントで軸となる部分かと思います。
    上置きか下置きで迷った結果、上置きにされたのも良い方向に行きそうです。
    私のエロナーデも本当ならサブウーファーを上の方に配置したかったのですが、物理的に無理だったので下置きにせざるを得なかったのですが、taketoさんのオープンバッフル方式ならメインユニット達のすぐ背後に設置できてしまうんですね〜、これはオープンバッフルならではのメリットの一つですね。
    イイ!

    背面側の開口部の面積をもう少し小さくしたいならダンパ的な斜め配置の板を2枚追加して開口部を絞ってやればイイのでは?
    って思いました。

    ユニットの組み込みと板の接着を同時進行させる難易度の高い作業になりそうですね。。。
    あ!背面の板は接着せずに突き通したボルトで固定するのか。
    なんにせよ意外と難しげな工作なので頑張って下さい!
    聴くのが楽しみです。

    byCENYA at2021-08-22 12:11

  2. CENYAさん、レス有難うございます。
    目の付け所が流石です。
    仰る通り、サブウーハーをこのタイプにすることで全帯域ダイポールが完成します。私はダイポールが最高とは考えてはいませんが、ここまでやってようやくダイポールを語れるような気がしています。そして、上部への設置は物理的タイムアライメントを揃えるのに最も有利な方法でした。
    そして天板はお察しの通り接着ではなくネジ止めです。ただ、開口面積の調整までは想定していませんでした。例えば先細りRIPOLEという恐らく世界でも誰も試していない手法が試せますね。面白いアイディアを有難うございました。

    bytaketo at2021-08-22 13:00