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日記

ショスタコーヴィチ交響曲第13番”Babi Yar”

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2022年03月10日

10年くらい前、職場のクラシック好きの女性に、「あんまり有名じゃないけれども、何か気に入っている曲はありませんか」と聞かれて、ふと貸したCDがありました。
貸したCDって、大抵は反ってきませんよね。その例にもれず、彼女が3か月後くらいに寿退職したこともあり、そのCDは、ご祝儀のつもりでそのままプレゼントすることにしました。



それがこれ、ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団による「ショスタコーヴィチ交響曲第13番“Babi Yar” 」でした。(Youtubeはこちら)

私、ショスタコは少し苦手なのですが、交響曲13番、特に表題曲となっている第1楽章“BabiYar”だけは何度も聴いていたんですよね。
クラシックの正しい聴き方など少しもわからず、演奏の良し悪しも全然区別がつかないのに、なんだか妙に引き込まれたというか。“歌詞付きなので、意味がわかりやすいのでは”という考えもあるのですが、それでは説明のつかない何か。
Haitinkさんは、この曲の収録にきっと物凄い気合を入れたのではないか、と私は思い込んでいます。

以来10年間、このCDのことはさっぱり忘れていたのですが、先日、何故か無性に聴きたくなってしまいました。
というわけで、このような時こそがストリーミングサービスの独擅場。Spotifyでいとも簡単に、検索で1番上にみつかりました。

久々に聴いてみたら、これがまた良いんですよ。とっても。

音楽的にはもちろんですが、音も素晴らしかったです。全域が高解像度で力感ある、かつ音場もよく録られているDECCAの良質な録音を象徴するような音でした。ダイナミックレンジもスケールも大きいので、大音量で聴くのが気持ちよかったです。

ただ、CDが手元にないので、歌詞が分からないのがもどかしい。そこで、Wikipediaで調べてみました。
自分が、何故この曲を今になって急に聴きたくなったのか、そこに謎を解く答えがありました。

「バビ・ヤールとは、当時ソビエト連邦を構成する共和国の一つであったウクライナのキエフ地方にある峡谷の地名で、1941年にこの地に侵攻してきたナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺が行われた場所である。」

Wikiにはそのように書いてありました。きっと記憶の深いところで、何度も読んでいたCDの解説の文章が残っていたのでしょうね。

表題曲「BabiYar」には、このような歌詞があります。

おお、我がロシア民族よ! 私は知っている
お前は元来、国際的なのだ。
しかし、汚い手をした奴らが、お前の清らかな名を唱えたのだ。
私は知っている、この土地の優しさを。
だが、何たる卑屈、反ユダヤ主義者達は、
厚かましくも、自らをこう名乗ったのだ。「ロシア民族同盟!」

つまり、この詩の作者は「他民族を迫害するような奴らが、”ロシア民族同盟”なんて名乗ってんじゃねえよ!」というロシア民族視点ならではの怒りと悲しみとロシア民族に対する愛情を表現していたわけです。

この曲の初公演が平和に開催されるはずもなく、色々あったみたいですが、興味ある方はぜひWikiを読んでみてくださいませ。

そして、17分の大曲ではありますが、お時間が許せば、是非歌詞をお読みになりながら、この曲を聴いてみて頂けたらと存じます。

本来、人というものは“自身と異なる他者を尊重できるような存在である”と信じたいものです。

****************
偶然なのか私のこの記事がきっかけなのかわかりませんが、Wikiの歌詞のページが削除されそうです。

ナクソスのHPで普通に歌詞が公開されていますので、紹介しておきます。
https://www.naxos.com/sungtext/pdf/8.573218_sungtext.pdf

また、Orisukeさんに日本語訳のサイトを教えて頂いたので、それも紹介しておきます。
https://darkhoneybass.info/2013/05/babiyar-translate-ja/

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  1. taketoさん、

    Babi Yarの紹介ありがとうございます。

    私はショスタコーヴィチが好きで、このアルバムCDも所有しています。
    今はSSDに落としてストリーミング再生です。
    今まで歌詞の内容を考えたことはなく、ただ音の重厚さを楽しんでいたのですが、初めて確認してみて、その内容の重さに衝撃を受けました。
    この曲を1962年に完成させて当時ソ連のモスクワで初演したことは
    驚きです。

    byBI1961 at2022-03-10 04:31

  2. BI1961さん、レス有難うございます。
    このCDをお持ちだったのですね。嬉しいです。
    ThielとD級アンプの組み合わせに相性の良い音源のようにも思います。
    ショスタコーヴィチには体制に翻弄されたイメージがあります。この曲を披露するのにも圧力がかかったけれど、しかし強い意志をもって遂行したようですね。今のロシアの上層部にも聴いてもらいたいものです。

    bytaketo at2022-03-10 08:53

  3. taketoさん

    非常に現代(ロシア―ウクライナ問題)とのシンクロ性のある、含蓄の深いお話と曲の紹介、大変ありがとうございました。早速、Apple Musicで聴いてみました。

    私は元来アナーキー志向なので(笑)、こうした「反体制」的な話に弱く、若い頃は見る映画も聴く音楽もそっち系ばかりでしたが、まさか、クラシックにもこのような<プロテストソング>があるとは、不覚にも知りませんでした。フォークやパンクロックやラップだけじゃないんですね。とても勉強になりました。

    さすがにロシア語は読めないので、Naxosの英文を読んでみましたが、いやあ、感動しました!まさにおっしゃる通り、今のロシアでこそ、この曲を上演すべきですよね(ソ連時代以上に、言論統制がされ、表現の自由が奪われそうな昨今のプーチン体制ですが…)。

    ちょっと仕事に活かせそうで(ちなみに、私の仕事は「革命家」ではありませんので誤解なきよう=笑)、とてもタイミングよく、素晴らしい情報に接することができました!

    byAuro3D at2022-03-10 15:34

  4. Auro3Dさん、レス有難うございます。
    オペラ系の音楽がお好きなようですので、恐らく違和感なくお聴きになったのではないかと思います。
    確かに、この曲の詩はパンクなのかもしれません。昔は私もそっち系、よく聴いてましたよ。
    それにしても、この内容を仕事に活かすとは、なんて学術的な職業なのでしょう。カッコいいです。

    bytaketo at2022-03-10 16:20

  5. taketoさん

     わたしも、いまほど、ヘビーローテーションでバビ・ヤールを聴いていました。普段は5盤や7番に手が伸びるのですが、なにか聴かずにはおれない気分になって、ロジェストヴェンスキー、バルシャイ、ハイティンクと13番ばかり繋げて聴いてしまいました。
     体制に対する風刺を散りばめた数々のショスタコの曲の中でも、これは詩人・作曲家共々無事でいられたのが不思議なくらいドストレートなプロテスト・ソングですね。ロシア政治の本質がソビエト時代から脈々と現在に繋がってしまっていることを示す恐ろしい曲だと思います。
     個人的に20年ほど前に仕事でロシアに頻繁に通っていたことがあり、良い思い出もたくさんあります。それだけに、今回の件は本当に怒りが収まりません。
     歌詞の対訳、良いページを見つけましたので、ご参考まで。
    https://darkhoneybass.info/2013/05/babiyar-translate-ja/

    byOrisuke at2022-03-12 02:28

  6. Orisukeさん、レス有難うございます。
    Orisukeさんのことですから、物理メディアでお聴きになられているのだと思うと、このような知名度の低い曲を3枚というのは流石です。
    ロジェストヴェンスキーさんとバルシャイさんのバージョンを聴こうと思ってSpotifyで探したのですが、見つかりませんでした。残念です。
    ロシアに限った話ではないのですが、政治家のせいで国際的な不利益を被っている民が大勢いますよね。今回の件も経済制裁による被害をダイレクトに受けるのはロシア国民なわけで、彼らもまた被害者なわけです。早くこの状況が終わってほしいです。

    そして、日本語訳のサイト紹介ありがとうございました。お母さんに対する仕打ちについてこのような表現がされていることが衝撃的でした。ロシア語の原文にそのような意味があるのですかね。
    記事に追記しておきました。情報ありがとうございました。

    bytaketo at2022-03-12 08:29

  7. 始めまして。

    ショスタコーヴィチという天才は、時の体制側が喜ぶような曲を量産していればほぼ一生の生活は保障されるような待遇を受けたと思うのですが、そこが良心故なのか、作曲家としての使命感故なのか、あるいは後にどのようなイデオロギー国家になっても対処できるようにしたのか、一見(一聴?)政府が喜びそうな曲でも後ろ向いて作曲家はべろ出しているところが凄いところです。

    でもこの13番は言いたいことがストレートで、ある意味音楽も歌詞もショスタコ節満開ですね。

    私は彼の交響曲全集はCDはヤンソンス盤。そしてレコードは古いコンドラシン盤を持っています。

    御周知の通り、あまりのダイレクトな歌詞故、初演では歌詞が一部替えられました。
    現在はもちろん作曲者の意図通り。(Orisukeさんご紹介の対訳より)例えば以下の節、

    『僕は今、自分がユダヤ教徒であると感じている。

    ほら、僕は、ゆっくり、のろのろと古代エジプトを歩き回っている。

    ほら、僕は、十字架に張り付けられ、非業の最期を遂げるのだ、

    そして今でも僕には、釘の跡が残っている。』

    にて、演奏や録音が行われています。

    しかしコンドラシン盤は昔の録音なので初演?の時の歌詞で歌われています。

    『私の立っているここは、

    私に友愛を感じさせる 泉のようだ。

    ここにはロシア人たち ウクライナ人たちが

    ユダヤ人たちと同じ土の中に眠っている。』

    皮肉にも、このご時世こちらの歌詞の方がしっくりきます。

    私の大好きな彼の11番の交響曲の第2楽章は所謂「血の日曜日」の惨劇をまんま描いた楽章ですが、これは「ハンガリー動乱」を暗に描写してるのではないか?という説があります。
    彼ならばやりかねないです。また後ろを向いてペロリと舌を出しているのかどうかは本人のみぞ知るです。

    byジュン at2022-03-12 12:32

  8. taketoさんこんにちは。
    僕はクラシックは聞かないので分かりませんが、レーベルによって音の好みが別れるようですね。僕が聴くロックですとエンジニアでかなり変わる印象です。リマスター盤等はリマスターする人によってかなり変わる印象です。煩くて聞けないリマスターもあれば上手く処理しているリマスターもあるといった感じです。

    byレップス at2022-03-12 12:43

  9. ジュンさん、はじめまして。
    クラシック音楽の場合は、作者が生きた歴史的背景を考慮して聴いたりすると、理解が深まりますね。
    私の知識の中に、”血の日曜日”も”ハンガリー動乱”もなかったので、さっそく調べました。勉強になりました。
    ショスタコって器用なんだか不器用なんだかよくわかりませんが、なんだか人物的に好感が持てます(今度伝記でも読んでみようかな)。
    コンドラシン盤の歌詞、確かに今に合ってますね。
    教えて頂き、有難うございました。

    bytaketo at2022-03-12 13:03

  10. レップスさん、こんにちは。レスありがとうございます。
    クラシックの場合、同じ曲を様々な演奏家やレーベルが扱うので、レーベルの違いなどがよく話題になるように思います。
    リマスターでは当然大きく変わりますが、国の違い、版の違いにこだわり、全く同じアルバムを10枚以上持っている方もいたりします。
    このような楽しみ方のバリエーションがあるのが、音楽鑑賞という趣味の面白さであるように思います。

    bytaketo at2022-03-12 13:15

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