日記
「シルキーサウンド」(イルクレモネーゼ邸訪問記)
2022年08月05日
イルクレモネーゼは、アントニオ・ストラディヴァリの黄金期に作られた中でももっとも有名なものの1つ。ヨーゼフ・ヨアヒムのコレクションにあった数本のストラディヴァリウスの中の1本で、以前には「ヨーゼフ・ヨアヒム」などの名前が付けられていましたが(他にも「ヨアヒム」と呼ばれるストラディヴァリウスは数本あり)、その後甥のハロルド、ロベルト・ブラント、ヒル・コレクションなどに譲渡・売買された後、1961年にクレモナ観光局が購入。約250年後に生まれ故郷のクレモナに戻り、「Il Cremonese」と名付けられ、クレモナの町のシンボルの1つとなっている銘器です。

ソナス・ファベールには、ストラディバリやガルネリ、アマティなどというヴァイオリンに関連した名前をもつスピーカーが数多く存在する。その中で、イルクレモネーゼという名をもつスピーカーをお使いのお宅を訪問することができた。
イルクレモネーゼ氏は、HRさんの同級生ということで、HRさんのところに来た際に聴かせていただいているので今回で2度目の訪問だったかと思う。以前お伺いしたときには、確かLUXのMQ360という管球アンプでドライブされていたと思うが、その時の音の印象は、大変失礼だが、スピーカーに対してアンプが負けている、ドライブしきれていないと感じるものだった。その時には、失礼を承知で「このアンプではイルクレモネーゼをドライブするのはなかなか難しいのではないか」と生意気な口をきいた気がする。
その後、HRさんと話をするたびにイルクレモネーゼ邸の話になり、スピーカーケーブルを変えたとか、アンプ選びに悩んでいるとかいう話は聞いていた。そして、1年ほど前にオーディオノートの管球アンプを入れたという話を聞いて、これはぜひ聴かせていただかなくてはということで、ゴルフの帰りに無理を言ってイルクレモネーゼ邸を訪問させていただいた。

イルクレモネーゼ邸のフロントエンドは、エソテリックのトランスポートP-05にDACのD-05の組み合わせ。プリアンプには、オクターブのHP-500を採用している。なぜ、パワーアンプがオクターブではないんですか?と聞くと、販売店から借りたオーディオノートのスピーカーケーブルが良かったのと、販売店からのお勧めだったからということだった。
実際にイルクレモネーゼから出てくる音は、まさに”シルキーサウンド”高域から低域迄同じ質感の音がする。3m以上離れているだろう左右のスピーカーの間にオーケストラがワイドレンジに広がる。以前聴かせていただいた音と比較しても、格段の進歩に思える。クラシックには詳しくはないのだが、オーケストラによる弦の音色の違いや金管楽器の質感の違いなどを明確に描き出してくれている。

これは、パワーアンプを交換したが大きく影響している。オーディオノートの音の支配力が高いのだろう。さらに、スピーカーケーブルもその音を増強しているのだろうと思う。どんな曲を聴いても、決して嫌な音がせず、綺麗に余韻が消えていくのが目に見えるよう。高級フレンチレストランで、どの食材にも、その店のスペシャルソースが薄く味付けされているような感じだろうか。スピーカーの後方に見えるANKもどき(笑)もかなりの効果を上げているようだ。
イルクレモネーゼ邸では、このアンプが導入されて以来、アナログに目覚めてしまい、新しいカートリッジを導入し、今後は、新しいフォノイコライザーを考えているそうだ。そうなると、次のグレードアップは、プリアンプもオーディオノートになるのでしょうか(笑)
イルクレモネーゼさん、今回は急な来訪にも快く応じていただき、誠にありがとうございました。またHRさんのところにお邪魔したときには寄らせていただきます。その時はまた聴かせてください。
レス一覧
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グランドスラムさん
「名古屋・浜松ハイエンドオーディオ試聴の旅」の掉尾を飾る、イルクレモネーゼ邸。格は違えども拙宅の2chの主戦を担っているのと同じ、SonusとOctaveの組み合わせ(イルクレモネーゼ邸はOctaveはプリだけですが)ということで、ここはお邪魔する前から<好みが似ているに違いない>と、出音を楽しみにしておりました。
やはり期待通りでした!どのオーディオ評論家も判で押したように書くと思いますが(汗)、やっぱり弦がいい。バイオリンの倍音が消え入る感じは、「恍惚感」にあふれていましたね。f特などを見れば、Sonusより特性的に高域が優れているスピーカーはB&W他数々あれど、「あの」艶感が出せるのは、唯一無二かと。この音にハマる方は、このブランドのSP以外は選ばないと思います。
イルクレモネーゼ氏に好きな音楽・パートを伺ってみると、「交響曲などの第一バイオリン・第2バイオリンによる合奏パートが好き」とのこと。「じゃあ、ブラームスとかお好きでしょう?」というと、すっかり気が合いまして(笑)。拙宅のAmator IIIは室内楽かボーカルしか普段は聴かない(聴けない?)ので、ここは大型のSonusですから、お願いして超有名曲の「1番」を聴かせていただきましたが、第一バイオリンと第2バイオリンの間を左右に揺れて流れるようなフレーズの部分なんか、とても感動的で図らずも涙腺が緩みそうになりました(笑)。
すべて手作りという「アンクもどき」もさることながら、個人的にツボにはまったのはスピーカーの足元に配されているフィギャア群と、スピーカーの間に置かれた「ススキ」です!!!オーナーのセンスというか遊び心を感じましたね。
イルクレモネーゼさん、この度はどうもありがとうございました。グランドスラムさんはプリの交換を期待しておられるようですが(笑)、私は個人的にはOctaveに留まっていてほしいなあ(爆)。また、機会があればお邪魔させてください。
byAuro3D at2022-08-05 06:39
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ソナスのSPシリーズにこんなのあったっけ?と調べてみたら現在日本で発売中の最高峰モデルなんですね。
ちょうど名古屋のサウンドピットさんに中古が入荷してるそうですが、早速商談中のクレジットが入ってますね。
https://bokutachi.exblog.jp/29639152/
ところで、グランドスラムさんの記事の2枚目の写真が横向きになっていますが、おそらくスマホで縦向きに撮影されたのをそのままアップされたからだと思います。
こんな風になるサイトは珍しいのですが、対処方法は簡単です。
スマホの写真を編集で呼び出して向きを回転させるのです。
一度にやるのではなく元に戻る手前で一度編集を確定させて2度目の編集で元通りに回転させて編集終了すれば、その写真が横向きになることはありませんので試してみてください。
by椀方 at2022-08-05 09:05
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グランドスラムさん、こんにちは
終に、浜松オーディオツアーの最終章が出てきましたね。どの御宅も、マニア垂涎の素晴らしい機器をお持ちでしたが、オクターブ→オーディオノート→ソナス、イルクモネーゼの組み合わせも、素晴らしい物でした。エソテリックから紡ぎ出される艶やかなサウンドは絶品でしたが、残念ながらカートリッジの破損で聞けなかった、アナログサウンドも拝聴してみたかったです。
途中、昔懐かしい歌謡曲のレコードが沢山出てきて、話が盛り上がった時には、やっぱり日本人だな〜と、甚く和やかな気持になりました。皆さんに、どのくらい歌謡曲聴きますか?・・とお尋ねすると、HRさんは「20%くらいかな〜」、とご返答、すぐさま、Auro3Dさんが「グランドスラムさんは50%ですよ!」っと。良い思い出になりました(笑)。
イルクモネーゼさん、有難うございました。
byTomy at2022-08-05 14:03
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「グランドスラムさんは50%ですよ!」
うーん、そんな<低めに>言いましたっけ?(爆)
byAuro3D at2022-08-05 18:01
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椀方様
ご指摘ありがとうございます。
先程から何度かやっているのですが、なかなかできません。スマホの写真を呼び出して、回転させてから保存しているのですが、なぜか横向きのまま編集されてしまいます。保存は縦にされているのですが、画像の「ファイルを選択」で縦向きの画像を選択しても、横向きに表示されてしまいます。
再度挑戦したいと思いますので、手順をもう一度教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
Auro3Dさん
本当は80%以上100%未満ですね。昨日は、越路吹雪と河合奈保子、今日のオーディオ仲間との試聴では、松田聖子がリファレンスソフトでした(笑)
byグランドスラム at2022-08-05 18:47
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グランドスラムさん
このサイトの何人かの方は、「メインソースは歌謡曲です」と言わずに、「(女性)ボーカルです」とlaunderingされてますネ(笑)
個人的には、このコミュニティを代表するハイエンダーのお一人であるグランドスラムさんが、「メインソースは歌謡曲です」と言い続けることで、オーディオファイル界における「歌謡曲」という用語の不当な地位(汗)の向上に貢献されるのでは、と期待していますが(爆)
byAuro3D at2022-08-06 06:12
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グランドスラムさん
小生も同じ作業で写真を貼り付けてますが上手くいきませんか?
写真編集で画像の向きを回転させる方法ですが、もしかして一度に360度回転させてませんか?
そのやり方では画像が編集前と変わらないと認識されてしまうので、面倒でも例えば見た目逆さまで一度保存して、再度呼び出して上下が正しくなるよう回転させてから保存すれば、正しく上下が表示されるはずです。
by椀方 at2022-08-06 08:42
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椀方様
写真の件、ご指導いただきましてありがとうございました。
Auro3DさんやTomyさんから、変換した写真を送っていただきまして、先ほど写真を変更いたしました。
ソナスのイルクレモネーゼは、アイーダに次ぐモデルですが、事実上のトップエンドといってもいいと思います。このスピーカーを鳴らすのには、かなりの投資が必要だなと感じました(笑)
でも、この弦の美しさが出せるのはなぜなんでしょうね?これが再生芸術だといわれても納得してしまいます。
byグランドスラム at2022-08-09 13:48
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