日記
SFP-DACへの道⑦ 光ファイバーの比較
2022年05月15日
SFPポートの送り出し側と受け側の環境が良い感じに整ったので、ポート間を繋ぐケーブルの選定を本気でやろうと思います。
と言いながらも私の頭の中にはこれまでの考察の結果、「これが本命だな」という組み合わせがあります。
ですので、この本命に対して他がどうなのかという検証をしていきます。
本命は 【 LC-LC APC SM シンプレックス 】 の組み合わせです。
さて、組み合わせのパターンを整理しましょう。
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①ケーブルの種類
1)ファイバーケーブルでLCタイプ (最近の主流?新しい規格)
2)ファイバーケーブルでSCタイプ (ちょっと前の主流)
3)銅のメタルケーブル
②ファイバーケーブルの端面の処理
1)APC (端面角8°で斜めカット)
※送り出し側に戻ってくる不要反射の影響が少ない
2)UPC (端面垂直カット)
③データ送信のモード
1)SMシングルモード
(単一波長のみの伝送で、ファイバー内をまっすぐに一直線に伝送)
※高級なレーザー光線
2)MMマルチモード
(多種波長の伝送が可能でファイバー内でバウンドさせながら伝送する)
※安価なLED光で光の収束性もレーザー光線に劣る
④ケーブル本数(LC-LCケーブルの場合)
1)シンプレックス (1本)
(発光と受光が1対)
2)デュプレックス (2本)
(発光と受光が2対あり、不要な1対の電力が無駄だし、ノイズ原も増えると想像)
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先日、genmiさんと相互オフ会をしまして、お互いのシステムでそれぞれSFPケーブルを変更して比較試聴しました。
genmi邸で試したのは私の最大の関心ごとであった、
①ケーブルの種類の「 ファイバー or メタル 」という単純比較です。
genmi邸で常用していたのはメタル【SFP+の銅メタルケーブル(モジュール一体型)】だったので、これに対して、持参したファイバー【LC-LC APC SM シンプレックス】の組み合わせに変更した時の音の変化を聴きました。
メタル → ファイバー → メタル
と付け替えて杉山清貴のライブ音源を聴き比べた結果、
①無視できないほどの明らかな差があった
②メタルは付帯音が付いていて賑やか
③ファイバーは付帯音がなくなる方向で静か
超単純化して言うと上記の感じでした。
同じことを午後の部の私のシステムでも確認しました。
音源は同じ杉山清貴のライブに加えて平井堅のライブ音源も使いました。
結果は同じ傾向でした。
テスターでモジュールペアの導通(抵抗)を測定したら、メタルは導通ありだったので、メタルケーブルでPCとDACを接続する場合はGNDがつながってしまいます。
言い換えると「アイソレートできない」ということになります。
想定通りだったという感じではあるのですが、このGNDの有無の差が音によく現れたと言えそうです。
メタルは一音一音にエコーが掛かったような何かが付きまとうので、一聴すると音数も多くて解像度が高いような音に聞こえますし、派手さがあるのでロックにはハマるかもしれません。
一方、ファイバーは「霧が晴れる」とか「透明感が増す」などの表現が使える感じでして、黒色であるべきところがちゃんと真っ黒に表現できる方向なので、すっと落ち着いた印象を持ちました。
エコー的な付帯音でマスキングされないので、一音一音の微細な陰影を聴き取ることができるので情報量(鮮度)が上昇し、それにより音のリアル感が増しました。
ボーカルものをよく聴くgenmiさんと私としては断然「ファイバーの音が好き」と言う結果になりました。
ここでもう一段階進めて、②の「 APC or UPC 」の比較をしました。
これまでのAPCケーブルからUPCケーブルに変更してみたわけですが、予想と反してUPCケーブルの方が更に透明度とか奥深さ感(漆黒)が増して更にリアルになってしまいました。。。
反対面での不要反射光の割合という物理的な理屈では完全にAPCケーブルが上質(不要反射光が少ない)なので、この結果には「え、なんで?」でして、他の要因を考えたところケーブルの外装の違いが要因かもしれないと思い至りました。

青色のケーブルがUPCです。
UPCの方が太いですよね。
このUPCケーブルは通常品でよくある「PVCなどの樹脂だけの外装」ではなくて、ステンレスのテープでファイバーコアが保護されている装甲強化バージョンの製品になります。

APCとUPCの差分を超えて、この装甲の有無の差の方が大きく現れたのでは無いかと推察しました。
となると、最強の組み合わせは「APC+装甲強化」ということになりそうなのですが、これを満たす製品がいくら探しても見つからない状況です。
うーん、残念。。。
【オフ会の話をちょこっと】
午前中のgenmiさん邸でのオフ会にはtaketoさんも参加(初訪問)されました。
私は約半年ぶりの訪問になるのですが、前回とはウェルデルタの増設とラインケーブルが変更になっていました。
ラインケーブルはドイツ製?の超極太でホースが2本床を這っている設置状況だったので、足を引っかけないように注意しなきゃならんなと思っていたところにtaketoさんは2回も蹴つまずきました。。。
こんなおっちょこちょい野郎のtaketoさんが好きです。笑
genmiさんのサウンドはというと、クッキリしつつアンビエントの表現力が更にアップしたなと思いました。
40Hz以上の美味しい低音がきちんと出ているのでビート感やリズム感が躍動し、明るくたのしい高解像度サウンドです。
高音域はうるささを感じそうな一歩手前の相変わらず絶妙に攻めたセッティングで、これはもう職人技ですね。
ルームチューニングをセットで突き詰められているので、本来なら破綻するだろう部分が全く感じられなくてライブ音源がその場の熱量をそのまま伝えるかのように熱い空気感がよく出たとても良音で女性ボーカルものも良いのですが、更にドンピシャだと思ったのがミスチルでした。
私のシステムのgenmiさんの感想は私にとってとても嬉しい内容でした。
「CENYAサウンドはボーカルがポッと浮かんで、少し離れたところで音楽が広く展開するという軸は変わっていないが、前回までは情報量の欠損でこの現象が際立っていたように思うけれど、今回は激変で情報量(鮮度の高さ)の多さで本当の意味でボーカルが浮かんで存在する音になった。これぞCENYAサウンド、CENYAワールドで唯一無二ですね。」
とまあこんな感じの感想を頂戴しました。
5月はオフ会が続きますので、新たに来られる方の感想が楽しみです。
今後のオフ会でSFPの比較検討も併せて進めたいと思います。
レス一覧
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CENYAさん、こんにちは。
比較レポート有難うございます。こういった形だとそれぞれの特徴が判り易いですよね。大体すっきりと余計なものが取れて細かい音が判る様になるほうが正解だと思いますが、状況によってはその方が面白みが少なくなる場合も合って評価って難しいです。
自分の音質の好みも加味してその条件での判断になるのですが、結局は正解の方に戻る場合も多いようで。
自宅でもメタルとSFPの比較ではSFPの優勢(メタルはアイソレートされていますが)なのでやはり光が正解かと。ただし電源も絡むのでパラメータは増えそうです。
月末のオフ会は楽しみにしています。
byケン at2022-05-15 08:20
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ケンさん、おはようございます。
比較検討のサンプル数をもっと増やせば今回書いたことが傾向として正しいかどうかが見えてくると思うので、可能な人は自分のシステムでどんどん比較試聴して教えて欲しいと思っています。
私のシステムの場合、SFPファイバーに変えただけでは音が軽くなってしまって「いい感じではあるけどなんかつまらない」という音になったところですが、PCのSFPネットワークカードの電源をGaN-ATX直入力にDIYしたら厚みと重みが出るようになったので、どのシステムでもファイバーが良いとなるかというと言い切れないです。
月末のオフ会までに一箇所改善(?)しますので、披露できるのが楽しみです。
byCENYA at2022-05-15 10:07
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CENYAさん、こんにちは。
私は、職場でもよくノートPCの電源ケーブルに足をひっかけますし、ジョギングをしていても、50kmにつき1回くらいはつまづいて転倒しそうになります。足をあまり上げないで移動するんですね。
(あとでうかがったのですが破損はしていなかったようです。良かった。)
高価なケーブルを使用されている方のところでオフ会をするときは特に気をつけたいです。
私がいなくなってから後にgenmiさん邸でCENYAさんが行った実験については、私には比較に耐えられる耳が備わっていないと思われるので、一人だけ”?”マークが出ているような恥をかかなくて済みました。なんかでも楽しそうで羨ましいです。
で、genmiさん邸の音です。とても良かったですよ。
聴きたい音源のポイントを際立たせるための良質のデフォルメを感じました。出音は全く異なる傾向であるものの、CENYAさんのところと同様、オーナーの嗜好が色濃く反映された音であり、とても楽しかったです。
誘っていただき有難うございました。
bytaketo at2022-05-15 10:47
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taketoさん、こんにちは。
ファイバーケーブルでの音の差は無視できるほどの小さな差だろうとは思っていたのですが、意外や意外に聞き比べが可能なほどの差を感じました。
taketoさんは音作りの耳を持っていらっしゃるので、絶対聞き分けられますよ。
ケーブル類にはあるあるですが、システムとオーナーの好みによって「良い」という判断が変わると思います。
(追伸)
genmiさんはtaketoさんのことを「面白い人」だとしきりに褒めてましたよー。
今度はgenmiさん邸にUSBメモリを置き忘れてきたので、またgenmiさん邸でオフ会をするときは受け取ってきてください。笑
byCENYA at2022-05-15 13:00
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CENYAさん、こんにちは、レポートありがとうございます。
APC or UPC の比較記事は初めて見ました。
自分で比較したのは銅線と光の比較までなので、このレポートは実に参考になりました。ありがとうございました。
byYongJoon at2022-05-15 19:51
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YongJoonさん、こんばんは。
APCとUPCの比較をした事になるのか外装の比較だったのかちょっとわからない結果になってしまったので、短絡的に「UPCの方が良い」と理解しないでくださいね。
{理論(物理的な根拠)× 感性(聴感)}
でもって、どんなケーブルを使うかを決めていきたいと思います。
byCENYA at2022-05-15 23:31
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CENYAさん、おはようございます。
ご無沙汰しておりますおいけです。
SFP励まれてますねぇ(^-^)私も色々試した結果ルーターとプレーヤーの間は光が挟まる格好になりました。
光などというミラバケッソな伝送にも関わらずアナロギーな部分で音がコロコロ変わるの何故なのでしょうかねぇ?
ファイバーの太さ、置き方でも変わりますが私はモジュール内部の対策での変化量に驚きました。
某ブログで音が良いというモジュールを手に入れて私の手持ちの普通の音だった物をバラしてみるとコレが良音化の正体?と思い当たる発見が。
そこで手持ちの普通の音のモジュールに同じ様な対策を施すと・・・あらま?!レベルアップ!!!という流れに。
CENYAさんの目線による切口抜群のSFPあれこれを今後も楽しみにしてます〜(^O^)
byおいけ at2022-05-16 08:01
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CENYAさん
相変わらず励まれてますね。
SFPは一時、それなりに比較試聴したことがあります。
その時の総括は:
新しいモジュールが良い、特にSFP+が良い(この差は大きい)
短距離(1mくらい)ならTwinax SFP+が良い
SMシングルモードは、特性的には素晴らしいです。ただ、何Kmという長距離伝送用の規格なので、一応2mから使用可能ということですが、2-3mだと減衰機が必要になることもある(スペックを見ると必要なさそうですけど)と聞いて使用を見送りました。
genmi邸で聴かれたのもTwinax SFP+のようですね。確かにモジュール間で導通はあるのですがウチでは良い印象でした。送信側がDiretta Aperitivoで受信側がLuciaで使用しました。
ただ、ケーブルが固く取り回しが面倒なのと、ご指摘のように少し賑やかになるので、今はLC、APC、MMマルチモード、シンプレックスで落ち着います。
byのびー at2022-05-16 16:40
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おいけさん、返信が遅くなりました。
モジュールの中身に手を入れたのですか?
あんなのバラせるんですね!
相変わらず脱が裸にしてなんぼのエロDIYが得意ですね(笑)
秘密が何か気になるのでコソッと教えて〜
私目線の切り口抜群なのを思いつきたいです。
今のところないなあ。。。
byCENYA at2022-05-17 20:07
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のびーさん、返信が遅くなりました。
LC APC MMマルチモード シンプレックス
なのですね。
MMのデュプレックスはちょこっと試してみたのですが、音の厚みは出たのですが、SMに比べると少し大雑把な感じがしたので今はSMにしています。
デュプレックスとシンプレックスの差か、
MMとSMの差なのかがはっきりしないので、
今後はこれの比較をしていきたいと思っています。
短距離にはMM、長距離にはSMという基本的な区分けがありあすが、
果たして音にはどちらがいいのか?
byCENYA at2022-05-17 20:13
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