日記
プロジェクタボックスのリフォーム造作
2016年11月04日
リビングにおけるシアター作りは、インテリアと両立していないといけないというのが、個人的なこだわりです。
拙宅におけるプロジェクタの天吊りは大変苦労しました。
元々下がり天井(梁)の位置が、スクリーンの正面になるため、そのまま取りつけすると、低い位置になってしまいます。
その位置はちょうどリビングの中でも通り道になる場所で、頭をぶつけることはありませんが、圧迫感が出てしまいます。
一方、天井の中にプロジェクタを埋め込むと、天井梁の中にキッチン排気ダクトがあり、調査したところプロジェクタが全部入らないことが判りました。
このような状況で約半年、業者と設計に入ったわけですが、この中途半端な取りつけ条件の中では困難を極めました。
全自動でプロジェクタが昇降するタイプは、ダクトと干渉して施工できませんでした。
次に油圧式のピストンバーを使い昇降させようとしましたが、ちょうど良いサイズのものはアームが細くプロジェクタが振動してしまう可能性が大でした。
特注で太いアームをモーターで昇降させる設計もしましたが、その機材だけで100万円を超える見積になってしまいました。
試行錯誤の上、プロジェクタを可能な限り埋め込み、カバー部分は手動で取り外しすることにしたのですが、取り外し方法や材料などの設計にまた数か月も掛かりました。
給排気の考慮やケーブル配置、ランプ光源の迷光対策などを必死で考えていくと、業者設計の図面では満足いく内容にはなりませんでした。
最終的には、視聴時にボックスを丸ごと取り外すという設計になりました。
こちらとしてはメンテナンス時しか取り外しをしたくなかったのですが、天井の状況は新築ではないので変えることはできず、どうすることも出来ませんでした。
また将来のプロジェクタリプレースに対応して、埋め込みボックスのサイズは大き目にしたかったのですが、これも天井梁のサイズからはみ出すことが出来ないため、ほぼ現状のプロジェクタのサイズになってしまいました。

↑ボックスを外したところ
ボックスの材料は、取り外しをする設計のため、軽いものが求められるわけですが、当初予定していたスタイロフォームという素材では、壁紙やモールディングがちゃんと付かないということが判り、合板になりました。
設計士は完成物の重さを事前に測ってはくれませんでしたので、施工後わかったのですが、18kgもありました。
プロジェクタを使うたびに、18kgのボックスを天井から外したりはめたりする儀式が出来てしまいました。
それを見た家族が、年取ったら(取り外しは)無理だね、とサラっと言ってました・・・。

↑
18kgのボックスを取りつけたところ
※腕がプルプルします・・・
個人的には、プロジェクタがむき出しなのはNGなので、将来のことは気にしないようにしています。
尚、ケーブル用CD管は将来増設用に未使用なものも用意してあります。
また天井側に埋め込んだプロジェクタを固定しているボックスは、振動しないように70mmの分厚く密度の高いシナ合板にして、天井のスラブに4か所アンカーを打ち込み、固定しています。
それに加え、天井梁の石膏ボードに鉛シートを貼りつけた補強合板を入れ、埋め込みボックスを固定し、振動しない工夫をしています。
また鉛シートで埋め込みボックスを覆い、プロジェクタ金具(シアターハウス社のもの)と天井固定のボックス面は、鉛のシートとFo.Qシートを挟み、モーター振動を軽減するようにしています。
ケーブルを支えるフック金具も用意し、垂れ下がらないようにしています。
結果、振動による映像のブレはあまりなく、フォーカス感はしっかりしています。
若干振動がある気がしますが、もうこれ以上はプロジェクタを分解して制振材を内部に貼りつけるくらいしか手を付けられないので、放置とします。
気に入らないのは、天井からはみ出てしまうインテリアになったことと、レンズ周りの吸気口(Sonyのプロジェクタの金色のオブジェ部分)が、埋め込みボックスに数ミリかぶっていて、レンズの光が一部あたってしまうことです。
映像は当然かぶりはありませんが、映像とは関係のない光が少し当たってしまいます。
そのためレンズ面側のボックス内側には、レンズからの迷光対策で、ハイミロン暗幕素材を貼り、レンズに光が回帰しないようにしています。
また取り外しするボックスの内側には、レンズのカビ対策用の乾燥剤が置けるようなスペースを設けてあります。
業者に取り付け後、吸気口とかぶっていると話をしたところ、出来るだけプロジェクタを埋め込みたいという話だったのでそうした、という返事でした。
映像は被らないので良いのですが、オーディオ専門業者ではないと、こういうことがおきます。
施主側がミリ単位で設計から施工中まで全て管理しないといけないわけです。
プロジェクタボックスをお考えの方がいましたら、ご注意下さい。