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日記

大当たりだったGW その1 嘉屋翔太の爆演ブラームス

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2022年05月13日

皆様、GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。
コロナ禍の状況は相変わらず一進一退、とはいえなんとなく先行きが見えてきた感もあり、ちょっと遠出してみたり、何かしら我慢して控えていたことを再開させてみたという方も多いかと思います。

私は今年はいくつかコンサートに出かけてみましたが、幸いにして「大当たり」と言える演奏に出会うことができましたので、つらつら書いてみようと思います。

まずはその1つめ。

2022/5/8(日)
「オーケストラ・ノット 第2回演奏会 Brahms Program」
プログラム
ブラームス・プログラム
・ハイドンの主題による変奏曲
・ピアノ協奏曲第2番
・交響曲第4番

指揮:山上紘生
ピアノ独奏:嘉屋翔太
オーケストラ・ノット
@ティアラこうとう 大ホール



なんとなく「ブラームスのピアノ協奏曲を聴きたいな~」と思っていたときに偶然見つけたコンサートです。正直、あまり期待はしていませんでした。
というのも、ここのところ「若手ピアニスト+アマオケ」という組み合わせでピアノ協奏曲を3度ほど聴く機会があり、いずれも決して褒められたものではない演奏だったからです。

しかしながら、GW最終日に聴いたこのブラームスは、それはそれは物凄いシロモノでした。


まず先に、オケについて。
この「オーケストラ・ノット」、普通のアマチュアオーケストラかと思って期待していなかったのですが、1曲めの「ハイドン〜」の冒頭からアマオケらしからぬ音が出てきたので「おっ??!」となりました。
妙に上手い。それぞれのプレイヤーが自信を持って躊躇いなく弾いています。アマオケでよくある、フニャっとした腰砕けや、ニュアンス不足の単調な音、金管の目立つミスといったものが出ない。
こうなると、急にプログラムへの期待が高まります。
※後で調べてみたら、音大生や音楽業界人を集めたオケのようです。なるほど、納得です。

後半の交響曲とも共通して、オケは対向配置、ややテンポ早め、時にノンヴィブラートを志向している様子もあり、ブラームスらしい豊かな響きをさせつつも全体としてスッキリとした造形を保っているのはおそらく指揮者(若い!)の意向と思われました。
何かが突出しているわけではないですが、曲をバランス良く、過不足なく手堅くまとめています。驚くようなことは無い代わりに、「そうそう、この曲ってこうなんだよね~、いいねぇ~」と実に安心して曲に浸れる。
そして、この指揮者の手堅さがのちほと協奏曲でとても大きなメリットとして効いてきます。

次、ピアニストの嘉屋翔太について。
昨年11月に第10回フランツ・リスト国際ピアノコンクールで、1位なしの第2位(最高位)に入賞し、聴衆賞とサン゠サーンス最優秀演奏賞も受賞、東京音大に在籍、とのこと。
山上紘生/オーケストラ・ノット とは、過去に何度か共演しているようです。
※ちなみにリストコンクールは5年に1度の開催で、前回開催時(2016)の優勝者は阪田知樹です。


さて言うまでもなく、ブラームスのピアノ協奏曲は2曲とも名曲ですが、弾き手にとってはパワーとテクニックを長時間キープすることを要求される難曲です。そして、おそらく楽章ごとに曲想が大きく変わる第2番のほうが、ピアニストに要求されるものが大きく、より難易度が高いのかな、と想像しています。

この第2番を、コンクール覇者がどう弾くのか。

冒頭のホルンに掛け合ってピアノが入ってきた瞬間、これは良い演奏になりそうだ、という予感がします。
基本的にタッチが強靭で筋肉質な音でありながら、痩せたり縮こまった音・神経質な音ではなく、良い意味でブラームスらしい太さがある。スタインウェイのフルコン全体が実に伸び伸びと気持ちよく鳴り響いています。
そしてそのまま若手らしくストレートに演奏していくのか・・・と思いきや、なんと出てきた音楽は予想と真逆!ものすごい自己主張です。
オーケストラと同時にリズムを刻むような箇所こそ多少配慮していた風ですが、ソロに入れば自由自在、ベテランも真っ青の大胆な表現が頻発、19世紀のヴィルトゥオーゾはかくや、と思わせる大胆なテンポの変動、大見得を切るようなリタルダンド、まさにやりたいことをやり尽くしたような演奏!
こう書くと、勢いに乗って好き勝手に弾いているようにみえるのですが、おそらく裏側ではきちんと計算しているのでしょう、それだけやっているにも関わらず曲としては破綻していません。普通のピアニストなら怖くてできない、あるいは敢えて踏み切らないようなことを、若さと勢い、そして技術、表現力でそれはそれは見事に成立させてみせました。暗譜で。

そんな演奏なので、当然ながら曲が進むにつれてどんどん白熱していき、時にはオケが追いつかなくなりそうになるほど。しかしその崩壊手前、前述したように手堅く指揮者がフォローして持ち直すことで、ギリギリの競争ならぬ協奏が生まれます。
これぞまさにコンチェルト!
楽章が終わるごとに拍手喝采したくなるような、50分間手に汗を握り続ける稀有の爆演でした。いやはや、本当に凄かった。
再演の機会があれば絶対に聴きに行きたいです。

唯一残念だったのは、当日の観客が少なかったことです。あれは実に勿体無かった・・・!


興奮醒めやらず、Youtubeで他のピアニストの演奏を聴いて比較してみましたが、イメージ的に近かったのは、この3つでした。

G.ソコロフの昔のライブ
Grigory Sokolov plays Brahms Piano Concerto No.2 + Encores - Video 1987

サントリーホールでのユジャ・ワン
Yuja Wang: Brahms Piano Concerto No. 2 in B-flat major Op. 83

若き日のツィメルマン
J.BRAHMS:PIANO CONCERTO No.2 Op.83 KRYSTIAN ZIMERMAN,L.BERNSTEIN,WIENER PHILHARMONIKER



それにしても。第2番がこれなら、是非第1番のほうもレパートリーに加えてほしいです。
曲が曲だけに、もしかしたら今回の第2番を更に上回る演奏になる可能性すらあるので、大いに期待したいところです。

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  1. おはようございます。

    私の現在の趣味(生き甲斐)はドライブとフルオーケストラコンサートなのですが、今年のGWは充実したものとなりました。
    まず、ドライブは10日連チャンで毎日首都高50〜100km走行。
    そして、コンサートはすみだトリフォニーにサンサーンス3番他、江戸川総合文化センターにグリーグのピアノ協奏曲とシベリウスの2番でした。
    ついに聴く事が出来たトリフォニーのパイプオルガンはオケとの(音量)バランスが理想的。オルガンの室住素子さん素敵!
    一方、江戸川の方は予想に反して(失礼)まず音響が良い。2階最前列でしたが、少なくとも欲求不満にはなりませんでした。
    この時の女性指揮者、改めて今知ったのですが、来週聴きに行くオーチャードでのコンサート(フルートのCocomiさんお目当て)と同じ方でした。

    byジュン at2022-05-13 09:05

  2. 眠り猫さん こんにちは

    よい出会い、よいお話ですね(^^

    サントリーホールでのユジャ・ワンのコメント欄から一つ
    「最初の数回はこの協奏曲を理解していなかったか、必ずしも好きではありませんでした。しかし今、私は夢中になっています。」
    こんな事もありますし、やはり「お出かけ」は楽しい。


    皆さんにとっても、余計に、
    出かけられる事が楽しく感じたGWだったのではないでしょうか。
    .

    bynightwish_daisu at2022-05-13 10:21

  3. 眠り猫さんこんにちは。
    第2回目の定期演奏会で既に完成された演奏を聴かせてくれる演奏団体って素晴らしいですね!
    流石に首都圏のアマオケです。

    書かれているようにアマオケが演るコンチェルトでは中々快演に出会えませんね。
    アマオケだと独奏者の方がオケに合わせる感じになって、独奏者の自由な音楽性発露が制限されてしまうのかもしれません。

    でもブラームスの2番をあっと驚くように自在に弾ききったその場に居たら小生でも大興奮したと思います。
    羨ましい!

    by椀方 at2022-05-13 15:35

  4. ジュンさん、コメントありがとうございます。

    アクティブですね!
    そして江戸川のコンサートは、実は私も1階で聴いていました。ただし、一般的なホールでは音が良いはずの席に関わらず、だいぶイマイチでした。
    どうやら、カーペットや座席の素材で音が吸われる上に、舞台上の奥行きや天井高が少なく、オケの音がダイレクトに上層階に飛んでいってしまった印象です。(そもそも、舞台劇や落語などの芸能を主用途として想定し、言葉の聞き取りやすさを優先して敢えて反響を抑えたホール設計なのかもしれません。)
    休憩時間中に上のフロアも覗いてみましたが、確かに音が良く伝わっており、おそらくジュンさんの階のほうが音が良かったように思われます。

    そしてその女性指揮者さん、実は6月と7月にアンサンブル・ノット(「オーケストラ・ノット」の小編成アンサンブル版)でなかなか興味深いプログラムを振るようです。
    ご興味があればどうぞ。

    アンサンブル・ノット 特別演奏会

    ①6月18日 (土) 14:00開演②7月30日 (土) 14:00開演 
    @ティアラこうとう大ホール  

    指揮 榊真由

    リヒャルト・シュトラウス Duett-concertino
    Cl高橋勝利、 Fg吉田南

    モーツアルト Sinfonia Concertante K.364
    Vn澤田香萌 Vla角田峻史 (6/18)、 去川聖奈 (7/30)

    モーツァルトファゴット協奏曲 (6/18)
    Fg吉田南 

    Ralph Vaughan Williams 揚げひばり 
    Vn澤田香萌 

    コープランドアパラチアの春(オリジナル版))

    by眠り猫 at2022-05-14 12:08

  5. nightwish_daisuさん、コメントありがとうございます。

    全くの予想外でしたが、仰る通り、よい出会いでした。
    リアルタイムでヒトが演奏しているからこその思わぬ化学反応、こればかりはレコーディングからは生成できないものですので、足を運んだ甲斐があったというものです。

    ちなみに私自身は人混みは嫌いで、また周囲の客が気になってしまいやすい質ゆえ、ぎっちり詰まった満席のコンサート会場なぞ勘弁願いたいのですが、幸か不幸かコロナ禍で1席空けが多くなったおかげで快適に楽しめています。
    (主催する側にとっては採算性が悪化するので早く廃止したいでしょうが・・・)

    by眠り猫 at2022-05-14 12:13

  6. 椀方さん、コメントありがとうございます。

    このオーケストラ、個々のメンバーのバックグラウンドが普通の社会人オケとは異なるのが大きいのでしょうね。性質としてはフェスティバル・オーケストラに近いのかもしれません。

    >アマオケだと独奏者の方がオケに合わせる感じになって、独奏者の自由な音楽性発露が制限されてしまうのかもしれません。

    まさにその通りだと思います。オケ側の明らかな練習不足、合わせ不足はよくありますし、逆に独奏者側が仕上がり切っていない(おそらく別の本番のための練習台として出演している)ものに出くわしたこともあります。

    今回のような、共演歴があって気心が知れた状態で、かつ曲に対して両者とも充分な力量を持った状態で、本気でぶつかりあった協奏曲を聴けたのはまさに僥倖でした。

    by眠り猫 at2022-05-14 12:19

  7. 眠り猫さんへ遅いレス失礼します

    >自宅のオーディオルームの工事が進行中で、床を・・・

    天井⇔床間フラッターが気になるようでしたら薄い布を
    天井面に張るのも一案では、私も実践し良い効果がでてます
    価格も格安で効果がないのであれば簡単撤去可ですよ。

    のびーさんのレスを見まして  ご参考まで。

    by田舎のクラング at2022-07-11 14:54

  8. 田舎のクラングさん、こんばんは。

    なるほど、薄い布というのも一つの手ですね。工事が完了したらいろいろと試してみようと思います。
    当方の場合、天井高が2.4m、かつ床と平行面なので、フラッター対策としてそれなりの物量を投入する必要があるだろうと予想しています。

    それにしても、クラングさんのところの天井高は羨ましい限りです。

    by眠り猫 at2022-07-12 00:02