パグ太郎
パグ太郎
クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

マイルーム

パグ太郎の部屋
パグ太郎の部屋
持ち家(戸建) / リビング兼用 / その他 / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
Phileweb登録後1年、気が付くとスピーカー導入していました(2018/6)。所有製品はHRS130ですが、製品DBに登録がないので、一番近いもので代替しています。 10数年愛用したアン…
所有製品
  • スピーカーシステム
    GERMAN PHYSIKS HRS120 Carbon
  • プリメインアンプ
    OCTAVE V110SE
  • ハードラック
    QUADRASPIRE QAVM
  • RCA/BNCオーディオケーブル
    KIMBER KABLE KS-1020
  • 電源ケーブル

レビュー/コメント

レビュー/コメントはありません

カレンダー

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最新のレス

お気に入り製品

お気に入り製品はありません

日記

Kanata邸訪問記:音楽と向き合いながら、家族で音楽に浸れる空間を目指す歓び

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年09月09日

Kanataさんからオフ会のお誘いを頂いたのは、5月末のことでした。双方の諸事情により、設定された日程は3か月以上経過した9月の週末。9月になれば涼しくなっているだろうと漠然と考えていた当時の予想は見事に裏切られ、また夏が息を吹き返したような強烈な暑い日のオフ会となりました。先のことは分からないものです。そういう意味で、3か月前には、今年の異常な暑さも、西日本の水害も、そして北海道の大地震も、全て考えてもみなかった出来事だったわけで、人間の日々の営みや、「予定」なんてものは、ある意味、安易な安定前提にのっかっておこなわれているものだと考えさせられてしまいます。その一方で、本当の生活は着実に、確実に進んでいくこともまた現実で、Kanata邸でも、この間、最初のお子さんのご誕生があり、ご本人の東京での生活の再開がありと、人生の区切り目となるような大きなお祝い事が計画通りに進んでいたことを伺い、人の力強さのようなものも併せて感じることとなりました。

こういう感傷的な気分になった原因のひとつは、場所のせいもあるかもしれません。というのも、今回、待ち合わせをさせていただいたバス停は、40年以上前、高校生の時の通学で毎日使っていたバス経路だったのす。その時以来ご無沙汰しているはずの、車窓から見る環状七号線の風景も各バス停の様子も殆ど当時と変わらず、初めて自分専用のオーディオをそろえて、なけなしの小遣いで買い始めたLPレコードについて生意気な感想を語り合った当時のことが、鮮明に思い起こされてきましたし、当時抱いていた将来の姿(安定前提の予定?)と今の自分のあり様との落差など考えていると不思議な心持になるものです。

Kanataさんのお誘いでご一緒することになったベルウッドさんと3人で、40年前にはなかったおしゃれなパスタ・ピザカフェで昼食を頂いた後、里帰り出産からまだ奥様がお帰りになっていないKanata邸に向かいました。何と、単身赴任先のシステムを持ち帰られたのが先日のことで、そちらはこれが最後ということで、今日のために再セッティングしていただいており、メインと合わせて二つのシステムでのお出迎えです。

先ずは、Rogersの小型モニター(LS3/5A)と、RevoxのCDプレイヤー(B225)、Quadのアンプ(33+303)という往年の名器の組み合わせで、ピアノの入った録音を幾つか聴かせていただきました。ミケランジェリとチェリビダッケ指揮でベートーヴェンの皇帝(1969年録音ライブ)、リパッティとガリエラ指揮でグリーグのピアノ協奏曲(1947/48年録音)、内田光子のモーツァルトのピアノソナタ(1985年録音)。

いずれも、ピアノが柔らかく空中に浮かび上がり、オーケストラ伴奏はそれを包み込むような深い響きで音楽を奏でてくれます。解像度がとか、定位がとか、音域がとかそういう細かいことはどうでもよくなる、幸せな音楽です。ベルウッドさんの「今の自分のシステムとは別に、こういう作られた音に惹かれる気持ちがある」という主旨のご感想。「作られた音」の意味は自分には分かりませんが、高性能で高い再現性を追求するよりもこういう音楽を聴いていたいという気持ちは何となくわかります。

ただ、Kanataさんからは、「こういう音楽も好きなのだが、それだとキレと迫力が不足する」ということで、例えばということでかけていただいたのは中田ヤスタカ。メインのシステム(DynaudioのSapphireをFM 411のパワーアンプでドライブ。上流はWeiss社のネットワーク・プレイヤーMAN301とDELAのNAS)と比べてしまえば、その差は歴然。スピードとキレで別の音楽です。確かに、ロジャースのシステムでこれは苦手かもしれません。でも、そのメイン・システムで先ほどのリパッティの録音を聴くと「歴史的な記録」を再生しているようで、古さばかりが目立って音楽としての躍動感、楽しさが出てこないのです。これは、音源に応じて複数システムを使いわけていくのか、一つのシステムでそれらを両立させる様に仕立てていくのか、そういう悩みになっていくのかもしれません。Kanata邸ではこれから子育てが始まるというタイミングでもあり、ご本人も悩まれているとのこと。そういえば、Kanataさんのマイルームのタイトルは「家族で音楽に浸れる空間を目指して」なのですね。これから、ますますその思いが募っていくのではないでしょうか。

さて、ロジャースのシステムを文字通り撤収して脇に寄せて、メイン・システムを聴かせていただきました。上流は先ほどのNAS+ネットワーク・プレイヤーのデータ再生に加えて、CDプレイヤー(PhilipsのLHH700)、アナログ(EMT930)と3つのソースを切り替えて楽しめるようになっています。先ずはネットプレイヤーで、カラヤンの最初のベートヴェンの交響曲全集(フィルハーモニアと1955年に録音したモノラル版。後にベルリンフィルと何度も再録をしていますが、すっきりしていて一番いいかも)から英雄、Eva Cassidyのライブ、石川さゆりのスタジオ・マスターで朝花、パヒューム、セル指揮クリーブランドの1970年の東京ライブからモーツアルトの交響曲40番、ペーター・レーゼルのベートーヴェンのピアノ協奏曲。


Dynaudioの大型スピーカーとFMのパワーアンプから出てくる音楽はやはりスケールが違います。そして特に女声の質感の独特の美しさには惚れ惚れしました。スピーカーの配置やリスニングポイントについては、リビングという家族の空間・生活導線が大前提ですので、色々とご苦労されているは拙宅も同じで、あれやこれやの議論がありましたが、正しく「家族で音楽に浸れる空間を目指して」に行き着くお話だったかと思います(家族外の人間が勝手なことを申し上げたのはお許しください)。

ネットワーク・プレイヤーから、CDプレイヤーに繋ぎ変えて聞かせていただいたのが、グルダのモーツアルトのソナタ、ブーレーズの火の鳥、シャハムのシベリウスのヴァイオリン協奏曲、アメリンクのシューベルト歌曲などなど。
やはり、自分はネットワーク・プレイヤーのデータ再生より、CDプレイヤーの音が好みだということを再認識しました。やはり、音の温度感、厚みの感じ方が違うのです。そして、先ほどネットワーク・プレイヤーで聴いて「歴史的記録」のように感じたリパッティの70年以上前のグリーグのピアノ協奏曲も音楽としてロジャース・クオードで聴かせて頂いた時と同じように、そしてさらに大きなスケールで心に響いてきます。

続いてアナログ・システムに移ります。クレンペラー指揮のワーグナーからマイスタジンガー前奏曲、デムスのバッハのパルティータ、オイストラフのスコティッシュ幻想曲、ミルシュタインのチャイコフスキー協奏曲などのステレオ版。


続いてモノラル版でアート・ペッパー、そしてミルシュテインのバッハの無伴奏。
モノラル版のアート・ペッパーの迫真のエネルギー感は驚きでした、そしてミルシュテインの無伴奏はステレオ版よりも若い時のモノラル版が良いですね。

でも、マトリックスとか、EQカーブとか、針圧とか、物ぐさな自分には理解不能な調整要素が多すぎて・・・、良いとは思っても、自分にとっては憧れているだけで手がでません。

アナログに限らず、恐らく、その演奏が録音された当時の機器でそれを再現することが本来の姿を手に入れる正しいアプローチなのでしょう。Kanataさんの聴かれる演奏が、50年代から70年代のLP全盛期の巨匠の演奏(お年の割にシブい選択の多さには驚きました)だけであるのならば、これだけを極めるべきなのかもしれません。が、実際にはそう割り切るわけにはいかず。5時間以上の長丁場でしたが、お聴きになる音楽に真摯に向き合って、最適なシステムを追求されているその道筋を、超高速で振り返らせて頂いた様な時間で、その真価を知るにはまだまだ足りない気がしました。

そして、お聴きになる幅広い音楽に合わせて広げてこられたシステムが、今後、「家族で音楽に浸れる空間」に向けてどのように変貌していくのか、楽しみだと思える、そしてそれ以上に、そのテーマが自分の永遠の課題とも思える一日だったのでした。

次回の日記→

←前回の日記

レス一覧

  1. パグ太郎さん こんばんは。

    素敵なオフ会記ありがとうございます。これは私も聞きたかったです。遠方故なかなか叶いませんが。

    Quadは33+405という組み合わせで使っていた事があります。当時の自分には背伸びでしかないのに。でも同価格帯ではいい音でした。

    byhigh speed at2018-09-10 01:26

  2. パグ太郎さん

    〝ピアノが柔らかく空中に浮かび上がり、オーケストラ伴奏はそれを包み込むような深い響きで音楽を奏でてくれます・・・・”とは言い得て妙ですね。
    私がショップで初めてこのスピーカーを聴いて受けた衝撃は今でも覚えています。当時30数年前、チャンネルフィルターを使用してマルチチャンネル方式に没頭していた自分に”音を継ぎ接ぎしては1つの音には成らない”と教えてくれたスピーカーでした。この頃、何時も自分で弾いているギターの弾む音が温かみを持って出ていたのです。今の私のシステムはオーケストラ再生が夢ですので大型装置になっていますが・・・

    psこの度の震災に遭われた方々に心からお見舞い、そして亡くられた方々に心からお悔やみ申し上げます。

    byどんぐり at2018-09-10 10:17

  3. パグ太郎さんこんばんは。

    残暑の中ベルウッドさんとkanata邸訪問ですね。
    kanataさんの人生の『動くタイミング』での訪問だったと思います。

    これからまた家族一緒に聴けるシステムを築くのか?
    今あるシステムを部屋と家庭の中に馴染ませるのか?
    私もkanataさんのシステムの今後を楽しみにしております。

    byニッキー at2018-09-10 20:06

  4. high speedさん

    レスありがとうございます。

    改めて読み返して見たら、自分の感情の動きをそのまま書き連ねているだけで、恥ずかしくなって来ました。ホストのシステムに寄せて自分のことを語っているのは、礼を失していますね。

    でも、それくらい心に訴えてくる何かがあったということだと思います。

    byパグ太郎 at2018-09-10 23:05

  5. どんぐりさん

    レスありがとうございます。

    ロジャースのあのシステムには不思議な魅力がありますね。あれを崩してしまうのはもったいないなーというのは、第三者の勝手な感想でしかありませんが、もっと色々聴きたかったです。

    byパグ太郎 at2018-09-10 23:10

  6. ニッキーさん

    レス有り難うございます。Kanataさんのお話しを伺い、その音楽を聴かせていただいていると、音楽や家族とどう向き合っていくのかということにたどり着くと言うことを感じました。だからオーディオも結局は人と言われるのでしょうね。

    byパグ太郎 at2018-09-10 23:46

  7. パグ太郎さん、こんばんは。

    二つのシステムは随分と個性が異なりますが、kanataさんの音楽愛が伝わって来るようです。確かにお年の割に、機器の選定、音楽の選定は渋いですね。

    家族で音楽に浸る・・・これは頭痛いです。

    by横浜のvafan at2018-09-11 19:15

  8. 横浜のvafanさん

    レス有り難うございます。本当に性格の違うシステムでした。好きな音楽を最善の状態で楽しみたいという拘りが感じられました。その拘りと家族生活のバランスは簡単な様で難しいことですよね。それを実現していこうという強い思いが眩しかったです。

    byパグ太郎 at2018-09-11 21:32

  9. パグ太郎さん おはようございます。

    おっしゃるようにkanataさんは音楽に真摯に向き合っていらっしゃると感じます。それをより良く聴けるようにと吟味の上で構成された機器達も素晴らしい逸品揃いですね。

    またご家族と一緒の生活に戻り、今後のkanataさん邸のオーディオの在り方がどうなっていかれるのか? 楽しみに見守りたい気持ちです。

    byKYLYN(キリン) at2018-09-12 07:52

  10. KYLYNさん

    お早うございます。レス有難うございます。

    往年の正統派巨匠の渋い名演奏がお好みの様で(もしかすると、ゲストの年齢に合わせていただいたのかも)、選曲からも拘りが聴こえてきました。5時間強があっという間で、もっと聴いていたいというのが正直なところでした。

    byパグ太郎 at2018-09-12 08:33

  11. こんにちは

    凄い読み応えのある内容にちょっと圧倒されてしまいました。
    音楽愛と家族愛、いつもその交差点を探してるような気がします。
    確かにこの数ヶ月は色々な事が起きて、考える事が多かったですね。

    byにら at2018-09-12 11:21

  12. パグ太郎さん

    遅レスですみません。一言コメントしたくなりました。
    「家族で音楽に浸れる空間を目指して」は、音楽とオーディオの本来の楽しみ方ですね。
    私も自分の部屋でスピーカーの正面で聴いている時間よりも、家族とリビングで小音量で読書の傍ら聞いている時間の方が長く快適です。
    そのような時は、Rogers、Revox、Quadの組み合わせは最高でしょうね。我が家はそこでも何故か、ネットワークオーディオ(Roon)、マークレビンソン、KEFになってしまってますが(苦笑)。

    byのびー at2018-09-12 16:30

  13. にらさん

    今晩は。レス有り難うございます。

    季節の変わり目で、過ぎて行く夏に起きたことを考えているタイミングと、高校時代の回想と、Kanataさんの家族愛と、良い音楽が聴けた感動が混ぜこぜになって、感情ダダ漏れの文章になってしまいました。お恥ずかしいです。

    byパグ太郎 at2018-09-12 20:45

  14. のびーさん

    レス有難うございます。

    こういう日記を書いておいて、ちゃぶ台をひっくり返させて頂きます。

    やはり、男の夢は、音源の時代毎に、媒体・データフォーマット毎に、ジャンル毎に、季節毎に、あるいはその日の気分毎に、各部屋に最適化したシステムを構築し、源氏物語の光の君の如く、或いはドン・ジョバンニのカタログの歌の如く、毎夜、相手を取っ換え引っ換えして、渡り歩くことではないかと。のびー邸では可能ではないでしょうか?(笑)

    byパグ太郎 at2018-09-12 22:14

  15. パグ太郎さん

    ご一緒したのに、こんな遅レスで失礼します。

    楽しかったですね。ありがとうございました。

    パグ太郎さんが、今回のその楽しいオフ会の訪問記を適確になおかつ子細に語られておられるので、今さら私が何をか言わんやというところですので、いろいろ感想というのか思うところもありましたので、また、自分の視点からそういったことを日記にしたいと思っております。

    byベルウッド at2018-09-13 19:13

  16. ベルウッドさん

    レス有り難うございます。本当に楽しい半日でした。
    そして楽しいながらも、色々なことを考えさせられるオフ会でもあり、ご自身の視点で、何かを語りたくなったというのは、私もその通りでした。日記拝読するのを楽しみにしております。

    byパグ太郎 at2018-09-13 19:53

  17. パグ太郎さん、こんばんは。レスが遅くなり申し訳ございません。
    こんな素敵な日記をありがとうございます。

    特にメインが準備不足のふがいない再生でしたが、パグ太郎さんの心にどこかひっかかっていただけたのなら嬉しいです。

    今回再生した音源は全て私が大好きなものです。往年の巨匠に固まってしまっているのは、私の音楽に対する掘り下げが足らずまだそこ止まりであるからで、恥ずかしい限りです。しかしカッコをつけても仕方ないので、今の私が素晴らしいと感動しているものを正直にお聞かせいたしました。見る方が見れば恥さらしかもしれないラインナップですが好きなものは好きだからしゃあないわ、という心境でしょうか。

    日記の主題である家族と音楽ですが、今後については正直不透明で妻と息子と3人で相談しながら手探りで作り上げて行きたいと考えています。

    横レスですがにらさんの「交差点」という表現。とても良い表現だなと感じ入っていましました。多分ずっとこれからも交差点を模索していくのでしょうね。

    bykanata at2018-09-15 21:55

レスを書く

レスを書くにはログインする必要があります
ログインする