日記
PCM1795DAC アナログ電源入力電源を検討①
2017年12月24日
イノセントキーさんのPCM1795DAC用電源を考える(アナログ部編)
この記事はDACに入力するDC電源の検討記事です。DACそのものの改造検討ではありません。
下の画像のアナログ電源部の左側を考えます。

ここでの結論は後に行う予定の3端子レギュレータ交換時の回路定数を左右することになります。
2017/12/27 yohineさんのアドバイスを受けて結論変えました
<結論>
今回の記事の結論は以下のとおりです。
21V
3端子レギュレータ
<電圧について>
アナログ部は±20V程度を入力します。「程度」というのは入力後に3端子レギュレータがあり、18Vに降圧されるため多少上下しても問題がないためです。
もちろん電圧が高すぎれば発熱しますし、低すぎればレギュレータの性能を活かせません。
つまり20~21Vの間くらいで決めればよいのです。21Vあれば18Vまで3Vのマージンがあるので3端子レギュレータ置き換え時にレギュレータの方式で悩むことはありません。まあ2Vでもいけそうな気がするのですが・・・
ここで手持ちのトランスを見てみましょう。しばらく前に共立エレショップで購入した15V2A*2(60VA)のものがあります。
これはあくまでカタログ値で実測値は18.89Vありました。(さすがに4V近い誤差は酷くないか?)
直流にすると18.89 * 1.4 = 26.63V 、実際はもう少し低くなりますがそれでも約24.5Vです。
消費電力の少ないDACとはいえ3段レギュレートの初段を4.5V降圧するとなると、発熱が厳しそうです。
DAC側の発熱は気になりますが、21Vでいきたいと思います。
<レギュレート方式について>
帰還か無帰還か、3端子レギュレータか、という部分です。
一番お手軽かつ電圧を調整しやすいのは3端子レギュレータです。いま手持ちにあるので試すのは楽チンです。
しかしローノイズさではいまいちなのが気になるところ。
次に楽なのは無帰還電源でしょう。無帰還でいくならLED式電源にしようかな?ただし電圧調整が面倒です。
(LED式の電源がローノイズかは疑問です。測定結果を見たことがありません。)
帰還電源は作るのが面倒ですが、ローノイズでいくならこれでしょう。できるだけ簡単に作りたいのでオペアンプ式を考えています。設計なんてできませんので作るとすれば回路図はWalt Jun氏のSuperRegratorにします。
ほかに優れた回路図があったら知りたい。
DAC2段目のレギュレータがオペアンプを使った帰還式なので、入力を無帰還にすることでハイブリッドな音質になる。かな?
ということ無帰還電源を試してみたいと思います。オペアンプ式も挑戦してみたいとも思っているので結局は全部作ることになりそうですが(笑)
yohineさんのアドバイスから方針変更します。
・無帰還型は特性に劣るため前段は不向き
・音質への影響は最終段が大きい
上記のためある程度特性を重視して3端子レギュレータを使うことにしました。
個性を出すのはDAC1段目の3端子レギュレータの換装で行うことにします。
具体的には最終段とは異なる特徴のオペアンプを使い最終段のLME49990とは違う領域のノイズ対策を行います。
ただし最終段ではないのでどこまで影響が出るかは不明、もしかしたら意味の薄い改造になるかもしれません。
最終段はLME49990の音が気に入っているので大きな変更は発生しない予定です。
結論:とりあえず無帰還LED式電源
⇒やっぱやめて3端子レギュレータにします。
レス一覧
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toWanoさん、こんばんは。
アナログ回路の電源ですが、1.4V~20.5VまでならレギュレータICのTPS7A4700とTPS7A3301を使った基板キットを使えば良いと思います。
ウルトラローノイズで、音質面でも評価が高く、私もDACに6回路も使っています。
1W程度であれば基板のままで、3W程度までならヒートシンクを使うと対応できます。
可能であれば、3端子レギュレータを外して18Vをこの基板から直接供給するほうが良さそうです。
アナログ回路の詳細が不明なので頓珍漢なレスになったかもしれませんが、参考にしてください。
byED at2017-12-24 22:57
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toWanoさん
電源の前段後段はきちんと役割がありますのでそこを無視すると無駄な投資になります。当方の設計が前段三端子レギュレータ、後段オペアンプレギュレータなのはきちんと理由があります。
まずランダムノイズは後段の性能が支配的です。なので前段で極限のローノイズを狙うことは無意味です。中途半端な高額ICを前段に投入する前に後段以降を改良したほうが効率的です。ノイズ性能は後段>前段でも問題ありません。もちろんあまりにもひどいノイズは後段で除去できないことになりますが3端子レギュレータでも測定上何ら問題はありません。
例外になるのはリップル成分の大きさです。後段のPSRRが120dBだと仮定してもリップルが-20dBくらいだったら-140dBまでしか抑圧できません。これだと残留成分として観測できてしまいます。要はリップル等の大きい目立つノイズを抑圧するために前段があって、後段で最終性能を決めるということです。
LED電源はローノイズですがPSRRが極端に低いので前段には向きません。使うなら後段の方がいいです。単体で音がいい悪いではなくて組み合わせで意味合いがかなり変わってくるので色々組み合わせて実験してみてください。ICではPSRRの周波数特性に限界があるのでオペアンプ頼りでも限界があります。それを考えるとどうしたらいいか見えてきます。
byyohine at2017-12-25 10:03
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補足です。上記は理論だけの話ではないです。
前段にTPS7A4700、LED電源、オペアンプ電源、全部実際に試したことがありますけどほとんど音変わりませんでした。このあたりも後段が音質的にも支配的なことを示しています。
もちろん全く同じってことはないのですがコスト効率はかなり悪いと感じました。後段の性能が高いほど前段の影響は小さくなります。それなら三端子レギュレータでいいとなりました。
無帰還電源は低周波PSRRを稼ぐのが難しいので残留リップルに注意してください。無帰還電源は雑味がありつつもスッキリしたクリアな音が特徴です。
byyohine at2017-12-25 10:51
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EDさん
こんばんは
DACには3端子レギュレータとオペアンプレギュレータが載っていて、今回は3端子レギュレータの前段となるDACに入力する部分の電源の記事になります。わかりにくくてすみません。後で図を載せます。
TPS7A4700/TPS7A3301の基板はストロベリーリナックスから販売されていますよね。
確かにお手軽でローノイズなので便利ですね。
しかしある程度電流を流そうとすると電圧ドロップの幅が結構狭まったような気がします。
DACなのでたいした消費電力はないはずですが、マージンは多めに欲しいです。
トランスの大きさが低音の深さにかかわってくるため、計算上で必要な以上に大きなトランスを使うような感覚です。
そうなると出力18Vに対して入力電圧は19V~20V程度が限界になると思います。前段のドロップ電圧を考えると4.5~5.5Vとなってしまうので今度はこちらが十分な電力を流すことができなくなってしまうと思われます。
このような理由で採用はしないつもりです。せっかくご提案いただいたのに申し訳ありません。
また何かいいアイデアがありましたらご助言いただけるとありがたいです。
bytoWano at2017-12-25 23:50
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yohineさん
なるほど、電源は後段のほうが影響が大きいんですね。
なぜオーディオ的にはNGとされる3端子レギュレータを採用しているのか疑問に思うところもあったのでこれですっきりしました。
ICのPSRRの及ばない範囲となると、やっぱりLPFなどで対策するということになるんでしょうか。
私の知識ではこれ以上は思いつきません(笑)
LED電源はPSRRが極端に低いんですか・・・無帰還だからいたし方ないと思いますが、そうなんですね・・・
ということは前段に使うと除去しきれないリップルによる電圧のぶれが後段に影響を及ぼしてしまい良好な結果とならないというわけですね。
LED電源を2段で作成したとき、1段だけのときよりもそれほど音質向上しなかった経験があります。
この場合も前段を3端子レギュレータにしておけばより良好な結果を得られたというわけですね。
ローノイズではあるんですね、以前1段のものを作成したとき3端子レギュレータよりもノイズ感が少ないのは感じていましたが、測定機器をお持ちの方がそういわれるのであれば間違いありませんね。
またまた貴重なご意見をありがとうございます。この記事はまた考え直して更新します。
bytoWano at2017-12-26 00:15
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toWanoさん
LED電源は普通に出回っている回路だとPSRRは20dBくらいしかないです。2段にしても三端子レギュレータ(70dB前後)以下の性能です。これにリップルフィルタをつけると多少性能が上がりますが大容量コンデンサが必要です。
ちょっと思いつきですが前段オペアンプレギュレータ、後段LED電源っていう組み合わせも面白そうです。前段でPSRRを確保する構成です。一見矛盾した組み合わせですが。前段で高いPSRRが確保されているので無帰還のクリアさ、柔らかさ、そしてオペアンプレギュレータの雑味の無さを両立しているかもしれません。
PSRRの及ばない領域は必然的に高周波になりますから、ひとつは電源より上流でのフィルタリング、あとは電源側ではなく負荷直近での対策も必要になります。負荷側で簡単にできるのは異種、複数容量のコンデンサを追加組み合わせ、上流なら今一番手軽なのはファインメットビーズでしょう。このあたりはうち以外のBlogでもそういうノウハウ公開しているところあります。
最後に各種電源の特徴をまとめておきます。
TPS7A4700:ノイズ 中、PSRR 中
としたとき、
LED電源:ノイズ 小、PSRR 小
オペアンプレギュレータ:ノイズ 小~大、PSRR 中~大
となります。
オペアンプレギュレータは設計次第です。
byyohine at2017-12-26 09:43
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toWanoさん、yohineさん、おはようございます。
電源回路は、1段目が3端子レギュレータで、2段目がOPアンプレギュレータだったのですね。
投稿された記事を良く読むとちゃんと書いてあるので、私の思い込みですみません。
改めてTPS7A4700の使い方ですが、1段目は多少ノイズがあっても電圧の安定度重視にして、2段目にTPS7A4700を使うと面白いと思います。
TPS7A4700への入力を20V、出力を18Vに設定して、小型放熱器を付ければ1A程度(2W)は流せますね。
TPS7A4700にこだわっているのは、5V出力でのノイズが僅か50μV、1MHzでのPSRRが50dBもあり、音質面にも寄与していると思われるからです。
何だか自作支援サイトのようなコメントになってしまってすみませんが、よろしかったら参考にしてください。
byED at2017-12-26 10:58
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yohineさん
LED電源はよく出回っていると思われる回路を使っているのでPSRRは20dB程度ですか・・・
それだと2段にしたところで性能はたかが知れていますね。2段でも3端子レギュレータ以下のリップル除去能力とは・・・
オペアンプレギュレータ+LED電源の組み合わせは面白そうですね。別DACのACアダプタ作成時にやってみたいと思います。
高周波対策のファインメットビーズは試したことがありますが、かなり効きました。
フィルタ系はファインメットくらいしかまだ試していないため今後いろいろ試したいと思います。
TPS7A4700はこうしてみるとやっぱり便利ですね。完成済み基板がそれほど高価でなく、それでいてそこそこのスペック。
オペアンプレギュレータはやっぱりほかと比べれば難易度上がりますね。出力Tr後から基準電圧をとる回路図を参考にするようにします。
ん?LED電源も出力Trのあとから基準電圧を・・・って無理だ。
bytoWano at2017-12-27 08:37
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EDさん
おはようございます。
TPS7A4700を使うとすればDAC電源の1段目となる3端子レギュレータの換装になりますが、ここはすでにアイデアが出てきてしまいました。
具体的には2段目のオペアンプレギュレータとは異なる得意分野を持ったオペアンプで構成することでより個性的な構成にする、ということです。
TPS7A4700よりも実装は難しくなる上、性能面で勝るかどうかは設計とオペアンプの能力次第なので音質が劣る可能性もありますが、まずは個性優先でやってみようと思います。
まあせっかくの自作・改造なので市販品ではやってなさそうなことをやってみたいという気持ちもあります。
>何だか自作支援サイトのようなコメントになってしまってすみませんが
いえいえ、アイデアを持っている方にご提案いただけるのはありがたいことです。よろしければ今後ともよろしくお願いします。
bytoWano at2017-12-27 21:42