日記
GW Asoyaji DAC試聴会 レポ
2018年05月13日
GWに開催されていたAsoyaji DAC試聴会に行ってきましたのでレポを残しておきます。
公式より、当日のシステムです。
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オーディオシステム
DAC AsoyajiDAC スタンダード版、デュカロン版、(バッテリー駆動)
ボリューム TVC(ファインメットコア・ライントランス+ファインメットコア・オート
トランス+セイデンセレクター)
アンプ LM3886 4パラ・モノ・パワーアンプ左右1台
スピーカー EgglestonWorks Andra loudspeaker
FOCAL-JMlab Micro Utopia Be
上流
レンダラー MINIPC、Foobar2000 (バッテリー駆動)
メディアサーバー QNAP+MinimServer
コントロールポイント タブレット
HUB ELECOM EHC-G05MN-HUB(バッテリー仕様に改造)
ルーター ELECOM WRH-583YL2-S(バッテリー駆動)
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こうしてみるとバッテリーばかりですね。
DACが下記の3バージョンあります。
① AsoyajiDAC スタンダード版、商用電源駆動
② AsoyajiDAC スタンダード版、バッテリー駆動
③ AsoyajiDAC デュカロン版、バッテリー駆動
①~③まで全てファインメットトランスによるアナログ段で、③のみデュカロンです。1つの曲に対してこの三つを順番に代え、比較しながら試聴会は進んでいきました。製品化するのは②と③のようです。
スピーカーはEgglestonWorks Andra loudspeakerがメインでした。というかFOCAL-JMlab Micro Utopia Beは機器の不調?のため一瞬しか鳴らさず・・・
デュカロンは1個約20万円だそうで、信号は44.1khz系と48.0khz系の2系統に対応するため2つつんでいました。(これだけで40万円!!!)
■簡易音質レポ
① AsoyajiDAC スタンダード版、商用電源駆動
⇒アナログチックな音。音は広がりが良いが雑身があり圧迫感を感じる。
② AsoyajiDAC スタンダード版、バッテリー駆動
⇒①で感じた圧迫感がかなり軽減された。単純に①の音から進化した感じ。
雑味がとれ楽器の音が聞き取りやすく、埋もれていた音が聞こえるようになった。
さらに音の広がりが良くなったようにも感じた。
③ AsoyajiDAC デュカロン版、バッテリー駆動
⇒②よりも自然な感じで、定位が良くなり音の輪郭がはっきりする。
低域の改善が顕著で、②まではボワついて埋もれてしまっていたところが
しっかりと分離し聞き取れるようになった。
②よりもハイスピードになったような気がする。
3バージョン共通事項
・アナログチックな音、トランス特有の(?)滑らかな音。好きな人は癖になりそう。
・高域に荒いところがある。(後でOSコンが乗っていると聞きましたのでそれが原因と思います。)
・OSコンを使っているだけあってキレが良い。
■試聴会として良かったところ
・行きやすい場所。
・同じ曲でDACをすぐに切り替えて試聴させていただけたので
それぞれのDACの違いがわかりやすかったです。
①は明らかに②のバッテリー版と劣るので、途中から①の商用電源版は聴かなくなりました。
・持ち込んだ音源を再生させていただけたこと。
(クラシック、ジャズを皆さん聞いておられるので、あえてEDMをかけていただきました)
■試聴会として良くなかったところ
・部屋にスピーカーが合わない
⇒メインで使っていたスピーカーEgglestonWorks Andra loudspeakerは大型でマルチwayでしたが、
スピーカーに対して部屋が狭く距離も近かったので、音の発生源がわかってしまい
一体感がない音になっていました。
Focalのほうはブックシェルフなので多少マシでした。
・試聴時の音量が大きすぎる
⇒部屋のサイズに対して音量が大きすぎで、音が飽和した状態になっていました。
・スピーカーが好みに合わない
⇒超個人的で申し訳ありませんが、EgglestonWorks Andra loudspeakerの音は
私の耳に合いませんでした・・・
B&Wのような色づけしないタイプのスピーカーがあればよかったです。
これらは、ガレージメーカーの無料試聴会と考えればいたしがたないところではあります。
先鋭的なDACを無料で試聴させていただけてむしろありがたいところです。
■Asoyaji DACの良かったところ
・アナログチックな音
・サイズコンパクト
・バッテリー駆動のため電源環境を選ばない。
・デュカロンはいいぞ!(値段を除く)
■Asoyaji良くなかったところ
・商用電源版はノイズが多いのか雑味があり立体感に乏しく、
アナログチックな音以外は特に魅力を感じない。
⇒失礼ですが商用電源のノイズを抑制するノウハウが無いんだなと思いました。
バッテリー版は商用電源のノイズから切り離されるので、ある意味合理的な選択だと言えます。
しかしバッテリー版にも欠点があり(後述)、ノイズに対する対策がおそらく不十分であり、
デュカロンやAK4497の性能を十分に発揮することができていない
設計なのではないかなと思いました。
・バッテリーがリチウムイオンのモバイルバッテリー。
⇒リチウムイオンのバッテリーは3.7Vですが、スイッチング方式のDCDCコンバータを経由して
5Vに昇圧して各機器に給電する仕組みになっています。
そのためスイッチングノイズが発生します。
それでも商用電源版と比べてローノイズになるのは商用電源および商用電源版で採用している
レギュレータを経由した電源がモバイルバッテリーのDCDCコンバータより
汚れているからだと考えられます。
しかしDCDCコンバータのノイズが載っていることには変わりありません。
出力電圧5Vで電圧マージンはないわけですから、電圧降下を考えればインダクタも
下手にかませられないでしょうし、十分な対策がされているとは思えません。
鉛蓄電池を採用してそこからリニアレギュレータで降圧すればさらにローノイズで
良好な音質になると思います。ただし、12Vなので発熱が膨大になるのは想像に難くありません。
そうなると、ケースの設計から見直すことになるでしょう。
・デュカロンがDAC基板とは別に乗っていて、コネクタ経由で接続している。
⇒修理や今後のDAC基板のアップグレードがしやすいようにこのような形をとっているのだと
思いますが、デュカロンの位相低雑音を限りなく生かすには悪手だと感じました。
クロックとDACチップを極限まで近づけようとするメーカーもある中で、
逆行するような形になっているのは残念です。
・デジタルボリュームが無い
⇒個人的にはDACをパワーアンプ直結したいのでデジタルボリュームが欲しかったです。
ついでに書いておくと、リモコンもありませんでした。ボリューム機能ないならしょうがないですが。
・入力IFがUSB1系統しかない
⇒Asoyaji DACはPCオーディオ環境を前提とした製品のようです。
同軸出力しかないトランスポータが使えません。SACD聞く方はアウトです。
購入時に依頼すれば同軸入力も対応していただける旨の話はしていましたので
何とかなる可能性はあります。
しかし、PCオーディオとCDP(SACD)を両立したい環境の方はどうなるんでしょうか?
DAIの都合上簡単に対応できない気がしますが・・・
総じて言いたいことは、高価な部品を使っているけれど、そこに至る前にもっと詰めないといけない部分があると感じました。
結構マイナスなことを書いていますが、逆に言えばAsoyaji DACはさらなる飛躍の可能性を秘めていると思っています。
最高峰のパーツを使っているわけですから、海外の数百万円するようなDACを悠々ブチ抜く音質になっていただきたいです。
■まとめ
・Asoyaji DACはなめらかなアナログチックな音で好きな人は癖になりそう。
・デュカロンは高音質。(ただし高すぎ)
・高価なパーツに対して設計がまだ不十分なところがある(と思われる)
レス一覧
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はじめまして、しゅんかんといいます。
> 電圧降下を考えればインダクタも下手にかませられないでしょうし
これはチョークコイルの直流抵抗による電圧降下ととらえてよいでしょうか?
そうであれば、ファインメットのチョークコイルを使うという手があります。
ファインメットであれば少ない巻き数で高いインダクタンスを取れます。
巻き数が少ない分電線を短く太くできるので電圧降下を抑える事ができます。
丁度そんなノイズ対策の実験を日記にしてるところです。
byしゅんかん at2018-05-14 05:03
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しゅんかんさん
ご認識のとおり、チョークコイルの直流抵抗による電圧降下のことです。
ファインメットなら巻き数を抑えられますし、スイッチング周波数にもよりますが効果も期待できそうですね。
ちなみに、試聴会後、Ajsoyaji DACの中身を見せていただきましたが、チョークコイルの類は入っているように見えませんでした。
たぶん無対策です。
bytoWano at2018-05-14 21:07