日記
書斎のサブシステム
2021年03月19日
自宅ワークが増えて、書斎で仕事することが増えました。音楽を聴きながら仕事をしたいと書斎にもサブシステムを構築してきましたが、新たな仲間を迎えました。
スピーカーをもう一組設置するのは邪魔なので、ラックスマンのD-10XとP-750uLimitedを中心にヘッドホンシステムを組んでいます。
電源にも物量を投入しているので、スピーカーシステムと比較しても楽しめるシステムになっていますが、ヘッドホンがデノンのD9200なので、少し相性が良くないと思うようになってきました。
デノンは孟宗竹を素材に使っているので、かなり解像度が高いが、高音が少しきついんですね。キンバーケーブルのAXIOSを使うとかなり良くなりますが、ラックスマンのゆったりさとどうも合わないのです。もちろん、ラックスマンもD-10Xはかなり現代的な鳴り方をしていて、解像度のないフルレンジスピーカーのような音という古いラックストーンのイメージを覆してきています。ラックスマンの最新の機器は音楽性と解像度を高度に両立するようになってきていますが、どうもD9200が個性ありすぎて、それを全て受け止めて、豊かに表現することができていないようです。
そこで、いろいろ試聴して、合いそうだなと思って買ったのが、メゼのエンピリアンでした。40万円のヘッドホンなんて考えられませんでしたが、廃版の色ということもあって新品を安く買えましたし、音質も素晴らしいものでした。ルーマニア製ですがとにかく美しいデザインです。

振動板をマグネットで挟むという高度な構造なのですが、極薄の振動板を使用して繊細な動きをさせるので、極めて解像度が高く、かつ非常に音に厚みがあります。とくに中域に厚みがあるが、高域はナチュラルに仕上げてあるので、とてもゆったりと、濃厚な音楽を楽しむことができます。不思議な感覚です。
価格差があるので、比較はできませんが、D9200はこれと比べると音がキンキン尖って、神経質に聞こえます。竹の性質か、高域は強調されます。エンピリアンはCDを聞いても上質なアナログレコードのように芳醇な音楽として表現してくれます。東欧は素晴らしい音楽家や楽団を輩出していますから、音決めのレベルも非常に音楽性重視で高度なんでしょう。デノンやビクター、オンキョーなどの国産ハイエンドヘッドホンもありますが、既存の高音質化の枠内なのに対して、エンピリアンは聞いたことのない不思議な高音質さなんですね。
オプションのシルバーコートのバランスケーブルも買いましたが、音が尖ってしまい、メゼの良さを減退させてしまいますね。同じくオプションですが、古河の高純度無酸素銅を使用したアンバランスケーブルのほうが、ゆったりかつ高解像度の、豊かな音楽を楽しめます。
デノンも高音質であることは疑いないですが、しかし、デザインはもうエンピリアンに完敗ですね。メゼさんはデザイナーでもあるから当然かもしれませんが。着け心地も完敗です。
日本製品のデザインも何とかなりませんかねえ。グランディオーソはよいと思いますが、なんかオーディオ製品に感動するデザインが少ない。
かつてのジウジアーロのアルシオーネSVXのように、海外デザイナーと組んで、もっと目と耳で楽しませてもらいたいものです。