日記
Nottingham Analogue Studio Spacedeck HD
2019年04月21日
アメリカやドイツのオーディオショーの記事や動画を見ると最近は東欧の国々からの製品が多い。
ベルトドライブなら小さなモーターでテーブルを安定してまわすだけだから個人レベルでも参入しやすいのだろう。
トーンアームも同様、ユニピボットにすればやじろべーみたいなもので、揺れを抑えてうまく安定させる仕組みが出来れば工房レベルでも生産可能。
新参者ばかりではない。 昔からのメーカーも元気が良い。
英国のNottingham Analogue Studioも40年近い歴史を持つ。
創業者Tom FletcherはN.A.S(Nottingham Analogue Studio)を引退して(別の会社を始めたみたいだが)その後2010年10月に病死。
だがN.A.Sはしっかり経営を続けている。 むやみに新製品を投入することなくすでにある製品をしっかりと守って売っているようだ。

Spacedeckを購入したのは2001年7月。 当時の仕様ではテーブルの厚みは1インチ(25mmほど)。
見た目も好みだが、小トルクの小さなモーターで重いターンテーブルを安定して回転させるというその考え方に共感した。
トーンアームは購入せず手持ちのSME Series IVを装着。
それまではテクニクスSL-12000 MK3にSeries IVを付けていたが、ターンテーブルを変えて音の変わりように本当に驚いた。 音楽が鳴っている。
今はSME Series Vを使用している。



2018年に分厚いグラファイトマットのアップグレードキットを導入した。
このHeavy Duty Upgrade Kitはやたらと高額だ。 それに売っているところがあまり無い。
N.A.Sのアメリカ代理店らしきところに連絡したが何の返事もなかった。
しかし英国のいくつかのオンラインショップで販売されている。 海外からの購入だとVAT(付加価値税)なしなので価格もかなり手ごろになる。 ということである英国サイトで購入し輸入した。
すると在庫がないのでN.A.Sに注文したという。 そしてN.A.Sにも在庫がないのでグラファイトを削って作るから少し時間が掛かるという。
結局注文から受け取りまでちょうど1ヶ月ほどだった。 届いた箱は大きかった。 入っていた説明書の絵は相変わらず手書き。
Spacedeckの説明書も手書きの複写で驚いたがそれは17年も前のこと。 いまだに手書きとはちょっとびっくり。


私のSpacedeckは初期のモデルでプラッターの厚みが1インチ、25mmほど。 (現行機種は37mmくらいの厚みになっている)
HDキットのグラファイトマットの厚みもちょうど1インチほど。
これだけ分厚いのにターンテーブルとかプラッターと呼ばずにマットと呼んでいる。 あくまでも本来のターンテーブルに乗せるマットのアップグレード版でこの上に直接レコードを乗せろということなのだろう。
使用しているSME用のアームベースは現在の機種とは取り付け方法が違うのでHDキットに付属してきたアームを高くするスペーサーは使えない。
これは最初から予想していたことだったのでeBayでテフロンのブロックを購入して自分で加工した。
テフロンは想像したよりも加工しやすい。 それにこんなに重いとは思わなかった。
SpacedeckのSME用アームベース

HD Kitの高さにあわせてテフロンブロックでかさ上げした。

グラファイトマットの効果はじわじわとくる。 最初はなんかすっきりとした感じ。 だが立体感、空気感の再現、広大な空間など明らかな向上が確認できる。
解像度も増したような感じ、そして聴くにつれて低音の充実もはっきり認識できる。
簡単に言うと変な言い方になるけどよりHigh-Endな音。
オリジナルのターンテーブルでも十分に良い音で非常にまとまっているがHD(Heavy Duty)にすると一段階高みに上った感じになる(これも変な言い回しだな)。
レス一覧
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はじめまして。
私も昨年NottinghamのSpacedeckを購入しました。ブレることなく長年アナログプレーヤーを製造している信頼のオーディオブランドですね。ブームになって再びアナログプレーヤーを製造し始めたところとは訳が違いますね。本当に素晴らしいの音楽を奏でるという感じです。
HDは良さそうですね。今後の検討課題とします。
また色々教えてください。宜しくお願い致します。
byPhase Freak at2019-04-21 10:28
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自分は若い頃、某国産DD機から英国rega社に買い替えて衝撃を受け、それがきっかけで輸入品に興味がいくようになりました。
>音楽が鳴っている。
まさにその仰る通りの感想でした。
その後、ユニバーサルアームにしたくミッチェルに乗り換えましたが、手書きの分かりにくい組み立て図でした(笑)
イケアの家具に付いてくる図面もそうですから文化なんですかね、、
byにら at2019-04-21 10:31
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私は2007年に同モデルを購入しました。驚いたのは、新品を購入したのにも関わらず展示品が送られてきたことでした。天板には無数の磨き傷があり販売店に連絡すると「それで新品仕様です」。なんなら代理店が磨きますと言ってますがどうしますか?と言われ、文化の違いなんだなと納得した経緯がありました。しかし、今のモデルはピカピカですね。
ベルトは今も使えますし、品質は非常に良いと思います。ベースとプラッターが四角形と円形という図形の原型で構成されているので、今みてもデザインが飽きません。最近、他社の新製品の中には、「ノッティンガムのパクリ?」と思わせるものもあるので、やはりデザインも秀でていると思います。
HDキットは結構重量のあったので、ラックが耐え切れないと思って手を付けなかったのですが、やなり良さそうですね。
by試聴記 at2019-04-21 12:05
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BI1961さん
今晩は!
ライトアップされたスペースデッキ!
素敵な環境ですね〜
カッコいいです。
>音楽が鳴っている。
この感覚、とても共感します!
アナログから出てくる音楽が生き生きしています。
価格を超えて良い製品だと思います。
手書きの説明書なんかも人間味があって好きです。
バズケロは自分でB級品をオーバーホールして仕上げましたが、シンプルなんですよね〜
ベースボードも塗料用コンパウンドを使えば気がすむまで自分で磨けますし、下地の塗装が浮き出てくる具合もワクワクします。
HDキットは試せるものなら試してみたいが...今のバズケロは緊縛中なので(涙)
音楽とオーディオはマイペースでのんびりで楽しみましょう(^^)
では、では
byバズケロ at2019-04-21 23:25
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アキュマニアさん、こちらこそよろしくお願いします。
今のSpacedeckは非常に音楽的にまとまった音のターンテーブルですね。
HDキットを導入するとそのまとまりというか完結した音からはみ出してくるので戸惑いがあるかもしれません。
今の音が気に入っていてあまり変えたくないという場合はHDキットは入れないほうが良いかもしれません。
でもSpacedeckの音の殻を破りたいということなら導入をお勧めします。
問題は価格ですね。 イギリスから個人輸入すれば多分日本の半額くらいで入手できるのではないかと思います。
byBI1961 at2019-04-22 10:25
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にらさん、
ミッチェルのターンテーブルも歴史の長い優れた製品ですね。
見た目も美しい。
ターンテーブルの違いでこれだけ音が変わってくるというのは経験しないとわかりませんね。
ただDDだからベルトドライブだからというよりは全体的な設計思想の問題だと思います。
byBI1961 at2019-04-22 10:28
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試聴記さん、
傷のあるものを新品とされたのはちょっと納得いきませんね。
N.A.Sのターンテーブルはあまり精密機器という感じじゃありませんけど、必要な部分の精度は確保されていて、後は感覚で塩梅よく調整しろというのが面白いですね。
HDキットを入れるとそれまでのSpacedeckの音からはかなり変わります。
明らかにグレードアップなのですが、Spacedeckならではのまとまった音から一段上に行くのでSpacedeckの音そのままに向上することを期待するとその違いに戸惑うことになります。
byBI1961 at2019-04-22 10:39
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バズケロさん、ありがとうございます。
>価格を超えて良い製品だと思います。
本当にそうですね。
Spacedeckはまとまりよく音楽性の高い音を奏でてくれるので無理にHDキットを導入することはないと思います。
確かに導入すれば明らかにアップグレードになりますがSpacedeckの延長上というよりはその殻を破ってさらに一段上に行くという感じになるのでオリジナルのSpacedeckの良さはちょっと失われてしまいます。
byBI1961 at2019-04-22 10:44
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