日記
DigitalTBCのLaserDiscへの最適化
2020年08月30日
昨晩から今晩にかけてDirect Processing DigitalTBCの調整作業を行い各種補正器をLaserDiscに最適化しました。
このDigital TBCは元々1インチVTR用の製品である為、LaserDiscに用いる場合補正器の補整量が十分で無い問題がありました。
また、より正確に調整を行う為デジタルノイズリデューサーとしてFOR-A FA-395Aをシステムへ組み込みました。
今回行った調整は主に補正器のプリセット値の変更であり、本Digital TBCはプリセット値に対して±補整範囲値でマニュアル調整が可能な仕様となっている為、補整範囲内では補整量不足となっていたC Level, DG, DPのプリセット値を変更しました。
項目: 製品仕様 ⇒ 変更後
C Level: ±3dB ⇒ -0dB, +6dB
DG: ±8% ⇒ +16%
DP: ±8% ⇒ -16%
また、Direct Processing DigitalTBCのケーブル補償機とY/C Delay補償器の設定を変更し周波数特性とY/C Delayの最適化を図りました。
本Digital TBCに内蔵されるY/C Delay補償器はオールパスフィルターネットワークによるものでありアナログ回路として実装されており、Y/C間の相対位相遅延のみでなくY信号の高域成分の遅延の補償も行える仕様となっております。
調整結果
ケーブル補償機: 25m
Y/C Delay: -75ns
これらの調整により、デジタル演算処理に伴う画質劣化を完全に回避しながらにY Level, C Level, Setup Levelを適正に得られ、DG, DPなどの歪み, 解像度の低下, 色ずれの少ない無い映像の実現を可能としました。
しかし補整は完全ではなく2, 3MHzが持ち上がり気味でありY/C Delayも少々残す結果となりました。
CLV Discでは25mのケーブル補償では補償しきれない可能性が懸念されます。