日記
Color Decoder画質比較を終えて
2020年09月21日
先日の記事でTRAP/BPFによるY/C分離ではドット妨害やクロスカラーなどY/C間のクロストークノイズが多発する事について述べましたが、動画においてはクロスカラーが思いの外目立ちません。
もちろん全く目立たないと言う訳ではありませんけれども動画から特定のフレームを切り出した静止画サンプルで比較するTRAP/BPFとDCF程の差は見られないのです。
ドット妨害が動画では目立ちにくくなる事はNTSCフォーマットの設計がそれを意図した物となっている為当然と言えますが、クロスカラーについてはそれでも十分に目立つ印象がありましたので意外である様に思いました。
TRAP/BPFと比較してDCFは動画では目立ちにくい箇所程強力にクロスカラーが除去され動画でも目立ちやすい箇所程残留させる事となっている様な印象が視覚的画質としては感じられました。
今回比較に用いたDCFは隣接するライン間と隣接する隣接するSCサイクル間で動作する物であり、これはフィールド内での動作となりますのでY/C Separatorの動作が直接的にこの結果を招いている訳ではなく実際のフィルターの特性と人間の視覚特性の関係で結果的にこの結果となってしまったのでしょう。
本日は新しい画質サンプルの製作を行う為作業をしていた所、現システムの動作に置ける問題が私が把握しているよりも深刻である事に気付き作業を中断する事となりました。
現システムはDirect Processing DigitalTBCとVECによるPMノイズ低減効果を最大限に発揮させ色帯の抑制とY/C分離精度の向上を最大化させる目的でLaserDisc Player内部に少し手を加えてあります。
具体的にはタンジェンシャルサーボを停止させタンジェンシャルミラーを固定させる事で再生信号が持つタイムベースエラーやベロシティエラーなどのジッターを極力素直な状態とする様にしております。
現在私が使用しているLaserDisc Playerの場合、Burst Phase Error信号を用いてタンジェンシャルミラーを駆動しタンジェンシャルミラーを通過したBurst Phase Error信号がスピンドルサーボに回る実装となっております。
所が私はタンジェンシャルミラーにBurst Phase Error信号を供給しない様に手を加えただけでスピンドルサーボへBurst Phase Error信号が供給される様には手を加えておりません。
その為スピンドルサーボが脆弱な物となりディスク外周部でのジッター特性が過度に悪化、結果的にはディスク外周部の再生に支障をきたす状態となってしまっております。
私が把握していたよりも深刻であったのはディスク外周部と言うのがディスクのどの辺りまでかと言う問題で予想していたよりも遥かに内周側から影響が生じる場合が多くAFM信号の復調に支障を来す事も想像以上に多いと今回作業を行っていて気付きました。
ただしこの問題が発生するのは全てのディスクではなく、ディスクにより事の深刻さが異なる為、タンジェンシャルサーボへBurst Phase Error信号が供給される様にもう一手間加えるだけでなくより慎重な調査検証と新規の対策案の検討を進めて行く必要性を感じております。
昨晩、良さそうな物を購入いたしました。
良さそうな物が何かは秘密とさせて頂きますけれども、既製品として最良に近い物でありながらも最良でない物であり代わりがきかず最良でなくとも無いよりは確実にマシでありないと非常に困るものとだけ紹介させて頂きます。