日記
ASRCによるリクロック
2020年09月23日
昨晩、少し前に流行ったASRCによるリクロックの事を思い出しました。
私はこれに否定的であり、音質改善に逆行するものであると考えております。
もちろんエフェクターとして音作りに用いる事には否定的見解を示しません。
ASRC = Asynchronous Sample Rate Converter
ASRCを用いる事で入力信号から再生したクロックをD/A変換に用いずに済む為、入力側やDigital I/F Decoderのクロック再生用PLLに起因したジッターをDA CLKから排除する事が可能です。
しかしASRCは非同期信号を任意のサンプリングレートの信号として引き込む為、入力側で比較的高倍率のオーバーサンプリングを行いそれを出力側のクロックのタイミングで引き抜く動作を行っております。
その為、出力側のCLKでもあるDA CLKに入力側起因のジッターが直接的に混入する事こそ阻止可能であってもAudio DATA側に入力信号のジッターがサンプリングされる形で混入する事となり好ましい結果を得る事は出来ません。
当然の事ながら、入力側でオーバーサンプリングを行っている為デジタルフィルターによる音質的弊害を受ける事となり、出力側のサンプリングレートが入力側の2倍以上で無い場合はLPFの負荷低減というオーバーサンプリングの優位性を全く受けられない散々な結果となってしまいます。